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Last-modified: 2008-07-05 (土) 12:42:03

563 名前: 兄弟家のお酒事情 [sage] 投稿日: 2008/06/24(火) 08:46:36 ID:QV+FTAF2
ハール「お届け物でーす」
エリンシア「あ、はーい。あら、ハールさん」
ハール「どーも。ちょっと眠くなってきたんで庭で寝かせてもらっていいか?」
ブンッ!
ハール「グフッ」
ロイ「うわっ!ハールさんの頭にトマホークが!」
ジル「迷惑をかけました。いつもいつも馬鹿な事言う隊長で……連れてかえります」
エリンシア「お気をつけてー」
ロイ「とりあえずリビングに持ってきたけど、でも何なのかな?この届け物。あんまり嗅いだ事無い匂いするけど」
アイク「酒だな。匂いがする。」
ロイ「あ、アイク兄さん。でも我が家って誰かお酒飲んだっけ?」
アイク「ああ、飲むぞ」
エリンシア「あらアイク、起きてきたの?」
アイク「玄関でうるさい音がしたからな」
ロイ「で、アイク兄さん、誰が飲むの?」
アイク「まずシグルド兄貴だな。よく付き合いで飲んでグデングデンに酔っ払ってるじゃないか」
エリンシア「わたしも時々飲みますよ。……記憶が飛びますが」
ロイ「アイク兄さんは飲まないよね」
アイク「体によくないからな。己を鍛えるには体調管理も大切だ」
ロイ「あとは……ああ、ヘクトル兄さんはよくこっそり飲もうとしてるよね」
アイク「その度にリンにマー二・カティで必殺くらっているようだがな」
エリンシア「昔セリスちゃんが間違えて一口飲んだだけで酔っ払って大騒ぎにもなりましたね……懐かしいわ」
ロイ「話聞いてると家は酒は飲むけどみんな弱いみたいだね。すぐ酔っ払ってるし」
アイク「……………」
エリンシア「……………」
ロイ「どうしたの?二人とも」
アイク「いや、実はな………」
ミカヤ「ただいまー………あれ?この匂い……ワインじゃない!?しかも高級そう!あ、この届け物ね!」
ロイ「ね、姉さん?」
ミカヤ「キャーーーーッ!ロマネコンティじゃない!しかも1985 年物!こっちは今年最新のボジョレーヌーボー!?流石はペレアスさんね!」
ロイ「あ、ペレアスさんからだったんだ。てかミカヤ姉さんなんでそんな嬉しそうなの!?」
アイク「ミカヤの姉貴は家で一番酒が好きで一番酒に強いんだ」
エリンシア「ウォッカの一気飲みも平気な顔でしたことありますしね」
ロイ「そうなんだ。でもなんでそんなに強いの?」
アイク「年を考えろ」
ロイ(なるほど……長い間飲んでるうちに強くなっていったのか)
ミカヤ「ペレアスさんには今度お礼しなきゃね………」
564 名前: 兄弟家のお酒事情 [sage] 投稿日: 2008/06/24(火) 08:48:01 ID:QV+FTAF2
数日後
リーフ「ロイ、僕見たんだよ」
ロイ「何を?」
リーフ「昨日高級そうなレストランにミカヤ姉さんがいたんだ」
ロイ「ああ、きっとペレアスさんじゃない?あの人におごってもらってたんじゃ」
リーフ「別にそこはいいんだよ。いや、一人だけ良い物食べてたってのは腹立つけど……その後ミカヤ姉さんが高級そうなワインをプレゼントしてたんだ!」
ロイ「見間違いじゃない?家は貧乏だし」
リーフ「いや!僕には分かる!あれは高級だった!」
ロイ「………まあ君がそう言うならそうなんだろうけど」
リーフ「で、問題は……そんな金をどこから出してるかだ」
ロイ「確かに」
リーフ「で、実は庭でもう怪しい場所を見つけたんだ」
ロイ(流石はリーフ強盗団の首領)
リーフ「というわけで見に行くか」
ロイ(僕の意思は無視ですか)

リーフ「ここだよ」
ロイ「なんか扉があるね。結構上手く隠されてるけど」
リーフ「鍵は……あれ?空いてる。見つけた時は空いてなかったけどな」
ロイ「まあいいや、入ってみようよ」
リーフ「予想通りの地下室だね。ん?なんか酒臭いな」
???「だ、誰ッ!?」
ロイ「その声……ミカヤ姉さん!?」
ミカヤ「わたしのワインセラーで何してるの?」
ロイ「え?ここワインセラー?」
リーフ「ちくしょお!ミカヤ姉さん家の金使い込んでるじゃないか!ワインセラーって金かかるし、ワインも高いだろ!」
ミカヤ「あら、失礼ね。このワインセラーはずっと昔に自分で作ったからタダよ」
リーフ「じゃ、じゃあ電気代は!?冷房とかすっごく金食う………」
ミカヤ「騎士様やサザやペレアスさんの家のメーター使わせてもらってるから大丈夫よ」
ロイ(なんだろう、ミカヤ姉さんが一瞬黒く見えた………)
リーフ「ワ、ワインはどうなんだ!それだけは高いだろ!ここにあるワインは全部高級品だ!見れば分かる!」
ミカヤ「フフフフフ……このワインは全部安物よ」
リーフ「ば、馬鹿な!僕の目利きは完璧なはず!」
ロイ(強盗団を率いたり、マルス兄さんと悪巧みよくしてるからね)
ミカヤ「ここにあるワインは全部わたしが熟成させてる物よ。高級品が買えないなら作ればいいのよ。幸いわたしには時間だけはたっぷりあるからね」
ロイ(ダキュンダキュン歳乙)
リーフ「そうだったのか………」
ミカヤ「みんなには内緒にしといてくれる?特にマルスには」
ロイ(マルス兄さんが知ったら絶対悪巧みに使うよなあ)
565 名前: 兄弟家のお酒事情 [sage] 投稿日: 2008/06/24(火) 08:49:12 ID:QV+FTAF2
マリク「………で、マルス様はそんな高級そうなワインを持ってると」
マルス「ミカヤ姉さんは上手く隠してるけど僕はとっくに気付いてるんだよね」
マリク「では何故売ろうとしないんですか?」
マルス「ミカヤ姉さんきっちり保管してあるから持ち出すの大変なんだよ。それに姉さんの作った物だけは売りにくくてね」
マリク「漆黒の騎士やペレアス殿に売れば法外な値でも買ってくれそうですが」
マルス「うーんなんて言うのかな。ミカヤ姉さんて両親のいない僕ら全員の母親代わりみたいなとこもあるじゃないか。そう思うと何故か売りにくくてね」
マリク「そうですか。……ですが意外です。マルス様はリン様を母親代わりに見ていると思っていましたので………」
マルス「 死 ぬ 覚 悟 は で き た か ? 」