事の発端は2ch某所でのこんな発言から始まった… 168 :( ´∀)・∀),,゚Д)さん :02/03/31 03:18 ID:??? c(o`),, こいつって大きくなったらどんな生き物になるんだろうか? しぃやチビギコには見えないし・・・・
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裂性遺伝(1)
189 名前: V ◆POC3DQN2 投稿日: 02/04/01 02:02 ID:??? 裂性遺伝 ~序章~ 事の発端は2ch某所でのこんな発言から始まった… 168 :( ´∀)・∀),,゚Д)さん :02/03/31 03:18 ID:??? c(o`),, こいつって大きくなったらどんな生き物になるんだろうか? しぃやチビギコには見えないし・・・・ 190 名前: V ◆POC3DQN2 投稿日: 02/04/01 02:03 ID:??? そこで我々は出産間近のびぃを捕獲し、研究所の観察室へと移した。 ,,,ζ (#´;O゙) ウギィィィ! |∪;;;ヽ ~(;; ;; ;; ;;) U U そして何事もなく出産。びぃに目立った動きがない所を見ると 自力で這い出てきたと見られる。未熟児のような外見に似合わず 意外と生命力は高いのかも知れない。 ,,,ζ (#´;ρ゙) ウギィッー… ズル /∪;;U , ,~/;; ;;;ノ c(o`),,U U しかし、このまま放置すれば今度は母親の胃に入ってしまう。 そこで我々は彼女の気をそらし、実験体の確保を試みた。 ,,,ζ (´ρ;゙#) ウジィ? ズルズル /∪;;U , , ~/;; ;;;ノ c(o`),)・・・ U U 191 名前: V ◆POC3DQN2 投稿日: 02/04/01 02:04 ID:??? 研究員に用意させておいた生肉をびぃの目の前に差し出し、 その隙に我々は実験体を連れ出し、別室へと移した。 ,,,ζ (#´;ρ゙) アビィィィ… /⊃;;⊃ スッ ギィー… , , (((~/;; ;;;ノ ⊃c(o`),)... ))) (/"U (;;;;;;;;)⊂ 医師に調べさせたが、命に別状は無いどころか普通のベビギコよりも 生体反応度が高い。我々はこの興味深い実験体を「V」と名付け、 今後も彼の成長を見守り、その様子を克明に記すとする。 キィー・・・ _(,(´o`) つづく 196 名前: V ◆POC3DQN2 投稿日: 02/04/01 15:37 ID:??? V誕生からまる一日。部屋を変えてからずっと眠りつづけていたが、 ようやく目を覚まし、腹が減ったのかギューギューと薄気味悪い声で 泣き始めた。 ギュー! ギュー! ギュゥゥゥゥー!! c(´o`),)_ 我々はびぃから母乳が得られないのを事前に知ってたので、 しぃの母乳を用意しておいたが、哺乳瓶の用意を忘れていた。 仕方なく底の浅い器を用意して差し出したら何の問題もなく 器用に舌を使ってペチャぺチャと飲み始めた。 ペチャペチャ チュルチュル・・・ _(,(´o`)_, 器が空になると再び泣き出した。まだ足りなかったかと思い、 注ぎ足しては飲み、注ぎ足しては飲みを繰り返し、 最終的には哺乳瓶3本分の母乳を平らげ、再び眠りについた・・・ ギュー・・・ _(,(´o`)_, 197 名前: V ◆POC3DQN2 投稿日: 02/04/01 15:38 ID:??? 誕生から10日。早くも母乳を卒業し、流動食にもすぐ馴染んだ。 歯も立派にに生え揃っているので少し早いかもしれないが普通の 餌を与えてみる事にした。 ギーギー ((( _(,(´o`)っ 別の研究室でしぃが子供が産んだと聞いたので丁度いいと思い、 その子供を母親から引き離してVに差し出してみた。すると・・・、 ギィィィ・・・ ハハ ミュ? ((( _(,(´o`)っ (゚ー゚*))~ まだ目も開いてないのにVは上手いこと子供の耳や手足を 引きちぎったり・・・・、 ギィッ! ズボッ! ∵ハハ _(,(´o`)っ;'o゚*))~ ミュギッ! 目玉をくり抜いたり・・・・、 クチャクチャクチャ・・・ ・;.:,,ハ ギュー! _(,(´o`)ハ (;'o:,*))~ ミギュー!! 挙げ句の果てには・・・・、 ジュボッ ヴビィー… ∵ _,.:,. ミギィ!! _(,(´o`)=;;(#;'o:,) ギブブブブ… 力任せに腹を突き破り、出てきた細い腸をさも美味そうに 食べるのである。 キヒィー・・・ ジュルルルル _(,(´;o`)っ∞∞;(;(。@;;) 最終的には自分とほぼ同じ体格のベビしぃを食い尽くし、 いつものように食後の昼寝を始めた。これにはさすがの我々も 驚きを隠せない。今後Vはどのように成長するのだろう・・・ ギュー・・・ _,,,, _(,(;´o`) .,.;:(,:_o))) ;._, つづく・・・ 206 名前: V ◆POC3DQN2 投稿日: 02/04/02 02:04 ID:??? 誕生から15日でようやく右眼が開いたが、左眼は一ヶ月がすぎても 開く気配がない。その上いまだに耳が形成されない事を不思議に思い、 丹念に調べてみると、右耳の位置にあった小さな突起物を除き、 特に目立った特長はなかった。 ギューギューギュー ., c(゚O゛;:);;)~ ))) 左眼は生まれる前から潰れていたようで、完全にまぶたの皮膚がくっついて 塞がっていた。切り開いて中を調べようとしたら、それを察知したのか、 突然暴れだし、研究員の指に噛み付いたので急遽断念。いくら逞しくても まだ幼児だ。神経質になってストレスを溜めるといけないのでしばらくは 黙って様子を見ることにする。 ギュー! ギュー! ギィギギギギギィ!!!! ., バタバタバタバタ ((~(;;(;:゚O゛)っ)) 207 名前: V ◆POC3DQN2 投稿日: 02/04/02 02:04 ID:??? しばらくすると右耳の突起物に変化が現れ、不恰好ではあるが 耳のようなものが形成され始めた。が、相変わらず左耳に変化はない。 ウギィー… n (,゚0゛;:);;)~ ))) 餌は加工肉が中心だが、数に余裕があればベビギコやしぃも与えている。 最近は生きた餌を与えると嬉しそうな仕草を見せる。親の異常ぶりに関係なく 知能は発達しているようだ。 ミュ? ギヒィー ハハ n ~(_(・o・) (( c(゚∀゛:);;)~ 数週間後、ある程度成長したVの右耳を見て、誰かが呟いた。 母親の耳にそっくりだと…、他の者も一斉にそれに気付き、 一瞬にして室内の空気が凍りついた。初めて我々がVの姿に 畏怖を覚えた瞬間だった… ウギギィー ζ ((( ~(:;(;:゚ 0゛)っ つづく… 221 名前: V ◆POC3DQN2 投稿日: 02/04/03 00:41 ID:??? そして3ヶ月が経った。今ではVも自力で立ち上がるようになり、 以前よりも活発に動き回っている。食欲の方は相変わらず旺盛で、 生餌を玩具のように扱うのももう見慣た光景となっていた。 キジィー… ζ_ ハハ . (%゚ー")((・o・) ミュ? (;;; ⊃ ~U゛U ある日我々は好奇心に駆られ、チビギコをVの部屋に入れてみた。 結果はほとんど考えるまでもなかったのだが… 何デチカココハ ζ_ ウギィ? . ∧∧ (゚O;"%) ( ・д・) ( ;;;) ~( uu) ~U゛U 何も知らないチビはVに近づいて話し掛けてきた。ひょっとしたら 友達になろうとしてたのかも知れない。 君ハ誰デチカ? ζ_ ブジィ… . ∧∧ 一緒ニアソビマチェンカ? (゚-"%) ( ・∀・) ( ;;;) ((( ~( uu) U゛U~ 222 名前: V ◆POC3DQN2 投稿日: 02/04/03 00:41 ID:??? Vはすぐに飛びかかると思っていたが、始めてみるチビを珍しそうに 眺め、意味が分かっているのか、静かにチビの話す言葉を 聞いているようにも見えた。 デチデチデチデチ ζ_ … . デチデチ∧∧デチ (゚-"%)デチデチ デチ( ・∀・)デチ ( ;;;)デチデチ ~( uu) U゛U~ やがてチビが話し疲れて一息ついた時。急にVは笑った。 その笑顔を見たチビの表情は引きつっていた。 ζ_ ギビィー… ∧∧ (゚∀"%) Σ( ・д・) ( ;;;) ~( uu) U゛U~ あとは何の説明も要らない。いつものお遊戯とお食事の時間だ。 そう理解していながらも我々は言葉を失い、その場に立ち尽くし、 抵抗する間もなく削られていくチビの姿を見るともなく見ていた… ;∴:. ζ_ ・:・∵(゚曲"%) ( ;;※:・ ;;;) ~( u;∵ U゛ヽ)~ 223 名前: V ◆POC3DQN2 投稿日: 02/04/03 00:42 ID:??? それから我々はVが眠りについた隙にチビの骨や残った肉片を 残らず回収し、研究所の近くの森に埋め、手を合わせた。 職業柄、霊や仏の存在を全く信じていなかった我々が何故 あんな行動に出たのかは自分でも分からない。ただ、あの時 自分を超越する何かの存在を感じたのは確かである… ;;:;:,.:;,.: ;;;゛;;;';:;;:'';;.., つづく…
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238 名前: V ◆POC3DQN2 投稿日: 02/04/04 02:28 ID:??? 惨劇は突然やってきた。餌を与えようと部屋に入ってきた 係員にVが襲い掛かったのだ。他の係員がすぐに気付いたが、 そのすさまじい光景を目の当たりにし、怖気づいた彼は部屋の ドアをロックしただけで仲間を助けようともせずその場から 逃げ出してしまった。 ウギィィィィィ!!!! ジュルルル ・∴ ζ_ ガブガブグチャチャ ;:,..:,..,, 8⊂(゚Д"%) グチグチッ (;;;;) (;。#;・;)※;;',_⊃ ;;;)~ ブシャァーッ!!! 我々は彼を責めることはなかったが、事の重大さを認識して 実験の中止を呼びかけ、Vを処分も提案した。が、それらの提案が 実行に移されることはなかった。我々の中に巣食う貪欲な探究心が それを許さなかった。もう後戻りはできない。我々はいつの間にか Vに憑かれていた、いや魅せられていたのだ… ギュー… __,.,.,.,., ζ_ (@m@))')') _,., ~(;;;(%´O")っ ~ その後も我々は興味の赴くままVに様々な実験を行い。 あっという間に月日は流れ、ついにVは・・・ .| ハハ | ブラーン… ギュー!ギュー! (゚O゚)))~ ζ_ ./) (%゚Д")/ ウビィィィィー!!! ⊂;;; / ~/;;;__つ (/ 239 名前: V ◆POC3DQN2 投稿日: 02/04/04 02:29 ID:??? 立派な成体となった。そう、立派な… | ブラーン… | | | ‘ ツー… ポタッ… . : ・ ζ ガツガツガツガツ (%゚曲")∴: ギチャギチャギチャギチャ |;;;つ@)・ ~|;;; | ピチャッ… _________U"U___※_____ つづく… 252 名前: V ◆POC3DQN2 投稿日: 02/04/04 16:43 ID:??? そしてある日。ついに悪魔が微笑んだ。我々の監視が 最も薄くなる深夜を狙い、Vは脱走したのだ。不気味な雄叫びが 研究所中を駆け巡り、その声で目を覚ました我々は一斉に 別室への避難を開始した。 ウギィィィィィ――――――――――――ッッ!!!!! 彼は以前から研究所の最も奥深い所に隔離していたのだが、 それが裏目に出て、犠牲者を増やす結果となった。彼の通り道に あった研究室はことごとく荒らされ、実験台や逃げ遅れた 研究員はいずれも残虐な手段で殺されていた。 ,,,,∧ ∧,:・.。;o; .;:_,., ;:っ (。_@;)_),.;,.. ⊂(・д※∞∞.、., .,,.;> (_(#,;p゜).,.;:@つ 係員の一件があって以来、我々を始め実験関係者全員が 小型麻酔銃の携帯を義務づけられていたが、彼らの遺体を 見る限りでは抵抗する間もなく、銃を抜く前に殺された者も 決して少なくなかった。 ;;.,__,._. __,;.. ┐ (#。・;)&8o;;;;,,, (:,;※;.,。.,:@,,, 253 名前: V ◆POC3DQN2 投稿日: 02/04/04 16:43 ID:??? 我々はVの部屋から比較的遠いモニター室に避難し、 カメラ越しに彼の行動を監視しながらその動きを探っていた。 そして意外な事に彼が向かった先は… _|_ ウイーン… =|__| )) ζ ウギィー… .(゚曲"%) |;;; U,ハ ))) |;;; (:;。) U゛ヽ)';8,, ...。ズルズルッ… Vは知っていたのだろうか、そこは母親のびぃの部屋だった。 ちょうどこの部屋の周辺には誰もいなかったのでVの侵入を あっさりと許してしまった。今思えばこれがこの親子にとって 初めての対面だった… ζ_ ビギィー… ,,,_ζ (%゚д") (´ρ;゙#) ウウウ…ウジィ? U;;;; | /∪;;U ~|;;;; | ~/;; ;;;ノ U"U U U この奇妙な親子はお互いの関係を知ってか知らずか、 その場から動くことなくしばし見つめ合っていた。 ζ_ ウギ… ,,,_ζ (%゚-") (´-;゙#) ウジィー… U;;;; | /∪;;U ~|;;;; | ~/;; ;;;ノ U"U U U 254 名前: V ◆POC3DQN2 投稿日: 02/04/04 16:44 ID:??? やがて母親のびぃがVのもとへ歩み寄り、ゆっくりと 距離を詰めていった…その間Vは表情ひとつ変えなかったが、 母親のびぃは心なしか微笑んでるようにも見えた。 我々はこの光景を瞬き一つせず、固唾を飲んで見守っていた。 ζ_ … ,,,_ζ (%゚-") (´-;゙#) アギィー… U;;;; | ⊂⊂ ;;;| ~|;;;; | | ;;;|~ ))) U"U U"ヽ) 両者の距離は縮まり、びぃの手がVの頬に触れようとしたその時。 異変は起きた。Vが笑ったのである。子供の頃、ある一匹の チビギコに見せたあの笑顔だ。この笑顔を見た瞬間、我々が密かに 抱いていた期待は音を立てて崩れた。 ギビィー… ζ_ ,,,_ζ (%゚∀") (´-;゙#) ウビィ? U;;;; | ⊂ ⊂;;;;| ~|;;;; | | ;;;|~ ))) U"U U"ヽ) 255 名前: V ◆POC3DQN2 投稿日: 02/04/04 16:44 ID:??? 一瞬の出来事だった。びぃの顔が真っ赤な血飛沫を散らして 消滅した。それと同時にVの口元からはバキバキと何かを 噛み砕くような鈍い咀嚼音が響いていた。 ボリボリボリボリ ゴキッ!バキバキッ!!..; , ζ ・;∵ ゴボッ! (%゚曲") .;;.・#) U;;;; | ⊂ ⊂;;;;| ピクッピクッ!! ~|;;;; | | ;;;|~ U"U U"ヽ) それから先は我々も初めてみる光景だった。いつもは 遊びながらも肉と骨を器用に切り離して食事をとるのだが、 この時のVは違った。とにかく骨や肉の区別なく、頭から 尻尾まで一滴の血も残さんばかりの勢いだった。 ガブガブメキャッ!! ゴリゴリゴリ ζ ∴;,. ガシュガシュガシュ!!! (%゚曲");:::・.∵ ガツガツガツガツ… /;;;;⊃※∵ ギギギギ…バキッ!!! ~(;;;⊃、;'゛ノ  ̄ 我々はとてつもなく巨大な恐怖に呑まれ、気づいた時には 研究所を飛び出し、近くの町へと森の中を走り出していた。 街の明かりが見えたのを確認した途端、我々は意識を失っていた。 289 名前: V ◆POC3DQN2 投稿日: 02/04/04 21:38 ID:??? エピローグ 目が覚めた時、私は病院のベッドに横たわっていた。 そしてその横には警察官… なんと私は1週間も眠り続けていたそうだ。 仲間の一人はその3,4日ほど前に起きて地元の警察に 事情を話していたらしい。始めは半信半疑だったそうだが、 その次の日、近くの森で猟奇殺人が発生したらしく、 警察も動かざるを得ない状況になったそうだ。 しかしそれだけで事態が解決するはずもなく、事件の捜査を 進めていた警察官が森で行方不明になり、大規模な捜索が 行われた。だが今度は5人の捜査員が同じ森で姿を消し、 2日後にそのうち3人の白骨死体が発見された。 その時、現場に残されていたカメラにはなんとVの姿が 不鮮明ではあるが収められていた。警察も現場検証や 研究所からの資料押収などにより、彼の証言が真実であると ほぼ断定し、そして彼を畜養法違反で逮捕した… それで今度は最後に目を覚ました私の番だという事だ。 私はすぐに退院させられ、すぐさまパトカーに乗り、 留置場へと運ばれた。 その後も警察はVがいると見られる森を幾度となく捜索したが、 手がかりはつかめず、合計28名の警官が犠牲となった。 事態を重く見た政府は、遂に軍隊に軍隊を派遣し、森の 焼却命令を下した。 290 名前: V ◆POC3DQN2 投稿日: 02/04/04 21:39 ID:??? …かくしてあの森は研究所とともに消え去った。 今でも留置場の小さな窓からは焦げ臭い匂いがする。 しかし、それでも私は安心できない。まだVがこの世の どこかで生きているような気がしてならない。 それにVは――― | ┃ | ┃ ┃.┃ | ┃ ┃.┃ ┃ | ____ ┃ ┃┃ ┃┃ | | ∥∥∥ | ┃ .┃┗ ┃┃ | | ∥∥∥ | ┃ ┃┃ |  ̄ ̄ ̄ ̄ ┛ ┃ | | ζ |(%゚Д")______┃__.┏________ / U;;;; | ┃ \┃ ┓┃ / ~|;;;; | .;,__ _ ┛ \┃.┃┃ / U"U (@;.・;)※∞ ━ \┃┃ / ┏ .\┃ fin