298 名前: 耳もぎ名無しさん 投稿日: 2003/02/16(日) 17:25 [ 55n/7zuY ] 晴れた空の下、ちびギコは1人で公園をうろついていた。 「うすら寒いデチ…」 ふらりと家を出たはいいが、やはり寒かった。 すぐに戻るのもシャクなのでこうして歩いているわけだが、体は冷え切り、 心にまで寒さが染み込んできそうだった。 そんな時、ふと道端に、キラリと光るものを見つけ、歩み寄ってみる。 「キャッ!ナイフデチ!」 刃物を手にとって焦るちびギコ。思わずあたりをうかがうと、 遠くからモララーが歩いてくるではないか。 「殺されちゃうデチ!隠れるデチ!」 とっさに近くの茂みに飛び込んだ。 「危なかったデ…チ?」 右手には先ほどのナイフが握られたままだった。 「捨ててなかったデチ…まあいいか」 しばらくその場にとどまっていたが、ちびギコは茂みの中を奥へ奥へと進み始めた。 今茂みから出るとモララーに殺られそうな気がしたからだ。 邪魔な小枝をナイフで切りながら進む。 「よく切れるナイフデチ…」 299 名前: 耳もぎ名無しさん 投稿日: 2003/02/16(日) 17:26 [ 55n/7zuY ] 少し行くと、茂みの中にぽっかりと草地があった。 目を凝らすと、誰かがいるのが分かった。 「誰かいるデチ。行ってみるデチ」 しかしその判断がちびギコの明暗を分けた。 草地にいたのは、ちびギコの恋人のちびしぃとレコだった。 そしてあろうことかその2体は…コウビをしていた。 「し、しぃたん…」 「ギ、ギコクン、コレハ・・・」 「ハァハァ、モウ イキソウダゾ コゾウ!」 この状況にあってレコは動きを止めようとしなかった。 ちびギコは思った。何が「コレハ・・・」だか。 ちびギコは思った。ちっとは焦れよ、レコ。 どす黒い憎悪がちびギコを支配したが、なおちびギコは冷静であろうとした。 「しぃたん、ここで何してるデチ?」 「チ、チガウノ・・・」 「ハァハァ・・・ウッ!」 「!? レコクン!?」 レコは果ててしまった。 レコのその図太さが逆鱗に触れた。 「そのレコが邪魔デチね…」 300 名前: 耳もぎ名無しさん 投稿日: 2003/02/16(日) 17:27 [ 55n/7zuY ] ちびギコは右手にナイフを持ったままレコに近づいていった。 「逝っちゃったデチか…。ついでにあの世にも逝ってみマチか。ね。 むしろ一度は逝ってみるべきデチよ」 「マ、マッテクレ コゾウ・・・」 「やなこったデチ。自分から死んでお詫びするデチ」 「ソンナ・・・」 「できないなら僕が代わりにやってあげマチよ」 「コゾォォォ!!」 ちびギコはレコをナイフでめった刺しにした挙句、頚動脈を切った。 心臓の鼓動にあわせてリズミカルに血が吹き出る様を見てちびギコはにやりと笑った。 「真っ赤っ赤デチ…しょうがないから許してあげるデチ。 僕は優しいデチから」 いまさら手を止めてもレコが死ぬのは時間の問題だったが、とどめを刺さないのはちびギコなりの優しさだった。 301 名前: 耳もぎ名無しさん 投稿日: 2003/02/16(日) 17:28 [ 55n/7zuY ] 両手や顔を血に染めて、腰を抜かしているちびしぃの方に向き直ると、言った。 「僕で不満なら、とっとと言ってくれればよかったのに。 僕だってそれなりに努力してマチよ?」 「ソレハ・・・」 「そんなにコウビしたいなら公衆便所にでもなるデチ」 「エ・・・?」 「便器が動いちゃいけまちぇんから、切りマチよ? しぃたんの手足を。」 「ヤ、ヤメテ!ユルシテ!」 「便器がしゃべるなんざ外道デチ」 ちびギコは雑草を引っこ抜いて、根っこの土も払わないままちびしぃの口にねじ込み、 左の肩にナイフを突き立てた。 「ン゙ッッ!?」 ちびしぃは悲鳴をあげようとしている。 「クスクス、あれぇ~?切れないデチィ~。 やっぱり最後は自力デチかねぇ~?」 そういうと、刃の半分くらいまで埋まったナイフを引き抜き、 傷口に爪を立て、思い切り引っ張った。 「ン゙ン゙ン゙ン゙ーーーッ」 ちびしぃが気を失いかけているのを見て、ちびギコは手を止めた。 「やっぱりだめデチ、切るならナイフに限るデチ」 左手をあっさりと切り落とすと、右手、左足もたやすく切り落とした。 右足にかかろうとしたとき、後ろから声がした。 「楽しそうだな、俺も仲間に入れてくれYO!」 モララーがニヤニヤしながら立っていた。 しかしちびギコは「うるさいデチよ」と、ナイフを投げた。 ナイフはモララーの心臓を捉えた。モララーはあっさりと死んだ。 ちびギコはモララーに刺さったナイフを抜き取ると、改めて右足を切り落とした。 302 名前: 耳もぎ名無しさん 投稿日: 2003/02/16(日) 17:30 [ 55n/7zuY ] 「さて…ここがばれたということは、そのうち他のモララーもここに来るってことデチ」 「ン゙ン゙?」 「雑草くらい吐き出させてやりマチか…」 「ブハッ! イタイ、イタイヨ・・・ゴメンナサイ、ゴメンナサイィ・・・」 「便器が謝る必要なんてないデチよ、それよりももう、僕らには時間がないデチ。 タイムアップデチ」 「ソンナ・・・」 「僕と一緒に死ぬデチ」 「オナガイ、ヤメテ・・・」 「できの悪いホラー映画みたいに死なせてやるデチ」 そういうとちびギコは自らの腹にナイフを立て、ナイフを横へスライドさせた。 血しぶきが飛び、ちびしぃの顔を真っ赤に染め上げる。 「イヤァァーッ!!」 「ヒヒヒ…痛いデチ…」 ちびギコは腹を手探りし、腸を引きずりだす。 「フヒ、フヒヒヒィ…」 それをシュルリとちびしぃの首にかけると、ちびしぃの首を締め上げた。 「ヤベ・・・テェ・・・」 「苦しい…デヂィィ…」 ちびしぃはやがて息絶えた。 ちびギコの視界もどんどんホワイトアウトしていく。 何もかもが真っ白だ。先ほど血に染めたちびしぃの顔も。 「あれ?しぃたん赤色じゃなかったんデチか?」 そう言い残してちびギコは事切れた。 相変わらず空は青かった。