【ニンテンドー3DS版】

Last-modified: 2024-04-05 (金) 08:39:39

概要

2014年7月8日に発表され9月4日に発売された、ニンテンドー3DSで遊べるDQ10。DQ10で通算6番目のプラットフォームで、【dゲーム版】に続くクラウド版DQ10の第二弾。
製品名はサブタイトルを省略した『ドラゴンクエストX オンライン』とされ、以降この呼称は機種を問わず、DQ10オンライン版を指すときの総称として(後にDQ10オフラインと区別する意味でも)用いられるようになった。
 
他機種と共通の【サーバー】でプレイでき、クラウド版の特徴として追加パッケージの購入の必要はなく常に当時の最新のバージョンまで遊ぶことができた。
発売当初はソフト代3,800円で60日無料券+その他おまけ付きだったが、2015年7月29日よりソフト代無料+3時間無料で遊べるようになっていた。
 
2023年8月6日の超ドラゴンクエストX TV 11周年SPにおいてサービス終了の予定日が発表され、2024年3月20日(水)をもってサービスを終了した。WiiU版と異なりクラウド式ではあるが、やはりこのソフトのみ独自に継続していくのが困難になっているためとのこと。
2024年3月18日をもって利用券の販売が終了。3DS版のプレイ権利が登録されている場合、同日よりサービス終了まで3DS版のみ利用券の有効期間外でもログインが可能となっていた。

ニンテンドー3DSとは

任天堂が2011年2月26日に発売した携帯ゲーム機。ニンテンドーDSの後継機で互換性があり、同機の上下2画面やタッチスクリーンなどを継承し、通信など各種機能の強化が行われた。グラフィック性能はWii並みに引き上げられたほか、上画面には裸眼立体視機能を搭載した。
発売当初は東日本大震災の影響などで苦戦し、赤字覚悟の大幅値下げに踏み切るなどしたが、後に3DSシリーズ全体で日本国内の売り上げが2千万台を突破した。
性能アップ版のNewニンテンドー3DSシリーズ、立体視を削除した廉価版のニンテンドー2DSシリーズなども発売された。
DQシリーズではスラもり3を皮切りに、モンスターズ4作とDQ7・DQ8のリメイク、そして新作のDQ11(PS4とのマルチ)、ロトシリーズの移植版(同)と多くの作品が出た。
なお下位互換により天空シリーズとDQ9も含めた各種DSソフトも遊べるため、DQ11までのナンバリング作品全てをこれ一台でプレイ可能という、SFC以降のハードで初の快挙も成し遂げた(ただしDL専売のロトシリーズ移植版は現在では購入不可能)。
任天堂からは2024年4月上旬をもって3DSのオンラインサービス全般を終了することが告知されたが、3DS版DQ10はそれを待たずに終了した。

プレイ料金

利用券料金
3日間利用券385円
10日間利用券715円
30日間利用券1,650円

前述のとおり初回は3時間無料でプレイできた。
3DS版専用の利用券のため、他のクラウド版も含め各種プラットフォームで利用券を購入しているアカウントでも3DS版で遊ぶにはこの料金が必須だった。
なお【キッズタイム】は対象外となっていた。

特徴

3D表示(立体視)には非対応。
【dゲーム版】【ブラウザ版】と同じく、クラウドコンピューティングの技術を使用していた。詳細はdゲーム版やブラウザ版の項を参照。
サーバー側で映像含めたゲームのすべてを処理するため、3DS本体にかかる容量の負担はわずか150MB程度ですむこと、その分大量の通信量を食うこと、【オフラインモード】もオンラインでないとプレイできなかったことなども他のクラウド版と同様。
 
通信にはWi-Fiを使用するのでスポットさえあればどこででもDQ10ができた。他機種ユーザーでも外出先でプレイするために持っている人も多かった。
運営側もそういう人がいることを見越して3日間・10日間と短期間の利用料金プランを用意していた。後発のブラウザ版と違って、短期間プランに購入制約がかけられていないのも利点だった。
 
通信速度は、公式からは「安定して3Mbps以上の通信速度が得られるWi-Fi環境」が必要、としていた。
映像を受信する都合上Wii版等のそれ(平均約30Kbps)と比べると桁違いに大きく、通信が遅くなる状況での影響を受けやすかった。
また、ポータブルWi-Fiやスマートフォンでのテザリングを利用していると、通信が不安定になり急に切断されることもあったほか、利用超過によって通信速度に制限がかかるとゲームがほぼできなくなることがあった。
 
下画面には仮想ZL・ZRボタン、Rスライドパッド及びキーボードボタンが配置されていた。これらはNew3DS系もしくは3DSで拡張スライドパッドを使用すると自動的にキーボードの画面に切り替わり、仮想ボタンを使用することはできなくなった。

問題点

DQ10サービス開始当初に起こった、アクセス過多によるサーバーダウンの教訓から、出荷本数を絞って発売された。
にもかかわらず、初日からアクセス過多が原因のサーバートラブルが連発。
発売5日後の9月9日まででおおよそは改善したものの、騒ぎが落ち着くまでかなりの日数を要した。
出荷本数を絞ったにもかかわらずアクセス過多が起こった原因は、キャンペーンでのプレゼント数が想定を大きく上回ったためとされている。
 
また、3DSは画面解像度が据え置き機やパソコン・スマホなどよりかなり低く(400x240)、使用されているフォントも非常に見づらかったため、ログなどが全く読めない状態であった。
これは、Windows版などで使用されているフォントを3DSでそのまま表示させると、一番小さな文字がほとんど見えなくなってしまうためそのフォントを採用したとのこと。
その後は発売当初と比べるとわりと見やすくはなっているが、オフラインモードには適用がなかった。
 
加えて、既存のキャラと紐付けしたかったのに、間違えて新しくゲームを始めてしまった場合の対応の難しさも挙げられていた。
3DS版は、当初自身でキャラのリンクを解除できなかったため、意図しない内容で登録してしまった場合のリンク解除はサポートセンターに問い合わせるしかなかった。この点が分かりにくいことによる混乱も比較的多かった。
また、3DS版のキャラを他機種版で使用する場合にも登録が必要になる。
これによる影響が一番大きかったのが、2014年11月に起きた紐付け解除事件で、アカウント管理機器の故障が原因でほとんどのユーザーの3DSとの紐付けが強制的に外されてしまい、それまでプレイしていたアカウントでログインすることが不可能になってしまう大混乱に発展した。
おりしも初期購入者の60日無料期間が終わろうとしていたことも、混乱に拍車をかけることとなった。
これらへの反省から、この紐付けを自身で変えることのできる機能が導入された。
 
なお、以上の問題点の大半は後に修正された。
旧型3DSでは遅延が大きかった3DS版DQ10だが、New3DSシリーズでは性能が向上した為か、比較的安定動作を見込めた。
 
サービスそのものの問題点ではないが、3DS向けソフトのリリースは任天堂・サードパーティからのものも含めて2019年内で終了し、2020年9月16日には3DSシリーズの全ての本体生産が終了した。
3DS版の【ドラゴンクエストX 冒険者のおでかけ便利ツール】もVer.5.5後期の終了と同時にサービスを終了したほか、2023年3月28日にはWii Uおよび3DSの「ニンテンドーeショップ」がサービスが終了したため、3DS版DQ10の新規ダウンロードはできなくなった。
2022年10月25日より【スクウェア・エニックス】から利用券の購入ができるようになったため、3DS版DQ10を事前にDL済みのプレイヤーはサービス終了まで継続してプレイが可能だった。