座頭モラ (2)

Last-modified: 2015-06-17 (水) 02:40:47
538 名前: 座頭モラ(mf3Llv1c) 投稿日: 2003/08/06(水) 19:23 [ IX1aV5t6 ]

〆座頭モラ〆

五・最しぃ兵器彼女


しぃれぃの言う『カノジョ』とはなんなのか!?
最悪の殺人兵器が今稼動する!(ジャンプ風あおり)


さて擬古蔵がウマー棒保管庫の見張りを虐殺し、余興で座頭に
バーティカルループを見せていた頃、しぃれいの家臣である
タカラギコの『擬ッ公(ギッコウ)』はさっそく、地下牢へと向った。

”チッ、地下牢のあれを出せだと…ふざけやがって。あんだけ凶暴な
奴に、俺が噛まれでもしたらどうすんだ。見てやがれよ、クソ姫”

ギッコウは心の中で、ねちねちとしぃれぃの愚痴を飽きる事無く
くり返した。
このギッコウ、上辺だけはしぃれぃに服従しているが、その心中は
しぃれぃに対する怨恨が支配していた。まああれだけのバカ姫なら
憎々しく思って当然だが。

「やい!」

荒々しく、ギッコウは居眠りをしている地下牢の門番を叩き起こした。

「ハッ!?エッ!?ア、カシンドノ、エ、エト、ソノ、チカロウニ
イジョウハアリマセヌ!」

「ありませぬじゃねぇよクソしぃがァ!散々間抜けづらで寝てたくせに、
白々しい!さっさと鍵かせ。奴を外に出す」

「エッ!?ソレハイケマセン!モシアバレテ、コノカワイイシィチャンヲ
タベチャタラ、ジャナクテアバレデモシタラタイヘンデス!シンデシマイマス!
ゼッタイゼツメイデス!オヤメナサイタノミマスアンナモノガソトニデレバ」

ギッコウは無言で見張りの耳をもいだ。

「ハニャーン!シィノ、シィノカワイイオミミ、オミミィー!!」

のたうち回るしぃにギッコウが更に荒れた口調で怒鳴る。

「ええい、うるせぇな!長文でたらたら喋っからだ!ったく!
いいかげん読者が『彼女(奴)って誰だゴルァ』とか文句たれだしそうな
雰囲気っつぅのが読めんのかクソしぃがぁ!なんならもういっちょ
耳もいでやったっていいんだぜ!俺ぁなぁ、長文たらったらたらったら
ほざく輩が一番気に食わねェんだよ!さっさと鍵よこせでねぇとダルマ
にして、空揚げにしてぞぬに食わせっぞゴルァ!まあ、貴様の屍肉なんぞ
ぞぬも食わねぇだろうがなァ!タカラギコハハハハッ!!」

お前の方がよっぽど長文。
-----そんな声が聞こえてきそうだ。
もはやしぃは何も言わなかった。黙って鍵を差し出した。

「最初っからそうしろ、タコ!」

---タカラギコ種はいつでも笑っている。
時に怒りで顔の端に血管を浮かべるが、その時も顔自体は笑っている。
元々はギコだったが、ある玩具メーカーが何匹かのギコをかっさらい、
受け狙いで常時笑顔の状態に整形したらしい。
その後、ギコ達は玩具メーカーから見事脱獄。しかしそのギコ達の
改造された顔は子孫代々受け継がれてしまった。

この時も、ギッコウは相手を罵りつつも笑顔である。
常時、笑顔なのだ。

「ったく…」

奥へ突き進み、ギッコウは牢獄へとたどりついた。
ここに閉じこめれれているもの。
それは現在のしぃれぃ姫の三代前の時代の事だ。

三代前のしぃ姫は(以下 3しぃ)
研究者に凶暴な生物兵器を作るよう支持した。
3しぃと言うのは今にも勝る極め付けの馬鹿で、
後先考えなく行動する。これも例外ではない。
「スゴクコワクテツヨノガイタラ、ホカノヒメニジマンデキル!」
そんな安直かつ極め付けのアフォ思考で思い付いた事だった。

ある罪無き平民のしぃに数種類の劇薬を注入、そして凶暴な野生の
おにぎりとクックルの血液を混ぜ、最強のおにぎりワッシィ
『激にぎり』が完成した。

培養液の入った大きなガラスを突き破り、誕生した激にぎりがまず
最初に殺戮した者---それは自分に生を受けさせた研究者達だった。
その後、数人の下男下女、城専用の住み込みの火消し、おかかえの
侍等をわずか二日にして激にぎりは虐殺…いや瞬殺した。

三日目、家来達が何とか激にぎりを地下牢へ牢獄、さらには獄内で
足枷手枷首枷を七つほどつけ、厳重に幽閉するようになった。

ちなみにこの後3しぃは、これを投獄するために死んだ家来、
その他被害にあった人間の事なぞこれっぽっちも考えず、他の
姫に見せびらかし天狗になったのだった。


----そして三代前からの呪縛が今、解き放たれようとしている。
忌々しい、呪縛が。


解き放たれた激にぎり。
彼女の生命力は並のしぃの何万倍だが、さすがにその生命力も
途絶えかけていた時、彼女は解き放たれた。
多少の知力はあり、幽閉から解き放ったギッコウには感謝しているらしく、
襲ってこない。

「よし、激にぎり。ついてくるがいい。2匹、うまいaaをくれてやる」

「ワ…ッジィ…」

掠れた声で激にぎりは答えた。

539 名前: 座頭モラ(mf3Llv1c) 投稿日: 2003/08/06(水) 19:23 [ IX1aV5t6 ]

その頃座頭と擬古蔵は

「じゃあ…やっぱり無色の透明がオーソドックスでしょう」

擬古蔵がそう言った。二人は何か議論しているらしい。

「ああ、まあそうだが。それより赤色なんてどうだ?」

「赤…っすかぁ。赤はちょい派手じゃありません?」

「そうか…それなら」

「あ、青とかどうッス、青色!」

「青はなぁ。今ひとつパンチに欠ける」

「そんなら…ううん思い付かない」

「ここはやはり、黒の半透明が一番って事で」

「まあ、それが一番でしょうね」

何の事について議論しているのか。そう読者諸君も思い始めた頃、
そいつはやってきた。

「おい、そこの虐殺厨ども!」

声の方向へ顔を向ける座頭と擬古蔵。
そこには仁王立ちする猫と、禍々しい化物。

「あ?メ@ラと絵描きモドキの分際でぇ?派手に暴れまわったもんだなぁ
ゴルァ!!」

ギッコウが二人の側に寄り座頭の額に自分の草履を投げ付けた。

「て、てめぇ!」

座頭より早く、擬古蔵が怒りにより奮起した。
それを止めて、座頭がゆったりと言い始めた。

「…タカラギコ。俺らが虐殺厨と承知の上で何ゆえこのような
暴挙に出る?」

「ふん。笑止のいたりだ。…その前に少々気にかかる事がある。
先程、貴様ら何を議論していた?黒の半透明がいいだとか、赤は
ダメだとか…」

思わずギッコウはこけた。
いわゆる『ズッコけた』と言うやつだ。

「なんと言うバカバカしい事を議論しとるんじゃ!大体、お前メ@ラ
だろう!何で色が分る」

540 名前: 座頭モラ(mf3Llv1c) 投稿日: 2003/08/06(水) 19:24 [ IX1aV5t6 ]

「あ、まあその、確かに私は座頭で盲目で座頭で盲目だが、それは
何だ、あの、つまり、えぇと、ほらよくあるアレだよ、その。
…と、とにかく。何でお前はあんな暴挙を成し遂げたんだ」

「強引に話を戻したな。…俺にはな、ついているんだ」

「ついて?」

後ろで、擬古蔵が小首を傾げる。

「そうだ。それは生物兵器だ。どんなAAでもこいつを前にすれば
爪あとすら」

そこまで言いかけたとき、ギッコウの頭がなくなった。
いや、吹き飛んだ。座頭が懐から木づちを取り出し、ギッコウの
頬を横殴りしたのだ。この動作、わずか4秒。
これが先程まで、『お前メ@ラ』だろ、とつっこまれ
しどろもどろしていた人物とは思えない。

「はいはい。大体分った。なんぞ恐ろしい獣をバックにつけていると。
虎の威を借るなんとやら、ね」

間もなくして絶叫と言って構わない声があがった。

「ヴ…ワッズィィ!!」

おにぎりワッシィに似ていて、それとは違うやや濁った声。
生理的に恐怖心が生まれ、座頭は仕込みづえを用意。

ウマー棒保管庫の陰からのそり、のそりと、普通のしぃやオニギリより
やや大きい者が出て来た。
出て来たのは、おにぎりワッシィ。激にぎりだ。
しぃの頭におにぎりを乗せた、あのaaである。

「ワ…ワッズイィィ!!」

しかし普通のおにぎりワッシィとは違うものがあった。
地下牢に何年も閉じ込められ、乱れきった体毛。腐りかけた耳。

『でぃ』
それが二人の印象であった。

541 名前: 座頭モラ(mf3Llv1c) 投稿日: 2003/08/06(水) 19:24 [ IX1aV5t6 ]
「ワ…ジィ」

沈黙の中、座頭は閃いたような顔をした。
すると座頭は、側にあった先ほどのヨーヨー殺陣の死体を拾い上げると
前方の宙へ放り投げた。宙をくるくると舞う死体。
突然、何かを察知したような目の輝きをたたえると激にぎりは異様な大口を
開き、同胞の死体を喰らった。

「やはり…」

事前にこうなる事が座頭には分っていたらしい。

「なぁ擬古蔵。こいつはどうも『でぃ』みたいだ。仲間の屍肉まで
美味そうに貪ったぞ…。私が何を考えているか分るか?」

「…ええ。分りますぜ」

考える事は虐殺者皆同じ。
でぃが近寄って来る。



城内は悪夢と化した。
廊下を逃げまどうしぃを捕まえては虐待する座頭。

一通り虐待すると、座頭は後ろにいる擬古蔵にそのしぃを放る。
投げられたしぃを更に擬古蔵が虐待する。

死亡寸前になったしぃを更に後ろにいる激にぎりに放る擬古蔵。
それをうまく激にぎりが食い殺す。

何匹というしぃ虐殺、角を曲がるとしぃは一匹もいなかった。
先ほどまで山ほどひしめいていたというのに…そう思った矢先、擬古蔵が
素頓狂な声をあげる。

「あら?」

壁を見ていた擬古蔵の方に、皆一様に振り向く。

「ここだけ壁が…」

擬古蔵が壁を指差す。
そこの壁のみ、色が他の部分と違ったのだ。
擬古蔵が、勇みよく色違いの壁を蹴る。
すると、隠し部屋が出て来た。隠し部屋のはしぃが大量に隠れていた。

一斉に、しぃ達が騒ぐ。

まさに地獄絵図。
飽くなき虐殺、惨殺、滅殺。

耳を引きちぎるなぞ序の口。
ひどいものになると舌をちぎって出血多量で殺す。
この狭い部屋にある物。血と死骸と悲鳴。

擬古蔵、激にぎり、そして座頭。
三人がばらばらに虐殺をしはじめる。

座頭はもう何匹殺したか分らない。
いちいちそんな事は数えていられなかった。

「親御さんよォ!自分のキャワユイベビちゃんの死に様見とけよ!」

親子連れのしぃを目前に、座頭が仕込づえも高らかに叫ぶ。

「…オナガイデス!ベビダケハ、ベビダケハコロサナイデ!」

「あぁ?」

「ワタシハドウナッテモイイデス!コノコヲウンダイジョウ、コノヨニ
クイハヒトツトシテアリマセン!…コノ…コノオサナゴダケハ!」

542 名前: 座頭モラ(mf3Llv1c) 投稿日: 2003/08/06(水) 19:24 [ IX1aV5t6 ]

「………」

無言で、座頭はその場から立ち去った。
しばらくして、親しぃが何かつぶっやく。

「フン。アノメ@ラモララ、ダマサレテヤンノ!ドウセアレデ
『子どもには手を出さない、ほどよく人情のある虐殺者』トデモ
オモッテンノカシラ!?ヴァッカジャナイノ!?コ…」

悪態をつく親しぃの背中を叩く者が。

背後にいた者は…他でも無い座頭。

「…やっぱりなぁ。クソしぃしかいないこの城にこんなまともな
しぃいるわけないと思った。一瞬でも親の愛に心動かれた自分が馬鹿みてぇだ」

「…シ、シィィ!ア、ウ、ウウ、ア」

「言葉にならない絶望感を抱えた親失格のクソしぃちゃんにもれなく私の
仕込づえの制裁がプレゼントされるよ!」

仕込づえが鈍く輝く。
その後このクソ親がどうなったか。まあ、言わずとも大体想像はできるだろう。
動かなくなった親の身体に、生まれたばかりの一握りほどの小さな命が群がる。

「…ベビどもは斬らないでやるか」

それだけ、ぽつりと呟くと再び別のしぃに切り掛かる。

動かなくなった親の身体に、生まれたばかりの一握りほどの小さな命が群がる。
動かなくなった親の身体に、生まれたばかりの一握りほどの小さな命が群がる。
動かなくなった親の身体に、…。


三人の中に、爽快感がほとばしる。
背中にぞくぞくとそれが走るのが分る。

部屋中にただれる、ぬぐってもぬぐいきれない血の油。
大量のしぃの死骸。

それを見、三人は姫がいるであろう頂上へと向った。

「おい、逝くぞゴルァ」

未だかつての同胞の死骸を喰らう激にぎりに、擬古蔵がそう言う。
『まだ食いたりない』そんな顔をした激にぎりを引き連れ、一行は
突き進む。

543 名前: 座頭モラ(mf3Llv1c) 投稿日: 2003/08/06(水) 19:25 [ IX1aV5t6 ]

〆座頭モラ〆

終・座頭モラの善行

「し…れぃ殿」

間抜け面を晒しながら、呑気にウマー棒を汚く貪るしぃれぃ姫の下へ、
死にかけた部下のしぃがやってきた。

「ハニャ!ババッチイ!チダラケデシィレィチャンノヘヤニハイラナイデ
ヨォウ!アアキタナイ!“でぃ“ミタナイ!」

まるで部下の状態を気にせず、それどころか部下を汚らしく扱うしぃ姫。

「スミ…マ…セン。デスガオシラセガ…アル…ノデス」

「ナニヨウ!シィチャンハショクジチュウヨ!」

「ギャクサツ…チュウ…フタリガシロヲセメ…テオリマス。
ナントカワタシダケイ…キノコリソレヲシラセニキマシタシカシ…
ワタ…シ…モスグシヌ…デショウ。」

「ハニャァ!?ギャクサツチュウハゲキニギリニコロサレタンデショ!?」

「イイエ…ソレドコロカ…ゲキ…ニギリハ…フタリニツイテ…ギャク…サツヲ…
シテオリマス…カハッ…」

部下が吐血した。

「ソ、ソンナ」

「グ…ハッ」

部下のしぃは、先ほどより多く血を吐くとこと切れた。

「ヤダヨオシイタクナイヨウ!」

おろおろするしぃれぃの目に、ぼろぼろのチビしぃが入った。
このチビしぃ、しぃれぃが立腹時に憂さ晴らしに虐待する虐待用
チビであった。

「アンタノセイヨ!」

そう言うと、しぃれぃはチビの下腹部を蹴りあげた。
あんたのせい。何がであろうか。
よもや事もあろうに全く関係のないチビをこの騒動の諸悪の根源と
見ているのであろうか?

「アンタノセイデ、ギャクサツチュウガ!」

まるで筋が通らない。
そう思いながらも、チビは耐えた。
ここで逆らえば、更に…そう考えチビは手を出せなかった。

「コノ、ヴァカチビ!」

今度はチビの頬を連続で殴る。
七回目のパンチが、チビの頬をかすめた時だ。
三人はしぃれぃの部屋へ降臨した。

「ゴルァ、クソ姫!」

擬古蔵の第一声だった。
そう叫ぶと、擬古蔵の鉄拳がしぃれぃの右目周辺に直撃した。

「ハニャァァ!イタイ!!」

「黙れ糞猫ォ!」

更に攻撃をしかけんとする擬古蔵を、座頭が止める。

「おい、擬古蔵。やめてやれ」

「で、でも………へい」

尊敬する人物がストップを出した以上、やめるしかない。
しぶしぶ擬古蔵は拳を降ろした。

「…なぁお姫サマよぉ。…このチビしぃ、えらくボロいなぁ」

座頭が虐待用チビしぃを指差した。

「コ、コレハソノ、イ、イジメラレテタカラホゴシタノヨ、
シィティチャンガ!」

「ふーん。…お姫サマ。嘘が下手だねぇ」

544 名前: 座頭モラ(おわり)(mf3Llv1c) 投稿日: 2003/08/06(水) 19:25 [ IX1aV5t6 ]


「シィ!?」

ぶん、と頬を座頭が殴る。
ゴシャァッ、としぃれぃが柱に激突する。

「ハニャーン!イタイヨォ!」

「ああ、大体分かるよ。このチビをうっぷんばらしに虐めてたんだろ?
下手な嘘はやめた方がいいぜ。本当の事言えば虐殺しない」

「ホントウ?イエバ、ギャクサツシナイノネ!?」

「まぁね。私は嘘つかない」

「さぁ、どうなんだゴルァ!」

しぃれぃは白状した。

「コノチビハ、ギャクタイヨウノチビヨ!シィレィチャンガマターリデキナイ
トキコイツヲケトバシテマターリスルノ!フン!コレデギャクサツシナインデショ!?
サッサトウセテヨォ!!」

半ば開き直ったようにしぃれぃは怒鳴った。

「はいよく言いました。心置きなく、逝け」

「ハニャ!?」

「聞こえなかった?今すぐ逝けっての」

「ギャ、ギャクサツシナイッテイッタジャナイノォ!」

「虐殺はしない。でも自殺しろ」

「ヤクソクガチガウ!」

「ハァ?( -Д-)虐殺はしてないでしょ。自殺しろって言ってんの」

「そうだぞゴルァ!…なんなら首吊るための縄でも用意すっか?」

擬古蔵が横から容喙する。

「ウ、ウソデショォ!?」

「私嘘は言いません…ってさっきいったでしょう」

座頭はいそいそと押し入れを開き、手ごろな大きさの箱を見つけた。
それにピンと来た擬古蔵は同じく押し入れから縄を探した。
その様を軽視する激にぎり。

戦慄に怯えるしぃれぃ。

縄を器用にくくり輪を作ると、擬古蔵は天井の吊るし行灯に結び付けた。
その下に先ほどの箱を置く座頭。もう何をするかお分かりだろう。

「うらぁ!」

座頭はしぃれぃの頭をゴツッと殴ると、クラクラとするしぃれぃの首を
死なない程度に締め上げ縄の所に連れて行った。
すると目にも止まらぬ早さでしぃを縄にぶら下げた

「ナニスルノヨォ!」

「首吊り」

さらっ、と擬古蔵が告げる。
青い顔をするしぃれぃの顔を見、箱を蹴飛ばす。

「ジィィ!!」

でぃのような悲鳴をあげ、宙でむなしくもがくしぃれぃ。

「シンジャウヨォシンジャウヨォ!オナガイ、タスケテェェ!!」

「やだ」

絶望的な一言を浴びせる座頭。
その表情には『嘲笑』の2文字しかなかった。

「ウジ…ィ…イ」

身体のあらゆる体液を漏らしはじめた頃、擬古蔵が縄から降ろす。
地面に倒れ震えるしぃれぃの身体を、容赦なく座頭が腕と足を斬り付ける。
声にならぬ恐怖を覚える、しぃれぃ。
一通り切り傷を負わせると、懐からどす黒い液体の入った容器を取り出した。

「醤油だ」

それだけ言い、しぃれぃの切り傷にその有り触れた調味料を振り掛ける。
刺すようなたちの悪い痛みが、しぃれぃを襲う。

「シミルヨォ!!」

その香ばしい香に、今までぼけぇっとしていた激にぎりが奮い立つ。

「ワ…ッズ…ィ……ワジィ!!ワッズィ!!」

激にぎりはウサギを見つけた虎のごとく、しぃれぃの腕に飛びかかった。
醤油のきいた生肉の刺身にかじり付く激にぎり。

「イダイ!ヤメナサイヨォ!キタナイ“でぃ“ノクセニィ!」

汚いと罵られようと、激にぎりの鋭利な牙は止まらない。

腕、足を噛み千切られたしぃれぃ。ほとんどダルマ状態である。

「はははっ。お姫さま。手足の方は…どちらに?」

座頭が嘲る。

「シィノカワイイアンヨトオテテ、カエシテヨォ!!コノアクマ!」

「うるせぇ!ゴルァ!」

擬古蔵の鉄拳がしぃれぃの上腹部を打つ。
しぃれぃは泡を噴き、白目を向くと逝った。

「あーあ」

興醒めたように座頭がつぶやく。

「死んじゃった」

しぃれぃの死骸を見遣り、座頭は短く笑った。

「さて…」

先ほどから、隅でうずくまっていたチビしぃの方へ歩み寄る座頭。
『殺される』直感で、それを感じたチビは震えはじめた。

「…チビちゃん。今日から君がこの城をおさめろ」

「…エッ?」

思わずチビは嬌声を張り上げた。
擬古蔵も目を丸くする。

「今日からこの城を君が統治するんだ。きっといいお姫さまになれるだろうよ。
さんざん虐められて来たチビならなぁ」

それだけ言うと、座頭は部屋から去った。
その後ろを、慌てて二人もつけて行く。

-----チビは口をぽかんと開けていた。

それからチビはウマー棒を返還、画期的な案を連発し町を栄えさせた。


今日も座頭は虐殺し、それと同じほど善行をはたらくのだった。
さて、あなたは座頭モラを悪と見るか。善と見るか。

完