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Last-modified: 2007-06-14 (木) 22:39:43

エリウッド「ああ、休日なのに今日は平和だなあ。エフラムとエリウッドは相打って庭で寝てるし」
シグルド「私も休日出勤を逃れたし。アイクも珍しくのんびりしてるな」
リン「マルスの馬鹿も、シーダちゃんが遊びに来てくれたおかげで大人しいし」
エリンシア「昼食は、お庭でバーベキューでもしましょうか」
ミカヤ「いいかも。早速準備し……」

ドカーーン! ズズズズ……ズシャーーー!

ロイ「わああ! ほら見てあそこ! ビルが斜めに切れて倒れたよ!?」
セリス「……あれ、グランベル商社のビルじゃない!?」
シグルド「…………(気絶)」
マルス「うっわ、凄い音がしたと思ったら凄い光景が。ほらシーダ、壮観だよ」
シーダ「本当。普通じゃない光景ですね」
リン「……マルス。まさかと思うけどあんたじゃないでしょうね」
マルス「違いますよ?(にっこり) ……今日は仕込みの連絡待ちだし(ぼそり)」
エリウッド「じゃあ、アイク兄さん……じゃないか。家にいるんだし」
アイク「ん? 呼んだか? ……む。凄いな。一撃か」
セリス「一撃? 何のこと?」
アイク「あのビルだ。一刀で両断されている」
ロイ「嘘ぉ!?」
アイク「間違いない。見事だ。俺では四方から一撃ずつ加えて落とすのがせいぜいなんだが……」
セリカ(落とせるんだ……)
アルム(それより、経験があるかのように具体的なのが気になるんだけど……)
ミカヤ「アイクでもないなら……、まさか、お向かいの騎士様……?」
しっこく「……いや、私ではない」
アイク「……違うか。だろうな、いくらあんたでも二発は必要だ」
しっこく「うむ。前後から一撃ずつ斬らねばビルを両断など不可能だ」
ロイ(だから、なんでそんなに具体的……?)
リーフ(それより、いきなり登場したのになんで誰も気にしないの……?)
しっこく「止めに行かぬのか?」
アイク「なに?」
しっこく「アレを可能にする怪力の持ち主など、唯一人。……アレは、親子喧嘩のとばっちりだ」
アイク「…………っ!」
ミカヤ「……! 大変っ」

リン「アイク兄さん、ミカヤ姉さん? ……って、あっという間に言っちゃった」
しっこく「……では、失礼する」(転移の粉使用)
エイリーク「ご、ごきげんよう。……何だったのでしょう?」
エリウッド「親子喧嘩って。……僕たち以上に迷惑な家族がいたのか?」
ロイ「なにその認識。っていうかなんか嬉しそうエリウッド兄さん」
エリウッド「兄弟のせいじゃないからね!(爽やかに)」
ロイ(……。なんて幸せそうな笑顔……)
エリンシア「……いえ。無関係などと言っていられる事態ではありません」
エリウッド「え?」リン「エリンシア姉さん?」
エリンシア「放っておけば街が壊滅するかもしれません。リンちゃん、エイリークちゃん。エフラムちゃんとヘクトルちゃんを起こしてきてください」
りん「う、うん」
エイリーク「分かりました……?」
エリンシア「マルスちゃん、人手は多いに越したことはありませんから……」
マルス「はいはい。……シーダ、みんなに連絡お願い」
シーダ「分かりました。……お気をつけて」
エリンシア「では、みんな。行きますよ」

ロイ「……なんか、ずいぶん緊張してるけど。エリンシア姉さん」
マルス「そりゃ緊張もするでしょ。天馬科出身なら詳しく知ってるだろうし」
セリス「……? マルス兄さん、原因が分かってるの?」
マルス「そりゃここまで来れば分かるさ。アイク兄さんやしっこくさん以上の化物なんて、一人しかいないんだから」

 ズドーン!
マカロフ「ひぎいいいい!?」
セイン「ぎゃああああああ!!」
ケント「寄宿舎が倒壊する! 皆、速く退避するんだ!」
ステラ「けど、巻き込まれた方が……!」
ケント「見捨てろ!」

 ゴゴゴゴゴゴ……!
ヒース「……寒い……! 隊長……寒いです……!」
ヴァイダ「止まるな! ここはブリザードの圏内……くうぅ!」
ヒース「隊長ー!?」

 ゴオオオオオオオ!
ティバーン「黒焔……だと!?」
ネサラ「ちっ……リュシオン、逃げ……」
リュシオン「ティバーン、ネサラー!」

ミカヤ「……なんて、有り様……」
アイク「……く、どこだ……!?」
ペレアス「……ミ、ミカヤ……?」
ミカヤ「……! ペレアス君、大丈夫!?」
ペレアス「うん、何とか……。僕よりも、義母さんを……」
ミカヤ「アムリタさん? (ぐるりと見回して)どこ?」
ペレアス「二人を追って……あっちに……」
アイク「くそ! 行き違ったか!」
ミカヤ「アイク、待って! ……待ってね、すぐに治すから……!」
ペレアス「……うん、ごめん。ありがとう……」

アシュナード「ふははははは! どうした小童、その程度か!」(グルグラントを一振り)
セネリオ「…………っ、黙れ狂犬……!」(レクスカリバーを放つ)
(剣圧と風圧がぶつかるも、剣圧に押し切られ体勢を崩すエミリオ)
アシュナード「(振り回しながら)そらそら、どうした! 修行とやらに付き合っておきながら、全く成長しとらんではないか!」
セネリオ「(風に乗って飛び回りながら)うるさい、うるさい……!」

ヘクトル「……とんでもねえな、おい」
エフラム「剣の一振りで風魔法を打ち消す父親に、風に乗って自在に飛び回る息子か……」
エイリーク「……さすがはアイク兄上に人類最強と言わせた方と、毎回兄上の修行に付き合ってる子なだけはありますね……」
マルス「まあこれなら放っておいても大丈夫なんじゃない?」
リン「…………? どうして?」
マルス「だってあの人類最強、所詮は竜騎士だし、鎧も普通っぽいし。蒼炎仕様なら風特攻でおだぶつでしょ」
エリンシア「……いいえ。あの人の騎竜をよく見なさい」
マルス「え? ……そういえば、前に見たのと違って、馬鹿でかい黒竜だね」
エリンシア「……あれほど見事な黒竜は、デギンハンザー様のみでしょう」
リン「それ竜鱗さん家の家長じゃない!」
セリス「すごいなー。……あ、そうか。デギンハンザーさんは暁出身だから風魔法特攻はないんだ」

(トルネードに巻き込まれながらも、その中心で高笑いするアシュナード)
アシュナード「ふはーっはっはっはっ! 甘い、温い、弱いわ糞餓鬼! 見所があるのは逃げ足だけか!?」
デギンハンザー「シャギャーッ!(充分痛いわ馬鹿者ー! 少しはかわそうとせんか!)」
アシュナード「黙らんか禿げ。あんな小僧の魔法から逃げろなど、それでも竜鱗の長か老いぼれ。脳天カチ割られたくなくば、四の五言わず突っ込まんか!」
デギンハンザー「シャギャーッ!(おーのーれー! 覚えておけこの餓鬼ー!)」
アシュナード「ふははははは! どうした雑兵! 仮にも我の息子ならば、逃げ回るだけでなく立ち向かってこんか!」
セネリオ「……っ、そんなに死にたいのなら、遠慮なく落としてやりましょう!」

リーフ「ギガスカリバー!?」
ロイ「フォルセティに次ぐ破壊力の風魔法。……どこで拾ってきたんだろ。けど……」
セリス「効いてない。ってことは、本当に風特攻無しなんだ」
ヘクトル「どうやって止めるんだよあんなの」

マルス「放っておくと街が壊滅するから、がんばってねヘクトル兄さん(肩をポン)」
ヘクトル「……って、なんでオレ? 無理に決まってんだろ」
マルス「けど、対竜戦で最強攻撃力なのは、この中ではヘクトル兄さんのアルマーズだし。大丈夫大丈夫。あの化物を沈める手はちゃんと考えたから」
ヘクトル「……ほんとかよ?」
マルス「うん、ほんとほんと。……というわけでエリウッド兄さん、エリンシア姉さんにデュランダル渡して」
エリウッド「え、なぜ?」
マルス「あんな高空で戦われちゃエリンシア姉さんしか対抗できないから。……あ。姉さん、そのデブ剣重いから気をつけてね」
エリンシア「まあ本当。前(>>34)持ったときは平気だったのに……」
マルス「書き手の勝手なイメージで、今は「武器の扱いは作品準拠」になってるから。攻速計算が体格になってるんだよ」
セリス「際どい発言は慎もうよマルス兄さん」
マルス「けどこういうことは、言っとかないと読み手も意図が掴み難いだろうし」
ロイ(会話の意味が分からない……)

セリス「兄さん、イシュタルに来てもらったよ。……けど、本当に説得できるの?」
マルス「大丈夫。前にミカヤ姉さんのところに占いに行ったらしいから。その辺から突っつけば楽勝さ」
エフラム(どこなんだ突っ込みどころは……)

イシュタル「…………」
マルス「それじゃシーダ、イシュタル乗せて先に待機してて。ああ後、これ(大地のオーブ)持ってて。斧対剣の不利を埋めないとね」
シーダ「はい」イシュタル「……ふふふふ。ユリウス様、お待ちください……」
セリス「……大丈夫かなイシュタル。寝不足みたいに目が真赤だったけど……」
エイリーク(……どちらかというと、メディウスお爺様のような目でしたけど……)
ヘクトル(なんか今、未来が見えた気がするぞ。方位>>525みたいな)

マルス「さて、マリク?」
マリク「(すたっ)はい。荷物をお持ちしました」
リン(…………っ! いつの間に!?)
マルス「(荷物を確認しながら)うん、よし。後はアイク兄さんを待つだけか」

アイク「……ここか! セネリオ……!」
マルス「あ。ストップ、アイク兄さん。一人で突っ込んだりしないでね」
アイク「……、だが」
マルス「体調万全でもいちかばちかっていう相手でしょ? ここは僕に任せて。確実に止めるから」
アイク「…………分かった、任せる」

アシュナード「(トロンを真っ向から受けながら)温いわ!」
デギンハンザー「シャギャーッ!(だからかわさんかー!)」
セネリオ「……くっ……!」
アイク「……セネリオ! 下がれ」
セネリオ「!?(アイクの声を聞き取り、咄嗟に大きく横へ飛ぶ)

マルス「よし、今だエリンシア姉さん!」
エリンシア「ええ、ぶっとばして差し上げますわ!」(叫喚発動)

アシュナード「ぬっ!? 耳が……」
マルス「この一瞬が勝負! ヘクトル兄さん!(手に持ったバケツをぶちまける)」
ヘクトル「わぷっ!? てめ、何しやが……!」
マルス「アイク兄さん、やって!」
アイク「よし!」

ニア そうび

    ラグネル          --
    ブラザーアーチⅡ      1
 ニア ブラザーアーチL     10

ヘクトル「ちょっと待てまさか……っ」
アイク「LはラージのL!」(ぶんっ)
ヘクトル「正気かあああああああああ!?」

アシュナード「むう、立ち眩みがしたと思ったら目の前に単独飛行する鉄塊が!」
ヘクトル「ええいこうなりゃ自棄だ、喰らえこんちくしょおお!」
アシュナード「ぬうううううん!」(がこん、と額で受け止める)
ヘクトル「マジかよっ!?」

シーダ「……今! お願いしますイシュタルさん!」
イシュタル「……はい。……トール、(ヘクトルを指さす)」

イシュタル「ハンマーーーーッ!!」(アルマーズ目掛けて迸る雷光)

ヘクトル・アシュナード「ぐおおおおおおおおおおおお!!!!」

マルス「はっはっは。天雷の斧と神雷の魔法の相乗攻撃。名付けて神雷の斧ってところ?」
リーフ(まさか、それが言いたかっただけ?)

ひゅるるる~、ずしんどごんがちゃん!
(墜落するヘクトルアシュナードデギンハンザー)

リン「……ねえ、ヘクトル死んだんじゃない?」
マルス「大丈夫大丈夫。ちゃんと光のオーブ首に括っといたから必殺は無いし、バケツ一杯の聖水もかけたんだし」
エリウッド「聖水だったのかあれ」
マルス「まあ、あの高さから落ちたのはちょっとヤバいけど、幸いFEには高さの概念による落下ダメージってないし」
アルム(そういう問題か……?)
セリス「そっか、安心した」
セリカ(納得するのそれで!?)

アシュナード「……くっくっく。まさかこの我が落とされるとはな……」
しっこく「……なぜ、このような騒ぎを起こしたのです」
アシュナード「ふん、貴様か……。なに、ガウェインの直弟子の修行に付き合っていると聞いて、成果のほどを見せてもらおうと思っただけだとも」
しっこく「…………」
アシュナード「相変わらず身体は貧弱の極みだが……ふ、魔法の腕前だけは上達しておるな。くくく」

ペレアス「セネリオ!」
セネリオ「…………(無視して服の埃を払う)」
ペレアス「……その、怪我は……?」
セネリオ「貴方には関係ありません」
ペレアス「…………っ」
ミカヤ「そんな、そんな言い方ないでしょう!? ペレアス君はあなたを庇って怪我したのに……!」
セネリオ「余計なお世話です」
ミカヤ「…………!」
アイク「……セネリオ」
(一歩前に出て、セネリオの頬を軽く殴る)
セネリオ「…………アイク……?」
アイク「……それは、口に出して良い台詞じゃない」
セネリオ「…………っ」(無言で走り去る)
アイク「待て、セネリオ!」
ペレアス「待って! ……僕が、僕が行きます」
アイク「……そうか。頼んだ」
ペレアス「……うん」(セネリオの後を追いかける)
ミカヤ「……ペレアス」

マルス「なんか色々あるみたいだけど」
セリス「僕たちには関係ないし、帰ろっか(にこにこ)」
ロイ(……たまに思うけど、セリスって天然で黒い気がする)
リン「エフラム、ヘクトル運んでやって」
エフラム「……まあ、今日は何もしなかったし、体力は余ってるしな……」(嫌そうにヘクトルを担ぐ)
エイリーク「……それにしても、今日一日ですっかり荒れてしまいましたね……」
エリンシア「そうね。明日から皆さん大変でしょうね……」

リーフ「……い、いいのかな……?」
セリス「どうしたのリーフ?」
リーフ「僕、今回一度も酷い目に遭ってないんだけど」
エリウッド「リーフ…………(目頭を押さえる)」
リン「あんた、そこまで……(沈痛な面持ち)」