ぽろろ、空腹により

Last-modified: 2015-06-23 (火) 00:55:55
577 名前: がるく 投稿日: 2004/03/26(金) 10:49 [ GPBZC/Ig ]
短編。


狭い路地に、一人のAAが血まみれになっていた
ゴミ箱に背を掛けて、放心状態で眺めていた


眺めていたものは 死体 まるで咀嚼されたような粗引きの




ネオンで黒く変色した血が鈍く照らされている


虚ろな瞳でその死体を眺めていた

左腕に、『P O R O R O』と焼印が押されている


『お前は皆を守るために生まれてきたんだ』

この言葉が自分の中で何回も思い出される

この言葉を言った人・・・・・・

確か、ふさふさと毛の感触が心地よくて、頭には変な帽子を被っていた

そこまでしか憶えていなかった

578 名前: がるく 投稿日: 2004/03/26(金) 10:49 [ GPBZC/Ig ]
空腹により、思考が遮られる


おなかすいた おなかへった    なにかたべたい


喋り声と悲鳴が耳に入ってきた  
「やはり馬鹿ですね、と」
「何言ってるモナ 大馬鹿モナよ~」

鈍器で殴られる音

気がついたらその場所にいた   

ありきたりにモナーとモララーがしぃを虐待していた
自分に二人は驚いた 少なくともしぃはそんな余裕は無かった

「なっなんだYO!俺らは今遊んでんだから邪魔するなよ!」
「それにしても見たことも無い奴モナね」
モナーがしぃの耳をゆっくりとちぎる
筋肉の繊維がブチブチと音を立てて切れる


おなかへった たべたいけどたべちゃだめ


「おい!お前もやりたいのか?」
「ほらー、こっちきてみなよ」
たとモナーが手招きをする

しぃは大きく声を上げようとしたが、口をモララーに塞がれた


言う通りにモナー達の所に向かう

意識はかすんでいた

579 名前: がるく 投稿日: 2004/03/26(金) 10:50 [ GPBZC/Ig ]
おなかへった たべたいけど たべちゃだめ  だめ?


モララーとモナーの声はだんだん聞こえなくなっていて



なんで たべちゃだめなんだろう



耐え切れ無かった


骨が肉体から飛び出し、裂け目ができ、そこから臓物が舞う

触手が二人を捕らえる
二人はあらん限りの悲鳴を出している


口がぱっくりと大きく裂けた

まずはモナーを口に入れる 
骨なんかもろともせずに噛み砕く

その惨状を見てモララーは真っ青に蒼ざめる


おいしい  



モララーも口の中に放り込まれた
モナーとは違ってすぐに食べない


口の中はぬめりとしていてモナーだった物が溢れていた
涙を流しながらなんとか逃げ出そうとする


そして噛み砕いた


そのまま喉へと流す

もう一方の触手でしぃを捕らえ、丸呑みにした





おなかいっぱい おいしかった


身体はあっという間に元に戻る

580 名前: がるく 投稿日: 2004/03/26(金) 10:51 [ GPBZC/Ig ]
私はその様子を急いでメモしていた
「こりゃあ特ダネだ!読者も食らいつくぞ!」

夢中になり過ぎて、手に汗をかいていた
汗でペンを落とす
「あ。落ちた」

急いで拾った

上に気配を感じ、見上げると

「あれ・・・・?」




飲み込まれた





はい、これで話は終わり。
え?じゃあなんでここにいるかって?
そりゃあ当たり前さ


だって








ここは奴の腹の中だろ?

終わり