18 名前: 補語 投稿日: 2003/03/22(土) 16:10 [ zLIn6zOk ] あるでぃがいた。モララーに虐待を受けて、命は助かったがしぃ時代の記憶は消え、 知能も著しく低下し簡単な会話しかできなくなった。 しかし、それほど不幸でもなかった。むしろ、怪我や病気や虐殺におびえるしぃ時代よりも幸福だったかもしれない。 それは、でぃは素直でいい性格だったので町の人が保護してくれて、また親切にしてもらっているからである。 他のしぃやチビギコなどには容赦なく虐殺するモララーも、このでぃにだけには優しくした。 優しくする理由は、単にかわいそうだからや、他の人がやっているのに自分がやっていないと罪悪感があるからや、 虐殺の後味の悪さを消すためなど人により様々だが、誰でもでぃに優しくすると自分までうれしくなった。 ある日のこと、一人のモララーがでぃを哀れに思ってリハビリセンターでしぃに戻してやろうと提案した。 すると、皆それに賛同した。せざるを得なかった。 でぃはリハビリセンターに送られ、ニラ湯による表皮の再生や脳手術による知能の復活などで 外見も中身もしぃに戻った。そう、しぃに。 退院間近のでぃ改めしぃをモララーとモナーが見舞いに来た。 「でぃちゃーん、気分はどうモナ?」 「ワタシハ デイジャナイヨ!アンナ キモイノト イッショニシナイデヨ!」 「ごめんごめん、しぃになったモナね。」ずいぶん印象が変わったとモナーは思った。 「ミマイニ キタンデショ!ハヤク、ミマイノシナヲ ダシナサイヨ!」 「今出すけど・・・はい、バナナだよ。」モララーはバスケットの中からバナナを出した。 「ナニヨコレ!マダカタイジャナイノ!オナカヲ コワシタラ ドウスルノ、アヤマリナサイヨ!」 「わるかったよ・・・。」モララーは、しぃの首をねじり上げたい衝動を抑えながら言った。 その後のことは、言うまでもない。恩を仇で返すしぃは皆の怒りの対象になり、 キレたモララーに虐殺されてしまった。今度はでぃにすらなれなかったという。 糸冬