445 名前: 耳もぎ名無しさん 投稿日: 2003/02/23(日) 01:37 [ TP6f0Fn. ] 1/2 しぃは今日もゴミ箱から残飯を漁っていた。食べれるものなら腹がくちくなるまでなんでもいれた。 そのなかの1つに南京虫の卵が産み付けられているとも知らずに。 朝起きた時、しぃの体調は急変していた。腹の中で孵化した南京虫がその中で蠢いていた。 「シィ、ナンカ、気分ガワルイ」 しかしそれも何かを腹に入れればすぐによくなるだろう、そう考え、いつもの日課をこなした。 結果としてそれは最悪の選択だった。腹の中に入った食物は自身の栄養とはならず、 南京虫の数を等比級数的に増殖させた。 初代の南京虫から5代目の子孫が生まれた頃、しぃは体に明らかな違和感を感じていた。 「シィィ… シィノカラダ、ナンカ、ヘンダヨォ…」 自分の体の中を何かが這い回る悪寒。腹の底から響く、無気味な不協和音。 当然の吐き気を催し、嘔吐したそのなかから大量の虫の足と羽を見たとき、恐怖のあまりしぃは失禁した。 「シィィィィ!! シィノカラダ、ドウナッチャッタノォ!?・・…」 446 名前: 耳もぎ名無しさん 投稿日: 2003/02/23(日) 01:39 [ TP6f0Fn. ] 2/2 さらに日を追うと起って歩けないほどに衰弱していた。 もう気のせいではない。大量の南京虫はしぃの内臓までも食い荒らし始めていた。 体をゆするとガサガサと音がする。皮膚の下1枚を虫が這い回る狂いそうな不快感。小水をするとき尿道に激痛が走る。 「ハ、ハニャァァァァァァ!!!」 耳の奥に脳髄に突き刺すような痛みがさし、たまわずあたりをのたうちまわった。 限りない至近距離に虫の羽音の大音量が聞こえたかと思うと、それは出てきた。 初代から数えて8代目、ついに南京虫はしぃの鼓膜を食い破り、体外に出たのだ。 もうしぃにはあれから何日経たかもわからない。脳の一部を食われたのだ。 皮膚の下1枚でしぃの全身を南京虫が這い回り、不気味な蠕動運動を繰り返している。 そして時は来た。しぃの顔が不自然に膨らみ、裂けた割れ目から大量の南京虫が羽音ともに飛び出してきた。 それはあたかもさなぎから脱皮した蝶の様でもあり、この世の地獄にも見える光景だった。 オチなく終わる。