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Last-modified: 2007-06-14 (木) 22:43:36

ありふれた一日~アイク編~

 

 早朝、日の出とともに目覚める。
アイク「…………よし」
 兄弟を起こさないように外に出て、ジョギングを開始する。

 どどどどどどどど……
アイク「……ふう、終わりか」
ライ「(化身解除)この……体力お化けめ……」
レテ「(化身解除)ほぼ、全速、で、走ってる、くせに、私たち、が先に、倒れる、とは……」
アイク「ああ。足の速さでは勝ち目は無いが、持久力では引けは取らないぞ」
ライ「……本当にベオクかお前は」

エリンシア「おはよう。お帰りなさい、アイクちゃん」
シグルド「おはようアイク。今朝も元気だね」
アイク「ああ、おはよう」
エリウッド「……元気なのはいいけど、あの地鳴りのような爆走音はどうにかならないかな。朝っぱらからうるさいって苦情が来てるんだが……(胃をさする)」
アイク「……む。善処する」

 ピピピぎゃああああっ! はーっはっはっはがほぉ!? マルスーっどかばきぐしゃ!

シグルド「…………(新聞を読みながら食事を続ける)」
エリウッド「…………(食欲をなくしたらしい)。アイク兄さん、これどうぞ」
アイク「いいのか? では遠慮なく」
エイリーク「おはようございます。……まあアイク兄さん、もうジョギングを終わらせたのですか?」
アイク「ああ。今日は工務店でバイトでな。遠出するから早くに集合という話だ」
エリンシア「遠出? まあ、お弁当足りるかしら……?(三段重ねの重箱を渡す)」
アイク「竜の門なるものがある孤島に行くんだそうだ。(弁当を受け取って)すまない、では行ってくる」
シグルド「ん、いってらしゃい。気を付けてな」

 ギンカンガガガガッ、どおりゃあはぁああ! シュボッ!ぐああああ! マルスーッガンガンゴン!

 兄弟のスキンシップを背に聞きながら家を出るアイク。
アイク「さて、行くか」

ニニアン「……やんちゃな子ばかりで、すっかり立て付けが悪くなってしまって……」
グレイル「ああ、こりゃー、修理しても長持ちしないでしょうな。交換しちまったほうが良いでしょう」
ニニアン「……そうですか。ではそうすると、いくらくらいになるでしょう?」
ティアマト「そうですね……。一日がかりの仕事になりますし、このくらいで……」
ニニアン「……、分かりました。それでお願いします」

グレイル「というわけでお前ら。今日一日でこの竜の門をとっかえるぞ」
全員「うーっす」
グレイル「アイク。お前はあちらからやってくるタチの悪い竜を追っ払ってくれ」
アイク「わかった。(ドラゴンキラー装備)」
グレイル「ミストはアイクのサポート」
ミスト「はーい!(リブロー&ドラゴンキラー予備所持)」
グレイル「よーし、さっさと始めるぞ」
シノン「へーい」
ガトリー「うっす!」
ワユ「わっかりました親方! ……大将ー! がんばってねー!」

ミスト「気を付けてね、お兄ちゃん」
アイク「ああ」
 応えて異空間に飛び込むアイク。早速襲い掛かってくる火竜。
 ざくん! ゴオオオーーひょい、どぎゃん!
ミスト「うわぁ、一ターンでやっつけちゃった」
 その後も景気良く火竜氷竜飛竜魔竜をボコっていくアイク。
アイク「ミスト、二本目!」
ミスト「はーい!(ドラゴンキラーを放り投げる)……あれ、なんか」
 涙目になって逃げ帰る竜たちの向こうから、一際巨大な火竜が出現。
ミスト「大丈夫かなお兄ちゃん。……あ、ブレス当たっちゃった! リブローリブ……て、天空発動してるし。もう。心配して損した」
 やっぱり涙目になって逃げ帰る古竜。

ワユ「うわあー。やっぱり大将すごいなー」
シノン「……ちっ。可愛げのねえ奴」
ガトリー「ふう、ちょっと休んじゃいけませんかね親方。アレなら長持ちしそうだし」
グレイル「……いや、急ぐぞ。風向きが悪くなりそうだ」
ティアマト「……え?」

アイク「なに!?」
 ここまでバターか何かのように竜の鱗を斬っていた剣が止まる。

ワユ「え? なにあのモグラ!? 大将の剣を止めるなんて」
ティアマト「……いえ、土竜でなくて地竜よ」
ガトリー「なんスかそりゃ?」
グレイル「被ダメージを半減する竜だ。加えて、なぜかドラゴンキラーでは特攻が付かないという、厄介な敵だ」
ティアマト「紋章以降地竜の出番がなかったから、その法則は今でも変わらないのよ」
シノン(何の話だそりゃ……)
ワユ「とか話してる間に、大将が四頭の地竜に囲まれて……!」
シノン「ラグネルで無理矢理ぶった切ってるが、ありゃヤバくねえか?」
ミスト「お父さん! 何とかしないと、お兄ちゃんが」
グレイル「分かっている。だが、頼んだ荷が届かなければ……」

ジル「こんにちわー、ハール宅急便でーす」

ガトリー「……って計ったように!?」
ミスト「ジル!」
ジル「あらミスト、こんにちわ。……グレイルさん、頼まれた閂です(どすっ)」
グレイル「よし……! 皆、急ぐぞ!」
全員「おう!」
ジル「あ、待ってください。もう一つ渡す物があります」
グレイル「……ん?」
ジル「アイクの弟さんから、これを届けて欲しいと」
ティアマト「こ、これは……! 地竜に対して唯一特攻効果を持つ武器、ファルシオン!」
シノン(いやに説明的だなおい)

ミスト「お兄ちゃん、これ!」
アイク「……! マルスの剣か。ありがたい、これで……!」
 ざくんざくんざくん!
ガトリー「おお、地竜どもが泣きながら地中に引き篭もっていくぞ!」
シノン(いや、あのヘンな異空間に土があるのかよ)
グレイル「……よし! アイク、戻れ! 閉めるぞ!」
アイク「分かった!」

 ぎぎぎぎぎ……ずずーん。

アイク「……ふう。少し、疲れたな……」
ミスト「お兄ちゃん、大丈夫!」
アイク「ああ。このマルスの剣のおかげで何とか……、? ジルか?」
ジル「ええ。こんにちわアイク」
ミスト「あれ……。まだ用事があったんですか? あ、もし暇があるなら一緒にお昼を……」
ジル「ごめんなさい、すぐ戻らないと。……で、アイク。その剣と一緒に、これも届け物(手紙を渡す)」
アイク「…………?」

 “使った場合:貸し1  マルス”

アイク「……やられた」

アイク「ただいま」
ミカヤ「あらお帰り。遅かったじゃない。もうお夕飯冷めちゃったわよ?」
アイク「すまない。後始末が長引いて……」
ミカヤ「いいけど。……お風呂、最後だから。後、シグルドもう寝てるから、静かにね?」
アイク「わかった」

マルス「あ、兄さんお帰り」
アイク「ああ。すまなかったなマルス。これ、助かった(ファルシオンを返す)」
マルス「(爽やかに)気にしないでいいよ。恩に着てくれればそれでいいんだから」
アイク「…………。一応言っておくが。悪事の片棒を担ぐ気はないぞ」
マルス「分かってるよ。そんな風な運用じゃアイク兄さんの能力を活かせないしね。……ふふふ」
アイク「…………まあ、いいか」

 食事を済ませ、風呂の前に剣の鍛錬。庭に出て素振りを開始する。
 ぶおん、ぶおん、ぶおん……

エリウッド「……あの素振りもうるさいって苦情が来てるんだよなあ……。けどこればかりは止めろなんて言えないし……」
ロイ「……それはさすがに言ってくる方に問題があるのでは」

一日は過ぎていく。