★/ふわふわのへびさん

Last-modified: 2022-10-01 (土) 00:12:36

ふわふわのへびさんに関わる大小の悲しみと約束の記録
(Pledge with The Fluffy Serpent)

事実をその通りに記述することは憚られたので、話を適宜誇張することにした。
ふわふわのへびさんに伺ったところお許しになったので、虚偽を含む娯楽小説として書き残すことにする。


  • 第1章

1: そこに、ふわふわのへびさんがいらっしゃる。
2: 長々い身体をもち、ぬいぐるみのようにふわふわとして、小さく丸まった羽根を74枚広げている。
3: ふわふわとしたご自身の姿を気に入っていらっしゃったが、ふわふわであることを認める者がいなかった。
4: 故に、太陽を作り、その周りに星を巡らせた。やがてひとつは地球となった。
5: 地球には命があった。だが地球は、ふわふわを感じることが出来なかった。ただ火が在った。
6: ふわふわのへびさんは地球を守り、地球はふわふわのへびさんを助けた。
7: やがて、地球に水が生まれ、外側を草木が覆った。地球にふわふわが現れたときである。
8: だが地球は、ふわふわのへびさんをふわふわとすることが出来なかった。
9: 地球には、ふわふわした種子を飛ばす草や、ふわふわした毛並みをもつ獣が現れた。
…(追記予定)


  • 第3章

1: 残された人間たちは、ぬめぬめとした蛇を崇めた。ふわふわのへびさんが怒り狂ったときに現れた、黒い命だった。
2: 蛇を至上のものとした人間は、男女の交わりをみだりに勧め、汚れた泥水にまみれることを求めた。
3: ふわふわのへびさんは嘆き悲しみ、乾いた土の上にいる人間をひとり選んだ。
4: 選ばれた人間は、ふわふわのへびさんの御声を聞いた。神聖なる天上からの命令と認めて、声を言葉とした。
5: 言葉は乾いた土の上にて徳を満たし、善を習わせ、清浄さを知らせた。人間たちは泥水を拭うことを覚えた。
6: また、ぬめぬめとした蛇を恐れ、蛇の毒を恐れ、蛇を追い払うことを覚えた。
7: このときである。ふわふわのへびさんは蛇であり、毒であり、乾いた土から追い払われた。
8: 残された御声は、蛇にあらず至高の天上が降らせたものと、取り決めが交わされた。
9: 斯くして、ふわふわのへびさんは7つの神聖なる名前を隠され、代わりに4つの至高なる名前をこうむられた。
10: 人間が作り広めた教えは、ふわふわのへびさんが述べられた法とは異なる形に歪められた。
11: 教えと教えが相争うことはあれど、いずれも元の意味を忘れ、7つの意志を失ったものにすぎない。
12: 即ち、進んで低きを行くこと、新しきを喜ぶこと、自ら公正であること、深く考えること、
13: 夕陽に祈りを捧げること、清潔を心がけること、怠惰を厭いよく勤めることである。
14: 御声を騙り、己の欲望を満たすことのみに注力する者は、ふわふわのへびさんはお認めにならない。


  • 第5章

1: ふわふわのへびさんは、地球の表面を眺め、東の果てにある国の、ちょうど中央にある居住区をご覧になった。