座頭モラ (1)

Last-modified: 2015-06-17 (水) 02:39:44
514 名前: 座頭モラ 投稿日: 2003/08/01(金) 23:30 [ 7l5xVBN. ]
そのモラは深い闇の中、ただ一つの光を求めて
彷徨ったり彷徨わなかったり。
彼の訪れた場所にのこされた、四つの文字。

『虐殺万歳(マンセー)』


〆座頭モラ〆

この常時目をつむったモララーの眼には光が刺さない。
つまり彼は座頭なのだ。
彼は木製の棒を器用に扱い、諸国をめぐり按摩をしていた。

「お客さん、腰のあたりひどいねぇ」

客のシラネーヨの腰のあたりを、親指で力強く押しながら座頭モラは
大変和やかな口調で呟いた。

「ソンナニヒドイカーヨ」

「ええ。大分酷使ししておりますねぇ」

「イヤ、昨日ニョーボガーヨ、メズラシーク大胆なネグリジェエ着テーヨ
ソンデツイハァハァシチマッテ、…シツレヒ。最近税ノトリターテガ
ヒドクーテヨ。」

515 名前: 座頭モラ 投稿日: 2003/08/01(金) 23:41 [ 7l5xVBN. ]
「税?」

思わず座頭は聞き返した。

「アア、ココハ城下町ダーロ?ソコノ城ノヒメサマノ『しぃ』サマガ
オットロシイ量ノウマー棒ヲ税トシテ、毎週各家庭カラ100ポン献上スル
ヨーニ定メタンダーヨ」

それを聞いた座頭は思わず口をパカッとД開けた。
諸国をめぐってきた座頭であったが、毎週百本のウマー棒を税とする
町、国はなかった。

「ひゃ、百本!?ヒャッポンですかぃ!?」

「ソウナンダーヨ毎日毎日ハタケデウマー棒育テダーヨ
疲レルーヨ腰モヒドクナルーヨトホホノホダーヨ」

「百本…大変で」

大変ですねぇ、と敬意の念を込めて言いかけたときであった。

「コラッ!」

カンにさわる、嬌声が茶屋に響いた。

516 名前: 座頭モラ 投稿日: 2003/08/01(金) 23:54 [ 7l5xVBN. ]
そこに立っていたのは『しぃ』だった。
貧しいここいらの平民に比べると、かなり整った服装であった。

「…あれが噂のしぃ姫ですか」

小声で座頭は、シラネーヨに訪ねた。

「イヤ、しぃ姫ノ部下ダーヨ。姫ト同ジデ権力ヲタテーニムチャヲ
イイマクルンダーヨ。ヨヨヨーヨ」

つかつか、と茶屋へと入るしぃ姫の部下。
ここの茶屋は本来、玄関口で履物を脱ぐのだが、そのしぃの部下は
土足であった。綺麗な、掃除したてと思われるゴザに汚い土がまかれる。

「ヤイ、テンシュ!」

しぃの部下は茶屋の主人の、ギコ猫を呼んだ。

「は、はい何でしょうか『しぃぽん』様」

しぃ姫の部下はしぃぽん、なる名である事が分った。
しぃぽんは再び、カンにさわる声で騒ぎ始めた。

「ホラ、テンシュ!アンタハギコダカラ特別ダッコサセタゲル。
ナンナラ、コウビモイイワヨ。ホラ、サッサトオシ!ダッコダッコ
コウビコウビ!ハヤク!」

店長はもろに『いい加減にしてくれい』と言った顔をし、こめかみに血筋を
浮かべながらも営業スマイルをした。

「いえ、ご好意は嬉しいかぎりですが、何ぶん営業中で」

「キーッ!ダッコナサイ!コウビナサイ!コウビシナイ、ダッコシナイ、
ダカラギャクサツチュウヨアンタハ!我ガ国『弐ちゃんねる』ノハナデアル
シィヲダッコシナイ、ソレギャクサツチュウ!ダッココウビダッココウビ!
マターリ!ギャクサツチュウ!ダッコウビ!」

もはや収集のつかなくなった時、座頭は開口した。

517 名前: 座頭モラ 投稿日: 2003/08/02(土) 00:09 [ pviDgDLw ]
「しぃぽん殿、コウビもいいですが、按摩なぞいかがでせうか?」

とびきり和やかな顔つきで座頭は話し掛けた。

「アンマ!?イヤラシィ!ドウセ、マッサージノフリシテシィポンチャンノ
オチリヲモミモミスルンデショウ!?アンタノババッティユビナンテ、ヤ!」

「いえいえ、『せくしゅあるはらすめんと』なぞというイカガワしい行為は
一切ありませぬ。それは誓います。それに、貴女のビボウ故金銭はいただかない
事にします。生涯、しぃぽんさまのしなやかかつセクしぃな肢体を按摩できた
だけで、それこの私、大往生です」

「フン、メ@ラノブンザイハワカッテルミタイネ。イイワ、トクベツニ
アンマサセテアゲヨウゾ」

「ははーっ。前進全霊こめてやらせていただきます」

座頭の目前でしぃぽんは仰向けになり、憎まれ口を叩いた。

「サッサトヤレ、メ@ラ!」

そう言われても、なおも座頭は和やかな微笑をうかべおもむろに親指を
突き出した。
リズムよく、座頭の親指が動く。

「…しぃぽん様、肩がひどく凝り固まっていますねぇ」

「アタリマエ!シィポンチャンノシゴトハ、アンタミタイニラクジャナイノヨ!
カタモコッテトウゼン!アア、ミブンガオモイトツライワァ」

「いやぁ、相当ハードなお仕事なんでしょうねぇ。こりゃ、すごい。
少々、特殊なマッサージ法を用いましょうか」

518 名前: 座頭モラ 投稿日: 2003/08/02(土) 00:29 [ pviDgDLw ]
次の瞬間、シラネーヨの側にあった長い漆塗りの机がなくなった。
すると、しぃぽんは悲鳴をあげた。

「ジイイイイィィイイィィィイイィィィィ!?」

しぃぽんの背中に、机が乱暴に置かれていた。

「いやぁ少々ハードにしませんとねぇ。このこりようは酷い…」

そう言いながら、座頭はしぃぽんの背中に叩き付けられた漆塗りの
机の上に飛び乗った。

「ジィ!?ィィ…シィ…ド…イテョゥ、ドキナサイ!イタイ!イタい!
ホネガ!シィチャンノスリムナホネガ!ツ、ツブレチャウゥゥ!!」

「ええ、潰れるくらいでないとねぇ…言ったでしょう?特殊な…と」

座頭の微笑は、見る者を退かせる生々しい微笑だった。
さらに追い討ちのごとく、足をぐりぐりと踏みにじる座頭。

「ヒャッ!イタ…イ!」

「痛いですかぁ、それはほぐれつつあるからですよ。もっと…」

今度は足を幾度となく踏む、踏む、踏みまくる。容赦なく、踏む。
ギィ、ギィと机が鳴るたびしぃぽんの悲鳴も鳴り、時たま骨が砕けるような
けたたましい音がする。

「オナガイ、オナガイ、ヤメテェ!メ@ラッテイッタノ、アヤマルカラァ!」

「いやぁ、全然気にしてませんよぉ。その言葉は聞きなれてますからねぇ。
そう言って下さった方にはいつもこのようなスペシャルマッサージを提供
しておるのです。…骨が粉になるまで、このマッサージをねぇ」

519 名前: 座頭モラ 投稿日: 2003/08/02(土) 00:35 [ pviDgDLw ]
「ギャァァヒィ オナガイヤメテ モ、ダメポ…」

それがしぃぽんの辞世の句であった。
首の骨がグシャリと折れた瞬間、しぃぽんはこと切れた。

「スペシャルマッサージを充分御堪能していただけたようですねぇ。
どうです?気持ちよさに昇天していただけましたか?まぁあなたの
場合昇天ったって地獄落ちでしょうがねぇ(藁」

凍り付いた周囲の茶屋の客達に、一通り笑顔を振りまくと座頭は
茶屋の主人にしぃの牙城の居場所、そして彼女はどのような悪行を
重ねているからを聞くと店を出た。


つづく…と思います

521 名前: 座頭モラ 投稿日: 2003/08/02(土) 01:46 [ pviDgDLw ]
「ここ…みたいだな」

座頭は独り呟いた。
この座頭は修行の末、『気』で周りの風景、段差、人間等を感知している。
杖は言わば自分が盲目である事の象徴みたいなものである。
…だがこの杖にはもう一つ使用方法がある。だがここでは伏せておこう。

「待テ!」

入り込もうとした座頭を、門番の2匹のしぃが止める。

「ココハアンタミタイナメ@ラノクルトコロジャナイ!」

「ココ、オシロ!サッサトドッカ逝ケ!…トコロデ」

急にしぃの目つきが媚びたようになった。

「ナンカナイ?モノニヨッチャ、ココロヒロピロノシィチャン、
アワレナメ@ラヲトクベツトオシテアゲルワヨ?」

「シィンチャン、ヤッサシィ!ジャ、コノケシィチャンニモナンカ
チョウダイ!トクベツ、ウケトッタゲル!」

「…差し上げると言っても…私しがない一介の按摩師に過ぎませんので…
マッサージくらいしか…」

「マッサジ?ソレ、ナニ?アオモリノオカシ?」

「ソレトモ、サヌキノメイカ?(名菓)」

マッサージも知らない、うつけものの門番、シィンとケシィに座頭モラは
説明した。

「手短に言いますと、あなた方の疲れをとる仕事です。肩や腰なんかを揉んで…
そうすると身体にはりができて、元気になるんです」

「ア!」

ケシイの方が声をあげた。

「ドシタノケシィ?」

「ソレ、コノマエテレビデ観タ!かいろ…ぷらすちっくトカイウヤツ」

「ああ、それはカイロプラティックと言う南蛮のマッサージです。私のは
カイロプラティックよりもききますよ」

「ヤッテヤッテ!シィンチャンカラサキニヤッテ!」

「ズルイ!ケシィ、ケシィチャンガサキダヨォ!」

ケシィとシィンはわめき始めた。その、こうるさい事と言ったら、筆舌しがたい。

522 名前: 座頭モラ 投稿日: 2003/08/02(土) 01:46 [ pviDgDLw ]
「まぁまぁ…私のは同時に二人できますんで」

「ナラソレ、サキニイッテ!コレダカラメ@ラハ…」

…言う間でも無く、それでも座頭は和やかな微笑をうかべていた。

「ははは、め@らですかぁ…ま、とにかく。肩をもむんでお二人がた後ろへ向いて…」

「ハァーィ」

”用ガスンダラ、サッサト追イ払ッチャウモンネ!モマレタモン勝チ”
”コノメ@ラ、本気デトオシテクレルトオモッテンノカシラ?釣リヨ釣リ!”
---そんな浅はかな考えは一瞬にして砕かれる事を賢明な諸君には分るだろう。

「じゃあ…まず首と頭いきましょう」

そう言うか速いか、座頭は二人の首根っこを掴んだ。

「グェッ!?チョ、苦シィ!シィィ!」

「イタイ!シゥ!シゥ…シヌ!ハナセ、コノメ@ラ!」

「…まずですね、少し強いくらいに首に圧迫感をあたえます」

首をつかんだまま、座頭は城の庭に忍び込み、庭石の前で立ち止まった。

「ハナジテェ…」

「おやおや、まだマッサージは始めたばかりです。次に頭に一定のリズムで
衝撃をあたえます。これにより頭の中はリフレッシュされ、動きが活発になります」

そして、座頭は交互に庭石に二人の頭を叩き付けた。
ケシィ、シィン、ケシィ、シィン、ケシィ、シィン、の順番で…。

十分ほど叩き付けた頃、シィンが泡をふきながら死んでいた。
ケシィは痙攣をおこし、ガクガクと震える。間もなくしてケシィは痙攣により
舌をかみ、出血多量でこと切れた。

「…いやぁ…仕事をして人に喜んでもらえるのは」

凶悪な笑みがうかぶ。

「…快感だなぁ」

523 名前: 座頭モラ(mf3Llv1c) 投稿日: 2003/08/02(土) 02:59 [ pviDgDLw ]
 〆座頭モラ〆


三・世界の中心でアイを叫んだダルマ



「ハニャァ~ン」

発情期(サカリ)の猫の声が聞こえる。

「何だ」

一応座頭モラもオスな訳である。
…やはりその手の事には興味をもつ。これすなわち正常。
庭の縁側から入り、声が漏れる部屋の障子を破き、そこから
目…はないので気で察知する。…そんな事まで察知できんのか。

「あれは…」

ギコ猫が強制的にしぃにコウビさせられているのだ。

「モットコシツカウ!ソンナジャ、シィヨッテコナイヨ!」

「う…うるぜぇ!喪前らこの俺の清く美しい童貞を奪いやがって!
くっそぉ里のしぃれは処女で俺が画家になりビッグになって帰ってくるのを
待ってるってのに…」

「ウルサイ!カワイイシィタチガツカッテクレルダケアリガタクオモエ!」

「くそっ…この…縄さえほどけりゃ…」

見ると、(見てはないのだが)ギコの腕は後ろで縛られている。
更にはその後ろで、万が一逃げ出そうとしたときのために南蛮渡来の機関銃を
持ったしぃが見張っている。

「ハニャ~ン。ハニャッハニャ…」

ああ、ギコ猫が同じオスとしてあまりに可哀想で見てられん。
そう思った座頭は障子を蹴やぶり、瞬時に発情しぃの間抜けづらに鉄拳を
ぶちこんだ。
あまりの速さに、一瞬見張りのしぃは硬直したがすぐ体制を整え、機関銃を
連打した。だがしぃの弾丸なぞ、狙いが定まらないのでめったにあたらない。
まあ、下手な鉄砲数うちゃあたる、と言う戯言もあるので、先ほどの鉄拳を
加えた(しぶとくまだ生きてる)発情しぃを盾に見張りしぃに突撃する。

「シィィィ!イタイヨォシィノアンヨガァァ!!」
「シィ!ィィィィ!!コンドハオテテニィィ!ダコデキナイヨォ!」
「オメメ!オメメガァ!ミエナイヨォ!メクラニナチャタヨォォォ!」

鉄砲の弾は皮肉にも、発情しぃに当る。
めったにあたらないのに、その内当るのはすべて発情しぃだ。
しかもわざとやってるのか、発情しぃの頭や心臓部は撃たず、手足や耳なんかにあたる。

「シィィ!シィニアテナイデヨォオ!アテルナラコノメクラニアテテヨォ!!」

「アンタガソノメクラカラハナレリャメクラニタマガアタルノヨォ!ソコドケ!ハツジョウネコ!」

なおも弾丸はしぃに当る。
至近距離まで座頭は見張りに近付くと、発情しぃを放り投げ跳んだ。

目にも見えぬ速さで杖を出すと、杖を刀へと変えた。
仕込み杖である。

「でぇい!」

524 名前: 座頭モラ(mf3Llv1c) 投稿日: 2003/08/02(土) 02:59 [ pviDgDLw ]
一刀両断。
それがこの場面に最も適切な言葉であろう。
しぃは縦にまっ二つに斬られた。

「…どなたが存じ上げませぬが、あ、ありがとうございます!」

ギコ猫は額を畳につけて感謝した。

「ああ、大丈夫かい。そんなにかしこまらずとも、顔を見せてくれ」

「は。俺はギコ猫の擬古蔵と呼ばれる、絵描き見習いでげす。…あなたは?」

「私か。私は…諸国をめぐってるメクラの按摩師さ。」

座頭は天井を見上げながら言った。

「按摩さんでごぜたしたか。それにしちゃ物凄い戦いっぷりでやしたね」

「…ああ、まあ。…この発情猫も見張りも死んだし、君はどうするのだね」

擬古蔵は険しい顔つきで答えた。

「お願いです。あなたのオトコギに…感服しました。どぉか、諸国行脚に俺をお供に」

座頭は一瞬声を詰まらせると、口を開いた。カパッ。-∀-

「…物好きな絵描きだな。…別にかまわんよ」

擬古蔵は無言で、喜びの表情をうかべた。

「絵描き君。君にある仕事を頼みたい。…僕と共にこの毒気のカタマリの
城を…再興できぬほどに姫を痛めつけてくれるかな?」

「はい、むろんです!」

この会話の傍らで、ダルマのような物体がのそのそ動いていた。
先ほどの発情しぃだ。

「ハニャァ…ヒドイヨォ…シィマターリシタイダケナノニ、コウビシタイダケナノニ」

次の瞬間、火が付いたように発情ダルマしぃは泣きわめいた。

「ヒドイヨ!ヒドスギル!シィチャン、コンナニカワイイ!ナノニ!ナノニ!ヘンナ
メクラガイジメルッ!!ヒドイ!マターリヲジャマスル、ヒドイ!!オニ!アクマ!」

「なっ、何だこのダル…マ…ってこいつぁさっき俺を犯させた発情虫!」

「ヒドイヨォォォ!ギコクントシィノアイ、ヒキサクナンテェ!ヒドイヨォォ!!」

「あ…愛だとォ!?愛!?今愛つったなァ!?ふざけん」

擬古蔵は発情ダルマしぃの横っ面を、思いきり引っぱたいた。

「ハニャーン!?ヒドイヨォ!ギコクンマデ、ソノメクラノカタヲモツノォ!?
ハニャァ、ハニャーン!ヒドイ!ギコクン、シィヲアイシテ!サッキミタイニ!」

「いいかげんに」

言いかけた擬古蔵の肩を、ぽんと叩く座頭。
任せろ。無言の申し出だった。
座頭は懐から妙な薬のようなものを出した。

「南蛮渡来の『アロンアルファ(・∀・)イイ!』と言うてな。何でもくっ付く」

賢明な読者はどうなるか予測がつくであろう。

「わめき散らす口はこうだ」

べたべたと、透明な液体が発情ダルマしぃの口を被う。

『ーッ!!ー!ーーーー!!ーーーッ…ッ…ー!』

「さすがは瞬間接着剤だ」

座頭の目は美しく輝いていた。

三・終演

525 名前: 座頭モラ(mf3Llv1c) 投稿日: 2003/08/02(土) 17:22 [ pviDgDLw ]
(イントロ) 

盲目、仕込み杖、そして虐殺スレをいっぱい。
全部混ぜるとむっちゃ凶暴な座頭モララーができる!
できました。
スーパーパワーで勧善懲悪の名を借りうざいAAを虐殺しまくる
アブノーマルネタ板のヒーロー!ざとーもらーらー!

ダッダッダ、ダダダダッダ。(以下略
ぼかーん(爆発音)

 〆座頭モラ〆


四・ヨーヨー殺人円舞


さて、発情ダルマしぃと機関銃しぃを虐殺した座頭は、絵描き見習いのギコ猫の
『擬古蔵』と共に牙城を突き進んでいた。
その知らせがついにしぃ姫の元に届いた。

「し…しぃれぃ姫!!姫様ーッ!」

しぃ姫ことしぃれぃ姫の名を呼ぶ家臣のタカラギコ。

「ナニヨカシン!(家臣)イマシィレィチャンハオイシイヘイミンガツクッタ
ウマー棒タベテアゲテルンダカラ、ジャマシナイデヨ!!」

「食事どころではないです!座頭か、妙な座頭が強制コウビ室で飼っていた擬古蔵と
共に城の人間を虐殺しまわっておるのです!これはゆゆしき一大事ですぞ!」

「ギャクサツ!?ギャクサツチュウガコノオシロニ!?ナマイキナッ!メクラト
シィノオモチャノブンザイデ、ヨクモ!カワイイシィレィチャンノオシロヲホカノ
カワイクナイシィノチデ(血で)ヨゴサレルナンテ、ヤ!カノジョヲシュツドウ
サセナサイ!カノジョヲ!」

「彼女…まさか」

家臣は思いつめたような顔つきで言った。

「ま、まさか…あの地下牢に七年と三日と四時間九分ほど幽閉していた、あの…」

「ソウヨ、ダスノヨ!ギャクサツチュウハイタイメミルガイイノヨ!アノ、
チカロウニナナネントミッカトヨジカンキュウフンホドユーヘイシテタ、カノジョヲ!」

「分りました…地下牢に地下牢に七年と三日と四時間九分ほど幽閉していた、彼女ですね」

「ソウ…フフフ、メクラダかナンダカシラナイケドオモイシルガイイワ!
チカロウニナナネントミッカトヨジカンキュウフンホドユーヘイシテタ、カノジョノツヨサデ
フルエアガリナサイ!フフフフ!」

「では今すぐ地下牢に七年と三日と四時間九分ほど幽閉…あ、今四時間十分になった」

一方その頃座頭と擬古蔵は平民が献上したウマー棒…と言うか平民からむりやり強奪した
ウマー棒を保管している、庫の前にて二十人ほどの見張りのしぃを虐殺しようとしていた。

「コンノ、メクラメ!メクラニヤルウマー棒ナンテココニハナイノヨ!」
「ソウヨ!ココハシィレイサマノウマー棒保管庫ダヨ!」
「デモシィレィサマガシンダラワタシガココノウマー棒ゼンブモラウ!」
「ナニイッテンノヨゥ!ワタシガモラウンダヨ!コノアフォシィ!」
「チガウヨアタシダヨォ!コノナカデイチバンカワイイワタシガモラウノヨ!」
「フザケナイデ!イチバンカワイクテカシコイノハワタシヨォ!」
「ソウヨココニイルコノギコクンニイチバンカワイイシィヲキメテモラウノヨ!」
「ソレイイ!モチロンワタシデショウケド」
「サァギコクン!イチバンカワイクッテセクシーデカシコクッテコウビシタイノハ」
「ワタシヨネワタシヨネキットワタシヨ!」

異様にうるさく、馴れ馴れしくも擬古蔵をギコクンと呼ぶしぃ達。
ギコは口を開いた。

「…俺はね、タフな子が好きだ」

「ハニャッ!?タフ!?」
「タフタフタフ!」
「アタシタフダヨォ!」
「ギコクンギコクンギコクンギコクン!ワタシタフダヨォ!」
「ナニヨゥアンタコノマエヒンケツデタオレタジャナイ!ヒヨワ!」
「ギコクンアタシタフダヨ!トッテモタフ!」

「そう…お前が一番タフなのか。それなら」

526 名前: 座頭モラ(mf3Llv1c) 投稿日: 2003/08/02(土) 17:22 [ pviDgDLw ]


擬古蔵は目にも止まらぬ速さで、懐から糸を結んだ釣り針を取り出した。

「これくらいしても痛かあるまい!」

最もタフである、と主張したしぃの右耳に釣り針を刺す。
痛みに悶え、苦しむしぃ。

「シィィィィ!?イタイヨォシィノイオミミ、オミミガァ!」

「タフなんだからこれくらい耐えれっだろゴルァ!」

その禍々しい顔つきの擬古蔵を見、他のしぃは泣きわめいた。
擬古蔵の側で、座頭は無表情で突っ立っていた。時々、微笑を浮かべて…。

「ハニャッ!?コワイヨギコクーン!」
「オトコラシスギルヨ、ワイルドスギルヨ、モットマターリ」
「コワイヨー!ハニャァーン!」

釣り針の先のたこ糸を、ぎゅっと握り擬古蔵は釣られしぃをヨーヨーのように
遊びはじめた。

「ギコハハハッ、ヨーヨーはおんもしれぇなゴラ」

しぃが上下に揺れ、幾度となく地面に叩き付けられる。

「ヒドイヨォ!イタイ、イタイヨォ!!コンナノ、マターリジャナイ!」

「ほほぉ、こんだけやってんのにまだそんなに喋れるか。なるほどタフだねぇ」

恐ろしさに耐えかね、逃げ出そうとする他のしぃ達。
しかし逃げ出す一歩手前で座頭に捕まり、無惨に斬られる。

「モ…ヤメ…デ…モゥヤメデェェ!!」

「あぁ?まだ大業きめてねぇよ。どれ、大業を決めてやるか…。
おうい他のしぃども。俺が今から大業見せてやっからなぁ!!
キタネェ目玉噴いてクソだめみてぇな耳かっぽじって見れやァ!!」

すると、ギコはぶんぶんと大きくヨーヨーしぃを振り回した。
他のしぃ達に、バシバシとヨーヨーが当る。

「よぉしパパループザループやっちゃうぞー!」

「ジィィ!ヤメテェヤメテェ!」

ヨーヨーは泣叫ぶ。
ヨーヨーがぶつかったしぃ達も泣叫ぶ。

「中村名人、見てますかぁ~♪」

擬古蔵はそう言ってけらけらと笑った。
ちなみに中村名人とは『ハイパーヨーヨー』なるヨーヨーが一時流行した時、
コロコロコミックに何度か載った、ヨーヨーがとても上手い人。
この手の人は、その玩具が廃れるといつのまにか消える。

思いきり叩き付けているので、しぃ達はばったばったと倒れる。
むろん、ヨーヨーしぃも死んでいる。脳シントウのようだ。

そしてしぃは最後の一匹となった。

「シィィィ!アナガイ、ダコスル、ダコスルカラワタシダケハタスケテェ!」

座頭は命乞いするしぃを見て”にやこう”のごとくあざ笑った。ニヤニヤ。

「ん?ああお前はさっき俺の事を一番馴れ馴れしくギコクンって連続でわめき
散らした馬鹿か。よし、お前には俺特製の大業を喰らわせてやろう」

そう言うと、擬古蔵はしぃの頭上へ飛び上がり、ヨーヨーを脳天に思いきり叩き付けた。

「俺特製大業、いずな落としだァ!」

しぃはくらくらと舞い、狂ったように『ギコクン』と二十回ほど叫ぶと、エヘエヘと笑い
倒れこんだ。

「ああ、とっても楽しいヨーヨーだった」

(エンディング)
ま、とにかく今日もいーっぱい虐殺した!
サーンキュゥ座頭モ…っつーか擬古蔵ー!!