恋恋

Last-modified: 2024-01-27 (土) 00:57:11

 「ドッペルゲンガー」という言葉は誰しも1度は聞いたことのあるだろう。
正確には幻視の一つとされており、もう1人の自分と言えど会話などせず短時間で消えると定義されている。(諸説あり)現代では、異常現象の一つとしても挙げられている。
 でも,本当にドッペルゲンガーは本物の人物に何もしないであろうか?
今回は,そんな不思議な現象を体感したお話です。

 冬休みも終わりに近づいた1月初旬。恋は作曲を考えながらピアノを演奏している。今度は珍しくバラード(ゆったりとした曲)にしてみようと意見があり、恋も集中して作業をしている。そんな時、恋はふと思い出すことがあった。
 冬休みということもあり、恋はゲームをしていたら主人公のドッペルゲンガーが出てきてバトルした。奇しくも、クラスでは「ドッペルゲンガーに会った」という生徒の噂が流れていたのだ。噂だから特に気にしてなかったが、恋は「ドッペルゲンガー」という言葉が頭から離れない。

「ドッペルゲンガーですか…本当にそのような物があるのでしょうか?」

ピアノを弾いてかれこれ1時間。部活の為、練習着に着替えるので鏡の前に立つ。
すると、自分は夢を見ているのかと思った。なぜなら、鏡の正面の恋は1人のはずなのに、鏡に映る恋は2人いるのだ。驚いて恋は横を振り向くと、そこには葉月恋がいる。
「「ええ⁉どうなっているのですか⁉」」
2人の恋は驚いて距離をとる。何で自分にそっくりな人がいるのか?自分が2人いるのか?はたまた、これはギャルゲーをしすぎて夢を見ているのか?様々な考えをしたが、目の前の恋も驚いているので、互いに質問してきた。
「あ、あなたは誰ですか⁉」
「私は葉月恋です!」
「違います!葉月恋は私です!!」
「いえ!私が葉月恋です!」
「「だから、私が本物の葉月恋です!」」
互いに自分が本物だと主張するが、相手も自分が本物だと主張して、訳が分からなくなってきた。
そこで、恋は思い出した。これが「ドッペルゲンガー」なのではないかと。もし、はっきりとしたことは分からないが、この異常事態を早く解決するには確かめ合うしかない。
恋と恋は少し怯えながらも、互いに近づいてみた。
「改めて見ると、確かに私にそっくりですね…」
「それはこちらのセリフです。そちらの私も私にそっくりですね」
互いの身体をまじまじと見ているうちに鼻腔内にいい香りが突き抜けてきた。実は、父が購入してくれた海外の香水でつけていたので、それが2人の恋の思考を弱らせた。その香水は「安らぎ」をテーマにしており、大人びた性格の恋の性格もあって恋の魅力を増す香りでもあった。
 すると、2人は恋の魅力の一つでもあるポニーテールに触れてきた。
「ちょっと、触りすぎですよ」
「あ、す、すみません。でも、なぜか触れてみたくて」
部員やクラスからも恋の綺麗な髪型は人気で、おしゃれに敏感な生徒からはどこのシャンプーを使っているのか質問されるくらいである。そんな髪を第三者の視点で触れるうちにシャンプーの香りもしてきた。ふんわりとした。香水の香りとはまた違う香り。そして、ポニーテールをしているので、首元が色っぽく見えてくる。
ポニーテール禁止の学校では「男子生徒の性欲を高める」ようなことで禁止になっているそうだが、確かに、今の恋と恋は大人の魅力に負けないくらい綺麗で妖艶である。
((何ででしょう…。何故かもう1人の私を見ていると、ドキドキして、何だか欲情してしまいます…))
2人はいつの間にか抱きしめていた。部員とはハグすることもあるが、その時とは違う肌のぬくもり。
「あ、あの…、キス…してもいいですか?」
「き、奇遇ですね…。私も…してみたいです」
至近距離のもう1人の自分の顔は赤くなって、綺麗な瞳も蕩けそうな瞳になり、興奮が収まらない。恋と恋は雰囲気に負けてキスをしてみた。
柔らかいプリっとした唇の感触。恋愛ドラマで見たキスって、きっとこうなんだんだろうと思いながらしばらくキスを堪能する。
「ど、どうでしょう…。私の唇…柔らかいですね」
「そうですね…。もっとキスしたいです…」
((もしかしたら、私は私を好きになっているのでしょうか?))
自分同士でキスするなんて、よっぽどのナルシストかなと考えたが、目の前の恋を見ていたらそんなのどうでもいいと考えキスをした。しかも、今度は舌と舌を交えながらのキス。くちゅくちゅと音と吐息の音を立てながら、2人はキスをし続けた。
(あぁ…。気持ちいいです…。私のキス素敵です)
(これが私の舌と唾液…。味という味はありませんが、おいしく感じてしまいます)
冬にもかかわらず、2人は濃厚なキスをし続けていつの間にか服を脱がせていた。
自分と同じ身体。豊満な胸。すらりとした体型。バレエで鍛えた細い脚。完全に一致していた。これから2人は身体も同じか確認しあうというよりも、自分同士でセックスする。
「ふふ。綺麗な身体ですね」
「そういう私も、綺麗ですよ」
身体を抱きしめあうと、豊満な胸同士がむにゅうと形を変え、先端の乳首も形を変えて今まで感じたことのない刺激が全身に伝わる。
「「ひゃあっ♡」」
思わず変な声を出して、慌てて離れる2人。胸だけでこんなにも感じることができたなんて初めて知ったので、驚いた。
「す、すみません。ちょっと、その…」
「い、いえ…。私も…おっぱいで感じるなんて…」
そういって2人は深呼吸してもう一度、胸と胸を合わせる。乳首も擦り合わせたりして、快感と喘ぐ声や感度は全く同じなんだなと感じている。
「はぁ…はぁ…。これ、気持ちいいですね♡癖になりそうです♡」
「私もです♡私のおっぱいがこんなに気持ちいいだなんて♡」
そのまま胸を押し合いつつも、腕はお尻やお腹など触れてきて肌の感触も確認しあいつつも、感じていき、再度キスをしてきた。
(いい♡もう1人の私…すごく素敵です♡)
(気持ちいいです♡もう、ドッペルゲンガーや偽物なんかどうでもいいです♡)
((今は、私とこの時間を大切にしたいです))
互いに同じ部位をふれあう中で、下半身も上半身だけずるいと言わんばかりにウズウズしているのがわかる。彼女たちの割れ目からは透明な糸が垂れていたのだ。
「「そろそろ…いいですかね?」」
ベッドに移り、互いに脚を広げると、待ってましたと割れ目を指で広げる。肉の穴はひくひくして、濡れている。2人はじわじわと近づき、互いの秘部と秘部を密着させてきた。
「「ふああああ♡♡♡気持ちいいです♡♡♡」」
初めての感触に秘部が蕩けそうになっていた。
2人は感度マックスになっていたので、触れただけでも絶頂しそうになっていた。今まで自慰をしていたことはあるが、今は自分自身という最高のパートナーとセックスして気分もよい。そのまま2人は声を荒げながら腰を動かして、秘部と秘部をぶつけ合う。
「「ああああ!いいですぅ!もっと!もっと欲しいですぅうぅぅぅう!」」
パンパンパンと肉同士がぶつかる音。恋の同じ声のハモリ。同じ肌の感触。香水と汗の香り。そして同じ身体同士が密着する感触。こんな素敵な要素が重なり、絶頂を迎えないはずがない。恋と恋の下腹部から透明な液体がもう外の世界に出たいと訴える位、限界寸前だった。
「イキますぅぅぅ!イッちゃいますぅぅぅぅ!」
「私もですっ!イッちゃいますっ!」
「「いぐうぅぅぅぅぅぅぅぅう!!」」
ホースから勢いよくでる水のように愛液が2人の秘部から飛び散った。
その日は結局、部活を休んで2人はそのまま何度も何度も身体を重ね合わせた。何度も何度も。終わったのはもう、夜20時頃。2人はさすがに疲れたようで、シングルベッドに並んで休んでいた。
「結局、私は何で増えたのでしょうね?」
「分かりませんね…。でも、これだけは言えます」

最高のパートナーを恋は見つけることができた。
それだけはきっと間違えではないだろう。

オワオワリ