選択肢

Last-modified: 2015-06-12 (金) 21:54:31
286 名前: 選択肢 投稿日: 2003/05/29(木) 22:16 [ MkY2xDYE ]

僕はモララー。
と言っても虐殺モララーじゃないよ。普通のモララーさ。
僕には幼馴染がいる。
モナーとギコと、そしてしぃ。僕達はいつでも一緒だった。
子供の頃は、よくケンカもしたもんだよ。
でも、すぐ仲直りして、仲良く遊んだもんだ。

だけど・・・そんな僕達に、ある事件が起こったんだ。


              『選択肢』


僕が16になったばかりの頃、変な香具師が僕につきまとうようになった。
僕と同じモララーなんだけど、どこか考え方が変な香具師。
口癖は「漏れは神」。
しぃの虐殺が趣味らしい。
まあここは、「虐殺モララー」とでもしておこうか。
その虐殺モララーが、僕にとんでもないことを言ってきたんだ・・・・

虐殺モララー(以下虐モラ)「おいモララー!お前・・・幼馴染にしぃがいるって本当か?」
モララー(以下モラ)「うん・・・そうだけど・・・」
虐モラ「おいおい!マズイって!しぃとマターリしてると偽モララーって言って、殺されるんだぜ!」
モラ「殺される・・・?あはは・・そんなバカな・・・」
虐モラ「ホントだって!コレを見ろよ!!」

そう言って彼が僕に見せたのは、一枚のポスターだった。
そのポスターにはでっかくこう書いてあった。

『糞しぃとマターリしてるモララーは偽モララーだから、神の鉄槌を加えないといけないんだからな!』

モラ「なんだよこれ・・・!!糞しぃってなんだよ!ていうか神って!!」
僕はそのポスターを見た感想を虐殺モララーにぶつけた。
虐モラ「な?だからお前も殺さないといけないんだって!」
モラ「でも・・・しぃちゃんは僕と仲良く・・・」
虐モラ「ハァ!?何言ってんだよ!殺せばお前も神の仲間入りだぞ!殺さなければお前は偽モララーとして殺されるんだぞ?
    選択肢は2つしかないんだ!どっちを選ぶかは、明白だろ?」
モラ「・・・・・・・・・・」
虐モラ「漏れはお前を・・・『信じてる』からな・・・」


僕は、しぃが糞だとか・・・・神だとかは・・・どうでもよくて・・・・
ただ・・・情けないことに・・・死ぬのが怖い・・・それだけが僕の頭をよぎっていた・・・

287 名前: 選択肢 投稿日: 2003/05/29(木) 22:17 [ MkY2xDYE ]
僕はまともな考えが出来ていなかった・・・・・
『死にたくない』・・・ただそれだけしか考えられていなかった・・・
結局、虐殺モララーのなすがままにしぃちゃんの所へ向かった・・・・


場所は変わって、ここではしぃ、ギコ、モナーが雑談していた。

しぃ「キョウハイイテンキダネ~」
モナー「でも午後からは雨が降るとか言ってたモナ。ところがモナは頭がいいから、傘をもってきた・・・あれ?
    ・・・・・・・・あ~~~!!忘れたモナー!!!」
ギコ「ギコハハハ!なんならしぃの箱を傘がわりにするって~のはど~だ?」
しぃ「ア、ヒッドーイ!・・・・ソロソロモララークンモクルカナ?」
モナー「あ!来たモナ!・・ん?あの人は誰モナ?」


僕は・・・・・死にたくない。


しぃ「ア!モララークン!」
ギコ「おっせ~ぞ!何してたんだゴルァ!」
モナー「隣のモララーは誰モナ?」

僕は、一瞬ためらった。でも・・・

虐モラ「逝け!」

この声に押されて、行動に移した。
僕は持っていたナイフを・・・・しぃちゃんに向けて振り下ろした。

しぃ「キャ!」
モナー「何やってるモナ!」
ギコ「おい!様子が変だぞ!そこのモララー!どういうことだ!?」
虐モラ「案ずることはないさ・・・彼は今、神になろうとしてるんだよ。
    ・・・・さあ!選択肢は二つ!神になるか・・偽になるか!!君はどちらを選ぶ?決まってるよなぁ!」

ゴメン、しぃちゃん

ゴメン しぃちゃん

でも僕は、死にたくないんだ

ギコ「お前がそのつもりなら、こっちだってやってやるぜ!」
モナー「モララーがそんなヤツだとは思わなかったモナ!」

しぃ「マッテ!」

しぃが叫んだ。ギコとモナーは動きを止めた

288 名前: 選択肢 投稿日: 2003/05/29(木) 22:18 [ MkY2xDYE ]
しぃ「ナイテル・・・」

僕は知らぬ間に泣いていた。涙を流していた。

しぃ「モララークン・・・ナニガアッタノカシラナイケド、ナニカタイヘンナコトガアッタンダヨネ?
   モララークンガソンナコトスルハズナイモノ・・・
   ドウシテモッテイウノナラ・・・ソノナイフヲ・・・ワタシノムネニツキサシテモイイヨ。
   モララークンニダッタラ、コロサレテモイイヨ。」


モナー「何言ってるモナ!!」
ギコ「モララー・・・お前は幼馴染じゃなかったのか?
   20になるまで一緒にいようって、約束したじゃないか!!」


そういえば・・・
そんなこともしたっけなあ・・・・


10年前



ギコ「なあしぃ!お前は俺達3人の中で、誰が一番好きなんだ?」
しぃ「エ~?ソンナノキメラレナイヨォ・・・・」
モナー「あ、それはモナに決まってるモナ」
モラ「何言ってんだよ~。僕だって~。」
ギコ「よし!じゃあみんなが20歳になったら、しぃに決めてもらおうじゃないか。
   この中で誰が一番好きか。それまではずっと一緒にいるんだぞ!」
モナー「乗ったモナ!
モラ「負けないよ~!」
しぃ「カッテニキメナイデヨォ・・・」



そうだった・・・僕はその約束を、16歳で破ろうとしてたんだ・・・
ふふ・・・僕はなんて間違いを犯していたんだろう・・・


モラ「アハハハハハ!」
しぃ「モララークン?」
ギコ「どうした?」
虐モラ「どうした?お前には選択肢は二つしかないんだぞ?殺して神か殺さずに偽か・・・さあどっちだ?」

モラ「選択肢が二つだって・・・?ハハ!笑わせるなよ!選択肢は3つある!」
虐モラ「なんだと・・・・?」


モラ「3つ目の選択肢・・・・それは・・・・




                         お 前 を 殺 す こ と だ ! !

289 名前: 選択肢 投稿日: 2003/05/29(木) 22:19 [ MkY2xDYE ]
虐モラ「・・・はは!神AAを殺すのか!?やってみろよ!!」
モラ「やってやるさ!!」

僕はナイフを虐モラに振りかざした。

虐モラ「がっ!俺の足が!神の足が!!」
モラ「足が・・・なんだって?今度は手だ!!」

ザシュッ!!

虐モラー「俺の神の手が!!ゴッドハンドがぁぁぁぁぁ!!!!!」
モラ「ハ!石器を捏造しそうな名前だなお前の手は!!次は目だぁ!!!」


僕は・・・止まらなくなっていた。
コイツを恨む気持ちが・・・止まらなくなっていた。
取り返しがつかないことになるかもな・・・・・・とは思っていた。

でも、止まらなかった。

モラ「最後は心臓だ!!」
虐モラ「この~!神に対して・・・なにをするぅ~・・・」
モラ「僕にも負けるヘタレな神は・・・とっとと消えちまえ!!」

僕はヤツの心臓に・・・ナイフを突き刺した。

虐モラ「ぎゃああああ!!!」


虐モラは・・・・死んだ。



モラ「ふ・・・あははははは!!」
しぃ「・・モララークン?」
モラ「見てくれよ!僕の姿を!!虐殺モララーそのものじゃないか!!
   あれだけ虐殺否定しておいて!僕が虐殺してるよ!!
   こんなおかしいことはないね!!
   みんなも笑えよ!あははは!!
   あは・・・・は・・・」

僕はガクンとひざをついた

モラ「ごめんよみんな・・・僕は約束を守れそうにない・・・・
  僕はみんなとは違う世界にいってしまった・・・もう戻れない・・・」



ギコ「・・・・ふん。関係ねえな。」
モラ「え?」
ギコ「お前が俺達と違う世界かどうかは、俺達が判断する。
   少なくともお前はしぃを殺さなかった。それだけでも
   十分・・・俺達の仲間だ。そうだろ?」
モナーとしぃは黙ってうなずいた。

モララー「みんな・・・ありがとう・・・」
モナー「モララー、信じてるモナよ。」

信じてる・・・・さっき虐モラにも言われたなあ・・・
でも・・・こんなにも重みが違うなんて・・・・


ポツ・・・ポツ・・・・


モナー「あ、雨が降ってきたモナ!」
ギコ「やべえ!早く屋根があるとこにいくぞ!・・・・おっと傘、傘・・・」
しぃ「ワタシモ・・・カサ・・ア!」

しぃはモララーに駆け寄った。

しぃ「ハイ・・・ハコ。コレカブッテイイヨ。スコシハ、アメヲフセゲルヨ」

・・・僕が殺そうとした女が、僕に箱をくれた。・・・どうしてこんなに優しいのだろうか。


モララー「はは・・・今日は泣いてばっかりだな~」
しぃ「ゲンキダシテネ」
モララー「ふふ・・・ありがとう」


モナー「やっぱ差別モナー!なんでモナには箱をくれないモナー!ずぶぬれモナー!!」
しぃ「モナークンハフトッテルカラ、ダイジョウブダヨ。」
ギコ「ギコハハハ!タヌキ体型だから、安心だろ!」
モナー「ムキーー!!モナはタヌキじゃないモナー!!それにモララーも対して変わらないモナー!」
モララー「僕は箱もらったから、タヌキじゃないんだからな!漏れはモララーだからな!」


神でも偽でもない・・・普通のモララーだからな!!

                                        終