PaintGuide_AP_0

Last-modified: 2017-09-19 (火) 22:45:43

【アーミーペインターでのミニチュア・ペイント】

 

WARLORD GAMES社のホビー用塗料「アーミーペインター」でのペイント方法を説明します。
使いやすい良い塗料だと思うのですが、まとまった説明をしているところを見かけないので、書いてみた次第。
公式ではないので、間違いなどありましたらご容赦の上、下記のコメントなどでご指摘いただけると幸いです。
 オカ


 

【「アーミーペインター」って何?】
イギリスのWARLORD GAMES社から発売されているミニチュアなどのホビー向け塗料のシリーズです。日本にも代理店(リンク)や取扱いショップが存在していますので、入手に不自由はないかと思います。
 扱いやすく重ね塗り可能な水性アクリル塗料であり、乾きにくく少量ごとの使用をしやすい目薬型の容器に入っているため、とても使いやすくなっています。
 このページでは、このアーミーペインター(以下APと略)塗料の特性を紹介した後、実際の使用例で説明します。

 

【アーミーペインター塗料の特徴】
AP塗料の使い方とペイントのガイドは公式ページにも説明PDF(リンク)がありますので、そちらもご参考に。

AP塗料の外見はこんな感じ。
普通に塗料として用いる色が左の2種類でメタリック色は蓋が黒くなっています。
左から3つ目は色水程度の薄い色合いのシェイド系の塗料。色合い調整や影を入れるのに使います。
4つ目は血糊などの特殊な効果を表現するためのエフェクトというシリーズ。あまり使いません。
0_AP_bottle_0.jpg

 

APには単品に始まって、10色セットから、50色、127色セットといいろいろありますが、まずは必要なものだけ使えば十分かと思います。50色セットにシェイド系塗料を含めるとこんな感じの色があります。
ColourGlidAP0d.jpg

 

塗料はそれぞれの色も重要ですが、目的の色を発揮するための隠蔽力も重要です。隠蔽力の強い色はそのまま塗って目的の色になりますが、隠蔽力の弱い色は下地色の色に影響されます。一般にどのメーカーで発売している塗料でも、鮮やかな黄色やオレンジ、赤、金は隠蔽力が弱い傾向があります。そのような色では下地に明るい色を塗ってから目的の色を塗るなどの工夫が必要になります。
 要は隠蔽力が強い(上の図で◎や○)明るい色を塗った上から、隠蔽力の弱い色(上の図で△や×)を塗れば大丈夫です。

 

上記の色のリストを色の色相と明度を表した色相環の上に配置すると数の様になります。ミニチュアなどのペイントに使われる都合か、茶色や緑色がやたらと充実している一方、紫色とかは少なめですね。塗装に用いる色を用意するときや混色するときの参考までに。
ClolourCircleAP0c.jpg

 

リストと色相環上の図PDF

 

さて、このアーミーペインター塗料を用いての塗装はどんな感じになるのでしょうか?

 

 

【アーミーペインターを用いた塗装の例】
ここではゲームズワークショップ社の「BloodReaver」をペイントしてみます。

 

まずはモデルの部品を切り離して組合せを確認します。
ゲームズワークショップはところどころ謎のパーツ分割をしますね。
これの左上の頭からと腕の当たりとか。
Paint_AP_BR_1.jpg

 

それぞれを接着剤で引っ付けます。
謎分割でもぴったりはまり、隙間も目立たないのがうれしいところです。
この時点で既に格好いい気もします。
Paint_AP_BR_2.jpg

 

部品の成形ラインなどが残っていたら、ナイフの背やヤスリで撫でて処理します。
Paint_AP_BR_3.jpg

 

持ちやすくして作業性を良くするため、ペットボトルのふたなどに両面テープで張り付けます。
Paint_AP_BR_4.jpg

 

どんな色で塗るか考えます。実際は塗りながら考える場合が多いとは思いますが。
今回は以下の11色を用いることにしました。以降、塗装時にこの表の行列番号を使用します。
Paint_AP_BR_ColourS.jpg

 

ペイント道具の準備。
自分の筆はこんな感じ。文房具屋で買った筆と模型店で買った面相筆が混在。
調子が悪くなった筆は先端を切ってドライブラシ用に廻しています。
0_AP_burush_0.jpg

 

[0]下地塗装。
一般に金属製ミニチュアには塗料の乗りが悪く、下地を塗ることが必要になります。しかし塗料の進化もあって、シタデルなどのプラスチック製ミニチュアやReaper社のBonesシリーズなどの樹脂ミニチュアには下地塗装は特に必須ではありません。
 今回に使う色で下地塗装が必要なのは「Greedy Gold」のみ。「Plate Mail Metal」のベース色ペイントが下地を兼ねられますので、このステップは省略できます。

 

[1A]ベース色の塗装「Mummy Robes」
肌色のベースになる色をペイント。塗料を出して筆につけます。塗料ボトル内部で顔料が水と分離している可能性がありますので、ちょっと振ってやってから使用します。特に開封して1回目に使用するときには先端に溶媒が溜まっていますので、これをペーパータオルなんかに出して捨ててやってください。

Paint_AP_BR_5.jpg

少し色むらが出ていますね。AP塗装では塗料をぼったりつけて1回で塗るより、数回に分けて重ね塗りした方が良いとのこと。後で2度塗りしましょう。

 

[1D]ベース色の塗装「Dark Stone」
ペイントの際に奥まった部分や面積の広い部分から塗っていくと、はみ出しの修正が楽になります。
Paint_AP_BR_6.jpg

 

[1C]ベース色の塗装「Leather Brown」
Paint_AP_BR_7.jpg

 

[1E]ベース色の塗装「Dragon Red」
少し色むらが出ています。後で一部修正しましょう。
Paint_AP_BR_8.jpg

 

[1B]ベース色の塗装「Skelton Bone」
[1F]ベース色の塗装「Plate Mail Metal」
Paint_AP_BR_9.jpg

 

[1H]ベース色の塗装「Matt Black」
兜のスリット部を面相筆を使って塗りつぶします。
Paint_AP_BR_10.jpg

 

[1A2、1E2]色むらの修正
ムラの出ている部分に重ね塗りして色むらを修正します。
Paint_AP_BR_11.jpg

 

[1G]ベース色の塗装「Greedy Gold」
「Plate Mail Metal」および「Mummy Robes」を下地として「Greedy Gold」をペイントします。
Paint_AP_BR_12.jpg

 

[1X]細部のベース塗装とはみ出しの修正
はみ出しや塗り間違い、細かいところなどの各々のベース色で塗り直します。
これでベース色のペイントは完成!
Paint_AP_BR_13.jpg

 

[2A]肌色のシェイド塗装
「Mummy Robes」の上に「Flesh Wash」を適当にダバダバと塗りたくります。
全体に肌色の色味がつきつつ、凸部に色が溜まって筋肉っぽくなります。
Paint_AP_BR_14.jpg

 

[2B~G]他の部分のシェイド塗装
上記の表のとおり「Strong Tone」と「Dark Tone」をダバダバと塗りたくります。
立体感が出てきてだいぶ仕上がってきた感が出てきます。
Paint_AP_BR_15.jpg

 

[2X2]シェイドの追加
シェイドの効きが悪かった凹部に追加でシェイド系塗料をピンポイントに塗って、立体感を足していきます。
筋肉のバルクとキレ、ともにだいぶ良くなってきたように思います。
Paint_AP_BR_16.jpg

 

[3A]「Leather Brown」でのドライブラシ塗装
「Leather Brown」を筆にとって、ペーパータオルで数回塗料をぬぐい、筆に幽かに残った塗料をなすり付ける、
・・・いわゆるドライブラシ塗装で行います。シェイド塗装によって全体的に暗くなっているうちの、出っ張った部分だけにが明るい色が付き、凸凹が明確になります。
Paint_AP_BR_17.jpg

 

[3A]「Skelton Bone」や「Plate Mail Metal、「Greedy Gold」でのドライブラシ塗装
それぞれの色によるドライブラシで明るい部分や尖った部分へのハイライト塗装を行って完成。
Paint_AP_BR_18.jpg

 

ミニチュアのセットの連中と並べて記念撮影。
Paint_AP_BR_19.jpg

 
 

【その他のペイントの例】
Savage Orrukus(野蛮オーク?、使用色数:9色)

 
 

ミニチュアのペイントのやり口と順番はいろいろあり、上記は一例にすぎません。私は凄いペイント技術を持っているわけではないので、あまり難しいことをせずに仕上げる方向のペイントでした。腕利きのペイントは探せば画像や動画がありますので、探してみてください。
 では、皆さんも楽しい時間を!

 

 

コメントや指摘などありましたらどうぞ。 ---オカ

 
  • コメントのテストです。 -- オカ? 2017-09-16 (土) 19:23:36