ベビ虐5-

Last-modified: 2015-06-13 (土) 21:21:48
351 名前: ベビ虐5-① 投稿日: 2003/06/14(土) 17:07 [ 7KG06aYA ]

小さなベビーチェアーに座るベビしぃは、
フリルのついたピンク色のドレスを着てニコニコと笑っている。
テーブルの上にはしぃの顔を模した手作りのケーキや、
甘いジュース、持ち手にリボンのついたチキン、
イチゴやさくらんぼがたっぷり入ったフルーツバスケット、
生クリームがちょこんと添えられているプリン。
ケーキの上には 「ベビチャン オタンジョウビ オメデトウ」 の文字。
今日は、ベビしぃの初めての誕生日。
オカアサンと一緒に祝う、楽しい一日。
「ベビチャン オシャシン トリマスヨ!」
お姫さまのような格好をしたベビしぃは、母しぃがカメラを構えているのを見ると、
可愛らしくポーズを取った。

カシャリ。

「モウ イチマイ!」
母しぃは愛情溢れる眼差しで、カメラのレンズに映る我が子を見つめていた。


母しぃお手製のケーキを食べ、お腹いっぱいになったベビしぃは、
ドレスを風になびかせて、家の近所の堤防で花を摘んでいた。
小さな手で、シロツメクサの花束を一生懸命に作っている。
時折シッポの先端にモンシロチョウが羽根を休めに来るのを、
ベビしぃは楽しそうに見たりして、はしゃいでいる。
ふと、何かの気配に気付いたベビしぃは後ろを振り返った。
ベビしぃの目には猛スピードで自分に迫ってくる一台の車が映っている。
「ヴァァァァッ!?」
ドスン。という音と共に、ベビしぃの体はボンネットの上で一回バウンドすると、
下に田園地帯の広がる緩やかな坂をゴロゴロと転がっていった。
ベビしぃをはねた車はその場に止まった。
「…誰も、誰も見てなかったんだからな!」
運転席からスーツを着たモララーが慌てて飛び出して来て、
腕から血を流し、土埃にまみれて気絶しているベビしぃを車のトランクに乗せて走り去った。

352 名前: ベビ虐5-② 投稿日: 2003/06/14(土) 17:08 [ 7KG06aYA ]
マンションに着いたモララーは、トランクの中から気絶しているベビしぃを取りだし、
車の中にあったダンボールにベビしぃの体を押し込めると、
平静を装ってエレベーターに乗り込んだ。
マンションの最上階が、彼の住む部屋だった。
彼は、途中で誰も乗り込んでこないように祈りながら、
黙って回数表示のボタンが最上階に近づいていくのを見詰めている。
エレベーターは最上階でゆっくりと開いた。
「あぁ、やっと着いた。」
彼は震える手でカードキーを挿し込むと、部屋のドアを開けて入り、
後ろ手にドアの鍵を閉めた。
彼は脂汗をびっしょりと額にかき、体はガタガタと震えている。
「…こんな雑巾のせいで僕の人生がメチャクチャにされたらおしまいだ!」
彼は恐る恐るダンボールを覗きこんだ。
ベビしぃは口元から血を流しながら、小さなうめき声を上げていた。
ピンク色のドレスは血が飛び散って、跳ね飛ばされた時に車に打ちつけられた片腕には、
血の塊がベットリとついている。
「あれ?」
彼はベビしぃの手に握られたシロツメクサの花に気付いた。
手から出た血液がついたのか、真っ白だったシロツメクサの花びらや茎に、
血液がついているのが見えた。
彼は、ダンボールをひっくり返すと乱雑にベビしぃをソファーの上に放り出した。
高い所から落とされた衝撃で、ベビしぃは目を覚ました。
ベビしぃは痛かったのか体を擦ったり舐めたりすると、
ベビしぃは何も言わず、黙って彼を見た。
ダッコポーズを取ってダッコをねだる事も無く、
ただ黙って彼の顔を見詰めている。
彼は、段々と苛々してきた。
「どうして逃げなかったんだよ!」
ベビしぃの小さな体を前後に揺らしながら、彼は問い詰めた。
「お前があそこにいなければ、僕は事故を起こさずに済んだんだ!」
ベビしぃは激しく揺さぶられ気持ち悪くなったのか、イヤイヤをするように、
頭を左右に振った。
「しぃの分際でこんな洋服なんて着やがって!」
彼はそう言うと、ベビしぃの体をドンと後の方に突き飛ばした。
ベビしぃの体はソファーの背もたれに打ちつけられ、ドンと横に倒れると、
床の上に転がった。

353 名前: ベビ虐5-③ 投稿日: 2003/06/14(土) 17:09 [ 7KG06aYA ]
大分時間が経って、落ち着きを取り戻した彼は、
ベビしぃの着ている血の付いたドレスを乱雑に脱がせると、
ベビしぃを風呂場に連れて行った。
「ほら、体を洗うんだよ!」
彼は涙を流して嫌がるベビしぃの体に、シャワーをかける。
体についた血液を洗い流す為、冷水をかけられたベビしぃは、
ビショビショになった体を震わせて、モララーを見ている。
彼は、背中に冷たいものを落とされたような感覚を覚えた。
「僕を見るなっ!」
ゲシン、ゲシン、ゲシン。
彼は何度かベビしぃの顔を蹴り上げた。
「そんな目で見られると、腹が立つんだよ!」
ベビしぃはうめきながら必死で逃げようと、風呂場のドアを開けようとする。
「逃げるな!…絶対この部屋から出さないぞ!」
彼はベビしぃの首根っこを掴むと、
ベビしぃの顔に平手打ちを飛ばした。

さっきのシャワーで大分疲れたのか、ベビしぃはパタリと横になると、目をつむった。
彼は大きな溜め息をつくと、壁にもたれる。
「コイツのせいでせっかく築いてきた生活を壊されるのはゴメンだ…。」
彼は、小学校からのエスカレーター式私立学校を大学まで出て、
有名商社の商社マンとして働いている。
仕事もかなりこなせる方で、それなりのポストについていた。
そんな彼は、数年前に結婚して、一人の娘が生まれたばかりだった。
数ヶ月前から支店での指導を命じられ、単身赴任でマンションに一人暮しをしていた。
部下からも、上司からも信頼が厚く、仕事も上手く行き、まさに順風満帆…。
そんな時に、彼は堤防で花を摘んでいたベビしぃを跳ね飛ばしてしまったのだった。
「もし…。コイツがココから逃げて僕の事を母親に話したりなんかしたら…?」
彼の脳裏に浮かんだのは、バラバラと崩落していく幸せな暮らしだった。
「嫌だっ…。せっかくココまでッ…!!」
彼は頭を左右に振って、脳裏に浮かんだ考えを払拭しようとした。
ベビしぃは彼の側で、傷だらけの小さな体をクルンと丸めて寝息を立てている。
「こんなクソ生物なんかに僕の生活をメチャクチャに……。」
彼はハッと気付いて顔を上げた。

354 名前: ベビ虐5-④ 投稿日: 2003/06/14(土) 17:10 [ 7KG06aYA ]

首輪で繋がれたベビしぃは、怯えながら彼を見詰めている。
彼の手には、手入れのされた包丁が握られていた。
風呂場の中で、ベビしぃを助けてくれるものは何処にもいない。
「……お前を家に返すと僕の事がバレる。…僕にはあいにく大事な家庭と仕事があるんでね。」
彼はそう言うと、ベビしぃの大きくて真っ白な耳目掛けて包丁を振りかざした。
「……ヴゥッ!」
ベビしぃの耳の付け根がぱっくりと割れ、そこから血液がドクドクと流れる。
ベビしぃは切り落とされたオミミを必死に元に戻そうと、
耳の付け根に一生懸命にあてがっている。
「今度はオテテだよ。」
彼は切り落とされたオミミを持っている手を掴むと、肩の付け根に向かい、
刃先を落とした。
スパンと小気味よい音が、風呂場にこだました。
ベビしぃは失った片腕をかばうようにゴロゴロと風呂場のタイルの上を転げまわり、
ボロボロと涙を溢しながらうめき声を上げた。
「最初は助けようと思ったけどね。気付いたんだ。糞虫に包帯も薬も必要無いって。」
彼は薄ら笑いを浮かべながら、タイルの上を転げまわるベビしぃを見ている。
「それに…しぃはおしゃべりで気に食わないんだよ。…今度はアンヨにしようね。」
彼はベビしぃの腹に膝を立てて乗ると、バタバタと動いている片方のアンヨに包丁を入れた。
「アハハ…カカシみたいだね。」
ベビしぃは無言でガタガタと震えながら、彼の顔を見ている。
「それだけじゃないよ。僕はね。何でもダッコで解決しようとするしぃの考えも、
被虐生物で何のとりえも無い癖にバカバカとベビを生む所も、
……しぃがきれいな洋服を着るのも癪に障るんだよね。」
「………ヤァ…ヴァベデェ…ヴァヴァァ…ダァァウウゲデェェェ」
ベビしぃは全身の力を振り絞るような声を上げた。
(やめて。ママ、助けて。)
ベビしぃはそう言ったつもりだった。
彼はきょとんとしてベビしぃの事を見た。
「何をわめいてるか分からないけどさ。僕はお前を殺すからね。」
彼は、ベビしぃの腹にまっすぐに包丁を突き立て、一気に下に下ろした。
「グギャァァァァッァァァァッ!?」
ベビしぃの腹の中からはきれいな色をした臓器が多量の血液に混じって零れ落ちる。
ドクドクと滴り落ちる血液と、モララーの薄笑いを浮かべたままの顔。
ベビしぃはそれらを交互に見詰めている。
そうして何度か体を大きく痙攣させると、カハァッと血液を吐き出して、
崩れるようにその場に倒れこむと目を開けたまま事切れた。

355 名前: ベビ虐5-⑤ 投稿日: 2003/06/14(土) 17:11 [ 7KG06aYA ]

翌朝、彼は出社をする為、駅の中の通路を歩いていた。
改札口の所で、一匹のしぃが何やら紙を配りながらわめいている姿が見える。
「シィノ ベビチャンガ キノウカラ ユクエフメイ ナンデス! 」
彼はちらりとわめき続けるしぃの顔を見る。
目に涙を溜め、昨日から行方不明だというベビしぃの顔写真が貼られたダンボールを首から下げ、
必死に通行人に呼びかけている。
通勤ラッシュと言う事もあって、目の前に出されたチラシを受け取る物はいない。
「ベビチャンハ オミミガキコエナインデス! ダカラ オシャベリガ ウマク デキナクテ…!キノウガオタンジョウビデ
ピンクノ ドレスヲキテマシタ!…ダレカ ミタヒトハ イマセンカ!?」
地面に投げ捨てられたチラシに載っていたのは、ピンクのドレスを着て、
沢山のご馳走を目の前に微笑んでいるベビしぃの写真だった。
彼が昨日、車で跳ね飛ばし、家に連れかえって殺したベビしぃだった。
(あぁ。アイツの親か)
彼は必死で通行人に訴えかける母しぃの顔をまじまじと見た。
ベビしぃの死体は今朝、バラバラに出来るだけバラバラにして、生ゴミとして出した。
「オナガイシマス! シィノ ベビチャンヲ サガシテクダサイ! タッタヒトリノ タッタヒトリノ ベビチャン ナンデス!」
母しぃはそこまで言うと、声を詰まらせて泣きはじめた。
「奥さん、がんばって下さい。ベビちゃんが見つかるといいですね。」
彼は泣いている母しぃにそう声をかけると、自動改札を抜けた。
「シィィ! アリガトウゴザイマス!…シィノ ヘビチャンガ キノウカラ ユクエフメイデス!」
母しぃはもう一度声を振り絞って、道行く人々に声をかけ始めた。
(まぁ、どんなに探しても、もうムダなんだけどな)
彼はそう思いながら、さっき貰ったチラシをグチャグチャにしてゴミ箱に投げた。

暫くして、彼の乗る電車がホームに滑り込んできた。
彼は電車に乗りこむと、可笑しいのをかみ殺しながら、
改札口の側で必死にチラシを配る母しぃの姿を見えなくなるまで見詰めていた。

ーーーーーーーーーー完ーーーーーーーーー