424 :古爪:2007/10/05(金) 05:49:00 ID:??? お初です。 よろしくお願いします。 『 ガランドウ 入 』 満月。 普段は大人から子供までいる賑やかな公園は、今は月明かりに照らされ青白く輝きながら、静まり返っている。 その公園のスミ、しぃ、と書かれたダンボールの中で彼女、しぃは月を見上げていた。 ・・・世間では虐殺が流行りらしい。 モナーやモララーが、ちびギコや、私と同じしぃを躊躇い無くコロシテイル。 おかげで、綺麗な滑り台の青も今は彼らの血で赤く汚れている。 でも、誰も気にしない。むしろ子供たちはそれを見て、さも嬉しそうに笑う。 ・・・・・・ 彼女はそれを見ても、特別大きな感情は感じない。 それが、日常だから。 まるで蟻でも踏み潰すような感覚で消えていく命。 425 :古爪:2007/10/05(金) 05:50:12 ID:??? その出来事に 慣れてしまった。順応してしまった。 命という巨大な概念への感覚がナクナッテイク。 そんな自分に気づいて、 そんな自分が怖くなって、 もう手遅れなのに、 そんな自分になりたくない。 と、願い、しぃは自分という世界と、外の世界を切り離した。 結果、彼女は壊れた。 体はガランドウ。 精神は、浮遊霊のように意識としてある。 だが、地縛霊と同じく公園の外に出ることは出来なかった。 もう一度戻ろうと思っても、入れない。 しぃは絶望した。 ここから出られず、 体にも戻れず、惨めにこの地で永遠をイキルのか。 そう、壊れた代償は、永遠と孤独。 そのうち感情の起伏なんてものは無くなっていく。 それにも慣れた。 何も感じない、何も考えない。 それが、50年位前の話。