Z002102

Last-modified: 2009-11-10 (火) 00:08:28

     どらごにっく★あわー!
  ~竜を退治するだけの簡単なお仕事です~

初期情報
No.Z002102     担当:竹本みかん

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 威力偵察を行っていた俺たち“4名”は、ドラゴンの痕跡を発見していた。
 足跡のサイズからこの辺りにいるドラゴンはジェネラル種Dと判定し、これにて任務は無事終了。あとはジープで戦線本部へ帰還するだけ……というつもりでいたのだが、いろいろあって少々事情が変わっていた。
「なあなあ! ドラゴンの数え方ってどうだったっけか?」
 と、俺は運転手をしている同僚に声をかけた。
「え? 数え方ですか? 1頭、2頭ですよ」
「首の長いドラゴンも多くいるからな、1首、2首かもしれないぞ!」
 助手席で腕を組んでいる隊長は、正面を見据えたままでそういった。
「けど、隊長。俺、噂で聞いたことがあるンですけど、1つの体に複数の首が生えてるのがいるらしいじゃないですか? そういうのも1頭とか1首なんですかね?」
「だったら、1体、2体ってのが妥当だな!」
「とはいえ、そういったことはお偉いさんが勝手に決めてしまいますからねぇ……」と運転手。
「ま、俺たちが現場で言ってる分には、どういった数え方をしようと構わねぇか」
「いちばん確実なのは、後ろから追ってきているドラゴンから直接聞くことだとは思いますけどね」
 ――そんなわけで俺たち“3名”は、ドラゴンから逃げ切るべく走るジープの上にいた。
 俺たちを発見したドラゴンは、怒りと怨嗟の入り混じった嫌な雄叫びを上げながら地面をかけている。
 いきなりこの状況に出くわしていたのなら、俺たちも膝を震わせていただろうが、本来ならば空からの強襲も有り得たわけで……
「いやー、遭遇したのが下っ端のソルジャー種程度でよかったよな!」と俺。
「ええ、全くですね! この調子ならジープでも容易に逃げることが可能でしょう」と運転手。
「うむ! 我々の任務は知り得た情報を持ち替えること! 対象を撃破することは含まれてはいないのだからな!」と隊長。
 俺たち“3名”の意見は完全に一致していた。
 無事に生きて帰還しよう、と。
 そういうことなので、残りの1名にもちゃんと報告してやらなくてはならない。
「おい、今の聞いてたよな?」
『て、てめーっ! オレちゃんのこと、ほったらかしにする気かよ!』
 残りの1名が無線機越しに怒鳴っているようだ。
 俺には何故怒鳴られなきゃならないのかがさっぱり理解できないので――
「あー? そいつの羽をぶち折ったときみたく、適当にムーヴとか出したらいいじゃねーか? そのご自慢の日本刀でよ」と、アドバイスをしてやる。
『できるか、ボケーッ! こっちは羽切られて暴れてるドラゴンの背にしがみついてんだよ!』
「あー、そうだったっけか? それはともかくよ、その無線機、ハンドフリーで使えてよかったよな。スポンサーの“納屋橋カメラ”に感謝だよな。今度、炊飯器でも買ってやれよ。内釜がなんかすげー高性能なヤツ」
『ンなこたぁ、どうだっていーんだよ! いいからそっちこそムーヴ放ってコイツの足を止めてくれってばよぉぉ~っ!!』
「ったく、耳元でうるせぇなぁ……隊長、あのボケどうします?」
「んー……そうだなぁ、助けてやったらどうだ?」
「えー、疲れるから嫌ッス。ほら俺って、アイツより実力ないッスもん。それにトリガーはしょぼい旧式ライフルですし」
「僕はハンドルから手を離せませんのであしからず」と運転手。
『てめーらなぁー!!』
「……よおーし、わかった! ならば私がなんとかしてやるとしよう!」
 隊長はそう言うと、ジープが走行中なのにも関わらず、座席から立ち上がると、そのまま高い跳躍で飛び降りた。
 さすがに隊長を置き去りにするわけにはいかないので、俺は運転手にジープを止めるように肩を叩いて合図をする。
 車が停車して俺たちが振り返ると、隊長は自前のトリガーである石斧を手に構えて、ドラゴンが射程範囲に入るのを待ち受けていた。
 きっと、ムーヴ一発で決めるつもりなのだろう。
「ハァァァァ…………」
 隊長の腰が回り、斧を持つ腕が大きくしなる。
 そして――
「どりゃぁぁーっ!!」
 野太い掛け声と共に腕が振り下ろされると、石斧は弧を描きながらドラゴンの側頭部にヒットし、その反動で再び隊長の手へと戻ってゆく。
 ドラゴンはまるで怪獣映画で耳にしたような雄叫びを上げながら、ゆっくりと前のめりに崩れ倒れる。
 体にしがみついていたあのド阿呆を乗せたまま。
『うひぃぃ――っ!? し、死ぬぅぅーっ!!』
「そう簡単に死ぬ玉かよ」
「ええ、これしきのことで死ぬようでしたら、むしろ死んで欲しいですね。足手まといになりますし」
「いや、そこまでは俺も思ってねーし……」

     ◇     ◇     ◇

 結論から言うとあのド阿呆は死ななかった。
 少々不細工な着地の仕方をしたが、命にも体にも何の別状はない。それどころかすぐに立ち上がったかと思うと、昏倒中のドラゴンを指差し、声高らかに主張していた。
「コイツはオレちゃんと……あと、隊長の獲物だからな! クリームヒルトラボラトリーに卸しても儲けはやらねーかんなっ!」
 確かに倒したドラゴンをクリームヒルトラボラトリーに売却すれば、そこそこの金にはなる。
 だがそれは、ドラゴンの死体を引き渡した上で初めて発生するものだ。
「喜んでるところ悪いけどよ」と俺。「そのドラゴン、まだ死んでないんじゃねぇの?」
「ンなもん、今すぐトドメを指したら済むことだろうがよ」
「じゃあ、残念だったなぁ」
「ああっ? 何が残念なんだよ?」
 すると、俺に代わって運転手の同僚がジープのエンジンキーを回しながら言う。
「今すぐここから離れた方がいいみたいですから」
「だ、だからなんでだよ?」
「ほら、見えませんか?」と運転手は空を指差す。「今でこそまだ距離はかなりありますが、ドラゴンがこちらへ向かってきていますし」
「え……マジで?」
「これでよく見てみろ……ほらよ」
 俺がそう言って納屋橋カメラから提供された双眼鏡を手渡してやると、ド阿呆は覗いてすぐに現実というものを理解したらしい。
 いつも憎まれ口しか出て来ない口から弱々しい声が漏れ出てくる。
「た、隊長……?」
「仕方ないな、諦めろ! 生きてさえいれば、狩る機会はいくらでもある!」
「ういっす……」
 俺は、すっかり落胆しているド阿呆の肩を叩きながら笑顔で励ましてやる。
「残念だったなぁ。また今度がんばれよ? お前ならきっと出来るって。俺、信じてるしさ」
「う、うるせぇ! この嘘つき野郎! ぜってー、そんなこと思ってねーだろうがっ!!」

     ◇     ◇     ◇

 こうして俺たちはお宝になり得たドラゴンを諦め、その場から去った。
 その後、この辺りにうろついているジェネラル種ドラゴンDとその群れを発見し遭遇しかけたが、なんとかやり過ごして、無事に戦線本部への報告を終えることが出来たのだった。
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「マスターより」
 カリフォルニア地域攻略戦の「戦線番号04」の主要構成がジェネラル種Dであることが判明しました(行動選択肢上では「不明」のままの表記です)。

■関連行動選択肢
B019819 対竜戦線「カリフォルニア地域攻略戦」に参戦する
(担当:???/地域番号:119)
戦線データ:戦線数:5
戦線番号01:第1戦線/ドラゴン軍攻撃力・10000:主要構成・ファフニール
戦線番号02:第2戦線/ドラゴン軍攻撃力・不明:主要構成・シャンゴ
戦線番号03:第3戦線/ドラゴン軍攻撃力・500:主要構成・不明
戦線番号04:第4戦線/ドラゴン軍攻撃力・2000:主要構成・不明
戦線番号05:第5戦線/ドラゴン軍攻撃力・5000:主要構成・ジェネラル種C
UNDEO軍部隊配置:なし
備考:対竜戦線のルールをお読みいただいた上で選択ください。

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