『エルフの廃墟都市ミス・ドラナーと関連したフェイルーン世界の歴史』

Last-modified: 2018-03-24 (土) 04:12:45

【概要】
ミス・ドラナーは、ディルランズと月海の間、コーマンソー森林にある約1万人のエルフの都市でした。この都市はかつて「コーマンソー中心街(The city of Cormanthor)」、「歌の都(City of Song)」、「愛の都 (The City of Love)」として知られていたエルフの国「コーマンソー(Cormanthor)」として知られていましたが、いまは滅びて廃墟となっています。

 

cormanthyr2.jpg

 

コロナル・カヴォアーム・アイリシルが-4000DRにセンバーホルム、タングルド・ツリー、エルフ王宮の統一支配者となり、これらが統一されてエルフ帝国コーマンシアとなりました。カヴォアームは-3983DRに首都コーマンソーを創設しました。以降4000年以上にわたり、街はほとんど時代で繁栄しました。

 

(補記:この間、ディルランズ民とコーマンシアのエルフが協力して“立石”を建て、ディルズ同盟を承認する。このときをデイル歴(DR)の基準とし、DR1年「日の出の年」とされる)

 

コロナル・エルタグリム・アイリシルはコーマンシアが生き残るためには、他の種族と平和を築く必要があると判断し、多くのエルフ魔術師を組織して“ミサル”と呼ばれる強力な守護魔法を作りました(後に様々なミサルが多くの組織によって創られた)。これは261DR「天頂の星々の年」に完成し、その建設は「開国(Opening)」を告げました。エルタグリムはコーマンソー市をエルフ以外の種族すべてに開放し、都市はミス・ドラナーと称されました。

 

“開国”は多くの種族がその都市の塔の中で栄えるミス・ドラナーの黄金時代の始まりを告げました。ドワーフ、ノーム、ハーフリングを含む多くの種族がこの時に街に来ました。すべての人種が団結しこの繁栄は661DRにピークに達します。

 

MythDrannorMap0.jpg

 

661DR「血塗れの牙の年」にエルタグリムが死亡し、都市は主導者するものなく残されました。667DR「厳粛な儀式の年」の真夏に12の評議会がミス・ドラナーの統治を行うことになります。しかし評議会はエルタグリムの夢を忘れ、それぞれ彼ら自身のために活動するようになりました。貴族たちは権益確保に走り、姉妹都市に対する権力確立を狙いました。ミス・ドラナーは首都として失敗し、40年の間にコーマンシアは都市国家群に解散しました。

 

708DR「繋ぎとめられた悪の年」。コーマンソー森林にある邪神モーンダー寺院の廃墟が復活し、周囲に害を及ぼし始めました。エルフ軍との激しく戦いの末、カルトは多くの秘儀を隠し持ったまま散り散りになりました。この事件の結果、コーマンシア上空の次元門の縛りが緩まり、強力な三体の魔物(ニュカロス)が解き放たれました。彼らは周辺の様々な邪悪な種族や魔物を集結させます。

 

711DR「絶望するエルフの年」。三体のニュカロスに率いられた「闇の軍隊(Army of Darknes)」が活動開始。多くのエルフ氏族と居住地が滅ぼされ、「涙戦争(Weeping War)」開幕。この戦の間に「エルフ王宮」陥落や、ドラウとエルフの休戦とその終わり、「ねじれた塔」のドラウによる占拠、「エルフ王宮」奪還など様々な事件が起こります。

 

714DR「破滅の年」。指揮官同士の決闘において発生した魔法爆発で、両軍ともに壊滅的な損害が発生。「闇の軍隊」の残存兵力がなだれ込みミス・ドラナー陥落。最後まで守りについた戦士のうちで生き残った200人以外の者は全滅。エルフの権力中枢は「エルフ王宮」に遷されました。
 エルフたちは儀式を行い、「エルフ王宮」を中心に新しいミサルを作成しました。このミサルによってコーマンシアから“エルフでないものを排斥”しました。ミス・ドラナーは封印して隠されて伝説としてのみ語られ、そこでの冒険は秘密裏に行われるようになります。

 

1344DR「ムーンフォールの年」。多くのエルフ氏族が「緑の島エヴァーミート」への「大退却(The Retreat)」を開始します。

 

1374DR「稲妻嵐の年」。セイヴェル・ミリタールがエルフ達を率いてフェイルーンに戻ることで「大退却」を終え、彼らはミス・ドラナーに入植します。

 

1385DR「青火の年」。魔法の女神ミスタラが邪神シアリックに殺害されたことで、世界中の魔法を構築していた“織り”が失われ、「呪文荒廃」が発生しました。この前後に以下のような様々なことが起こりました。

  • フェイルーン大陸が存在する世界であるトリルと対をなす世界アイビアと融合し、一部地域の入れ替わり。
  • 多くの神々が滅び、彼らに選ばれた者が力を失いました。
  • 暴走魔法の荒れ狂う荒廃地域の発生と呪痕を宿した荒廃クリーチャーの誕生。
  • アンダーダークの崩落と地上地形の変形。
  • レッド・ウィザードの国サーイがアンデッドの国へと変貌。
  • 太古の魔法帝国ネザリルの復活
  • 上記のエルフたちの帰還。
     

呪文荒廃の後、セイヴェルの娘が新たな指導者コロナル・イルセヴァール・ミリタールとなり、100年かけてミス・ドラナーを復興します。この時期の終わりごろ、1479DR「老い知らずの年」がD&D4版の舞台となった時代です。

 

1487DR「Year of the Rune Lords Triumphant(魔法王凱旋の年?)」。数年前から「Second Sundering」継続中。邪悪な古代魔法帝国ネザリルとの戦いにおいて、空中都市スルタンサーがミス・ドラナーに墜落、両方の都市が破壊されます。イルシヴァールと彼女が率いる生存者はセンバーホルムへと避難しました。現在のミス・ドラナーはエルフ都市の廃墟であり、同時にネザリル空中都市の廃墟でもあります。

 

「Second Sundering」において発生した事件の数々を以下に記載します。

  • 落星海における長期間にわたる雨「Great Rain」によって落星海が大きく広がる。
  • ウォーターディープとネヴァーウィンターで100年前の崩壊の影響を解決の尽力が成される。
  • ネザリル帝国がセンビアと共に周辺への侵攻を開始、ディルランズを戦場としてコアミア軍と衝突。ミス・ドラナーの加勢も加わってセンビアとネザリルを地域から排除。
  • ネザリル首都の空中都市スルタンサーがミス・ドラナーに攻撃をかけ、戦闘の末に墜落して両都市が破壊。
  • ネザリル残存軍はアノーラッチ砂漠の「記念塔」においてベダイン族と戦い、これによって古代種族フェアリムが目覚める。
  • 滅びた神々が復活し、彼らに選ばれしものも力を取り戻す。
  • アイビア世界が再びトリル世界と別れる。
     

1489DR「Year of the Warrior Princess(戦姫の年?)」。フォーゴットン・レルムを舞台としたD&D5版の冒険開始年です。ここからの歴史はゲーム中に行われる冒険で創られることになります。