momo =しぃ美の視点=

Last-modified: 2015-06-19 (金) 00:30:51
616 名前: momo =しぃ美の視点= 投稿日: 2003/08/11(月) 20:34 [ pDd0NbbU ]
・・・私は黙ってみていることしか出来なかった。
桃山さんは、棍棒、「虐殺棒」と言うのでしょう、叩かれ続けています。
助けなくてはいけない、けど足が動かない。震えて、足が動かない。
どうすることも出来なかった。
唯、見ていることしか出来なかったのです。
アフォしぃ達は気が済んだのかそれとも疲れてこれ以上叩けないのか、桃山さんを
叩くのをやめました。そして・・。家に向かってきたのです。
私はこれ以上無い恐怖を覚えました。アフォしぃ達に私は愚か、兄弟たちに何をされるか。
私には理解出来ていたからです。せめて、弟達だけでも・・。
私はどうなってもいい。私は弟をクローゼットに、妹を地下室に隠すことにしました。

「チビタンコワイデチ!オネータンドコイクデチカ?」
「イイコダカラ、ココデマッテテ。スグニムカエニクルカラ・・」
「クライトコロコワイデチ!」
「ゴメンネ・・・。」

ぐずる弟をクローゼットに押し込め、妹を地下室に連れて行きました。
地下室には桃山さんが作った「遊戯室」があります。

「ベビタンハ、ココデアソンデナサイ。」
「オネータンドコイクデチュカ?シィモイキマチュヨゥ!」
「スグニモドッテクルカラ、オトナシクアソンデナサイ。」
「ハニャ!ワカリマチタヨゥ!ブーブータンデアソビマチュ」

私は、玩具の車で遊んでいる妹を残し、一階へと戻りました。

「ゴメンネ・・・」

私は、決心を固め、既に開かれようとしているドアに向かって視線を合わせました。
数秒後、外からは10数匹のアフォしぃ達がなだれこんできました。

「ハニャ!アナタギャクサツチュウノナカマネ!」
「アボーンサレタクナカッタライッショニワタシタチトニキナサイ!」
「コトワレバ、コノバデアボーンヨ!」
「マ、サカラッテモタカガシレテルケドネ(ワラ」

私は、逆らおうとは思ってません。初めからこうなる事と覚悟してましたから。

「・・・ワカリマシタ、イッショニイキマス。」

そして、一匹のアフォしぃが前に出てきました。
そう、見慣れているけど、二度と見たくない顔。自分をずっと邪険に扱ってきた存在。
母の顔でした。

「ヒサシブリネ、シィミ。マサカコンナトコロデギャクサツチュウトイッショニイタトハネェ。ナニ?ワタシニステラレタハライセニコウキナシィゾクニ
シカエシデモスルツモリダッタノ?ン?」
「・・・マ、イマトナッチャソンナコトドウデモイイワ。アナタニハフサワシイウンメイヲアユンデモラウワ。」

・・・私に相応しい運命?

617 名前: momo =しぃ美の視点= 投稿日: 2003/08/11(月) 20:46 [ pDd0NbbU ]
私に相応しい運命って何?虐殺厨に手を貸したとでもして公開処刑にでもするつもりかしら?
私もここまでか、と思った矢先、

「フフ、クサッテモワタシノコ。アナタニハマターリノミチトシテマダマダハタライテッモラワナイト。」
「デモ、アナタハイッカイマターリノキョウイクニシッパイシテイル。ダカラワタシハアナタノジンカクヲナクスコトニシタワ。」
「マ、イッショニクレバワカルコトヨ。サ、サッサトキナサイ。ソレトモコノバデコロサレタイ?」

「・・・イッショニイクワ。」

「ワカッテルジャナイノ。・・アト、アンタノキョウダイハドコニイルノ?」

(兄弟に危険はかけられない・・・。)

「タビノトチュウデ、ミンナシンダワ」

「フゥン・・・マ、ギャクサツチュウノナカマトハイエイチオウワタシノコ。モクトウクライハ「ユウリョウ」デヤッテアゲテモイイワヨ(ワラ」

「・・・・。」

何処まで腐ってるの?この人は。私にこの人の血が入ってるというだけで吐き気がする。
私がこの人に受けた虐待の数々・・。そして今の侮辱。
いますぐこの場で絞め殺したい。
私は、恨みの感情で一杯になりました。

「サ、サッサトイクワヨ」

「・・・・エエ」

私は母に手を連れられて、箱に車を取り付けたお粗末な車に乗せられました。
私はこのまま死んでしまうかもしれない。けど弟達が無事であれば・・・。

「サ、コンナギャクサツチュウノイエナンテミテルダケデムカムカスルカラサッサトヤイチャイナサイ。」

「エ・・・」

618 名前: momo =しぃ美の視点= 投稿日: 2003/08/11(月) 20:57 [ tHsKt7Kc ]
私は、自分の耳が信じられませんでした。

「ソンナ!ナンデイエヲヤイテシマウノ!モモヤマサンノイエガ!」

「ウルッサイワネ。マダゴチャゴチャイウト、コノバデコロスワヨ!」
「ソーヨソーヨ!コンナギャクサツチュウノイエナンテ、アボーンシナキャ!」
「クソAAキンガウツルワヨ!」

家に隠れている弟達が・・焼き殺されてしまう。

「ヤメテェッ!ダメ!」
「ヤレヤレ、マダセンノウガトケテナイノネ。ギャクサツチュウノザイサンヲカバウナンテ・・・。」
「オサエツケトキナサイ。ウルサイカラクチモフサイドイテ」
「ハニャ!」

私は数人のアフォしぃに口を塞がれ、押さえつけられてしまいました。
残りのアフォしぃ達は桃山さんが溜め込んでいた暖房器具用のガソリンを手に持つと、
四方に撒き、母が火をつけました。
乾燥している日のせいか、火はあっという間に燃え上がり、家を火は包みました。
私は、唯見ていることしか出来ませんでした。
弟達がどんな感情でいるのか・・それを思うと胸が張り裂けそうです。
後でアフォしぃ達の言うことによると、私はその後すぐに気を失ってしまったそうです。

チビ太・・しぃ香・・・・・なんで・・何も罪が無い・・子供・・が・・・・・
こんな・・・目に・・・・・・・・・あわなければならないの・・・・・・・?

(続く)

853 名前: momo =モモラーとしぃ美= 続きその1 投稿日: 2003/09/07(日) 21:45 [ rbIghmJo ]
>>618の続き いまさら感が有りますが・・・。

=アフォしぃ=
アフォしぃらがしぃ美を連れ去り、後には五匹のアフォしぃ達が残っていた。
まだこの五匹のアフォしぃ達は果物を食い足りないからだそうだ。
しかし、その選択をした事が最大の絶望と恐怖を味わう事になるとは、モモラーの果物を
貪っていたアフォしぃ五匹には分かる由も無かった。

「ハニャーン オイシィネ! クソAAノツクッタクダモノニシチャ」
「シィタチノタメニ コノクライシテトウゼンヨ!」
「コノリンゴモ シィチャンタチニタベラレテ トッテモシアワセソウダヨ!」
「ハニャニャン! ホントウダネ」

アフォしぃ達は甲高く、甘ったるい声で雑談を楽しんでいた。後ろに怒りに狂ったモモラー
がいるのも気づかずに。

=モモラー=
話は少し遡る。
打たれた銃弾は急所を外れていたが、その跡に集団で棍棒で叩かれたが為に、所々に痣を
作り、モモラーは立ち上がった。骨は折れていないようだ。しかし銃弾は腹直筋を切り裂き、
半ば貫通しているように腹を裂いていた。

「ぐっ・・しぃ美さん達が心配だ・・急がなくては。」

モモラーは腹を押さえ、自分の小屋へと向かった。
小屋の前に来た・・しかし、モモラーの目にはそれが黒こげになった木材の欠片が散乱し
た、荒涼とした景色だけしか見えなかった。
モモラーは自分の見たものが信じられなかった。いや、信じるかどうかと頭が働いていな
かったのである。

「しぃ美さんは何処に・・?いや、アフォしぃの事が先決だ・・これはアフォしぃがやった
 のか?チビ達は何処に?何処に行ったんだ!」

モモラーは黒一色に染まった木材と瓦礫の山を必死に探した。
ふと、モモラーは変な匂いがしているのに気づいた。自分の服がしまってあるクローゼット
の中からである。開けてみた。
中から、黒く焦げた仔猫の死体が出てきた。その死体の口は丁度ア行、「オネエチャ・・・」の
時点で命が途切れたのだろう。顔には涙の跡が有った。

「~~~~~~~~~~~~っっっ!!!!!!」

モモラーはその消し炭と化したチビの死体を抱きしめ、無言で号泣した。声にならない叫び
声を上げた。・・・ふと、泣き声が聞こえたような気がした。
真っ赤に充血した目で、モモラーが立ち上がる。その泣き声を辿っていった。どうやら
地下室から漏れているようだ。モモラーはチビの死体を抱き、地下室の扉を上げた。
中にはベビしぃが居た。「オネエチャーン、モドッテキテヨゥ」と泣いていた。
ベビしぃはモモラーに気づくと、

「ア、モモラーオジサン! アチョンデ!」

と、抱きついてきた。モモラーは安堵の表情を浮かべた。

854 名前: momo =モモラーとしぃ美= 続きその2 投稿日: 2003/09/07(日) 21:46 [ rbIghmJo ]
「モモラーオジサン、 コノクロクテクチャイノ、ナァニ?」

「・・・いや、ちょっとね、夕飯の料理、失敗しちゃったんですよ・・。」

モモラーは涙を浮かべながら、チビの事を隠し、適当な事を言った。

「モモラーオジサン ナカナイデ。 チィガヨイコヨイコシテアゲル。」

「・・・・・・っ!」

モモラーは涙を堪えることが出来なかった。
と、同時に、ある悪魔が、モモラーの中で目覚めた。

「・・・もう、二度と殺めないと誓ったのに・・・」

諦めの表情を浮かべると、モモラーはベビしぃを地下室でもうしばらく待ってるように指示
し、チビの死体を足元に置き、アフォしぃ達が荒らしている畑へと向かった。

=しぃ美=
ふと、しぃ美はある胸騒ぎを覚えた。知ってる人の人格が破壊したような、
悪意に満ちたような意識が、今その場所から発しているような気がしたのである。

「・・ナニ・・・?」

しぃ美は車に乗せられながら、意識の正体を気にかけていた。
恐ろしかった。怒り?悲しみ?諦め?そんな感情が、モモラーの小屋の辺りで・・・・
一気に膨れ上がったような気がしたのだ。

=アフォしぃ=
アフォしぃ達は、後ろの気配に気づいた。
一斉に振り返ると、そこには、無表情のモモラーが立っていた。腹を押さえるのもやめていた。
まるで苦痛をある感情に押されてまったく忘れているように。

「ハニャ? イマゴロキヅイタノ? マヌケナAAネ!」
「ナニヨソノメ! ナンカモンクアルノ?」
「ナントカイッタラドウナノヨ!」

「・・・あの、家を焼いたのは、お前らか?」

「ハニャーン! ソウヨ♪ヴァカナマターリチュウノシィドモヲセンメツシタノヨ!」
「ナンカモンクデモアルノ?」
「シィニカテルトデモオモッテルノカシラ♪ プ」

アフォしぃ達は一斉に棍棒を取り出した。

「・・そうか。なら何も言うことは無い。」

「ハニャ? ナニヨソノタイド! アッタマキチャウワネ!」
「シィタチノキゲンヲソコネルノハ ギャクサツチュウヨ! アボーンケッテイネ!」
「ハニャーン!」

アフォしぃ達は一斉に棍棒で殴りかかった。しかし、殴りかかる事は出来なかった。
恐ろしい速さで動いたモモラーに頭をつかまれると、一瞬で両手の中のアフォしぃの頭は
握りつぶされた。その血液の花火が、残りの三匹の目にかかった。
よって、モモラーをその棍棒で殴り、そのアフォしぃ達が「マターリ」することは叶わなかった。
前衛の二匹は喋るまもなく、僅かな下あごの痕跡を残し、一瞬で死んだ。
そして、後衛の二匹は、目に掛かった血に狼狽し、のた打ち回っていた。
残りの一匹は見えない恐怖が相当恐ろしいのか、震えながら小便を漏らしていた。

856 名前: momo =モモラーとしぃ美= 続きその3 投稿日: 2003/09/07(日) 21:49 [ rbIghmJo ]
「ハニャァァァン! メノマエガマッカダヨー! ナニモミエナイヨー!」
「ギコクンタスケテー! ハニャニャーン!ダッコシテー!」

「貴様らは生きていてはいけない程の大罪を犯した。せめてもの情けだ。苦しまずに殺し
 てやろう。心配無い。「痛い」と感じる前に、その首はもげている。」

「ハニャ・・・!」
「ヤダヨゥ! タスケテー」

二匹は必死で迫る死と言う現実から逃げようとしていた。しかし、それは一人のAAによって
阻まれた。

「仲間の首がもげる音を聞け。」

二匹のアフォしぃの首根っこをつかむと、一匹の首の方を握りつぶした。

「ギィゲッ・・・・・ゴ・・。」

アフォしぃの首は胴から離れた。いや、引きちぎれたと言う方が正しいか。
首は血液を飛ばしながら、最後のアフォしぃの息吹の「ヒィィィィ」と言う音の後、地面に
転がった。そして、もう一匹は恐怖のあまりガタガタとモモラーの手の中で震えている。
自分の目の中に入った血液の事は既に脳内から消されているようだ。

「ユルシテ・・・オナガイ」

哀れなアフォしぃは力無く、か細く呟いた。もはや諦めの感情をその声に入れながら。
しかし、モモラーはその手を離した。

「お前はまだ殺すことは出来ないな。お前にはやってもらう事がある。」

「シィ・・?」

「そこを動くな。逃げたら即、もう一匹のようになるぞ。」

「・・ワ、ワカリマシタ」

「さて・・。」

=モモラー=
モモラーは目を残りの一匹に向けた。しかし、居たはずのアフォしぃはそこにはいなかった。
目を地平線に向けると、アフォしぃは仲間を置いて自分だけ逃げていた。
どうやら、既に目は治っているらしい。

「シィィィィ・・ナカマノシィニハワルイケド、アンナノアイテニシテタラシンジャウ! シィノイシズエニナッテネ!」

自分勝手な理屈を吐いてアフォしぃは逃げていた。

「逃がしはしない。」

モモラーは自分の手に収まる程の石を手に持つと、腕だけの筋肉に力を込めた。
メキメキと腕の部分が太くなっていく。パンプアップの済んだ腕をだらんと下げると、直
後に振りかぶって、石を投げた。

「シィ? ナンカトンデクルヨ」

アフォしぃは走りながら、ふと後ろから何かが迫っているのに気づいた。

857 名前: momo =モモラーとしぃ美= 続きその4 投稿日: 2003/09/07(日) 21:50 [ rbIghmJo ]
ヒョオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ

草笛のような音を出しながら、拳大の石がアフォしぃの頭を狙って飛んできた。

「シィ! ・・・・」

叫んだときにはもう遅かった。拳大の石はアフォしぃの鼻と額の真ん中あたりにめり込み、
アフォしぃの顔をそのまま文字通り「貫通」した。
遠く、地平線の向こうで赤い血の花火が上がったのをモモラーは確認した。
落ちた石には、アフォしぃの顔の皮と内側の筋肉が少々ついていた。
モモラーは自分の足元で震えているアフォしぃを見ると、こう言った。

「倉庫は焼かなかったのか?」

「・・エ?」

「小屋の裏にある倉庫は焼かなかったのかと聞いているんだ。」

「ハ、ハイ! ヤイテマセン!」

「そうか。では今日はそこで寝泊りする事にする。お前には本部の位置を喋ってもらう必要
 がある。喋らずとも結構だが、その時は仲間を見捨てた裏切り者として殺されるお前を放
 って置く。お前は虐待されながら苦しんで死んでいく。だが、案内すれば命だけは助けて
 やろう。どっちを選ぶ?選択の余地は無いだろうがな。」

「アンナイスルワヨ・・スレバイインデショ。」

「意外と物分りが良い奴だ。倉庫へ荷物を運ぶのを手伝ってくれ。」

「シィ! シィチャンヲコキツカウツモリ・・」

「文句があるのならダスキソに行ってもらうが。」

「ワカッタワヨ・・。」

アフォしぃは渋々モモラーの手伝いをした。
そして、夜が来た。普段力仕事なんぞろくにやったことが無いアフォしぃは、荷物を運び
終えると、精魂尽き果てたように倒れこんだ。ゼイゼイと息をついている。
モモラーはそれをみて苦笑いすると、倉庫にベビしぃを連れてきて、倉庫のカギをしめた。
この倉庫は、天井に窓と、天井に近い所に通気穴があるだけの倉庫であった。

「・・見てもわかるだろうが、お前は逃げられない事だけは理解していろ。明日、朝にな
 ったらお前に案内してもらう。断れば・・。さっき説明したな?」

「・・ワカッテルワヨ。 アンナイスレバイインデショ・・。」

「覚えていればそれで良い。」

「チィチィ! オネーチャンイッショニネンネシヨウヨ!」

ベビしぃはアフォしぃへと添い寝をしようと擦り寄っていった。

「エエ・・・・イイワヨ」

アフォしぃは受け入れた。ベビを自分の胸に抱き、スヤスヤと眠りに付いた。
モモラーはそれを見て、

「(アフォしぃにも虐殺厨という意識はありながらも、ベビに対しては愛情を持てるのか・・。)」

モモラーはそう思いながら、眠りについた。
  
                    (続く)