玉響～たまゆら～

主人公・穂積透夜は、民俗学研究を志す大学生。

夏期休暇の始まったばかりのある日、親友の古河俊一とともに、師事する教授の代理としてとある祭を取材するため、紀伊半島にある山間の集落に赴く。

十二年に一度行われるというその祭儀は、集落の外部には一切公開されず参加さえ許されない「秘祭」なのだという。
学者であった亡父の縁続きで、今回に限り調査取材の許可が下りたというのだが…

現地に到着した透夜は、集落の様子に強い既視感を覚え戸惑う。
どこかで見た風景…どこかで感じた空気…
そして、謎めいた少年・羽鳥夕貴との出会い。
夕貴は手栗御坂神社の男巫女「御覡（みかんなぎ）」であり、今回の大祭において大切な役目を担っているらしい。

一方、招かれたとの認識とは逆に集落はひどく排他的で、透夜たちはあからさまに不快な待遇を受ける。

当夜を招いた張本人・手栗御坂神社宮司の神代正嘉の真意も測りがたく、その息子・遼は黙しがち。
羽鳥家と神代家の管財人・久瀬明仁からは、即刻集落を立ち去るようにとの強い警告を受ける。
唯一透夜に親しげな視線を向ける夕貴は、不思議な懐かしさと慕わしさで透夜を魅了するが、祭儀については多くを語らない。
夕貴へ強く惹きつけられる気持ちと、自分の変調に困惑する透夜。

透夜たちが祭への立ち会いを許された本当の意味とは？
集落の人々が口を閉ざし、外部に明かすことのない祭儀の姿とは？
そして「御覡（みかんなぎ）」夕貴の勤める役割とは…？

漠然とした不安の中に置かれた透夜と俊一は事情を探り始めるが、とある事件によって、事態は一変。祭りを控えた集落内には緊張が満ち、それまで閉鎖的とは言え穏やかであったはずの御坂が、少しずつその暗闇を表し始める…

• 穂積透夜(ほづみ とうや)　cv：沖野靖夫
  主人公。国立大学の人文学部二年。民俗学専攻志望の学生。亡父の友人である相庭教授の代理で、紀伊半島のとある集落へ独自の秘祭を取材に訪れるが、そこで自身の過去にも関わる事件に巻き込まれる。やや融通のきかない学者肌で、内省的。一見大人しげな優等生タイプだが、親しい人間には屈託がなく時に大胆な面も見せる。両親は事故のため1年前に他界している。

  趣味：読書。活字中毒気味。 / 特技：食玩やアソートチョコの中身を当てること / 年齢：19才 / 身長：176cm / 誕生日：1月1日(山羊座) / 血液型：B型
  「俺はただ知りたいだけだ。十二年前に何が起こったのかを」

• 羽鳥夕貴(はとり ゆうき)　cv：宮田幸季
  手栗御坂神社の「御覡(みかんなぎ)」。いにしえより続く「秘祭」の中心人物。養子ながら、羽鳥家に残された唯一の人間として、羽鳥家が代々担ってきた「御覡」――祭神に仕える重要な役目――を果たす存在。御坂集落の外には出たことがない。集落の人々からは、怖れの混じった崇敬をもって遠巻きにされている。明るく素直で繊細、控えめな少年に見えるが……。

  趣味：篠笛(しのぶえ)を吹くこと。不思議と心が落ち着く。 / 年齢：18才 / 身長：171cm / 誕生日：？ / 血液型：？ / 病的に白い肌と細い髪、どこか未成熟な端麗な容貌
  「……お帰り、透夜」

• 古川俊一(ふるかわ しゅんいち)　cv：羽多野渉
  透夜と同じ学部生。教育学科履修予定。中学時代以来、透夜の唯一の親友。御坂集落への取材に同行するが、「秘祭」が進行するにつれ、周囲に警戒を招き、ついには余所者狩りの対象となってしまう。楽天的で前向き。普通に学び、よく遊ぶ、気楽な大学生。あまり物事を深刻に考えず、ストレスのたまらない性質。

  特技：ゲーセンのクレーンゲーム / 年齢：20才 / 身長：185cm / 誕生日：4月5日(牡羊座) / 血液型：O型 / 体力には自信あり
  「暗い顔ばっかりしてんじゃねえぞ。……何のために俺が来たと思ってんだよ」

• 久瀬明仁(くぜ あきひと)　cv：成田剣
  神代家と羽鳥家の顧問弁護士で管財人。普段は東京の事務所に勤めている。祖父の代から神代・羽鳥家に関わっているが過去のとある事件をきっかけに可能な限り御坂集落に関わるまいと努めている。何も知らずに御坂集落を訪れた透夜に対し、即刻立ち去るよう警告。秘祭の性質については固く口を閉ざす。独身主義者。対人関係では常に余裕と優位を保つよう心がけているが、それだけに稀に自分のペースを乱されるとその後が弱い。真剣な恋愛には案外不器用な一面も持っている。

  特技：料理。腕前はプロ級だが、後片付けは苦手。 / 年齢：34才 / 身長：179cm / 誕生日：12月15日(射手座) / 血液型：AB型 / 鋭利で近づきがたい印象を与える痩身・腕っぷしはあまり強くない
  「即刻荷物をまとめて、ここから立ち去れ。――手遅れになる前に」

• 神代遼(かみしろ りょう)　cv：平井達矢
  若き禰宜。神代家を継ぎ祭祀を取り仕切るよう定められている。神道系の大学で修養を収め、一年前に集落へ帰ってきたばかり。温和で堅実。押しに弱く、苦労症。人見知りする一面もあり、慣れるまではあまり笑顔を見せることがない。御坂集落の次代のまとめ役として厳しく育てられたが、父とは反りが合わない面が多々ある。年のわりに、年寄りくさい言動が多い。

  趣味：川釣り(自分では特技だと思っているが実は上手くない) / 年齢：23才 / 身長：180cm / 誕生日：7月1日(蟹座) / 血液型：A型 / 弓道を修めて引き締まった細身
  「今更、何をしに来た！」

• 神代正嘉(かみしろ まさよし)　cv：ジョージ若鳥
  手栗御坂神社の宮司。代々実質的に御坂集落を治めてきた神代家の当代。自分にも他人にも厳しく独特の風格を漂わせるが、息子・遼との関係は冷え切っている。十二年に一度の「大祭」をきっかけに透夜を集落へ招き入れる。その目的とは一体何なのか。夕貴とは、様々な要素が絡みあう一言では言いがたい関係。透夜の父に対し、今もなお複雑な感情を抱いている。

  趣味：囲碁 / 年齢：54才 / 身長：182cm / 誕生日：7月25日(獅子座) / 血液型：A型
  「正統な血が必要なのだ――羽鳥の正しい血が」

• 相庭香苗(あいば かなえ)　cv：秋元美夕
  民俗学の教授。透夜の父親・穂積一成の友人で、透夜自身の師であり、後見人。姉御肌風でやり手の学者。学生顔負けのバイタリティの持ち主で、透夜など日々振り回されている一人だが、何かと憎めない。
• 加藤左知代(かとう さちよ)　cv：夏乃はちみつ
  神代家の家政婦を務めており、排他的な御坂集落において唯一、透夜と俊一に温かく接してくれるオアシスのような存在。