比翼は愛薊の彼方へ～連理の夢～

春秋戦国時代の趙国。
相如（主人公）は、第二皇子である恵珂に仕えている兄・繆賢に呼ばれ、宮殿へ上がることに。
誰からも好かれる優秀な兄を幼いころから尊敬し、自分も兄のように、と思っていた相如は喜んで都へ向かうのだった。

それから一年。相如は兄とともに恵珂に仕え、充実した日々を送っていた。
主君である恵珂は、孤高でまったく他人を寄せつけない。だが、兄の繆賢だけは特別なようだった。
繆賢と恵珂は主従ではあるが、親友ともいうべき関係。そんな二人をうらやましく思いながらも、時折、恵珂が見せる寂しそうな表情に、相如はなぜか心を奪われてしまう。

知らず知らずのうちに、相如は恵珂にひそかな想いを寄せるようになっていた。

そんな折、父である武霊王の命で、璋瑶・恵珂・翔が後継者の座をかけて争うことになる。
だが、たとえ父の命令であるとはいえ争いは良くないと、三兄弟は不戦の協定を結ぶのだった。

約束を信じた恵珂は、相如にも繆賢にも、なにも話さない。
それが嘘の協定とは知らずに…。

――――恵珂暗殺のときは、すぐそこまで迫っていた。

• 相如(そうじょ)　cv：悠輝タクト
  主人公。19歳。利発で明るく素直な性格。兄の繆賢とともに、恵珂に仕える。好奇心も旺盛で、わりと誰とでも仲良くなれるため、宮殿内に限らず、町中にも顔見知りは多い。やさしく優秀な繆賢を心から尊敬し、自分も兄のようになりたいと思っている。だがその反面、強い劣等感も抱えている。繆賢と仲のよい恵珂に、淡い想いを抱く。
  　　「いいな、兄さんはあんなに話せて……僕じゃ無理なのは、わかってるけど……」
• 恵珂(けいか)　cv：紀之
  23歳。趙の第二皇子。父、武霊王から第一皇子の兄・璋揺よりも溺愛されていたため、幼いころから権力を狙う者たちに命を狙われていた。自分のために親しい人間が傷つくことを恐れ、次第に誰も寄せつけないようになった。だが、そんな自分の立場を理解していながらも親しく接してくれる繆賢にだけは心を開き、笑顔を見せる。
  　　「兄の姿が見えないと…――そんなに不安…なのか？」
• 繆賢(びゅうけん)　cv：大原崇
  24歳。相如の兄で、恵珂に仕える武官。誰からも好かれ、優秀であったがゆえに王太子・璋揺の怒りを買い、第二皇子の恵珂に仕えた。誠実で、常に笑顔を絶やさないおおらかさは、孤独な恵珂も笑顔を見せるほど。自分に対して相如が劣等感を抱いていることは知っているが、本当は相如のほうが自分より優れていることにも気づいている。
  　　「いつも言ってるだろ、恵珂。無愛想な主君じゃ、臣下がいろいろ困るって」
• 璋揺(しょうよう)　cv：野瀬育二
  27歳。趙の第一皇子。王太子。恵珂、翔の兄であり、王の後継者のはずだった。狡猾で嫉妬深く、父王に愛されている恵珂を激しく憎んでいる。翔と共謀し、恵珂暗殺を企てる。
  　　「太子は私なんだ！　それを今さら……――父上は何を考えているんだ！」
• 翔(しょうけい)　cv：阿部敦
  22歳。趙の第三皇子。頭脳明晰で優秀だが、やや残忍な性格で、つねに他人を見下している。王座を得る機会をひそかに待ち望んでいた。多くの食客を抱え、宮中でも権勢を振るう。二人の兄たちに表向きは従順だが、心の中では軽蔑している。争いがはじまったとたんに璋揺と共謀し、恵珂暗殺を謀る。
  　　「俺もぜひ聞いておきたいね。恵珂は王になりたいのか？」
• 廉頗(れんぱ)　cv：四宮豪
  28歳。勇猛かつ寡黙な趙の将軍。王太子である璋揺の命令により、翔の食客である凶と滅をはじめとする多くの刺客、兵たちを率いて恵珂暗殺を企てる。公子三人が争い合う前は、相如のよき先輩であった。
  　　「………………。――まったく、しょうがないやつだ……」
• 凶(きょう)　cv：鈴木貴征
  18歳。翔の食客の一人で、本名は不明。残忍かつ粗野で、暗殺を生業とし、人を殺すことに快楽を覚えている。滅とは双子だが、どちらが兄か弟かは不明。べつに、分かろうとも思っていない。“狩り”の時間を長く楽しみたいのに、滅がいつも獲物をすぐに仕留めてしまうことが一番の不満。
  　　「どうしてって……――おまえ、まさかなんにも知らないのか？」
• 滅(めつ)　cv：天城大智
  18歳。翔の食客の一人で、本名は不明。幼いころから、凶とともに暗殺を生業として生きてきた。ただ、彼にとって殺しは生きるための仕事なので、罪悪感を覚えることはないが、凶のように殺しに快楽を覚えることもない。そのため、凶が“仕事”を楽しんでいることも理解できない。感情を表に出すことは滅多にない。
  　　「――だめ…、――凶………」