369 名前: MTV 投稿日: 2003/02/16(日) 21:41 [ T2Of9852 ] ここはMTV(モラテレビ)報道センター。 今日も各国の戦争から近所のおじさんの入れ歯が見つかった話まで、色々なニュースを発信している所さ! たーくさんの人が出入りして情報を整理したり、ニュース原稿を読んだり作ったりしてるところ! 「おーい、モナ本君、しぃ崎君!」 おっと、モラ下部長が新入りアナウンサーを今日も呼びつけているぞ! でもいつもと違うところ… それは声に怒りがこもっていなくて明るい所! なので新入り二人はあまりおびえずにすぐにモラ下部長の下へ駆けつけたんだよ! 「はい。なんでしょう? 部長」 「しぃちゃんになにか用?」 「(おいこら、しぃ崎! せっかく珍しく部長の機嫌が悪く無いのにわざわざそんな言葉遣いする必要無いだろ!)」 「(なによぅ、つい癖じゃないの!)」 「ん? 何をコソコソしゃべっとるんだ? ああん?」 「いえ、何でもありません!」 「そうそう、気にしないの!」 ああーっ! せっかくの上機嫌の部長もここまで!? 恐るべし瞬間湯沸し器! 「まあ良い。今日は君たち二人にレポートに行って来てもらうからな!」 おっと! カミナリが落ちると思いきや、嬉しい嬉しい初仕事のお話だあ! 「本当ですか! やったー!」 「苦しぃ研修に耐えたゴホウビね!」 「こら! 静かにしたまえ!」 おっと、ちょっと喜びすぎたようだね! とはいえ、嬉しそうな部下をみて部長も嬉しそう! 言葉はきついが声音は優しかったりなんちゃりしちゃったりなんかして、もう! 「で、だ。君たちは犬と猫、どっちが好きかね?」 「はあ…」 「犬と… 猫ですか?」 おやおや、今度はどんな謎々なんだろうねー。 部長さん、何が起きるのかなあ? 「ああ、今から行ってもらう取材二件が『犬関連の取材』と『猫関連の取材』なんだ。 せっかくの初仕事、どうせなら気持ちよく行ってもらいたいからな! さ、どっちが好きなんだい?」 Oh! いつもは鬼のモラ下部長! なんだいなんだい、実は部下思いのいーぃ上司じゃないの、ね! ふ・た・り・と・も! 「自分は犬が好きモナ」 「しぃちゃんは猫が好きー」 「うむ、上手い具合に分かれたな! じゃ、モナ本は猫取材、しぃ崎は犬取材に行け! これは上司命令である!」 「えぇー!?」 「ひどぉーい! 約束が違うよー! この虐殺厨!」 「わはは! 冗談だ冗談だ、ま、ふざけるのはそれくらいにして、早速行ってくれたまえ! 最高のレポートを期待しているぞ!」 『はいっ!』 いやー、ひとまずは良かった良かった! でも、二人とも取材はこれが初めて… ほんとにだいじょおぶぅ!? 370 名前: MTV 投稿日: 2003/02/16(日) 21:42 [ T2Of9852 ] じゃ、さっそく二人の仕事振りを覗いてみようか! まずは、モナ本くんの方から… 「よ、よ、よ、よろしくお願いします!」 「やあ、新人君はやっぱり初々しいねえ!」 「大丈夫、君は研修で受けた事を思い出していつも通りやればいいんだよ!」 「そうそう、俺たちがバックアップしてやるから。リラックスリラックス」 「せっかくの初仕事が強張った笑顔なんて、親に見せられないからな!」 おやー、礼儀正しいモナ本君、スタッフに気に入られてまずは好感触(はぁと) 「み… みなさん、ありがとうございます、足を引っ張らないように頑張ります!」 「大丈夫だって! ほら、笑顔の練習だ!」 「お前がいなきゃ、レポートは出来ないんだ。精一杯サポートさせてもらうよ」 「でも、勘違いするなよ、今日は初めてだから特別だ。今度から甘えは許さんからな!」 (母さん、僕、この仕事を選んで本当に良かったよ…) 「じゃ、今日のレポートは県立わんわん王国のワンちゃんたちとのふれあいってテーマだから 犬は好きだよね?」 「はいっ! 大好きです!」 「よーし、いいレポートが取れそうだ、張り切って行ってみよー!!」 うーん、すごくいい雰囲気じゃないのー! こりゃモナ本くん、初仕事バッチグー! なんてね! 371 名前: MTV 投稿日: 2003/02/16(日) 21:42 [ T2Of9852 ] じゃ、今度はもう一人のしぃ崎ちゅわんの方を見てみようかねーっと 「きょうも元気にはにゃにゃにゃーん。 だっこでマターリはにゃにゃにゃーん♪ 皆、今日は頑張ってね! しぃちゃん初めてだから何もわかんないのー」 「なんだテメェ、先輩達に向かってその挨拶、なめんなよゴルァ」 「お前レポーターしに来たんだろう? ちょっとは緊張感もてや」 「てめーの初仕事で、親に死に顔見せてやろうか?」 あっちゃー… しぃ崎ちゃん、いつもの調子でテレビ局の先輩達に睨まれちゃってるよー… それにしてもこっちのスタッフ、雰囲気が尋常じゃ無いねー、しーらないっとぉ… 「なによー! しぃちゃんは可愛くて、テレビのレポーター様なんだからね! あんたたち裏方なんかと一緒にしないでよ!」 「いちいちムカツク雌だなオイ、二度と笑えないようにしてやろうか?」 「てめー一人でレポート出来るとでも思ってるの?(プ」 「勘違いするなよ、お前一匹くらい殺したって俺っちどうって事ねーんだからな」 (はにゃーん、おかあさん、この人たちと仕事したくないよう。 でもしょうがないか、華やかなテレビの裏って、 こういう汚らわしい奴らがのたうってるのよね…) 「おう、今日のレポートは近所の人も迷惑してる猫ババァの猫屋敷だ。 猫、好きなのか?」 「はにゃ、大好き!」 「けっ、てめーも愛誤かよ、いいレポート取れそうにねーな…」 あぁー! もうみてらんない! ぼくはね、一足お先に帰らせてもらいますからね、サヨナラー!! 372 名前: MTV 投稿日: 2003/02/16(日) 21:43 [ T2Of9852 ] 「おぅ、じゃあとりあえずその辺の近所の人にインタビューしろや」 「はにゃ! すいませんMTVのしぃちゃんだよ! かわいい猫がたくさん住んでいるお家が近所にあって嬉しいですね♪」 『はあ? 何行ってるのあんた! 猫が集団で糞尿たらすわ、植木鉢倒すわ、壁は爪の傷つけるわ… あげくに入り込んできて夕食を盗んだり、家の赤子は猫の毛アレルギーでね! 入られる度に家中大掃除! そしたら赤子がまた泣くの! わかる? この悔しさ、きーーーーーー!!!』 ばしぃ! 「はにゃー!」 あっちゃー、やっぱり心配で見にきたら… 近所で迷惑な猫屋敷なのにその聞き方は無いでしょうが。 あ~ぁ、思いっきり顔殴られちゃってまあ… スタッフもさぞや怒って… 「おー、てめーなかなか良いレポートするじゃねーか その調子でいってみようか!」 ありゃ? 大好評。 どうなってんの? 『しつけてない外飼い猫なんて、野良猫よりタチが悪いわよ!』 どかっ! 「しぃぃぃ!!」 『可愛いだと? てめーも近所に住めよ、そして車を引っ掻かれて見ろ!』 ばしっ! 「痛いよぅぅぅぅ!!!」 あー、もう見てらんない! インタビューするたんびに近所の人の神経逆なでしちゃって… このままじゃね、会社に帰る前に病院にいっちゃいますよ! 「いいねいいね~、しぃちゃん、良い絵が撮れてるよー!!」 「ハニャ… もう帰りたいよう…」 「お! ついに出てきたぞ猫ババアだ! よし、アイツからインタビュー取って帰るか!」 おやおや、帰るって言葉聞いた途端に元気になって、猫ババア… おっと失礼 猫おばあさんの所にダッシュして行っちゃったよ。… 「はにゃ! MTVのしぃちゃんだよ! インタビューしてあげる!」 『ふん、テレビは嫌いだよ。あっちお行き!』 「とっても可愛い猫さんたちですね! 野良猫さんたちを飼ってあげて、しかも自由に放し飼いして あげるなんて、おばあさんはとっても動物が好きでやさしいんだね!」 『おや… テレビ局にも話がわかる人がいるじゃないか… インタビュー? もちろん受けさせてもらうよ! でもね、今からあの子達のご飯を買いに行かないと行けないの。 一時間ほどで戻るから、ちょっと待っておいで』 「はーい、いってらっしゃーい!」 うーん、欲しいレポートじゃ無いって感じだけど… とりあえず初仕事でインタビューの約束とりつけちゃったし、これでいいのかな? 373 名前: MTV 投稿日: 2003/02/16(日) 21:43 [ T2Of9852 ] 数分後… 「おい、ババァ行ったぞ、いまだ!」 「留守の間に少しずつでも〆とかないと、際限ないからな」 「でも、帰ってきたらどうせ10匹位また拾ってくるんだぜ!」 「じゃあ20匹処分すりゃいいんだよ!」 「はにゃ! あなたたちはさっきの近所の人たち! 何をやってるの!?」 「何って、決まってるじゃねーか、この糞猫屋敷の猫を間引くのよ!」 「保健所は何もしてくれませんからね。自分たちで処分してるの!」 「な、な、な、なんですってー! この虐殺厨! 自分たちがよければそれでいいの!? 可愛い猫ちゃんをいじめるのはこのしぃちゃんが許さないんだからーーーー!!! さっさと帰りなさい!!!」 「なんだとテメェ、部外者の、しかもしぃのくせに…」 「おい、鬱陶しいからこいつもやっちまおうぜ」 「賛成ー!!」 「ハナーン! 止めなさい、痛い、痛いよう しぃのお耳がー しぃのおててがー しぃのあんよがー!! 私はテレビ局の人間なんだからね! あんたたちなんか社会的に抹殺してやるんだから!」 「HA! しぃなんか殺しても猫を殺すより罪は軽いの知らねーのかよ!」 「ほら見てみろよ、テレビ局のお仲間は嬉しそうに撮影してやがるぜ!」 『いいよーしぃちゃん、良い表情! 最高のレポートだよー!!』 「そんなー、だれか、だれかシィィィィィイイイィィイイ… … !! !」 374 名前: MTV 投稿日: 2003/02/16(日) 21:44 [ T2Of9852 ] 「どうですか? モラ下部長!」 「うん、いいねえ、実にいいよモナ本君! 実に楽しそうな絵だ! 君の表情も犬の表情も最高だ! きっと君は良いレポーター、良いアナウンサーになれるよ!」 「ありがとうございます!」 「そしてギコ山君! 君の撮影してきたしぃ虐殺シーンも実に良い! こりゃ視聴率とれるぞー! 生々しい悲鳴に引き裂かれる瞬間! これぞしぃ虐殺の醍醐味!」 「ありがとうございます!」 「いやあ、君たち二人の新入社員でわがMTVは安泰だな。はっはっはっ。 おーい、使い捨てしぃをもう5~6体注文しといてくれよー!」 後日放送された新人の二本の映像は それぞれ視聴者に大好評だったんだってさ! モナ本とギコ山コンビは将来MTVに革命をもたらすんだけど… それはまた、別のお話なのさ! じゃ、まったねー! 終