ジャンル | SRPG | #ref(): File not found: ".jpg" at page "Persona 5 Tactica" |
対応機種 | PS5/PS4/One/XSX/Switch/PC | |
発売元 | アトラス | |
発売日 | 2023年11月17日 | |
定価 | 4915円(税別) | |
判定 | シリーズファンから不評 | |
ポイント | まさかの統志郎物語} 怪盗要素は皆無 大きく劣化したペルソナ戦闘 |
概要
- ペルソナシリーズの初のSRPG。略称は「P5T」。
- 時系列は本編「[[ペルソナ5」のエンディングの直前にあたり、突如迷い込んだ異世界での心の怪盗団とその協力者による「革命」のための戦いを描く。
- その後に時系列は『[[ペルソナ5 スクランブル ザ ファントム ストライカーズ』へと
繋がる。 - 発売日と同日に、本編とは独立したストーリーを描く「Repaint Your Heart}」が配信。
ストーリー
卒業式が近い中、怪盗団はルブランに集合していた。
その時「&bold(){春日部統志郎}」という時期総理候補の議員が行方不明になっている事件をニュースで知る。
突然テレビに怪奇現象が発生し、店内が大きく揺れ、店の扉は怪しい光を放つ。
主人公が扉を開くと、その先は見たこともない異世界「キングダム」だった。
謎の武装集団に捕まりそうになるが、「エル」と名乗る革命家に助けられる。
怪盗団の戦いが再び始まる。
システム
戦闘
- 3人で挑むSRPGバトルになっている。主人公を外すことも可能である。
- 範囲内であれば坆撃をするまで自由に移動可能でである。操作キャラは誰からでも、選択可能。
- 壁に隠れる「カバー」をすれば、「ガード状態」に敵からダメージを受けない。だが、逆に壁に隠れていないと、ダメージを受ける。
- 高所にいると有利で、落下させるとダメージを与えられる。また落下先に仲間がいると追撃してくれる。
- 攻撃手段は大きく3パターン。
- 遠距離から敵を擊ち抜く射撃。敵を弾き飛ばす近接攻撃。ペルソナのスキル攻撃。
- 1MORE
- 無防備な敵を攻撃すると、もう一度行動できる「1MORE」となる。敵も「カバー」を使うが、近接攻撃やスキルで「ガード状態」を解除できる。
- TRIBANGLE!
- ダウンされた敵をチームメンバー3人で囲むと「TRIBANGLE!」になり、本編のような「総攻撃」が発動する。
- VOLTAGE
- ダメージを与えたり、ダメージを受けることで「VOLTAGE」ゲージが増加する。
- 最大まで溜まると、キャラクター固有のスキル「ユニークスキル」が発動可能になる。
- ペルソナ
- ペルソナのスキルはSRPG用にアレンジされており、スキルによって敵の位置をや状態を変更することができる。
- また、「PQ」シリーズと同じでサブペルソナを仲間に付ける事ができる。
- ベルベットルームでペルソナを利用して武器を制作できる。
- ステージ
- ステージにギミックがあり、ジャンプや爆弾などが置いてある。
- 待機をすると「チャージ」になり、仲間ごとに使える技が違う。
- スキルツリー
- バトルでGPというポイントを獲得すると、仲間の固有の技を獲得できる。
その他
- talk
- 本編を進めると、「talk」と呼ばれる仲間同士の会話が開放される。
- クエスト
- 本編を進めると特殊なギミックやクリア条件のクエストが発生する。クリアするとGPが貰える。
問題点
シナリオ
- 怪盗団の出番が非常に少ない}
- 本作は統志郎の過去の失った記憶を巡るという構成であるため,怪盗団の出番が非常に少ない。}
- それぞれの章で出てくる統志郎の認知のシャドウボスのやり取りは全て統志郎中心。ちょこちょこメンバーがフォローするぐらいである。敵も怪盗団のことはほとんど眼中にないほど。
- 本編の依頼をそのままシナリオしたような物であり、全く怪盗団メンバーや主人公に関りがないため、怪盗団がサブキャラ化している。怪盗団目当ての非常にユーザーのやる気も無くなる。
- 特に主人公の出番は2、3回あるかないかであり、これでは無口主人公ではなく,空気主人公}だと憤るユーザーも。
- そのため「統志郎物語&P5}」とタイトルを変えた方が正しいと手厳しい声も。
- 統志郎とエルの掘り下げが足りない
- ゲームシステムの都合上フリーな会話が少なく、キャラの掘り下げの機会が少ない。
- 本編のコープのようなものがないので、本編キャラの思い入れが難しくなっている。
- 既視感のある政治家シナリオ
- 統志郎がよくある無気力の流され主義の政治家から改心するという展開であるが、P5のコープ「ダメ寅」やペルソナ4?の「生田目」と被るという声も
- 悪くはないが、散々あった展開を新キャラに変えているだけでマンネリである。
- エルの結末
- エルは教師によって走ってくる電車が通る線路に押されるが、&bold(){なんと脚を不自由にしただけで生存。}タフ過ぎる…
- さすがにご都合主義過ぎるという声も。
- P5Rで芳澤かすみのシナリオで登場するとあるキャラは車で命を落としているため余計に違和感を覚える。
- 本編要素の削除
- せっかくの中性ヨーロッパや江戸時代が舞台であるが、街中を探索する、住人と会話する、コープなどという機能はない。
- アジトに引きこもり本編と依頼をこなすだけで、やることが少ない。
- P5で言えばアジトで準備し、パレスに行ってまたアジトに戻ってくるようなもので物足りない。
–予告状なし、お宝なし、改心なし、現実と異世界の行き来なしで怪盗要素ゼロ - 全く本編要素が削られている。
バトル
- バトルは三人のみ}
- バトルに参加できるのは三人のみであり、本編の戦闘メンバー四人からも劣化している。一般的なSRPGの戦闘人数としても少ない。
- 人数が少ないので戦術の幅が狭くなるということに繋がり、戦術のワンパターン化になりやすい
- 本編でもただでさえ、控えが多くなってしまうのに、余計に多くなってしまった。
- 怪盗団全員を余すところなく活躍させと思うキャラゲー的な部分を期待していたユーザーからの評価が低くなってしまった
- また本編にあった「援護射撃」や「バトンタッチ」というのも無い。
- なんと終盤で四人目(統志郎)が固定メンバーとして加わる。
- 何故最初からできないのか……
- 仲間の戦闘での個性が少ない
- 上記の通り戦闘人数が少ないので、全員がある程度単体で完結している能力を持つようにすることが多くなる。
- 特にロングライフルと味方全員の移動力を3ターン増やす「マハスクカオート」持ちの喜多川が便利である
- 純サポート特化キャラのような尖った性能のユニットは作りづらく、結果としてどの仲間も、よく言えばバランス感のある、悪く言えば個性の薄い能力となってしまう。
- ボス戦前の個々の戦闘に物語性がない
- 基本的に「モブ敵が出現して倒す」の繰り返しであり、物語としての楽しみが薄い
- 同じような背景マップと敵が多い。さらに敵の行動は、移動するマス目に至るまで固定で、ランダム要素は皆無。
- 最終章がボスラッシュ。
- ラスボス前に前章のボスと戦う。ボスギミックの変化もなく、ひたすら討伐済みの同じボス戦やらされる
- もう一度同じことをやらされるのは苦痛であり、ただの焼き増しとも。
- 単調なRewardとプレイスタイルの固定化
- 大体どの戦闘のRewardも、「〇ターン以内にクリア」「自軍ユニットが戦闘不能にならずにクリア」ぼこの2つで構成されている。
- どの戦闘のRewardも条件がワンパターンで、面白味がない。
- 上記の通り、特に「〇ターン以内にクリア」は必然とスピード勝負となり、トライアングル中心や行動時に1番広く動けるキャラやスキルばかり重宝され、戦略がマンネリになる要因の一つである。
- バッドステータス
- ガル系は敵を吹き飛ばし、核と念魔法は敵を引き寄せる効果があるが、火傷も麻痺も冷凍も効果が短過ぎで恩恵を感じにくい、火傷と麻痺に関してはほぼ掛からないことが多い。
- 敵に魅力がない
- 名前のついていない本編の「悪魔」ですらなく、名前のないシャドウのような存在であり、『ペルソナ3』や『ペルソナQ シャドウ オブ ザ ラビリンス?』を思い出す無個性無機質なシャドウよりさらに敵のレパートリーも少ない。
- ボスを除いた敵兵種は、ライフルを持った一般兵、接近戦とカウンターに特化した兵、射程長めのスナイパー、回復と移動力強化を担当するドラム兵、特定方向からの攻撃を無効化するシールド兵、召喚されたザコを投げてくる重量兵、攻撃すると位置を入れ替えてくる転移兵、7種}である。中ボスというものが無い。
- スキルなどは使用してこず、銃撃と物理攻撃程度の単調な攻撃しかしてこなく
- 空気なペルソナ}
- ペルソナは能力値は「加算HP」「加算SP」「近接攻撃力」「射撃攻撃力」の4種類のみであり、スキルは1ペルソナにつき2枠だけである。
- ペルソナのレベルを上げても能力値がちょっと増えるだけで、スキルを覚えることができない。また、本編にあった物理と銃撃のスキルもない。
- 弱点や耐性も無いので、ペルソナごとの個性がない
- そもそも似たり寄ったり同じようなスキルしかないので、サブペルソナを作る楽しみはほぼない。
- 「ペルソナ」と冠のくせにペルソナに記憶に残らない}という評価されることも。
- UNDOがオールリセット
- UNDOが、個々のユニットの行動ごとではなくターン単位であるので、巻き戻しがやや面倒。
その他
- クエスト、
- 数が少ないし同じような内容ばかり。
- また本編と違って異様に1ターン殲滅など難易度が高い。
- UI
- マップの拡大縮小が出来ず、全体マップがない。加えて、回転も不可、真上からの視点もなしである
- ただでさえ高低差が多かったりして見づらいステージ多いので困る。
- 特にトライバングルする際にキャラがどの位置にいて敵がどこに居てとか凄く位置関係が分かりづらい。
賛否両論点
- デザイン
- PQシリーズのようなデフォルメデザインのペルソナ使い達のキャラデザは可愛いらしい。
- 一方でデザインを簡略化しただけでは?という声も
- トライバングル
- 三角形の中の敵を入れてダメージを与えることができるこのトライバングルであるが、SRPGとペルソナ5のスタイリッシュさが合わさって、うまく融合が図られている。
- 一方で非常に威力が強く、難易度HARDまではトライバングル1発でほぼすべての雑魚的に致命傷を与えられてしまうので、多少強引に突き進んでトライバングルでゴリ押すことも可能である
–またトライバングルで多数の敵を囲んで一層するという戦術となると、あまり奥深くなく、戦略性に乏しい。シミュレーションゲームというよりパズルゲームという声も。
- 立ち絵
- リップシンクするし状況に合わせて立ち絵が変わったりするので臨場感も感じらる
- 特にイベントで1枚絵のスチルが度々表示されるがクオリティが良い。
–だが要するに紙芝居であり、手抜きという意見も。
評価点
- 怪盗団々の交流
- P5Sにあったが、やはり仲間同士の交流を評価が高い。
- 本編がひと段落し、仲間との絆を築いた状態での会話は見ていて楽しい限りである。
- 特に理想の結婚では主人公がメンバーとの結婚を妄想する}という、PQの「ごーこんきっさ」のようなファンサービスがある。
- しかも、主人公が真に浮気を釘を刺されるというジゴロなことも。
- ゲームのグラフィックやアニメーションは高品質と評価される。
- DLC
- 本編はイマイチであるが、DLCのシナリオは好評
- 「かすみ」と「明智五郎」中心であるため、ちゃんと怪盗団中心のシナリオである。
- キャラクター
- 上記のように既視感はあるものの、新キャラの春日部統志郎とエルの物語はほどよくまとまっている。
- 怪盗団は数々の修羅場を経験した先輩として、迷える統志郎やエルを導く役割で少し本編で少し大人になった怪盗団を見ることができる。}
- バトル
- ペルソナ5の戦闘をSRPGにうまく落とし込んでいる}
- オーソドックスなSRPGとペルソナ要素を上手にマッチしている。
- カバーアクション、銃撃と近接攻撃、ペルソナのスキル、ダウンと1moreという本編要素がSRPGの世界で上手に採用されており、ここの融合は評価が高い。
- ペルソナスキルも「ガルで敵を吹き飛ばす」「ジオで拘束」などで上手にSRPGの技となっている。
- 移動の自由度が高い
- 本作は行動するまでは何度でも移動ができる。トライバングルや弱点攻撃でやり直したい場合も多いので、このシステムは嬉しい。
- 運用次第でプレイヤーの連続攻撃が可能となるので、うまくいったときの爽快感はが良い。
- スキルポイントの振り直しが無制限
- 欲しいスキルのためにポイントを振らずに我慢する必要がなく、気軽に色々試すことができる
総評
- 「ペルソナ5」のSRPGとなった作品であったが、メインシナリオは開けてみたら、統志郎中心のシナリオで怪盗団は全くおまけである。
- 残念ながらP5ファンなら、なおさらがっかりしてしまうゲームであった。