Z001300

Last-modified: 2009-10-02 (金) 00:27:44

     どらごにっく★あわー!
  ~竜を退治するだけの簡単なお仕事です~

初期情報
No.Z001300      担当:菅野紳士
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 【あなた】は今、ドラゴンとの戦いに備えた訓練を積んでいる最中だった。
 相手は同じユニオンに所属する先輩ベオウルフ。トリガーは【あなた】と同じ複葉機だ。
 トリガーの性質から空で戦うことの多い【あなた】にとって、ドラゴンとの戦いはドッグファイトそのもの。訓練においても、やるべきことは同じなのだ。
 先に相手の背後を取った方が勝ち。
 あくまで訓練なので実際に発砲することはないが、それ以外は完全に実戦と同じ。ここで先輩に勝てるようなことがあれば、ユニオン内でのベオウルフとしての評価も上がることとなるだろう。
 自然と操縦桿を握る手も強くなる。
「どうした、早く追いついてこいよ。言っておくが、本物のドラゴンはもっとすばしっこいからな」
 複葉機に積んだ通信機から、先輩の声が入る。
 先輩の機体は、【あなた】から逃げ回るように前方を飛び回っている。
 こちらの背後を取りにくる様子はない。空の上で鬼ごっこでもしているかのような体だ。
「そんな余裕を見せていると後悔しますよ」
「言うじゃねぇか。なら、俺を後悔させてみな」
 あくまで返ってくるのは、余裕の笑い声。
 後輩と思って、完全に舐めているな。
 【あなた】が奥歯を噛みしめる。
 しかしそれと同時に、その油断がチャンスになるとも確信していた。
 確かに相手は自分より長い間、ドラゴンの飛び交う空を生き抜いてきたベテランだ。経験の差で言えば、敵わないかもしれない。
「でも、ベオウルフとしての実力は経験だけで決まるものではありません。いつまでも初心者だと思わないでほしいです」
 【あなた】の複葉機が速度を上げる。
 二機の距離は次第に縮まっていき、先輩の後ろ姿が視認できるまでに近づいてきた。
「おぉ、やるじゃねぇか。腕を上げたな」
 初めて聞かせた、先輩の賛美の声。
 でも、もう遅い。すでに背後にぴったり張りつくまでに距離を詰めている。
 ドラゴンも複葉機も背後を取られては、攻撃をかわすことも、反撃することもできない。
 これが実戦なら、機銃を撃ち込んで先輩の機体は墜落する。
「勝負ありですね、先ぱ……」
 そう言いかけた瞬間。【あなた】は、はっと息を飲んだ。
 目の前にあったはずの先輩の機体が、視界から消えたのだ。
「えっ……?」
 まるで幻術にでも掛けられたかのような気分だ。あれほど大きな複葉機が、雲にでもなってしまったと言うのか。
「残念だったな。悪いけど、まだお前に勝ちを譲るわけにはいかねぇよ」
 消えたはずの先輩の声がスピーカーから。
 そしてようやく【あなた】は、自分が先輩に背後を取られていたことに気がついた。
「勝負は俺の勝ち。まだまだ先輩風は吹かさせてもらうぜ」

 訓練を終えて。
【あなた】はぐったりした様子で、複葉機から降りてきた。
 久しく思える地面の感触。突風と震動を受けないことが、かえって違和感を覚えてしまう。
「お疲れさん」
 そう言って、あなたを迎えてくれたのは、先輩だった。
 結局、彼の背後を取ることは最後までできなかった。
「しかし大した奴だよ、お前は。思っていた以上にお前がやるものだから、俺もついついムキになっちまった」
「いえ、まだまだですよ……」
 疲れと悔しさの合わさったため息を吐く。
「いや、本当に褒めているんだぜ。なにしろ、俺にムーヴを使わせたんだからな」
ムーヴ?」
「修練を積むことで身に付けられる、ベオウルフの奥儀みたいなものさ。お前もベオウルフなら、なんとなく聞いたことぐらいあるだろ?」
 そう言われて、【あなた】の頭の中で訓練の光景が蘇る。
 一瞬にして目の前から先輩の姿が消えた、あの瞬間だ。
「そうだ! 確かにあのとき、先輩に勝ったと思ったのに……」
 面食らった【あなた】の表情に、先輩は満足げな笑みを浮かべる。
「そう、あれが俺のムーヴ。『デットリーフ』って技だ」
「デットリーフ……」
「変則飛行で相手の背後を取り、攻撃を加えるんだ。食らった側からは、一瞬で目の前から姿が消えたように見えるらしいな。まあ、俺は相手にやられたことがないから、分からねぇけどな」
 がははと大声で笑う先輩をよそに、【あなた】は顔を強張らせる。
 確かに、こちらからは姿が消えたように見えた。そして次の瞬間には背後を取られていた。いや、攻撃されていた。
 もしこの技を身につけて、ドラゴンに使うことができるなら……。
 そう思うと、【あなた】は無意識のうちに両手で拳を固めていた。
 そして【あなた】が、先輩に向かって発した言葉は――。

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「マスターより」
 この初期情報ムーヴの紹介用テキストです。各シナリオとは関係しませんので、ご了承ください。

『デッドリーフ』
 相手の不意を突く変則軌道により、一瞬で相手の背後を取り攻撃を仕掛け、ダメージを与える技です。
 この技は自分と相手が、それぞれ空を飛んでいる状況でなければ使用できません。

■関連行動選択肢
M018800 ムーヴ修得の旅に出る
(担当:???/地域番号:???)
備考:ムーヴ修得のための専用の行動選択肢です。一定の確率でムーヴの習得に失敗します。またムーヴをすでに修得している場合、より習得に失敗しやすくなります。
 希望するムーヴがある場合は、その名前をアクションシートに記入ください。高い確率で希望のムーヴを獲得できます。
 なお、無記入や存在しないムーヴ、トリガーの合わないムーヴ名が記入されている場合、取得できるムーヴはランダムとなります。
 また、この行動選択肢のリアクションは、基本的に小説形式ではなく、PCの描写はありません。

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ここに掲載されている行動選択肢は、『どらごにっく★あわー! ~竜を退治するだけの簡単なお仕事です~』の公式?サイト(本サイト)に掲載されない場合があります。
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