DMG

Last-modified: 2019-10-04 (金) 00:11:04
622 名前:耳もぎ名無しさん 投稿日:2005/10/22(土) 18:06:57 [ BdNKxo1g ]
ご指摘、ご指南お願いします。

DMG

(1/3)
この古城に閉じ込められて、どれ位経つのだろうか?
時間感覚が麻痺してきたのか、それがあまり気にならない。
何よりも、これだけの狂ったしぃを相手にしているのだ。
そうそう他の事に気を回せる訳が無い。
「ギコクーン ダッコー!」
「コウビシテー!!」
「ハニャーン!」
こういった台詞も、好い加減聞き飽きた。
何よりも癪に障るし、俺にそんな気は毛頭無い。

視界を埋め尽くさんばかりのしぃの大群。
否、有象無象と言った方が良いか。
そのどれもが、原色剥き出しの趣味の悪い青や緑、
中には赤い塗料で自らの体毛を染めていた。
ただのしぃを見るだけでも吐き気がするのに、これでは拷問だ。
しかも、そいつらが俺に向かって突撃してくる。
「「「「マターリシヨォォォオォォォ!!!!!」」」」
自らのエゴ丸出しで、何がマターリだ。
俺は一番最初に飛び掛ってきた緑に身体を染めたしぃを、
背中に携えていた大剣で真上から両断する。
バッチュン!!
「ジブュィィィィィ!!?」
何処ぞの世紀末救世主にやられた様な断末魔を上げるが、それを無視する。
紫電を放つ剣の勢いを殺さず、次のしぃを横から薙いだ。
「!?!?!?」
何が起こったのか理解出来ずに吹き飛ぶしぃを尻目に、
後ろから迫っていた青いしぃ2匹を、最初とは逆に下から上へ叩き上げるようにして纏めて斬る。
ズパン!
「ブベェェェェ!」
まだまだ逝くぞ、ゴルァ!!
締めは目にも止まらぬ突きの嵐だ!
狙いをつけるのも面倒臭ぇ、手当たり次第に死にやがれ!
ガズン!
「シィィィィ!!」
頭を貫かれる者。
ベキャ!
「イダァァァァ!」
腕を付け根から抉られる者。
チィン、ギャリン!
「ヤメテー! ギコクゥゥン!」
最初は掠っただけだが、次の一撃で心臓を潰される者。
キィン!
「ギャアアアアアア!!」
中には他のしぃと比べて比較的軽傷な者もいたが、それは単にまだ死んでいないだけだった。
まぁ、俺には関係無いがな。
自画自賛で悪いが、ワインレッドのコートを翻しながら剣を振るう俺は、スタイリッシュに見えただろう?

623 名前:耳もぎ名無しさん 投稿日:2005/10/22(土) 18:08:51 [ BdNKxo1g ]
DMG

(2/3)
ふと気付いて視線を巡らせると、
何時の間にやらしぃは遠巻きに俺を囲んでいるだけで襲ってこようとしない。
あれだけ仲間が殺られたんだから当然だろうけど、
そうあって尚『退く』ことを選ばないコイツらは、矢張り糞虫だ。
何やらヒソヒソと話し合っているが、大体想像がつく。
恐らく…

(※『』がギコの予想。「」が実際のしぃの会話)
『ギコ君が抱っこしてくれないよ…どうする?』
「……シィ……ギコクンガ ダッコシテクレナイヨォ…ドウスル……」
『何言ってるのよ、ギコ君はしぃの味方だよ?抱っこしてくれるんだよ?』
「…ナニイッテルノヨ ギコクンハ シィノミカタナンダヨ? ダッコシテクレルンダヨ?…」
『でも、ギコ君はしぃの仲間を殺しちゃったよ?』
「…デモ ギコクンハ シィノナカマヲ コロシチャッタヨ?…」
『馬鹿ね。それは香具師らにマターリの資格が無かったから、ギコ君がシィに代わってアボーンしてくれたんだよ!』
「…バカネ ソレハキット ヤシラニマターリノシカクガナイカラ ギコクンガシィニカワッテ アボーンシテクレタンダヨ!…」

…って所か。
んじゃ、次は……。
「ギコ君、マターリの資格が無い、愚かなしぃをアボーンしてくれて有り難う。これで思いっきり抱っこ出来るね」
「ギコクン マターリノシカクガナイ オロカナシィヲ アボーンシテクレテアリガトウ! コレデオモイッキリ ダッコガデキルn…ハニャ?!」
おうおう、面食らった顔しやがって。
手前らの考えてる事何ざ簡単に予想が付くっつーの。
「ワ・ワカッテルナラ ハナシハハヤイネ!! ギコクン ダッコ♪」
勿論、却下だ。
俺は大剣を元通り背中に背負うと、今度は胸のホルスターから拳銃を取り出した。
白銀に煌く右手の銃。
漆黒に輝く左手の銃。
拳銃というには些か無骨すぎるそれらを、無造作に狙いをつけたしぃのドタマに向かってぶっ放す。
バンッ!バンッ!
「ギコクン ハヤクダッコシテ! ダッコダッコダッコダッコダッコダッコダッコダッ……ゴォォォォォォォォ!!?!!」
お?流石に適当な照準じゃあ、狙いが逸れて一撃必殺とは行かないか。
両方の耳だけ吹き飛ばしちまった。
あ~あー血だらけの頭で暴れやがって、血が飛び散って汚いだろうが。
「ギャァァァァァァ! シィノオミミー!」
………こいつは放って置いても良いか。
よし、残りは…。
「シィィ…」
「イヤァ…」
「シニタクナイヨォ」
戦意喪失してやがる。
何だ、結局このパターンか。
え~と、何て言ったっけか、ほら、アレだ。アレ。
あ?あぁ。それだ、それ。

一 心 不 乱 の 大 虐 殺 !

624 名前:耳もぎ名無しさん 投稿日:2005/10/22(土) 18:09:40 [ BdNKxo1g ]
DMG

(3/3)
「小便(失禁)は済せてるみてぇだし、(マターリの)神様へのお祈りも出来てるだろう?
あとはガタガタ震えて命乞いする準備だけしやがれ、ゴルァ!!」
先程しぃに飛び掛られた仕返しと言わんばかりに、それこそ襲い掛かるのではなく踊りかかる。
バンバンッ!バババババババババババンッ!!!!
わざとしぃが密集してる場所へと飛び込んで滅茶苦茶にトリガーを引きまくるのは、下手な鉄砲何とやらってヤツだ。
一応断って置くが、別に俺の拳銃の腕前が下手って訳じゃあないぞ。……本当だって。
どうせこれだけ居るんだし、わざわざ狙いを付けるのも馬鹿馬鹿しいだろう?
引き金を引く毎に何匹かのしぃが一気に吹き飛ぶのは、一匹程度では銃弾の威力が死に切らず、貫通して別のしぃにも当たっているからだ。
マシンガンにも引けをとらない銃の連射が、俺の一寸した自慢だ。
お陰でこの銃以外の物を使うと、用が済む頃には完全にお釈迦になっちまう。これは俺の一寸した悩みだ。
中にはここに至ってようやく逃げ出そうとするしぃ共も居たが、
放たれた弾丸が後頭部へと突き刺さり、頭蓋の破片や脳漿の一部を血と一緒に吐き出して死んでいった。
「ハ・ハ・…ハニャーン! ギコクン カクゴー!!」
また、とても珍しい例として反撃を試みる稀有なしぃも居るには居たが、それは寧ろ愚かな行為としか言い様が無かった。
何せ、考え無しにこちらに向かって突進してくるだけなのだ。それでは銃の的にしてくれと言わんばかりではないか。
そう言う馬鹿は例外無くワザと急所を外して、トドメを差す事無く放って置く。そうしておけば後は勝手に死んでいくだろう。
「シィィィ シィィィィ! ゴフ! ブフゥッ!! オ・オナガイ…ラクニシテェ……」
たまに殊勝な台詞が聞こえてきたが、その全てを完全無視。
手前らは今までにそう言ってきた奴らに何て言葉を返してきた?自業自得さ。

カートリッジを2回交換して、3本目のカートリッジも中身が半分になったところでアレだけ溢れていたしぃの殆どは息絶えていた。
中にはしぶとく息をしている奴も居たが、それも直ぐ命の炎を消す事になるはずだ。放って置いて構わないだろう。
「分際も弁えずに、調子に乗るからこうなるんだゴルァ」
しぃ達の骸の山に背を向けて歩き出す。
さて、改めてここから脱出する方法をとっとと探さねば。
どんなしぃが出てこようとも負ける気は微塵もないが、幾らの俺でもそろそろ飽きてきた。
何よりもデリバリーのピザと、安くて不味い酒が恋しい。
好物のイチゴサンデーを最後に喰ったのは、何時だったか?
そんな事を考えながら歩みを進める俺の前に、またしても半角の泣き声が響いてくる。
どうやら、もう一ダンス踊る必要がありそうだ………。

糸冬