【d4】ウィザード

Last-modified: 2019-02-11 (月) 01:23:51

ウィザードは学習と研究で身につけた知識で秘術を操る魔法使いです。幅広い知識は冒険の手がかりとなり、便利呪文は困難な問題に思わぬ解決策を与え、戦闘では群がる敵を攻撃呪文で一網打尽にします。不可能を可能にするのが、ウィザードです。
 ウィザードにはさまざまなキャラクターがいます。あなたは伝説の探索に赴く魔法研究者かもしれませんし、魔法学校の寮生、使い魔の黒猫を連れた魔女、マッド錬金術師かもしれません。

 

ウィザードはゲーム中の4つの役割における代表的な秘術クラスです。ゲーム中において期待される主な仕事は「呪文で敵をまとめて無力化する」、「困難な状況を呪文で打開する」、「知識技能で冒険の手がかりを得る」ことです。強力な呪文の引き換えにhpが低くて、防御も貧弱。前線には近寄らない方が良いでしょう。
 ウィザードは呪文書に書き込んで修得した呪文の中から毎朝、その日に使う呪文を選択して呪文スロットに準備します。感覚的に分かりにくいかもしれませんが、戦闘機がその日の任務に応じて対空ミサイルを装備したり、対地爆弾を準備するようなものです。
 装備も貧弱でhpも低いウィザードの強みは呪文の強力さにつきます。ウィザードを活躍させるためには、その日の冒険で役立つ呪文を準備しておく必要があります。そのためには様々な呪文の特徴を知って使い分けられること。そして知識技能を活用し、その日の冒険で出会う困難を予測して対策を練ることが重要です。
 レベルが上がるとやりたい放題に活躍できるウィザードですが低レベルでは使える呪文数も少なく、できることが限られます。低レベルで大切なのは、とにかく死なないこと。そのために一番シンプルな対策は敵に近寄らないこと、何かの後ろに隠れることです。冒険中の位置取りには気を使いましょう。

 

具体的なクラス特徴を見てみましょう。

 

【d4,e4:クラスの基本スペックと特徴】

  • メイン能力値:知力、 サブ能力値:耐久力、敏捷力
  • ヒットダイス:d6
  • 基本攻撃ボーナス:悪い(2Lvごとに+1上昇)
  • 得意なセーヴィングスロー(初めに2、以降は偶数Lvごとに+1上昇):意思セーヴ
  • 苦手なセーヴィングスロー(3Lvごとに+1上昇):頑健セーヴ、反応セーヴ
  • Lv上昇ごとに得られる技能ポイント:2+【知力】ボーナス
  • 武器と防具の習熟:クォータースタッフとダガー、クラブ、クロスボウ、防具は無し。
  • 開始時の資産:2d6 x10gp (平均70gp)
    ――――――――――――――
  • ウィザード呪文
     ウィザードは攻撃と状況の打開に向いた呪文が使用できます。呪文については後の[L4]で詳細に述べます。
  • 呪文書
     あなたの能力の殆どすべてを占める呪文は、この呪文書が無いと使えません。常に用心深く守るべきです。長期のキャンペーンなどでは予備の呪文書を作ることを検討しても良いでしょう。また敵のウィザードを倒した際には、まず呪文書を確保、その中に使える呪文があれば、自分の呪文書に書き写してレパートリーを増やしておきましょう。
  • 秘術の絆
    ウィザードの選択によって、“絆の品”か“使い魔”のどちらかを得ることができます。。
    • 絆の品
      選択した杖やワンド、武器、指輪を“絆の品”にし、1日に1回だけ、それを用いて修得している任意の呪文(対立系統以外)を使用できます。「使いどころが限られるが状況によっては必須となる呪文」や、「使い果たした強力な呪文」を準備することなく使用できるこの能力は極めて強力です。特にこだわりが無いならば、“絆の品”を選ぶべきでしょう。
    • 使い魔
      使い魔は手間がかかるのは確かですが、上手く使いこなすと便利で楽しいものです。あなたと同じ技能ランクを持っていることを活用して技能のサポート、移動力の高い使い魔を使っての接触呪文の運搬。ボーナス特技《鋭敏感覚》の活用。そして使い魔ごとの特殊能力の活用、・・・中にはUltimate Magic掲載のグリーンスティング・スコーピオンのイニシアチブ+4など。アイデアはプレイヤーしだいです。
  • 秘術系統
     得意系統に専門化することにすれば、呪文Lvごとに得意系統の呪文を一スロット余分に準備でき、代わり選択した対立系統の呪文を1つ用意するのに2スロット必要になります。
     苦手系統は巻物やワンドで使うと割り切ってしまえば、使用可能な呪文の数が増える利点を生かすことができます。苦手系統としては、まず使いにくい呪文の多い「死霊術」。次いで使いどころを選ぶ「心術」や「幻術」、巻物で済ませられる「防御術」などが候補に上がるでしょう。
     以下に専門化して有用な秘術系統を幾つか挙げます。
    • 召喚術:戦闘用の強力な範囲状態異常呪文の多くが召喚術であり、得意系統とすることで戦闘で惜しみなく制圧呪文を使用できます。また、7レベル以降に覚えられる瞬間移動系の呪文を多く使えることで、瞬間移動呪文を用いた強襲、緊急離脱、長距離旅行などの汎用的な活躍ができます。1Lv呪文「グリース」、2Lv呪文「グリッター・ダスト」、3Lv「スティンキング・クラウド」、4Lv「ディメンジョン・ドア」、5Lv「テレポート」などがお勧め呪文です。
       初期の系統能力はさほど強力なものではありません。しかし、8Lvで覚える「次元またぎ」は瞬間移動による各種サポートに使用可能な便利な能力です。
    • 占術:様々な強力な能力を得られる系統です。「警戒」はイニシアチブにボーナスを与え不意をうたれても行動できるようになる能力で、危険な状況の打開を求められるウィザードにこれ以上なく役立つものです。「占術士の幸運」は低レベルでの影響は小さなものですが、中レベル以上になると戦闘でも技能判定でも大いに役立ちます。「念視の達人」は高Lv帯で発生する念視呪文の打ち合いによる敵陣営との情報の奪い合いを制するのに役立つ能力、ある程度の慣れが必要ですが各種の占術呪文を組み合わせれば、多くの情報を得た状態から冒険を行えます。
       占術呪文はゲームを有利に進められる情報の入手と危険の察知に役立つので可能なら準備しておきたいのですが、そこまで手が回らないケースが多いです。占術が得意系統ならこれらの呪文を常備することになり、冒険中に役立つケースは多々あります。2Lv呪文「シー・インヴィジビリティ」、3Lv「アーケイン・サイト」、4Lv「スクライング」、5Lv「テレパシック・ボンド」などがお勧め呪文です。
    • 力術:最も信頼できる戦場の制御は敵を全滅させること。強力なダメージ呪文が並ぶ力術を得意系統とすることで火力呪文を乱射し、素早く敵を殲滅できます。また、4Lv以降の力術には強力なウォール系呪文が含まれます。戦場の分断、戦闘回避など様々な局面で役立ちます。1Lv呪文「バーニング・ハンズ」、2Lv呪文「フレイミング・スフィア」、3Lv「ファイアー・ボール」、4Lv「アイス・ストーム」、5Lv「ウォールofフォース」などがお勧め呪文です。
       力術の系統能力は呪文のダメージを少し底上げする地味だけど有用なもの。一転して8Lvの「精霊の壁」はエネルギーの壁を造りだす派手なもの、ダメージ呪文の代わりに使えます。
    • 変成術:変性術は直接的な戦闘力を持たないものの、難局の打開に役立つ便利呪文を多く含んだ系統です。常に変成術をスロットに用意することで、様々なトラブルを迂回する魔法使いらしいプレイを実行できます。1Lv呪文「フェザー・フォール」、2Lv呪文「ダーク・ヴィジョン」又は「スパイダー・クライム」、3Lv「ヘイスト」、4Lv「ストーン・スキン」又は「オブシディアン・フロー(Ultimate Combat)」、5Lv「オーバーランド・フライト」や「コミュナル・ストーンスキン(Ultimate Combat)」などがお勧め呪文です。
       変成術の系統能力は能力値にLvに応じて肉体能力値に強化ボーナスを得ることができます。魔法のアイテムより早いタイミング能力値を上昇させることでhpやACを上げることができ、ウィザードの弱点である生存能力の低さを補えます。
       

【f2:技能】(△防具によるペナルティあり、×未修得だと判定不可)
ウィザードの修得で優先すべきなのは、まず呪文学、それから各種の知識技能です。知識技能は、まずは幅広く習得し、その後は絞り込んで伸ばしていきましょう。Lvの上昇と共に知力が上昇すれば、それによって得られた追加技能ポイントを改めて割り振ることができます。また「ヘッドバンドofヴァスト・インテリジェント」の装備によって追加の技能が得られます。

 
  • 呪文学(知)×:ディテクトマジック呪文と組み合わせて、手に入れた魔法のアイテムの鑑定。戦闘中に敵の唱えた呪文を見破るなど、ウィザードが最優先で伸ばすべき技能です。
  • 知識(各種)(知)×:冒険を進めるための様々な情報を得るため、目にした敵の正体を見破るためにそれぞれの知識技能を使用します。それぞれの知識技能の使い道と有用さは以下のとおりです。
    • 特に優先度が高い;(神秘学)、(地域)、(宗教)、
    • それなりに使う;(自然)、(次元界)、(ダンジョン探検)、(歴史)
    • 優先度が低い;(貴族){たまに凄く重要}、(工学)、(地理)
  • 鑑定(知):非魔法のアイテムの価格を見定め、ガラクタの山から金銭的な価値のあるものを選び出します。実際のゲームでは省力されているかもしれませんが、冒険できっちりと稼ぐには重要な技能です。
  • 言語学(知)×:修得するたびに言語一つを身に着けられることに加え、暗号文の解読や偽造書類の判別に使用します。解読判別を行う機会は少ないですが、要求されるときの難易度が高く、ウィザード以外が身につけていても成功は困難です。
     

【g3:特技】
ウィザードに役立つ特技を幾つかにグループ分けして紹介します。

  • 呪文熟練:~術
     それぞれの系統の呪文のセーヴ難易度を上昇させ、かかりやすくします。召喚術や力術などでの修得が有用です。
     
  • 呪文修正特技
    • 《呪文持続時間延長》(+1Lv):強化呪文の持続時間を延ばしてくれます。
    • 《呪文高速化》(+4Lv):即行アクションで呪文を使用可能にします。高速化することで、通常のままでは役に立たなかった呪文が有用になることもあります。高Lv以外では使う機会のない特技ですが、使用可能なレベルでは極めて強力です。
    • 《呪文目標選別化》(+4Lv、Advanced Player's Guide(APG)掲載):範囲呪文から特定のクリーチャーを目標から除外します。乱戦に半移行でき呪文を叩き込めるようになる便利な特技です。
    • 《呪文越境化》(+1Lv、APG掲載):修正した呪文を非実体クリーチャーに影響させることができます。
    • 《呪文霧氷化》(+1Lv、Ultimate Magic(UM)掲載):修正した[氷]呪文の効果を受けた目標は拘束状態になります。ダメージ呪文が同時に制御呪文になる強力な特技です。
    • 《呪文閃光化》(+1Lv、UM掲載):修正した[火]か[光]、[電気]呪文の効果を受けた目標は目がくらんだ状態にします。効果は地味ですが、使いやすく役立ちます。
    • 《呪文転倒化》(+1Lv、UM掲載):修正した[力場]呪文の効果を受けた目標に術者能力で足払いを仕掛けられます。
  • アイテム作成特技
    • 《その他のアイテム作成》:比較的に安価・短期間・低レベルで作成できる「その他の魔法アイテム」は様々なものがあり、これらを自作することで、通常よりも早いタイミングで入手できるようになります。
    • 《スタッフ作成》:ルールブックに載っているスタッフはやけに高額ですが、機能を絞り込んだスタッフならば意外と安価です。11Lv以上になったら習得を検討する価値があります。
       
  • その他の特技
    • 《追加hp》、《イニシアチブ強化》:他のクラスと同じくこの特技は常に役立ちます。特に乱戦になる前に呪文を唱えるべきウィザードには《イニシアチブ強化》は重要です。
    • 《戦闘発動》:防衛的発動などに+4。敵と隣接した状態での呪文発動の成功率を引き上げます。
    • 《近距離射撃》、《精密射撃》:遠隔接触呪文には強力なものが多く、これらを有効に使うには《精密射撃》が役立ちます。
       

【h3:装備】
ウィザードの装備は呪文の使用を邪魔せずに、呪文効果と生存力を高める装備を選ぶことになります。

 

ウィザードの持っておく装備として以下のものが考えられます。

  • 通常アイテム
    • 呪文書:これがないとウィザードは何もできません。何としても死守しましょう。
    • 呪文構成要素ポーチ:呪文を使用するのに必要。
    • ダイアモンドの粉、またはダイアモンド:一部の呪文に必要となります。
  • 魔法アイテム
    • ワンドofグリース、ワンドoマジック・ミサイル、ワンドofシールド、ワンドofメイジ・アーマー:頻繁に使用する低レベル呪文はワンドで購入してしまいましょう。
    • 様々な呪文の巻物
    • パールofパワーI:使用した1Lv呪文スロット一つを回復します。
    • ミスラル製バックラー[+1~]:パーティ生存の要である君の防御力は重要です。
    • ハンディ・ハヴァサック:装備重量を軽減し、中の巻物を機会攻撃なしの移動アクションで取り出せます。
    • クロークofレジスタンス、アミュレットofナチュラル・アーマー:防御力向上の定番アイテムです。
    • ヘッドバンド・オヴ・ヴァスト・インテリジェンス、ベルト・オヴ・マイティ・コンスティチューション
    • ロッド:メタマジック・ロッドof~:それぞれ該当特技を適用したように呪文の特性を変更します。
       

【L3:呪文】
ウィザードの呪文に期待されるのは困難に陥った状況の解決、そして戦場のコントロールです。ウィザードは毎朝、呪文書の中から選んで呪文を準備します。準備できる呪文のレパートリーを気楽に変更できませんので、クレリックと相談して習得や準備する呪文を選択し、クレリックとウィザードの両方が使える呪文なら、クレリックに準備を頼んだ方が良いでしょう。また、呪文によっては呪文使いが直接唱える必要はなく、巻物などで用意すれば十分な呪文も多いです。
 敵に呪文をかける機会の多いウィザードにとって重要なのは、敵の弱点を突いた呪文を使用することです。使用する呪文の特徴と敵の特徴の両方を把握しておきましょう。基本方針としては苦手なセーヴを狙う、呪文抵抗を持っている敵には抵抗できない呪文を使う、hpの少ない敵にはダメージを叩き込むといったところです。

 

キャラクター作成時の参考までに、それぞれの呪文レベルの定番呪文をリストアップします。
※◎:呪文の優先度―いつも準備しておきたい呪文、○:可能なら準備しておきたい呪文、△特定の状況で準備あるいは巻物などで用意しておくとよい呪文、□パーティ構成や状況次第では役立つ呪文。 セーヴィング・スロー(ST)、呪文抵抗(SR)

 
  • 0Lv呪文
    • ディテクト・マジック(◎占術;ST不可;SR不可):魔法アイテムと罠の発見、鑑定に必須。
    • ライト(○力術;ST不可;SR不可):視界の確保の有力手段。高レベルになるとアイテムの方が強力。
    • オープン/クローズ(○変成術;意思ST;SR可):手の塞がった前衛に代わって扉を開く、隣室からの射撃を遮る、敵の逃げ道を塞ぐなど状況次第で強力な呪文です。
    • メイジ・ハンド(○変成術;ST不可;SR不可):怪しいものを/怪しいところにある物を拾ってみるなど便利な呪文。
    • プレスティシジョン(○統合術;ST―;SR不可):奇術で子供の関心を引いたり、物に記しをつける、汚物から引き揚げたものの汚れを取り払うなど。これも使用者のアイデア次第で活用できる応用性の広い呪文です。
    • リード・マジック(○占術):拾った巻物の中身が分かります。普段は不要ですが、謎の巻物がたまったときに。
    • メッセージ(□変成術;ST不可;SR不可):離れた相手に伝言を送る呪文。ひそひそ声の双方向通信なところが特徴で偵察中の味方との連携が可能になります。
    • アシッド・スプラッシュ(□召喚術;遠隔接触-ST不可;SR不可):酸を浴びせて、ちょっとしたダメージを与える呪文です
    • デイズ(□心術;意思STSR可):1Rだけ何もできなくする強力な呪文ですが、効く相手は限られます。
  • 1Lv呪文
    • カラー・スプレー(□幻術;意思ST;SR可):。15ft円錐内の相手をまとめて朦朧や盲目、気絶にする1Lvで最も強烈な呪文。ただし敵に近寄るリスクがあるので、脆弱なウィザードが使うかどうか迷いどころです。
    • グリース(◎召喚術;反応ST;SR不可):目標を転倒させることで移動を阻害し、近接戦闘に大きな手助けをします。転倒した敵に味方が隣接しているときに最大の効果を発揮しますので使用タイミングが重要です。また組み付き対策としても使えます。組みつきが発生しそうな状況なら、予め味方にかけておくことで脱出が容易になります。
    • メイジ・アーマー(○召喚術;ST―;SR―):防具を身に着けられないウィザードのACを上げる貴重な呪文です。非実体の敵が出た場合の防御にもなりますので、そのような状況では味方全員にかけておくと良いでしょう。スロットに余裕ができたら準備しておきたい呪文です。
    • レイofエンフィーブルメント(□死霊術;遠隔接触-頑健ST;SR可):目標の筋力を下げて、攻撃力を低下させます。危険な大型の怪物に早めに打っておけば、味方の生存率を上げることができます。
    • スリープ(□心術;意思ST;SR可):複数の敵をまとめて無力化できる強力な呪文なのですが、発動時間が1Rと長いのが問題です。詠唱を邪魔されたり、効果を発揮したときには使えない状況になっていたりと、やや使いにくい呪文です。
    • チャーム・パーソン(□心術;意思ST;SR可):相手を魅了して友好的にしてしまう呪文。戦闘回避や情報を得るのに大いに役立ちますが、戦闘中に使うとすぐに破れてしまうので、使いどころには注意が必要です。捕虜にかけたうえで回復させて話を聞くというのが、簡単な使い方でしょう。
    • アイデンティファイ(△占術;ST―;SR―):謎の魔法アイテムを入手したときのために、巻物などで使える準備はしておきたいところ。
    • コンプリヘンド・ランゲージズ(△占術;ST―;SR―):冒険中に目にした知らない言語の看板や入手したメモ書き、忍び寄る脅威について書かれた日記を読むときに役立ちます。それが冒険中に必要な情報になることも多く、巻物などでいつも使えるようにしておきたい呪文です。
    • エンラージ・パースン(△変成術;ST―;SR―):目標のサイズを大きくして、接敵面と武器ダメージ、ダメージボーナス、間合いを上昇させます。強力な効果を持ちますが発動時間が1Rと長くて使うタイミングは難しい呪文です。むしろ前衛にポーションとして持ってもらった方が有効でしょう。
    • フェザー・フォール(○変成術;ST―;SR―):落とし穴に落ちた味方のダメージを防ぎ、2階からの強襲を可能とします。また、天井から落下する大岩やシャンデリアからのダメージも防ぐことができます。割込みで使えないと意味がないので、余裕ができればスロットに準備しておきたい呪文です。
    • マジック・ウェポン(△変成術;ST―;SR―):目標を魔法の武器にします。味方が魔法武器を手にするまでの間に、魔法の武器以外へのダメージが効きにくい敵への対策です。Lvが上がると不要になります。
    • シールド(△防御術;ST―;SRー):ACに+4盾ボーナスを得る呪文。効果時間は短いですが、メイジ・アーマーと組み合わせるとかなりのACになります。乱戦が予想されるときにはかけておくとよいでしょう。またマジック・ミサイル呪文を無効化できます。
    • マジック・ミサイル(○力術;ST不可;SR可):問答無用にダメージを与えるダメージ魔法の基本。ただしシールド呪文で防がれるので魔法使いには効きにくいです。
    • バーニング・ハンズ(□力術;反応ST;SR可):15ft円錐内の相手を焼き払う範囲ダメージ呪文。ダメージも1Lv呪文としては高いのですが、敵集団に近寄らなければいけないのが問題です。活用には生存手段の確保が必要でしょう。低レベルでファイターたちが手を出せないスォーム系の敵にダメージを与える数少ない手段として、準備しておくのもいいかもしれません。
    • ショッキング・グラスプ(□力術;近接接触-ST不可;SR可):術者Lv×d6の大ダメージを与える呪文ですが、ウィザードが使うにはリスクが高いです。有効に活用するには近接戦闘に耐えられるよう特別な準備が必要です。
       
  • 2Lv呪文
    • インヴィジビリティ(○幻術;ST―;SR―):目標を透明にします。長距離偵察の安全確保、術者を敵の弓から守る、ローグの急所攻撃の仕込み、敵陣の後方にいる術者への前衛の強襲など、幅広い応用性のある呪文です。巻物での準備も含め、上手く使いこなしたいところです。
    • ミラー・イメージ(○幻術;ST―;SR―):1d4+α体の幻像で術者への敵の攻撃をミスにする防御呪文。ウィザードは頑張ってもACの上昇には限界があります。生存能力を上げるには、この呪文のような「確率避け」手段が有効です。
    • ウェブ(◎召喚術;反応ST;SR不可):範囲内を蜘蛛の巣まみれにして、動けなくします。反応セーヴに失敗すると「組みつき状態」になるので、この状態について確認してみましょう―移動できなくなり、ACが2低下し、両手武器を使用できなくなり、呪文の発動に精神集中が必要になる―とても深刻な影響です。またセーヴの成否にかかわらず範囲を移動困難な地形にして視界を遮ります。2Lv呪文で最も効果の大きな制圧呪文の一つで、使用した瞬間に戦況が激変します。問題は、効果を発揮するのに壁や天井を必要とすること、冒険の内容を確認し、準備するかどうか決定しましょう。
    • グリッター・ダスト(◎召喚術;意思ST;SR不可):目標の不可視状態を解除し、更に盲目にします。厄介な透明クリーチャーの脅威を減らすのが第一の効果、シー・インビジビリティと組み合わせることでパーティを壊滅させかねない脅威を取り除きます。第二の効果は盲目状態にして目標の戦闘能力を攻防共に大幅に低下させること、ラウンド毎にセーヴできるので長持ちしませんので、効いている間に味方に始末してもらいましょう。どちらも強力極まりない効果で、一つの呪文で両方の局面に対応できるこの呪文は2Lv最強呪文として、最優先で準備しておきたい呪文です。
    • シー・インビジビリティ(△占術;ST―;SR―):透明クリーチャーが見えるようになる。グリッター・ダストと合わせれば問題の発見と対処をセットで行えます。両方ともウィザード以外は使えない呪文ですので、スロットに余裕があるか、巻物などから発動できるなら、ダンジョン探検中は使いっぱなしにしておきたい呪文です。
    • スパイダー・クライム(○変成術;ST―;SR―):高いところにある場所に行く、射撃系キャラの射界確保、天井の高いダンジョンで後衛PCが安全な位置を確保するなど。冒険の状況しだいで困る様々な状況を打開できる応用性の広い呪文です。必要な事態のため、巻物などで使えるようにしておきたいです。パーティ構成しだいではダンジョン突入時から誰かにかけっぱなしにするのもありでしょう。
    • ダーク・ヴィジョン(△変成術;ST―;SR―):暗闇対策。暗視を持たない種族のローグが単独での先行偵察を実行するのに不可欠の呪文です。偵察時に仲間と一緒に行動すればファイターとクレリックの騒音で敵に気付かれ、灯りを持てばそれで発見されます。この呪文をローグにかけておくことで安全に単独偵察を行えるようになり、ウィザードが危険にさらされることも減ってくれます。
    • パイロテクニクス(△変成術;意思STまたは頑健ST;SR可あるいは不可):火炎使いの呪文。20ft四方以下の種火を消すとともに、2つの効果から選択してどちらかを実行します。“花火”バージョンで用いれば、半径120ft(つまり直径48マス)という広範囲のクリーチャーをしばらく盲目にします。範囲が広すぎて使える場面は限られますが、効果は強烈。戦記物の冒険で敵陣の真ん中や砦のかがり火に使えば戦局を変えることもできます。“煙雲”バージョンなら半径20ft(≒直径8マス)に煙幕をはり、完全に視界を遮り(≒射撃の目標に取れない、突撃できない、移動速度1/2)、侵入したものの筋力と敏捷に-4のペナルティ。こちらの方が使いやすく、十分な効果を発揮します。どちらにせよ、火矢(GMと相談しましょう)やスナップ・ドラゴン・ファイアーワークス呪文(Advandced Player Guide)などの火種と組み合わせると使いやすくなります。
    • レジスト・エナジー(△防御術;ST―;SR―):エネルギー・ダメージを減らす呪文。基本はクレリックにお任せですが、対ドラゴン戦など特定ダメージが頻発するならクレリックと相談して手分けしましょう。
    • スコーチング・レイ(△力術;遠隔接触-ST不可;SR可):4d6[火]ダメージを叩き込む光線呪文。このレベル帯ではどのクラスも出せないダメージを叩き込むこの呪文は、その一撃で戦局を変える可能性があります。7Lv以降で光線の本数が増え、更に火力が上昇します。キャラクターの構築によっては極めて強力な呪文となります。この呪文を中心に、光線呪文を使いこなすことをコンセプトとした「レイ・シューター」というタイプの魔法使いがいます。
    • フレイミング・スフィアー(○力術;反応ST;SR可):コンスタントに[火]ダメージを与える攻撃呪文です。命中判定不要で常に一定の火力を発揮してくれる安定性のある火力となります。単なるダメージに留まらず、部屋に絡みついた蜘蛛の巣を焼き払って動きやすくする、トロルやヒュドラなどの再生クリーチャーの傷を焼いて再生を止めるなどの応用性もある呪文です。
 
  • 3Lv呪文
    • インヴィジビリティ・スフィアー(△幻術;ST―;SR―):パーティの仲間全員をまとめて透明に。敵の拠点に潜入する時などに便利な呪文です。念を入れるなら、ファイターやクレリックなどの騒音発生器には、エリクサーofハインディングで<隠密>を補っておくとよいでしょう。
    • スティンキング・クラウド(○召喚術;頑健ST;SR不可):半径20ft(≒直径8マス)に臭い毒雲を発生させます。セーヴに失敗した者は1d4+1ラウンド吐き気がする状態になって戦力外になり、雲の中にいると毎ラウンドセーヴを要求されるという強烈な効果です。また、この毒雲が5ftより先の視界を遮るという点も重要で、遠隔攻撃や突撃への対策になります。3Lv呪文で最も強力な戦場コントロール呪文ですが、注意したいのがこれが[毒]効果だという点。対アンデッドやデーモン、デヴィルなど効かないケースがある一方で、味方に「ディレイ・ポイズン」呪文をかけておけば悪臭の雲の中で一方的に有利に戦闘できます。
    • ヒロイズム(△心術;ST―;SR―):目標の攻撃、セーヴ、技能判定に+2意思ボーナス。かけておくと長期間にわたって、戦力を増強させられます。メイン前衛か技能系のPCにかけておくと冒険が楽になりますが、覚えてすぐにはかけづらい呪文です。むしろLvが上がってから、バード版のワンド(呪文Lv2、術者Lv4)を購入して使用するのが良いかもしれません。
    • アーケイン・サイト(△占術;ST―;SR―):ディテクトマジックがかけっぱなしになる呪文。目にしたものにどんな呪文がかかっているのか素早く解析してパーティを危険から守り、敵が身にまとっている呪文から有効な戦術を立てられます。余裕があるなら準備しておきたい呪文です。
    • タンズ(△占術;ST―;SR―):ウィザードとして高い知力をもつあなたは様々な言語を修得していますが、一方で<交渉>は低く、また信用できない相手の目の前に立つという危険も冒すべきではありません。どんな言語でも会話できるようになるこの呪文を仲間の交渉役にかけておくことで、異種族との交渉が可能になり、無益な争いを回避できます。資金に余裕ができたら巻物で準備しておきたい呪文です。
    • ヘイスト(◎変成術;ST―;SR―):使った瞬間に味方全員の戦闘能力を跳ね上げる強化呪文の最高峰です。仲間全員の移動速度を大幅に上昇させ、攻撃とACを1上昇、さらに全力攻撃で1回追加で攻撃できるようになります。高Lv戦闘では、いかに前衛PCが全力攻撃を危険な敵に対してヒットさせるかということが重要で、この呪文はそれを解決してくれます。この切り札は最優先で準備し、そして使うべきタイミングを見計らいましょう。
    • フライ(○変成術;ST―;SR―):味方一人を高速で飛行させる呪文。ドラゴンや一部のデヴィルなど、上空から一方的に攻撃してくる強敵を倒すのには必須の呪文です。味方にかける呪文なので巻物で済ませたいところですが、必要なときは大抵が緊急事態、カバンから取り出している余裕はないかもしれません。予め巻物を手に持っておく、前衛の仲間に各自でポーションofフライを持参しておいてもらうなど、代替手段も良いしておくべきでしょう。
    • ウィンド・ウォール(△防御術;ST不可;SR不可):術者の天敵である射撃系の攻撃を無力化し、厄介なスォームを完封します。必要になる機会は少ないですが、いざというときに巻物で準備しておきたい呪文です。
    • マジック・サークルagainstイーヴル(○防御術;ST不可;SR―):邪悪な敵からの攻撃に対して、パーティ全体を守れます。クレリックと手分けして前衛と後衛の一人ずつにかけておくと頼りになります。
    • ファイアーボール(◎力術;反応ST;SR可):最も使いやすい範囲ダメージ呪文です。習得時点で直径8マスに18点前後のダメージを叩き込みます。これは一撃で雑魚を全滅させ、強敵のhpを大きく削って戦局を決定づけます。戦闘用呪文には敗北を遠ざけるものと勝利を近づけるものの2種類がありますが、ファイアーボールは最もシンプルに勝利に近づけてくれます。常に準備を検討すべき強力な呪文です。乱戦が予想れる戦場では、代わりにライトニング・ボルトを用意してもいいでしょう。
 
  • 4Lv呪文
    • グレーター・インヴィジビリティ(△幻術;ST―;SR―):戦闘に特化した透明化呪文。攻撃的な前衛やローグなどのアタッカーにかけて一方的な攻撃を可能にします。パーティの物理戦闘力を増強する方法の一つとして候補に上がります。
    • ディメンジョン・ドア(◎召喚術;ST―;SR―):800ftほどの短距離瞬間移動呪文。危険な状態からの緊急離脱、敵の拠点への潜入、敵後方にいる魔法使いへの前衛を引き連れての急襲など、様々な難局を打開できる強力な呪文です。
    • ブラック・テンタクルズ(○召喚術;組みつき判定-ST不可;SR不可):半径20ftに触手の群れを発生させ、移動困難にすると共に組み付きます。ダメージ源と兼ねた強力な戦場コントロール呪文です。普通に使うと敵も味方も触手まみれのグダグダの戦場を出現させることになりますが、味方前衛に「フリーダムofムーヴメント」がかかっていれば(強化をケチるならグリース呪文)、敵だけが被害を受けます。他の戦場操作呪文と見比べて最も有用な呪文を選択しましょう。
    • フィアー(△死霊術;意思ST-不完全;SR可):30ft円錐内のクリーチャーを恐慌状態で逃亡させます。多数の敵をまとめて戦力外に落とし込める強力な呪文で、上手く使えばこれだけで戦闘に片をつけられます。ただし、効かない敵には効きませんので、事前調査でこの呪文を準備するかどうかを決めましょう。
    • スクライング(△占術;意思ST;SR可):目標クリーチャーを遠く離れた位置から念視できます。敵の黒幕、味方からの裏切り者、誘拐された救出対象などの様子を知ることで、あなたの今後の行動に役立てることができます。とても魔法使いらしい呪文ですが、目標と繋がりが薄いと呪文は失敗することが多く、相手が「ディテクト・スクライング」呪文をかけていた場合には、警戒を呼び起こします。使う相手とタイミングには気をつけましょう。
    • ストーンスキン(○防御術;ST―;SR―):目標にDR10/アダマンティンを与えて死ににくくします。あなたの前に立って、敵の攻撃を受け止める肉壁であるファイターにかけておくと、彼らが死ぬまでに長持ちし、あなたの安全を確保できます。信頼性の高い強化呪文であり、可能なら準備したい呪文です。5Lv呪文にパーティ全体に時間分割してかけられる「コミュナル・ストーン・スキン(Ultimate Combat)」呪文があります。9Lvになったなら、こちらの方が有用でしょう。呪文をかけるのに必要になる物質要素、一人250gp分のダイアモンド粉末の費用をパーティ資金から供出するよう主張するのを忘れずに。
    • アイス・ストーム(○力術;ST不可;SR可):直径40ftの円柱空間を1R移動困難にするとともにダメージを与えます。ダメージは大きくありませんがセーヴ不可で確実に与えることができます。また移動阻害効果に加え、呪文に精神集中が必要となることを考えると、戦場コントロール呪文として堅実な効果を発揮しえくれます。
    • ウォールofアイス(△力術;反応ST;SR可):最も低Lvで作成できる壁呪文の一つです。壊しやすいので信頼性は低いものの、ともかく物質的な壁を発生させるので通り抜けるために壁を壊したりといったアクションに手番を消費させることができます。単なる戦場の分断だけでなく、断崖に橋をかけたり滑り台を造ったりと、意外と応用性の効く呪文です。
       
      ここに挙げたのはCore Ruleに載っている定番呪文ばかりですが、Core Ruleや他の追加ルールには更に強力な呪文が掲載されています。あなたのプレイするウィザードが魔術書を貪り読むように、あなた自身も様々なルールブックの呪文を読み漁ることで強力なウィザードをプレイすることができます。
       

 

最後にいくつかウィザードの例をあげます。エルフの召喚術師と、ハーフリングの呪文スナイパーです(後者は役割として技能系に分類されるキャラクターです)。

 

■エルフの召喚術師

元のEXCELファイルの詰め合わせ:

 

■ハーフリングの呪文スナイパー

元のEXCELファイルの詰め合わせ:

 
 

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