リスボン酒場恋物語

Last-modified: 2015-05-07 (木) 20:51:43

ひと台詞10秒(台詞言い+エモで)
大体30~35分の芝居になっております。

 

マスター・マ):ダルモア
ファルシオン・フ):ファルシオン様

 

マ)皆様、恋してますか?
マ)恋という物はその字の通り、糸に絡まるもどかしい心を意味します。
マ)綺麗な恋、悲しい恋、許されざる恋、悲惨な恋。恋は人を惑わし、ひと時の悦楽を与えます
マ)その結末は、綺麗なものあれば、時としてすべてを破壊するもの
マ)もう、恋なんてしない。そう思っても人は……

 

マスター:初期装備のあれ

 

フ)リスボンの路地裏
フ)ここに、猫の額ほどの空間が広がっていた
フ)店員はマスター1人。顔に、年季の入った刀痕があること以外、素性を伺えるものの無い男

 

フ)カラン コロン
フ)おや? 珍しいこともあるもので。一人の女性が足を踏み入れる。

 

フ)これは、セビリア1の貴族「ファルネーゼ公爵家」の長女、ファルシオンとマスターの、むせ返るような物語

 

マ)今日も、客はゼロか
マ)ま、致し方ない。この店構えでは客を遠ざけているようなものだ
マ)そう、遠ざけているんだ。遠ざけて

 

※ファルシオン登場
ファルシオン:カテリーナドレス ヴィジランティハット、ポルトガル海軍白手袋

 

マ)いらっしゃいませ。お客様何め─
フ)……
マ)はは。まさか、な。
フ)……
マ)店仕舞いだ。お客様、他のお店へ
フ)ずっと、探してた
マ)左様ですか
フ)ずっと探していたのよ、貴方の事。さよならも言わずに消え失せて、私を助けてくれて─
マ)はて、そんなこともありましたっけ
フ)とぼけないで! 貴方を探すのにどれだけ苦労したと
マ)まあまあ落ち着きなさい。さて、御注文は?
フ)マティーニ、3口で飲めるようになったわ
マ)では、ブルームーンを
フ)どうして叶わぬ恋なんてお酒出すのよ
マ)なら……貴族である君が、このどこの馬の骨とも分からぬ私に何を期待しているのかね?
フ)─期待なんか、していないわ
マ)ほう。それはそれは
フ)貴方に期待はしていない! でも、忘れられないの! 貴方の事! だから!
マ)残念ながら。私はとうに忘れておりました。こう見えて、私の手にかかったカクテルは幾杯も
フ)─なら、忘れられないようにしてあげる。 私というカクテルを。この先、一生!
マ)……ふむ
フ)だからマスター。貴方にオーダーするお酒はこれよ

 

※キスエモ、かなり難しいとお聞きしたので(書きで御勘弁

 

フ)/nod しめやか 唇を重ね合わせた

 

マ)!?
フ)溶けさせて、あげるわ。私という、カクテルの中へ。私という、セレナーデへ

 

ファルシオン:アカデミックタム、モーニングドレス、ポルトガル海軍白手袋

 

マ)(まさか、見つかるとは)
マ)(こうならない為に、幾つもの街を渡り歩いていたと言うのに)
マ)(─これも運命か)
フ)うふふ。今日も来てあげたわ
マ)左様ですか
フ)じゃ、早速だけど。一杯いただけなくて?
マ)では、ギムレットなど如何でしょうか?
フ)ギムレット? あらマスター。別れるのには早すぎるってことは─
マ)それは大衆化された別意だよ。本来の意味は、再会するには早すぎる、と言う意味だ
フ)じゃ、却下。私からの注文で宜しくて?
マ)ほう。それはそれは
フ)キスミークイックを1杯、頂こうかしら
マ)貴族様はまた、お上品なものを注文なさる
フ)うふふ。まだ分からないの?
マ)と、申しますと
フ)男と女の夜に、身分なんてものはなくてよ。ただただ酒を傾け、身体を寄せて─
マ)ははは。御冗談を。しがないひねくれ男の私に何が出来ようと
フ)あら? そうかしら?
フ)/nod マスター 顔をくいっと近づけた
マ)……何の冗談だ?
フ)きて
マ)……
フ)/look_away マスターの唇 人差し指を当てると、横を向いた
マ)私はプッタネスカじゃなくてよ? 私というコンチェルトをなぞらえたいのなら─
マ)……くっ
フ)もっともっと演奏を楽しまないと、ね

 

ファルシオン:梅花簪、孔雀のドレス、ポルトガル海軍白手袋

 

マ)(めんどくさい事になってしまった)
マ)(まさか、この俺がリードされるとは)
マ)(今夜もまた、来るのか? いや、次こそは毅然と対応せねば─)
フ)ただいま
マ)お客様、当店は貴女の屋敷では
フ)あら? そうだったかしら? 毎晩来てるからここは、すっかり私のテリトリーに
マ)ははは。御冗談を
フ)じゃ、今夜の一杯は?
マ)ラスティ.ネールを
フ)古めかしい釘? マスター、貴方の事かしら?
マ)─こんな退屈な老男の相手をする時間があるのならば、より新しくてきらびやかな男を選びたまえ
フ)あら? 私にはギブソンに飾られたオニオンのように見えていてよ?
マ)それはまた、どういう意味だね?
フ)私というカクテルに溺れ、真珠のように輝きを放つ貴方の姿が─
マ)からかうならよそでやってくれ!
フ)うふふ。怒っちゃったの?
マ)前にも言っただろ! 君とは身分が違いすぎる! あの時は、そう、あの時はただただ君を元気付けたかったのだが、今の君は!
フ)ファルシオン、よ。後にも先にも、マスターの目の前に居るのは。貴方というタクトを待ち焦がれるスコア
マ)ふざけるな!
フ)ふざけてなんか、無いわ。 それとも何かしら? 怒りに任せてこの私を─
マ)もう店仕舞いだ! 帰った帰った!

 

ファルシオン:トレンダーズハット、エクラ・ド・フルール、ポルトガル海軍白手袋

 

マ)(疲れた……)
マ)(女は変わる。そういう話はよく聞く、だが─)
マ)(あの変貌は一体何なのだ)
マ)(この街から、去らねば。一刻も早く! そうでないと俺は─)
フ)あら? 考え事かしら?
マ)(彼女を……)
フ)/nod マスター 顔をくいっと近づけた
マ)!?!?!?
フ)もう。マスターってば気が付かないんだから。何か悩みでも? よかったらこの私が─
マ)店仕舞いだ。明日には別の街へ行く。だからもう、近づかないでくれ!
フ)へえ。引越しの準備にしては、グラスを磨く手に力が入っていてよ?
マ)再開店の準備だ。それくらい
フ)ウソ、そろそろ御仕舞いにしない?
マ)誰が嘘など!
フ)マスター。貴方はもう、抜け出せないのよ。私というラプソディから
マ)冗談はよせって言っているだろ!
フ)うふふ。顔真っ赤にしてかわいい
マ)だ、だれがそのような
フ)なら、御仕舞いにしてあげるわ
マ)……ほう
フ)貴方と言う作り手に、興味があったのよ。でも、そこまで強情なら仕方ないわ。さようなら。二度と来ないから
マ)ああ、そうしてくれたまえ
フ)またね

 

ファル、マスターの一台詞ごとにゆっくりと出口へ歩き出す

 

マ)(これで、終わる)
マ)(ようやく、平穏な日々が戻ってくるのだ)
マ)(はは、よかった、よかった。そう、よかったのだ。もとから彼女とは貴族と平民。恋などとおこがましい)
マ)(─恋。恋、か。そうかそうか。恋だったのか。この、時重ねは)
マ)(かなわぬ、恋。それもまた、よし。そう、かなわぬ恋なのだ、かなわぬ……)

 

マスター、上手いタイミングで次の台詞へ

 

マ)お客様

 

スイッチ

 

フ)あら? まだ何か用かしら?
マ)最後にXYZは如何でしょうか? これ以上のものが無い、と言う意味のカクテルでして。今の貴女にふさわしいかと
フ)ふふ。なら、頂こうかしら?
マ)では、御賞味下さい
フ)うっ、く……
マ)如何ですか?
フ)うふふ。なかなか
マ)左様ですか
フ)─でもね、マスター
フ)/angry マスターの身体 手を回し強く激しく抱きしめた
マ)なっ、何をする!
フ)どうして、後がないなんて意味のカクテルを、出してくれたのかしら?
マ)か、勘違いだ!
フ)勘違い? うふふ。そうね。恋もね、勘違いから始まるものよ
マ)……
フ)─次のカクテルはビトウィン・ザ・シーツ、よ
マ)……ああ
フ)さ、この手を取りなさい
マ)っ、ファルシオン!

 

こっちから近寄る

 

マ)/angry ファルシオンの身体 手を回し強く激しく抱きしめた

 

フ)カリビアンナイトを、楽しみましょ

 

フ)人は、1つのきっかけで変わるもの
フ)化粧、おしゃれ、そして─恋
フ)重ねれば重ねるほど、磨きがかかり、輝くもの
フ)さ、私に恋なさい
フ)そして、この私を恋させなさい
フ)長い長い航海はまだ、始まったばかりなのですから