ピアス

Last-modified: 2015-06-07 (日) 10:22:30
57 名前: ピアス 投稿日: 2003/01/30(木) 08:41 [ bU.0uvnM ]
漏れはちびギコやしぃが大好きだ。中でもベビギコが大好きだ。
今日、捨てられているベビを見て、たまらず拾って帰ることにした。

「ミュー♪」
段ボール箱の中で震えていたベビは、漏れに抱き上げられると嬉しそうに鳴く。
よしよし、かわいそうになぁ。一体誰が捨てたんだろうねェ、こんなにかわいいのに。

ベビを家に連れ帰ると、ミルクを飲ませる。
温度にも気をつけ、火傷をしないように人肌に暖めてやる。
久しぶりであろうミルクに、ベビはとても嬉しそうだ。
「ミュー、ミュー♪」
そうか、うまいか。よしよし。
さて、ミルクを飲むと、ベビは眠くなったようだ。
そっと抱き上げてやると、やがて漏れの腕の中で小さな寝息を立て始めた。

ベビはかわいいなぁ。
だがこのベビは、捨てられていた所為か見た目があまり良くない。
綺麗にすれば、もっとかわいくなるだろう。

漏れはベビを起こさないように、そっとテーブルの上に置いた。
そして、戸棚から小さな箱を持ってきた。
箱の中には、装飾品がぎっしりと詰まっている。
漏れが趣味で買い集めた装飾品の数々だ。

……やはりピアスだな。
小さなベビには、小さなピアスが良く似合うだろう。
箱の中から、ピアスと針を取り出すと、静かにベビの耳をつかんだ。

58 名前: ピアス 投稿日: 2003/01/30(木) 08:42 [ bU.0uvnM ]
穴を開ける。ピアスをつける。
手が滑って少し血が出たが、ベビは気づかない。

穴を開ける。ピアスをつける。
穴を開ける。ピアスをつける。
穴を開ける。ピアスをつける。

「…ミュ?」
おっと、目が覚めたようだ。
穴を開ける。ピアスをつける。
「…ミ、ミギュー!! ミ゙ュー!! ギュー!!」
急に鳴き喚き始めた。少し痛かったのだろうか。
だが、これもベビをもっとかわいくするためだ。少し我慢してもらいたい。
穴を開ける。ピアスをつける。
穴を開ける。ピアスをつける。

「ミューミュー!!」
…痛がって暴れるので、耳の周囲にぐるりとピアスをつけ終わるのに30分もかかってしまった。
だが、これで大分かわいくなった。うん、やはりベビはかわいい。
ベビは鳴き疲れたようで、まだ暴れるものの、鳴き声は小さくなった。

さて、少し休憩したら、今度は体にもつけてあげよう。
今時、耳だけなんてつまらないからな。
ベビギコは這って動くから、つけるなら背中だ。
背中一面にピアスをつけたら、素晴らしく綺麗だろう。

柔らかい背中の皮をつかんで、針を一気に突き通す。
皮膚が薄いのか、けっこう血が出た。
「ミー!!ミギューーーーー!!! ミーミミーーーミギューー!!」
…もう大人しくなったと思ったのに、また騒ぎ始めた。
だが、ここで虐殺厨のように殴ったりはしない。
痛いのだろうから、仕方ないことだ。
漏れにできるのは、早く作業を終わらせ、早くベビを楽にしてやることだけだ。

59 名前: ピアス 投稿日: 2003/01/30(木) 08:42 [ bU.0uvnM ]
1時間後、ベビの背中に3本のラインができた。
耳には縁を取り巻くように銀のピアス。背中には3本のカラフルなピアス。
……うーん、素晴らしい。かわいい。思わずダッコしてほお擦りした。
「ミュ…ミーミー」
ベビが弱々しく鳴く。
そうか、痛かったか。ごめんな。でも、物凄くかわいくなったから、許してくれるよな。
「ミューミュー…ミュ」

ベビの体は血まみれだった。
そう言えば、皮膚が薄いから、穴をあけるたびに血が出ていた。
……バイ菌が入ったら大変だ。消毒してあげないと。
漏れはオキシドールを洗面器に注ぐと、ベビを抱き上げてその中に入れた。
ジュワッ
そんな音がしたような、気がした。

『ミギューーーーーーーーーーーー!!!!』
染みたようだ。でも、こうしないとバイ菌が入っちゃうから、許しておくれ。
っと、ショックで脱糞したみたいだ。しょうがないなぁ。
ベビを洗面器から上げると、優しく体を拭いてやる。
手に糞がついたが、かわいいベビのためなら気にならないね。

ベビはタオルで拭かれている間、体をヒクヒクさせていたが、やがて動かなくなった。
疲れたのかな。さっきまで外に捨てられていたんだから無理もない。
今夜はゆっくり寝かせてあげよう。
明日、たっぷりとかわいがってげるからね♪

60 名前: ピアス 投稿日: 2003/01/30(木) 08:42 [ bU.0uvnM ]
翌朝、ベビは目を覚まさなかった。
漏れはその日、一日中ベビをダッコして、綺麗に飾られた体を愛でてあげた。
かわいそうなベビ。きっと、寒い外の暮らしで体が弱っていたんだろうね。
でも、死ぬ時だけでもこんなに綺麗な体になれて……
思わず、涙がこみ上げてきた。
声を上げて泣いた。
こんな悲しみは二度と感じたくないと思った。
だが、もしまた捨てられているベビがいたら……

やはり拾ってくるだろう。そしてかわいがってやるんだ。
だって、漏れはベビギコが大好きだから。


              終