Z002105

Last-modified: 2009-10-20 (火) 00:39:14

     どらごにっく★あわー!
  ~竜を退治するだけの簡単なお仕事です~

初期情報
No.Z002105     担当:竹本みかん
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 かつてパイロット達の間では、ある噂話が波及していた。
 ――空には銀色の魔物が棲んでいる、と。
 それは一度目撃したら認識せざるを得ないものだった。なぜなら、輸送機よりもひと回り大きな物体が音速を超えたスピードで空を突き進んでいたのだから。

     ◇     ◇     ◇

 あの日の俺は、実に混乱の極みというやつだった。
 それまで仲間の間で噂になっていた銀色の魔物をついに目撃したと、驚きと喜びと安堵の入り混じったよく判らない気分になっていたところへ、オーストラリアでドラゴンの軍勢が出現したという、冗談にも程があると言わざるを得ないニュースが飛び込んできた。
 誰もがその信じがたい報道を映像で見せられてもまだ半信半疑に陥っているという状況の中、戦線から遙か離れた俺がいる空軍基地に、俺が目撃したばかりの銀色の魔物とおぼしきドラゴンが飛来したという報せが飛び込んで来たのだから。
 俺や仲間たちの心中は、どちらかというと恐怖心よりも好奇心が上回っていた。
 戦線での惨状の報せに対して、どうしてもまだ現実として認識し切れていなかったのもあるが、それより幻想世界の住民であるはずのドラゴンの姿を自らの目でちゃんと眺めてみたかったのだ。
 だがそれでも、さすがに建物の外に出て眺めるというのはためらわれた。なぜなら、飛来してきたドラゴンの全高が、どう少なく見繕っても30m以上で、下から眺めるよりも屋上から眺めた方がまだその全貌を眺められると思ったからだ。
「でけぇ……なんだこりゃ……」それがドラゴンを見た俺の第一声だった。
 それは俺だけではなく、この屋上や他の場所からドラゴンを眺めている連中もまた似たり寄ったりな感想を抱いたことだろう。
 ドラゴンは基地に降り立ってからしばらくは首を動かして基地を眺めているだけだったが、やがて両翼を広げて突風を巻き起こしたかと思うと、驚いたことに明らかに理解可能な人語を使って話し始めた。
「しばらく観察させてもらっていたが……どうやら相当の進化をしたようだな。まさかあれほど早く飛べるような乗り物を作り出していたとは……」
 相当に進化した? いったいどういう意味なんだ? っていうかなんで人語を? どう見てもドラゴンだろ? 翼竜だろ? 爬虫類だろ? ひょっとしてこう見えてもロボットで中に人がいるとか? いやいやいや、だったらむしろ見るからにロボットって感じにするだろう?
 そんな動揺など知るよしもないドラゴンは、屋上にいる俺たちに視線を向けると、とんでもないことを口にする。
「人間どもよ、その空を駆ける乗り物でオレと勝負しろ」
 いや、勝負って……どうすりゃいいんだ?
 あの馬鹿でかい翼竜とスピード比べでもすればいいのか? ……いいや違う。そうじゃない!
 俺は少し前に知ったある事実を思い出した。
 未だに信じがたい話ではあるが、人類とドラゴンとの戦いが始まっているということを。
 てことは、殺し合いをするのか? あの巨大なドラゴンと? いったいどうすりゃあんな化け物と戦えるってんだ?
 誰もが似たような動揺をしているらしい。皆、その形は違えど慌てふためいているのが見て取れる。
 そして俺は気付いてしまう。
 俺たちが戦闘機に乗って戦う以前に、あの馬鹿でかいドラゴンがこの場で暴れられたらひとたまりもないじゃないかということに。
 だが、そんな心配は無用だった。
 巨大な翼竜は空へ飛び去る際に、猛烈にひどい突風を起こして基地に多少の損害を与えた程度だった。
 あっという間に空の点となりつつあるドラゴンを眺めながら、俺たちパイロットはただただ呆然とし続けていた。
 俺たちの基地に周辺空域に出現したドラゴンを撃墜せよという命令が下されるまでは……

     ◇     ◇     ◇

 あの銀色の魔物の呼称は、UNDEOによるとファフニールという名であると聞かされた。
 結論から言うと、あの時の俺たちは、絶望的な気分で出撃したものの、ファフニールにあっさり全機撃墜されて終わっている。
 今から考えると当然の顛末だ。
 ドラゴンへの攻撃は、ベオウルフがトリガーとする武器を使用しなければ、大きなダメージを与えることなど到底無理だからだ。
 今でこそ、その事実は周知されていてることなのだが、開戦直後の俺たちには知るよしもなかったのだ。
 つまり当時の俺たちでは、どう足掻いても勝てなかったのである。
 だが、俺は機体こそ失ったものの、こうして生還を果たしている。もちろん機体ごと撃墜され、戦死した仲間たちもいるのだが、破損した機体から緊急脱出した俺たちを始末することなど容易いことであったはずだし、何よりわざわざ空戦を行うまでもなく、あの音速で移動する巨大なドラゴンに基地を襲撃されたら、それこそ為す術もなく全滅していたはずなのだから。
 どうやらファフニールというドラゴンは、俺たちに対して正々堂々と戦うことに信条めいたものを抱いているらしい。
 なぜそう思い至っているのかまでは、推測のしようがないのだが……
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■関連行動選択肢
X019900 その他の自由行動
(担当:???/地域:???)
備考:既存のシナリオや行動選択肢などの枠にとらわれないアクションに挑戦したい、超上級者向けの行動選択肢です。自分の意志で世界を、物語を作っていきたいというコアでディープなプレイヤーにお薦めです。
 ただしアクションが採用されなかった場合は一切描写されず、不採用アクション用のリアクションが送付されます。
 すでに存在する行動選択肢で事足りる内容と判断されるアクションをこの行動選択肢に送った場合は、それだけで不採用になります。
 また必ず行動する地域番号を記入ください。行動する地域によって、採用率は変わります。

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