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Last-modified: 2008-12-07 (日) 23:40:35

345 名前: 叙事詩 「八神将の歌」 [sage] 投稿日: 2008/10/26(日) 02:46:22 ID:XNPFHRdY
叙事詩 「八神将の歌」

※ユンヌ  「この物語はフィクションです、実在の人物、団体、封印の剣、烈火の剣、叙事詩『ローランの歌』とは一切関係がありません」

序章 太古の写真
―休日の昼下がり、兄弟家リビングには兄弟全員と遊びに来たイドゥンが談笑している。
ミカヤ? 「イドゥンちゃ~ん、すっごく懐かしいもの見つけちゃった~」
アイク  「!!お前、ユンヌだな」
ユンヌ  「あったり~、え、なんでわかったの?これも愛のなせる業?きゃー、ユンヌまいっちんぐぅ~。ということで今すぐベッドに・・・・」
セリカ  「自重しなさい、変態女神。で、懐かしいものって何よ?」
ユンヌ  「これこれ~(1枚の紙?を渡す)」
エイリーク「・・・写真、ですか?」
エフラム 「それにしてはやけに古いな・・・まるで古文書の1ページみたいだ」
ユンヌ  「そりゃあ、1000年前のものだもん」
セリス  「1000年前!!?」
イドゥン 「あ、ローランさんにハルトムートさんにブラミモンドさん・・・わあ・・・とっても懐かしいです」
ロイ   「え・・・それって」
マルス  「八神将・・・だね」
ユンヌ  「あったり~、これは人竜戦役の時の八神将の集合写真でーす」
ヘクトル 「な!!ちょ、ちょっと見せてくれ・・・たしかに後ろのデカイ男、こいつはテュルバンだ」
エリウッド「真ん中の人は・・・ローランだね」
リン   「なんでユンヌがそんなもの持ってるのよ?」
ユンヌ  「神様って基本的に暇でさ~、だから暇つぶしに鳥になってエレブ大陸に行ったら、八神将のペットになっちゃってしばらく一緒に旅してたのよ」
エリンシア「暇潰しって・・・」
セリカ  「この変態女神に常識を求めても無駄よ、姉さん」
ユンヌ  「というわけで、今日はユンヌちゃんが八神将と人竜戦役についてたっぷりトークしたいと思いまーす。皆、聞きたいよねー?」
セリカ  「この変態女神の言うことが信じられるのかしら?」
リン   「でもたしかに聞きたいわね」
ロイ   「僕たちの戦いの根本に関わった方達だからね、ぜひ聞いてみたいよ」

―第1章 八神将とは―
シグルド 「まずはこの8人を紹介してくれないか、ロイたちはともかく、私などは八神将のことをほとんど知らないのだ」
ユンヌ  「オッケー、まずは真ん中にいる男、これがローラン」
エリウッド「デュランダルの持ち主、『小さな勇者』だね」
アイク  「本当に体が小さいんだな」
ユンヌ  「体格4しかなかったからね、鉄の剣でも攻速落ちして大変だったみたいよ」
ロイ   「ちょ・・・賢者ルーテさんと同じじゃん」
ユンヌ  「皆からも『Roland156センチ』って言われてたからねえ」
ヘクトル 「ボーカルかよ!!」
ユンヌ  「ちなみに童貞。身長のおかげで顔はそこそこなのに全然もてなくてねえ・・・」
エリウッド「いや、別にそんなことをわざわざ言わなくても・・・」
ユンヌ  「ちっちっち、あとで大事になってくるんだわ、これが」
346 名前: 叙事詩 「八神将の歌」 [sage] 投稿日: 2008/10/26(日) 02:47:19 ID:XNPFHRdY
イドゥン 「あの・・・」
ロイ   「ん?」
イドゥン 「ローランさんが『どうてい』ってどういうことですか?」
リーフ  「ブハァァァァ!!・・・清楚なイドゥンさんから刺激的なお言葉・・・これはクル」
ヘクトル 「おいおい、アンタその歳で意味知らないのか」
イドゥン 「意味自体はわかります。東の島国の有名な詩ですよね。たしか・・・『僕の前に 道はない』」
兄弟家全員「その『道程』ちゃうわ!!」
マルス  「えー、我が家の方々に確認します。童貞の意味を知らない人は正直に手を挙げてください」
兄弟家全員「・・・(沈黙)・・・」
シグルド 「セリスにエイリーク、アイクも知っていたか」
エイリーク「まあ・・・その・・・流石に意味くらいは・・・///」
セリス  「う、うん・・・///」
アイク  (確か掌で相手の体を突く格闘技のはずだが・・・ ※それは『掌底』です)
イドゥン 「知らないのは私だけですか・・・シュン」
リン   「ね、ねえ、イドゥンさん。つかぬ事を聞くけど、赤ちゃんってどうやってできるか知ってる?」
イドゥン 「それは知っています。男性と女性が結婚すると戦闘竜が運んできてくれるんですよね!!」
ヘクトル 「随分ダイナミックだな、おい」
イドゥン 「違うんですか?先週チキとファと一緒にお勉強していた時、ガトーおじいさまがそう教えてくださったのですが・・・」
マルス  「あのじじい・・・何教えてるんだか・・・」
セリカ  「ってゆうかチキとファと同じ勉強って・・・」
リーフ  「いいのですよイドゥンさん、あなたはいつまでも清らかなままでいてください」
イドゥン 「?」

ユンヌ  「気を取り直して・・・後ろにいる大男がテュルバンよ」
エリンシア「筋肉が素晴らしいわ」
ヘクトル 「自重しろ。アルマーズの持ち主、『狂戦士』だな」
アルム  「あまり狂戦士って人には見えないけど」
セリカ  「そうね、むしろ穏やかな人に見えるわ」
ユンヌ  「ああ、最初はね、力は強かったけど無口で優しいヤツだったのよ・・・あんなことがなければね・・・(遠い目)」
ヘクトル 「おいおい、何があったんだよ?」

ユンヌ  「それは後で話すとして、こいつがハルトムート」
ロイ   「エッケザックスのと封印の剣の持ち主、『英雄』だね」
リーフ  「ゼフィール署長の先祖なんだよね」
ユンヌ  「ま、こいつは一言でいうと思い込みの激しい根暗。ゼフィールのぶっ飛んだ思想もこいつの子孫だと思えば納得できるわ」
イドゥン 「そんなことありません、ハルトムートさんは素晴らしい方です」
ユンヌ  「まったく『あんなこと』があったのに、アンタもお人よしねえ・・・ま、その辺もおいおい後で話すわ」

ユンヌ  「隅にいるオッサンがバリガン。この中では最年長で人竜戦役の時点で唯一の既婚者」
マルス  「ああ、あの神将器で一番影の薄いマルテの持ち主、『騎士の中の騎士(笑)』ね」
ユンヌ  「DSのファルシオン(笑)よりよっぽどマシな気がするけど」
マルス  「うぐ・・・」
ユンヌ  「こいつ自体は『ある一点』を除いて常識人なんだけどね、まあ武器と一緒で影の薄いこと薄いこと。正直あたしも最初の1週間は存在に気づかなかったわ」
アルム  「なんかすごく親近感がわくなあ、この人」
セリカ  「アルム、私も同じことを考えていたわ。やっぱり私たちって赤い糸で結ばれているのかしら・・・」
シグルド 「そこ、KINSHINは許さんぞ!!しかし、親近感と近親間って一文字違いで大違いだな・・・プッ・・・」
セリカ  「寒!!兄さん、ギャグまでオヤジなのね」
シグルド 「orz」
ユンヌ  「なんたる偶然・・・」
347 名前: 叙事詩 「八神将の歌」 [sage] 投稿日: 2008/10/26(日) 02:49:16 ID:XNPFHRdY
ユンヌ  「ブラミモンド。闇魔法の研究者だけど、顔も頭もいいし、性格は真面目で穏やかだし、この中では一番まともな人間だったわね。
たしか、恋人が竜に殺されたことがきっかけで八神将になったのよ」
エイリーク「アポカリプスの使い手『深き闇』にはそんな過去があったのですか」
エフラム 「どことなくだが、リオンに雰囲気が似ているな」
ユンヌ  「ああ、そうそう、リオンをもう少し積極的にした感じ」
リン   「でも私たちがあったブラミモンドってたしか自己を持たない存在とかじゃなかったっけ?」
ユンヌ  「ま、それも理由があるのよ、後で話すわ」
イドゥン 「ブラミモンドさん・・・」
ロイ   「?」

ユンヌ  「次は女性陣。この金髪がエリミーヌ」
セリス  「アーリアルを使っていた『聖女』だね、エリミーヌ教もこの人を崇拝しているんでしょ」
リーフ  「うっひょ~、エリミーヌってこんな綺麗なお姉さんだったんだ。僕も今から入信しようかな~」
セリカ  「全く、人間の分際で神様名乗るなんて身の程知らずね。こんなの崇拝してるんだからエリミーヌ教の程度も高が知れているわ、やはりミラ教こそが・・・」
マルス  「狂信者自重」

ユンヌ  「女性陣その2、ハノン」
リン   「サカ部族の祖先にしてミュルグレの使い手である『神騎士』ね」
へクトル 「へえ、ハノンってエフラム好みのロリだったんだな」
マルス  「いや、推定年齢14歳だから、幼女オンリーのエフラム兄さんの守備範囲からは微妙に外れているね。
むしろタリスの傭兵とかリグレの傭兵あたりが好きそうなラインだと思うよ」
エフラム 「2人とも刺すぞ」
ユンヌ  「当時もリーフみたいななエリミーヌ様ハァハァだったし、エフラムと同類はハノンたんハァハァだったわ」
マルス  「いつの時代もお姉さん好きとロリコンはいたってわけか」
リーフ・エフラム「・・・」

ユンヌ  「最後に残ったのがアトス、これはわざわざ説明する必要ないわね、なんてったって今も生きてるんだから」
エリンシア「外見が若いのですが、目元などは間違いなくアトス様ですね」
リン   「へ、へえ~~、アトス様の若い頃って、こ、こんな感じだったんだ・・・」
ヘクトル 「今は髭で隠れてるし、年取った貫禄があるからそうは思わねえけど・・・ぶっちゃけ若い頃はブサイクだな」
マルス  「うん、序盤でやられる山賊のボスみたいな顔だね」
リン   「ちょっと、二人とも失礼よ!!」
マルス  「姉さんも同じようなこと考えていたくせに・・・」
リン   「う・・・」
ユンヌ  「あ~、まあ、マルスやヘクトルの感想が正解に近いのかなあ・・・皆で歩いていたら、こいつだけ村人に捕虜の山賊に間違えられたことあったしね。
それと顔のおかげでこいつもモてなくてねえ・・・」
ロイ   「アトス様・・・( ノД`)」
アイク  「ところで、魔道士にしては随分体格がいいんだな(注)」
ユンヌ  「それも理由があるのよ、後で話すから・・・・・・ああ、もう、わかったわよ」
アイク  「?急にどうした?」
ユンヌ  「ミカヤが出せってうるさいから、一旦入れ替わるわよ」
ミカヤ  「プハーーー、乗っ取られるのって結構窮屈なのよね」
エリンシア「それでは少し休憩にしましょう、今お茶を入れますね」
一同   「はーい」

392 名前: 叙事詩 「八神将の歌」 [sage] 投稿日: 2008/10/28(火) 03:59:35 ID:36mW+MWL
叙事詩 「八神将の歌」 中編

第2章 八神将の旅
ユンヌ  「ここから本編に入るわよ。今から1000年前、人間が竜の領域を侵したことから始まった人と竜の大きな戦い、それが人竜戦役よ。
はじめは竜側が優勢だったのを人側が次第に盛り返していったの。
それに対して竜側は戦闘竜を、人側は八神将と神将器を投入することによって戦いは膠着状態になっていったわ」
ロイ   「うん、その辺は知っているよ」
ユンヌ  「八神将は軍にとらわれず、8人独自で動いていたの。早い話がRPGのパーティーね」

ローラン 「おらあ!!」
戦闘竜  「グワァァァァァ!!」
ローラン 「へっ、この勇者ローラン様に勝とうなんざ1000年早いんだよ!!」
アトス  「よくいうぜ、あんな雑魚に追撃食らった癖に」
ローラン 「うるせえな、デュランダルが重いんだからしょうがねえだろ!!こいつ剣の癖に重さ12もあるんだぜ」
ハルトムート「フヒヒヒヒ・・・Roland156センチだもんね、攻速8も落ちるとかどんだけwwwww」
ローラン 「てめえ、やんのか、こら!?」

エリウッド「やっぱりローランもこのデブ剣で苦労したんだね・・・あれ、でも12って封印仕様なの?」
ユンヌ  「そのうちわかるわよ」
ロイ   「どうでもいいけど、ハルトムートって本当に暗いんだね」

ブラミモンド「まあまあ、3人ともケンカなさらずに」
エリミーヌ「そうですよ、我々は大きな使命を負った仲間ではないですか」
テュルバン「・・・・・・仲間割れは・・・よくない」
ハノン  「みんな仲良くしなくちゃダメです!!」
ローラン 「わかってるって、別に本気で怒っているわけじゃねえよ」
エリミーヌ「それでは、先を急ぎましょう」
アトス  「ん?なんか忘れてねえか?」
ハルト  「フヒヒヒヒ・・・何も忘れてないよ・・・」
(一同、先に進む)
バリガン 「皆、アイテム買ってき・・・あれ、皆、どこいったんだ?」

マルス  「ちょ・・・バリガン素で忘れられてるし。ううん、この影の薄さは外伝に通ずるものがあるね」
アルム・セリカ「orz」
マルス  「こら、マルス!!なんてこと言うのよ!!」
ユンヌ  「続きいくわよ」

バリガン 「皆、私を置いていくとは、ひどいではないか」
ブラミ  「も、申し訳ありません、バリガン殿・・・私としたことが、本当に失礼なことを・・・」
テュルバン「・・・・・・すまん」
ローラン 「しょうがねえよ、バリガンのオッサンって影薄すぎんだよ」
バリガン 「グハッ!!」
エリミーヌ「ローラン、何てこと言うのですか。バリガン様は年長者として、私たちを支えてくれる方ですよ。
現に今だって私たちのためにアイテムを買ってきてくれたではないですか」
ローラン 「なんだよ、一番最初に『先を急ごう』って言ったのエリミーヌだろ」
エリミーヌ「え、いや、それは・・・」
バリガン 「エリミーヌ・・・」
エリミーヌ「バリガン様、あの、そうではなくてですね・・・」
バリガン 「いいんだいいんだ・・・どうせ私なんか・・・皆に相手にされない寂しい中年さ・・・」
ブラミ  「バリガン殿、そこまで自分を卑下しなくても・・・」
バリガン 「仕方がないだろう、私の顔には髭が生えているからな。髭と卑下・・・なんちゃって・・・プププ・・・」
(ヒュゥゥゥゥゥゥゥゥ・・・・・・)
ローラン 「うわ、寒!!オッサン、ギャグまでオヤジかよ」
バリガン 「orz」
アトス  「寒いギャクばっか飛ばしてると、マルテに氷属性ついちまうぞ」
ハルト  「フヒヒヒヒ・・・もう、手遅れ」
バリガン 「え?な!!マルテの穂先に冷気が!!」
ハノン  「わ!!本当に冷たいです」
アトス  「バリガンにはお似合いだな?今日からマルテは『氷雪の槍』だな。ハハハハハハ」
バリガン 「うわああああああん(号泣)」
393 名前: 叙事詩 「八神将の歌」 [sage] 投稿日: 2008/10/28(火) 04:00:29 ID:36mW+MWL
ロイ   「え、マルテってもとは『氷雪の槍』って異名じゃなかったの?」
ユンヌ  「マルテの異名は『妖矛』。それが持ち主のバリガンが寒いギャグばっかとばしてたから、いつのまにか氷属性になっちゃったのよ」
ロイ   「し、知らなかった」
ユンヌ  「このバリガンって基本は常識人なんだけど、なぜかギャグ言うのがだいすきでねえ・・・。
しかも、ことごとく寒いオヤジギャグなんだわ、これが・・・。
ちなみにさっきシグルドが言った『親近』と『近親』を引っ掛けたヤツ、バリガンも同じ事を言って見事に滑ったわよ」
シグルド 「うう・・・ごめんなさい。でも、このバリガンは私にそっくりだな。
皆のために頑張っているのに、認めてもらえず、相手にもされない寂しい中年・・・
まさにこの一家の私じゃないか・・・うう・・・(泣)」
エリンシア「そんなことはないです、お兄様は我が家の大黒柱ではないですか」
マルス  「そうだよ、バリガンとシグルド兄さんが一緒なわけないじゃないか」
シグルド 「マルス・・・」
マルス  「だって、バリガンはちゃんと結婚しているじゃん」
シグルド 「うわああああああん(号泣)」
リン   「マールースー・・・またアンタは余計な事を!!」
ユンヌ  「そんなこんなで旅をしている一行。ある日、ある町の宿屋でのこと・・・」

ブラミ  「全部で8人なのですが、女性用に2人部屋を1つと、男性用に3人部屋を2つ用意していただきますか」
主人   「八神将の方々にご宿泊いただけるとは光栄でございます。今すぐご用意いたしましょう」
ブラミ  「エリミーヌさんとハノンで左の部屋を使ってください」
エリミーヌ「わかりました、いきましょう、ハノン」
ハノン  「はい」
ブラミ  「男性の部屋割りですが・・・」
ローラン 「あ、オレ真ん中の部屋がいい」
アトス  「オレもだ」
ハルト  「フヒヒヒヒ・・・僕も」
ブラミ  「わかりました、では3人で真ん中の部屋を使ってください。残った私たちで右の部屋を使いましょう」
バリガン 「テュルバン、一杯飲らないか?」
テュルバン「・・・・・・・・・ああ」
バリガン 「君ももっと大きな声を出していいんだぞ、酒だけに叫んでる・・・なんちゃって」
テュルバン「・・・・・・・・・・・・お・・・おもしろいぞ」
バリガン 「いや、無理に笑わなくてもいいんだよorz」
テュルバン「・・・・・・すまん」

リン   「テュルバン・・・いい人ね」
へクトル 「なんで狂戦士なんかになったんだ?」
セリス  「でも、なんか皆で旅をしているって感じだね。楽しそうだなあ・・・」
リーフ  「美人のお姉さんやかわいい少女とお泊り・・・ブハァァァァァ!!
ロイ   「兄さん、いくらなんでも妄想しすぎ」
マルス  「ま、でもRPGやってたら誰もが一度は妄想するよね。年頃の男女が宿屋で何もないわけないだろうってね」
エイリーク「たしかにこれだけ苦楽を共にすれば、お互い特別な気持ちになるのもおかしい話ではありませんね」
リン   「まあ、リーフが妄想するみたいなエロにはならなくても、一組くらいカップルができてもいいわよね」
ユンヌ  「ところが現実はそう甘くなかったのよ・・・」

ローラン 「アトス、ハルトムート、壁に耳当てろ。エリミーヌとハノンがおっぱじめるぞ」
アトス  「何!!」
ハルト  「フヒヒヒヒ・・・百合だ百合だ」
(壁の向こうの声)
ハノン  「エリミーヌお姉さま・・・大好きです」
エリミーヌ「私もよ。愛しているわ、ハノン・・・今夜は思いっきり愛してあげるわね」
ローラン・アトス・ハルト「キターーーーーー」
ブラミ  「ローラン殿、明日の予定なのですが・・・って3人とも壁に耳を当てて、どうしたのですか?」
ローラン 「馬鹿、静かにしろ!!今いいところなんだよ」
(壁の向こうの声)
ハノン  「うれしいです・・・あ、でも、私、まだお風呂に入ってません」
エリミーヌ「それなら2人で入りましょう。体を洗ってあげるわ」
ハノン  「はい、行きましょう」
(エリミーヌとハノンが部屋を出る)
アトス  「ああ、ちきしょう、せっかく百合の現場が聞けると思ったのに」
394 名前: 叙事詩 「八神将の歌」 [sage] 投稿日: 2008/10/28(火) 04:01:37 ID:36mW+MWL
リーフ  「エリミーヌとハノンの百合シーン・・・ブハァァァァァ!!」
エリウッド「あ、あの、ハ、ハノンとエリミーヌって・・・その・・・そういう関係だったのかい!!?」
ユンヌ  「うん、正真正銘の百合ップルよ」
ヘクトル 「たしかサカの民ってハノンの子孫だったよな・・・(ジー)」
アルム  「まあ、ご先祖様がそうならね・・・(ジー)」
セリカ  「ある意味仕方ないかしらね・・・(ジー)」
シグルド 「KINSHINでなければ私は構わないがな・・・(ジー)」
エフラム 「あの変態女盗賊もサカの出身だったりしてな・・・(ジー)」
リン   「ちょ、ちょっと!!何で皆で私のことを見るのよ!!?」
マルス  「いやあ、ご先祖様までレズなんて、リン姉さんは筋金入りだなあと」
リン   「私はレズじゃありません!!」
エリンシア「ご先祖様がレズだからってあなたまでそうなることはないのよ!!」
リン   「違うっちゅうに!!でも、前にラスが言ってた、クトラの言い伝えって本当だったのね・・・(注 12スレ『潔白の証明』参照)」
ユンヌ  「続けるわよ、女2人がお風呂に言っている間の男共の会話ね」

ローラン 「それにしても、美女2人と旅ができるなんて最初は期待したけど、2人ともレズだったなんてな・・・」
アトス  「全くだぜ、女にモテモテになれそうだからわざわざこんな危険なこと引き受けたのに、実際は音沙汰なしだもんな・・・」
ローラン 「なんだ、アトス、お前も女目当てよ?」
アトス  「当たり前だろ、そうでなけりゃ誰がこんな危ないことするかよ、皆だってそうだろ?」
ハルト  「フヒヒヒヒ・・・当然じゃないか」
ブラミ  「いえ、私は・・・もう少し別な個人的な理由ですので・・・」
テュルバン「俺は・・・・・・皆を守るため・・・・・・」
バリガン 「私は騎士としての使」
ローラン 「おいおいテュルバンにブラミモンド、いい子ぶるじゃねえよ」
バリガン 「またハブられた・・・」
アトス  「彼女欲しいよぉぉぉぉ、早く童貞卒業してえんだよぉぉぉ!!」
ローラン 「くそ、こんな強くてイケメン勇者のオレ様が未経験って絶対間違ってるよな!!」
ハルト  「フヒヒヒヒ・・・その背じゃ無理無理」
ローラン 「うるせえ、背のことは言うな!!てめえも童貞なんだろ、ハルトムート!!」
アトス  「っていうか、ここのやつは彼女なしの一人身だよな?テュルバン、お前、実は経験済みとか言わないよな・・・」
テュルバン「・・・俺は・・・まだ・・・ない・・・けど・・・あの・・・実は・・・」
ローラン 「なんだよ、ハッキリしねえヤツだな。おい、ブラミモンド、お前は?」
ブラミ  「私は・・・一応・・・将来を誓い合った女性がいましたので・・・/////」
ローラン 「な!?てめえ、彼女もちかよ!!!」
アトス  「抜け駆けはゆるさねえといっただろうが!!」
ハルト  「裏切り者め・・・」
ブラミ  「いや、裏切りというか、あなた方と出会う前にすでに亡くなっていますし・・・」
ローラン 「なんだよ、ブラミモンドは経験済みかよ・・・お前明日からハブな」
ブラミ  「ローラン殿、我々は大事な使命を負っているのですから、そのようなことで連携を乱されては困ります」
バリガン 「あの・・・私は・・・」
ローラン 「ああ、そういえばオッサン結婚してるんだっけ」
アトス  「こんな地味なヤツでも結婚できるのに、なんでオレは・・・」
ブラミ  「2人とも、バリガン殿に失礼ですよ」
ローラン・アトス・ハルト「ああ、もう、彼女欲しいよぉぉぉぉぉぉぉ」

マルス  「何、この喪男達の会話。一応英雄だよね、この人達」
リーフ  「やだねえ、モテない男の僻みって」
エリウッド「はは・・・ははははは・・・なんだろう、なぜか夢が壊れた気がするんだけど・・・」
ヘクトル 「そうだよな・・・こいつらも人間なんだから、こういう会話もするよな・・・」
ロイ   「・・・でもさあ、英雄なんだし、やっぱり夢持っちゃうよね・・・」
リン   「まあ、男なんていつの時代もこんなもんよね・・・」
エレブ主人公ズ「orz」
セリス  「ずいぶん落ち込んでいるね」
シグルド 「自分たちの根幹を成す存在だからな、気落ちも大きいのだろう」
395 名前: 叙事詩 「八神将の歌」 [sage] 投稿日: 2008/10/28(火) 04:02:13 ID:36mW+MWL
第4章 狂戦士テュルバン
ユンヌ  「まあ、こんな感じで女2人は百合百合、男たちは大半が喪男。
そんな中で、ある事件が起こるの。別な村で同じように宿をとったある日のこと・・・」

テュルバン「・・・・・・出かけてくる」
ブラミ  「どうなさったのですか?食事なら全員でいきましょう」
テュルバン「・・・いや・・・違う・・・」
ローラン 「なんだよ、遊びにでも行く気か?」
テュルバン「・・・・・・それも違う・・・・・・」
アトス  「なんだよ、ハッキリしろよ」
ハルト  「フヒヒヒヒ・・・イケナイお店にでも行く気?」
ローラン 「何!!だったらオレも連れて行け!!」
テュルバン「・・・・・・あの・・・その・・・デ・・・・・デ・・・デートなんだ」
ローラン 「な」
アトス  「な」
ハルト  「な」
ローラン・アトス・ハルト「何いいいいいいぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!!!」
ローラン 「おい、相手は女なんだろうな?いや、それ以前に人間か!?」
テュルバン「人間の・・・女性だ」
アトス  「何で、いつの間に作ったんだよ!!?」
テュルバン「・・・この間、頼まれていた山賊の退治をしたら・・・さらわれていた娘を助けて・・・それが、村長の娘で、それがきっかけで・・・」
ローラン 「な!!?さらわれた村長の娘助けてゲットなんて、王道中の王道じゃねえか!!そんなおいしいイベント聞いてねえぞ!!!
何でオレ様を呼ばなかったんだよ!!?」
ブラミ  「ローラン殿達は遊びに行ってたでしょう。山賊退治は私とテュルバン殿だけでいきました」
バリガン 「・・・私も行ったのだが・・・」
ブラミ  「え?あ、もうしわけありません、バリガン殿」
バリガン 「お前・・・実は俺のこと嫌いだろ?」
ブラミ  「いえ、そんなことは・・・」
アトス  「オッサンのことなんてどうでもいいんだよ、テュルバン、てめえ、裏切る気か!?」
テュルバン「・・・いや・・・裏切るとか、そういうものでは・・・」
ローラン 「ちきしょおおお、なんでウォーリアのこいつが彼女持ちで、勇者のオレ様が一人身なんだよぉぉぉぉ!!!?ハルトムート、お前もそう思うだろ!!!?」
ハルト  「フヒヒヒヒヒ・・・どうせブスだから、別になんとも・・・」
ローラン 「え、そ、そ、そうだよな。こんな田舎の娘なんか、垢抜けないブサイクにきまっているよな。
この先、オレ様にはもっとハイソなセレブ美女が待ってるだけだよな・・・あはははは」
アトス  「こ、この世界のどこかに、う、美しい踊り子がオレをまっているからな、む、村娘なんて、うらましくなんかないぜ!!」
ハルト  「フヒヒヒヒヒ・・・オッドアイハァハァ・・・」
テュルバン「・・・・・・」
宿屋店主 「テュルバン様・・・お客様がお訪ねになっていますが」
テュルバン「・・・通してくれ」
村長の娘 「テュルバン様、お待たせいたしました」
ローラン 「な」
アトス  「な」
ハルト  「な」
ローラン・アトス・ハルト「何いいいいいいぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!!!」
ローラン 「ちょ、すげえかわいい!!!」
アトス  「しかも巨乳!!!」
テュルバン「・・・紹介する・・・俺の・・・か・・・か・・・彼女・・・だ////」
村長の娘 「は、恥ずかしいですよ・・・テュルバン様ったら・・・////で、でも、いまご紹介されたとおりです、皆様、よろしくお願いします(ペコリ)」
ローラン 「ち、ちきしょう・・・性格もできてやがるじゃねえか」
テュルバン「・・・じゃ、じゃあ、行ってくる」
ブラミ  「楽しまれてきてください」
テュルバン「あ・・・それで・・・」
ローラン 「?」
テュルバン「・・・・・・帰りは・・・その・・・明日に・・・なると思う・・・」
ローラン・アトス・ハルト ( ゚Д゚)
村長の娘 「や、やだ、テュルバン様・・・は、恥ずかしいです・・・(ポッ////)」
ブラミ  「数日間ここには滞在する予定ですから、構いませんよ」
村長の娘 「それでは皆さま失礼します、テュルバン様、行きましょう」
396 名前: 叙事詩 「八神将の歌」 [sage] 投稿日: 2008/10/28(火) 04:03:10 ID:36mW+MWL
(腕を組んで宿を出て行くテュルバンと村長の娘)
ローラン 「ち」
アトス  「ち」
ハルト  「ち」
ローラン・アトス・ハルト「ちきしょおぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!」
ローラン 「くそ、田舎の村娘だからブサイクだと思ったら、すげえかわいいじゃんかよ」
アトス  「しかも巨乳でスタイル抜群」
ハルト  「性格も控えめで純情」
ローラン・アトス・ハルト「理想的な彼女じゃん!!!!!!!」
ローラン 「なんでだよお、なんでテュルバンにできてオレ様にできねえんだよぉ!!」
アトス  「もうこの際贅沢は言いません、とにかく女の子と楽しい一時を過ごしてみたいんです」
ハルト  「今夜テュルバンは理想的な彼女と甘い一夜を・・・うう」
ローラン・アトス・ハルト「うらやましいよおおおおおおお、びえええええん(号泣)」
ブラミ  「皆さん、そのようなことで騒がれては困ります。我々は人類の期待を背負った八神将、些細なことで動揺しては、民に不安が・・・」
ローラン・アトス・ハルト「うるせえええ!!リア充に喪男の気持ちがわかってたまるかぁぁぁぁ!!!(血涙)」
ブラミ  「いえ、あの、恋人は亡くなっていますので、決して私の生活も充実しているわけでは・・・」
ローラン・アトス・ハルト「うわああああああん、彼女欲しいよぉぉぉぉぉぉぉぉ(号泣)」

エリウッド「・・・」
へクトル 「・・・」
リン   「・・・」
ロイ   「・・・」
エイリーク「あの・・・さっきからエレブの方々が固まっているのですが・・・」
エフラム 「信じていたものが打ち砕かれれば人は誰でもああなる」
へクトル 「あのなあ、八神将って伝説なんだぜ、英雄なんだぜ、それが女にもてないごときで泣いてんじゃねえよ!!」
ロイ   「うう・・・人類の未来とか、戦争の終結とか、もっとすごいことで悩んで欲しかった・・・」
ユンヌ  「そういうけどね、喪男は喪男でつらいもんよ、ま、複数の嫁候補かかえたハーレム一家にはわからないと思うけどね」
シグルド 「私は・・・ほんの少しだけローラン達の気持ちがわかる気がする」
ユンヌ  「続けるわね、当初数日間滞在の予定だったのが、一月位その村に滞在することになったの。
おかげで喪男連中は、テュルバンと村長の娘のラブラブイチャイチャを見せ付けられたわ」

ハルト  「・・・今日もテュルバンのリア充ぶりを見せ付けられた」
ローラン 「なあ、もう、いっそ敵はリア充ってことにしねえ?竜なんかよりもよっぽど人類の敵だぜ」
アトス  「・・・ククククク・・・ハーハッハッハッハッハ」
ローラン 「なんだ、急にどうした、アトス!?」
ハルト  「フヒヒヒヒ・・・ついに気が狂った?」
アトス  「狂うのはテュルバンの方だ」
ローラン 「あん?」
アトス  「この間、『覇者の証』っていう妙なアイテム見つけたろ。ブラミモンドが解析した結果、あれには人間を戦いに狂わす効果があるんだってよ」
ハルト  「戦いに狂わす?」
アトス  「ああ、戦い以外には一切興味を示さず、ただひたすら戦い続けるようになる、そんな恐ろしい効果があるんだ」
ローラン 「で、そいつがどうしたんだ?」
アトス  「今、アルマーズにそいつを組み込んできた」
ローラン 「何!?じゃあ・・・」
アトス  「ああ、あの斧を握ったが最後、テュルバンは戦い以外にはなんも興味を示さない狂戦士になっちまうんだ。もちろん、女なんか眼中になくなる!!」
ハルト  「フヒヒヒヒ・・・じゃあ、これであいつのリア充ライフは終わりなんだね」
ローラン 「アトス、マジGJ!」
ブラミ  「あ、あなたはなんということを!!!
人間に直接使用するならまだしも、武器、それも神将器に覇者の証を組み込んだら・・・恐ろしいことに・・・」
ローラン・アトス・ハルト「知るか、そんなの。テュルバンざまあwwwwwwwww」

テュルバン「む!!」
村長の娘 「どうなさいましたか、テュルバン様」
テュルバン「ぐ・・・ぬ・・・うおおおおおおおお!!」
テュルバン ウォーリアLv5→狂戦士LV1 HP+4 力+1 速+1 技+1 守+2 防+2 体+3 
テュルバン「戦わせろ、我を戦わせろぉぉぉぉぉ!!」
村長の娘 「テ、テュルバン様・・・」
テュルバン「どけ、女。我が望むは戦いのみ、我は、力、この比類なき力こそ、我」
397 名前: 叙事詩 「八神将の歌」 [sage] 投稿日: 2008/10/28(火) 04:04:24 ID:36mW+MWL
セリカ  「えっと・・・つまりテュルバンはもとから狂戦士ではなくてウォーリアだったと・・・」
アルム  「それをアトスがアルマーズに覇者の証くっつけて無理やり狂戦士にしたと・・・」
エレブ主人公ズ「なんじゃそりゃああああああああああ!!」
ユンヌ  「ま、それだけ喪男達のひがみはすごいってことよ」

第4章 人竜戦役終結
ユンヌ  「続きね、そんなこんなで、いよいよ人竜戦役もクライマックス。八神将達はすべての竜をつかさどる魔竜がすむ、竜の神殿へとたどり着いたのよ」

アトス  「よし、いよいよ魔竜の元へたどり着いたぞ」
ブラミ  「長かった戦いもこれで終わりますね」
ハルト  「フヒヒヒ・・・」
エリミーヌ「いきましょう、ハノン」
ハノン  「はい、お姉様」
テュルバン「戦わせろ、戦わせろぉぉぉぉ!!」
バリガン 「さあ、みんな最後のたたか」
ローラン 「追い詰めたぞ・・・魔竜よ、覚悟しやがれ!!」
バリガン 「orz」
???? 「・・・私の眠りを覚ますのは・・・」
イドゥン 「あなた達ですか・・・」
八神将  「な、なにいいいいいいいいいい!!」
ローラン 「ちょ、魔竜ってこんなに美人なの!!」
アトス  「テラカワユス!!」
バリガン 「我が妻の100倍美しい・・・」
テュルバン「戦わせろ、戦わせろぉぉぉぉ!!」
ブラミ  「なんと美しい、この世の者とは思えない」
ハルト  「イドゥンたん、ハァハァ」
エリミーヌ「ハノン、ごめんなさい、ときめいてしまったわ」
ハノン  「私もです、ああ、お姉様というものがありながら・・・」
イドゥン 「私と・・・戦うのですか?」
八神将  「いえ、貴女を迎えに来ました!!」

ユンヌ  「イドゥンの姿に一目萌えしてしまった八神将は、イドゥンと戦わずにお持ち帰りしてしまいます。
こうして、人竜戦役は終わりを告げましたとさ」
アイク  「ちょっと待て、ということは、八神将とイドゥンは戦っていないのか?」
イドゥン 「戦うなんてとんでもない。八神将の方はとても優しい方達です。赤の他人である私に対してとても親切にしてくださいました」
マルス  「さすが女に飢えた喪男とレズの集団」
イドゥン 「私が外に出る時はいつも誰かが私を守るためについてきてくれましたし、宿では、いつも一番いいお部屋をとってもらいました」
エイリーク「完全にお姫様状態ですね」
イドゥン 「ただ、テュルバンさん以外の方は、私と話す時は顔が赤くて息も荒いようでした・・・私、嫌な思いをさせていたのでしょうか?」
リン   「つまり、『イドゥンたんハァハァ』状態だったのね」
リーフ  「敵でさえ魅了するイドゥンさんの美貌、恐るべし・・・」
ロイ   「・・・あれ?じゃあ、なんでイドゥンさんって封印されたの?」
ユンヌ  「それはこれから話すわ・・・ミカヤがまたうるさいから一旦入れ替わるわね」
ミカヤ  「・・・ふう、出番がないからせめて節目くらいには登場しないとね」
エリンシア「ではもう一度休憩にしましょう、丁度クッキーが焼けましたので召し上がれ」
一同   「わーい」

485 名前: 叙事詩 「八神将の歌」 後編 [sage] 投稿日: 2008/11/03(月) 01:15:03 ID:IqnkQNVI
叙事詩 「八神将の歌」 後編

終章 八神将のその後 ―テュルバン―
ユンヌ  「じゃあ、その後八神将がどうなったかについて話すわよ。
まずテュルバンは西方三島に行って、一生戦いに明け暮れた・・・その辺は今に伝わっている話と同じ。問題なのはこいつの使っている武器の方」
ヘクトル 「武器って俺のアルマーズのことか!!?そういや、この斧には覇者の証が組み込まれているって言ったな」
ユンヌ  「あたしもよくわからないんだけど、覇者の証って人間に直接使うのならともかく、武器に使うと呪いがかかるらしいのよ」
ヘクトル 「の、呪いだって!!?」
ユンヌ  「特に神将器なんかに使ったら恐ろしいことになるわね。それで具体的にアルマーズにくっついた呪いが『使用者は非業の死を遂げる』」
ヘクトル 「ちょちょちょちょ、ちょっと待て!!『封印の剣』で俺があんなんなっちまうのは・・・」
ユンヌ  「直接原因作ったのはゼフィールだけど、間違いなくその斧の呪いね。で、それを施したのはアトス」
ヘクトル 「あのじじぃぃぃぃ、許さねぇぇぇぇぇ!!」
エリウッド「ヘクトル、落ち着きなよ」
ヘクトル 「殺す、あのじじい、絶対殺す」

―エリミーヌとハノン―
ユンヌ  「人竜戦役終結後、八神将はそれぞれに国を与えられたの。エリミーヌにはエトルリア、ハノンにはサカね。ところが・・・」

ハノン  「いや!!お姉様と離れたくない」
エリミーヌ「私もよ、愛するあなたと離れてまで国なんか欲しくないわ。それで私にいい考えがあるの・・・それはね・・・」

エリミーヌ「皆さん、なぜ人と竜は争うことになったのでしょうか?それは共通の信ずべきものが無いからです。あの悲劇を繰り返さないために、私たちは信ずべき神を持つべきなのです」
エトルリア民「ならば、それはエリミーヌ様しかいませんね!!」
エトルリア民「今日からエリミーヌ様は我々の聖女、我々の女神になるべきです」
エリミーヌ「私のような者でよければ・・・しかし、それでは、私が政治を執る訳にはいきませんね」
エトルリア民「そんなものはにお任せ下さい、エリミーヌ様は何もせず、我々を見守ってくださればいいのです」
エトルリア民「エリミーヌ教万歳、聖女エリミーヌ様万歳!!」
エリミーヌ(ふふふ・・・上手くいったわ)

ハノン  「あ・・・あの・・・今日から、サカを治めることになった・・・ハ、ハノンです。よ、よろしくお願いします(ペコ)」
サカの民 「ハノンたーん!!」
サカの民 「超可愛いよ、ハァハァだよ!!」
ハノン  「でも・・・グス・・・うええええん」
サカの民 「ど、どうしたの、ハノンたん!?」
サカの民 「誰が君を泣かせたんだい?」
ハノン  「む、無理なんです・・・私みたいな子供に・・・グス・・・こんな大きな土地を治めるなんてできません・・・えええええん」
ロルカ  「そんなことで悩むことは無いよ、ハノンたん」
クトラ  「そうだよ、俺たちがいるじゃないか」
ジュテ  「政治とか部族運営とか、そんな面倒なことは全部俺たちがやってやるよ。ハノンたんは自由にしていいからね」
サカの民 「そうだよ、面倒なことは全部俺たちに任せてくれればいいんだよ」
サカの民 「だから泣かないで、ハノンたん」
ハノン  「皆さん・・・ありがとうございます(にっこり)」
サカの民 「うおおおおおおお!!ハノンたーーーーん!!」
ハノン  (えへへへ、うまくいきました)

ハノン  「サカは族長の方々が分割して治めてくれることになりました。お姉様の方はどうでしたか?」
エリミーヌ「大成功です。政治や教団の運営は全部人任せにできました。だから私たちは自由に愛し合えるわよ」
ハノン  「嬉しいです、お姉様」
エリミーヌ「私の可愛いハノン・・・私たちはいつまでも一緒よ・・・」

シグルド 「つまり・・・エリミーヌ教もサカ部族も、エリミーヌとハノンが政治に関わりたくないためにできたと・・・」
ユンヌ  「そう。面倒なことうっちゃって、ひたすら百合百合したかった百合ップルの策略が、今のエトルリアとサカを作っているのよ」
セリス  「それ・・・今のエリミーヌ教の人たちとか、知っているの?」
ユンヌ  「知るわけ無いでしょ、エリミーヌは生涯エトルリアの平和と発展に尽力した、って経典に書いてあるはずよ」
セリカ  「そんな勝手なレズ女を聖女だなんて、エリミーヌ教の程度が知れるわね。やはりミラ教こそが至高の・・・」
マルス  「だから狂信者自重。っていうかさ、サカ族ってロリコンばっかなの?」
リン   「い、今はそんなことないからね!!」
486 名前: 叙事詩 「八神将の歌」 後編 [sage] 投稿日: 2008/11/03(月) 01:17:54 ID:IqnkQNVI
―バリガン―
ユンヌ  「イリアを治めるのはバリガン。ただこいつの嫁が優秀でカリスマ性もあるもんだから、イリアの民は嫁の方を頼ったのよ」

バリガン嫁「あなた、この書類に判子を押してください、内容は気にしなくていいですから。それと今日は他国の首脳と会談があるので遅くなります、ご飯は自分で適当に食べてください、それでは」
バリガン 「うう・・・皆嫁のほうばかり頼って・・・人竜戦役を戦ったのは私なのに・・・」

ユンヌ  「そんな空気バリガンの唯一の楽しみは、例によってオヤジギャグ。バリガンは来る日も来る日も寒いギャグを言い続けました」

バリガン 「国会はどこっか、牛がうっしっし」
イリアの民「・・・なあ・・・最近気温が下がってきてねえか?」
バリガン 「産婆のサンバ、宴会やってもええんかい」
イリアの民「うわ、雪だ!!イリアの地に雪が降ってきたぞ」
バリガン 「店頭で転倒、怨念がおんねん」
バリガン嫁「あなた!!いいかげんにしてください、あなたのギャグのおかげで気温が下がって作物が育たなくて困っているのよ!!」
バリガン 「ふん、私にはこれしか楽しみがないんだ。飴は甘え、カレーは辛え、象の内臓が無いぞうとは言わせないぞう・・・アハハハハ・・・」

ユンヌ  「こうして、イリアは雪に覆われた極寒の地となりました」
リン   「気候変えるほどの寒いギャグっていったいなによ!!」
エリンシア「イリアはもともとは暖かい気候だったのね」
ユンヌ  「むしろ暑いくらいだったわよ ※」
エイリーク「イリアは男性より女性の立場が強いと聞きましたが・・・」
ユンヌ  「影が薄くて、ギャグは気候変える位寒い、おまけに嫁が優秀で、なにもやること無し・・・そんなのがトップにいたら男の立場も弱くなるって」
※フランスの叙事詩「ローランの歌」に出てくるバリガンはアラビア人です

―ハルトムートとブラミモンド―
ユンヌ  「八神将の中でも特にイドゥンにぞっこんだったのがハルトムートとブラミモンド。他の6人は『萌え』程度だけど、この2人は本気だったの」

ブラミ  「イドゥンさん・・・一目見たそのときから・・・私はあなたを・・・」
ハルト  「イドゥンたん・・・ボクのイドゥンたん・・・オッドアイハァハァ・・・」

ユンヌ  「この2人はイドゥンに優しくしまくり、そうだったわよね、イドゥン?」
イドゥン 「八神将の皆さんは優しい方ばかりでしたが、そのなかでもこのお2人は特に親切にしてくれました」
ユンヌ  「そんな中、最初に行動を起こしたのがブラミモンド。ある日の夜・・・」

イドゥン 「ブラミモンドさん、なにか御用ですか?」
ブラミ  「私は・・・かつて将来を誓った女性がいました。しかし、彼女は竜に殺されました。憎しみにかられた私は、竜に復讐するために、八神将に加わったのです」
イドゥン 「え・・・それって・・・」
ブラミ  「しかし、人竜戦役を通じ、私の考えは変わりました。憎むべきは竜ではなく、人と竜が争いあうことなのだと。これから私は人と竜の共存を目指して生きたいのです」
イドゥン 「素敵なことだと思います」
ブラミ  「それで・・・私は・・・これからの生をあなたと共に歩んで生きたいのです。私は・・・あなたのことを愛しています」
イドゥン 「嬉しい・・・私、ブラミモンドさんのこと大好きです」

エイリーク「え、え、え、え・・・イドゥンさん、あなたブラミモンドさんのこと・・・」
イドゥン 「はい、私ブラミモンドさんのこと大好きです」
兄弟家一同「な、なんだってーーーー!!」
リーフ  「うわーん、僕のイドゥンさんがーーーー!!」
リン   「誰がアンタのよ!!?でも、ちょっと正直私も意外だったわ・・・」
マルス  「・・・・・・一応確認しておくけど、あなたハルトムートのことどうおもってました?」
イドゥン 「はい、ハルトムートさんのこと大好きです」
マルス  「ローランは?」
イドゥン 「大好きです」
マルス  「エリミーヌは?」
イドゥン 「大好(ry)」
マルス  「僕ら兄弟のことどう思います?」
イドゥン 「大(ry)」
マルス  「それはチキやミルラたちの気持ちと変わりはありますか?」
イドゥン 「いいえ、妹達と同じくらい、皆さんのことが大好きです」
マルス  「えー、ブラミモンドはフラグクラッシュされたということでファイナルアンサー?」
ユンヌ  「マルス、正解」
アルム  「ブラミモンド・・・( ノД`)」
487 名前: 叙事詩 「八神将の歌」 後編 [sage] 投稿日: 2008/11/03(月) 01:21:48 ID:IqnkQNVI
アイク  「・・・イドゥン」
イドゥン 「はい?」
アイク  「そういうのはよくない。それでは他人の好意に鈍感になってしまう。自分の思いに気づいてもらえないということはある意味憎まれるよりも辛いことだ、もう少し他人の好意に敏感になるべきだと、俺は思う」
イドゥン 「は、はい、わかりました」
アイク  「・・・ん?皆、どうした?」
アイク、イドゥンを除く一同(突っ込みたい お前が言うなと 突っ込みたい)
ユンヌ  「まあ、ブラミモンドの告白は結果的に不発に終わったものの、それを影から見ていたハルトムートが盛大な勘違いをしちゃってねえ・・・・」

ハルト  「イドゥンたん、ボクのイドゥンたん・・・ブラミモンドのところにいっちゃうなんて・・・きっとあいつに心を操られているんだね。
だからボクと一緒にいられないなんて、あまりに可哀相で哀れだよ・・・でも大丈夫だよ、今ボクが助けてあげるからね・・・」
イドゥン 「あの、ハルトムートさん、なにか御用ですか?」
ハルト  「フヒヒヒ・・・イドゥンさんが最近お疲れだと聞いたので、それを解消する方法を考えました」
イドゥン 「え、そうなのですか、それは一体・・・」
ハルト  「私が開発した安眠ベッドです。ここで眠れば体力の回復が早まります」
イドゥン 「ありがとうございます、では早速使わせてもらってよろしいですか?」
ハルト  「フヒヒヒ・・どうぞ・・・」
イドゥン 「わあ・・・確かに気持ちいいベッドですね・・・よく・・・眠れ・・・そうです・・・ふわぁぁぁ・・・zzz」
ハルト  「剣よ、この哀れなる魔竜を封印したまえーーー!!」
(イドゥンに封印が施される)
ハルト  「フヒヒヒヒ・・・これでイドゥンたんは1000年間封印されたままだ。イドゥンたんは誰にも触れられずにいつまでも清らかなままさ。
そして解放に必要な剣と紋章をを守る国をボクがつくればいつまでもボク達は一緒にいられるね。
そうさ、イドゥンたんはボクだけのもの、誰にも触らせはしない・・・フヒヒヒヒ・・・」

ユンヌ  「こうして魔竜イドゥンはハルトムートに封印されましたとさ。その封印を解くため鍵となる剣と紋章を守るために作られた国がベルンというわけ。
ベルンにやたらと竜騎士がいるのも、愛しのイドゥンたんを懐かしむためというのが本当のところ」
ロイ   「ちょっと待ってよ、たしか伝説では『操られている魔竜に哀れみを感じて封印をした』はずだけど・・・それって・・・」
ユンヌ  「ハルトムートがちゃんと言っているじゃない。ブラミモンドに『操られて』いてボクと一緒にいられなくて可哀相で『哀れ』って」
ロイ   「でもそれって思い込みじゃ・・・」
ユンヌ  「思い込みよ」
ロイ   「いや、さらっと言われても・・・それに歴史ではそんなこと一度も・・・」
ユンヌ  「あのねえ、歴史なんてのは伝えた人間の都合いいように出来ているもんだし、知らない間に捻じ曲げられたりしているモンなの。
あたしだって本当は混沌の女神なのに、全てを滅ぼす邪神扱いされていたじゃない」
ロイ   「うう・・・ショックだ・・・人竜戦役の終わりがそんなしょうもない理由だったなんて」
リン   「それにしても、イドゥンさん、あなたハルトムートのやったこと、知ってたの?」
イドゥン 「はい、ハルトムートさんはとても親切な方でした」
リン   「いや、そうじゃなくてね、結局あなたは騙されたわけでね・・・」
イドゥン 「そんな、ハルトムートさんは騙してなんかいません。私のために用意してくれた安眠ベッドも素晴らしいものでしたよ。目覚めた時には少しも疲れを感じませんでしたし」
兄弟全員 「そ り ゃ 1 0 0 0 年 も 寝 て り ゃ 疲 れ も 取 れ る わ !!」
ミカヤ  「ちょっと口出すわよ。アイク、エフラム、どっちでもいいから今すぐイドゥンを嫁に貰いなさい。なんか冗談抜きでこの娘の将来が心配になってきたわ」
エフラム 「いや、それは・・・」
アイク  「・・・・・・」
ユンヌ  「その後、ハルトムートは普通に王様やったんだけど、問題なのはブラミモンド」

ブラミ  「なんということだ・・・しかし、なんとしても、もう一目イドゥンさんに逢いたい・・・闇よ・・・わが身をその中に溶け込ませ、我を封印したまえ」

ユンヌ  「こうして、ブラミモンドは自らを闇の中に封印し、1000年待つことにしました」
エイリーク「想いを寄せる女性のために、1000年の時を越える・・・ちょっと素敵ですね」
ユンヌ  「ところが現実はそう甘くは無かったんだわ・・・闇の中でひたすら待ったブラミモンドなんだけど、流石に暇でね・・・」
488 名前: 叙事詩 「八神将の歌」 後編 [sage] 投稿日: 2008/11/03(月) 01:22:56 ID:IqnkQNVI
ブラミ  「何も無いところで1000年は暇すぎる・・・魔道書でも持ってくればよかったか・・・仕方が無い、イドゥンさんに再会した時に愛の言葉でも考えますか・・・。
『イドゥン、私は君を愛してしまったらしい』・・・ちょっと違いますね。『神よ、もし私たちの愛が罪だというなら』これも違う。おお、『君も・・・俺の闇を感じてみないか』これいいですね!!
それでは愛を告げる時を想定してロールプレイをしてみましょう・・・」

ブラミ  「闇を・・・感じたんですよ・・・」
イドゥン(演:ブラミ)「闇・・・?」
ブラミ  「人は・・・闇をまとっている(中略)君の側なら、心地よく・・・眠れそうだ。」
イドゥン(演:ブラミ)「私の・・・闇・・・」
ブラミ  「君も・・・俺の闇を感じてみないか」

ブラミ  「うん、いけますね。それにしても、ロールプレイは中々に楽しい、いい暇つぶしになりそうです・・・次のシチュエーションは・・・」

ユンヌ  「こうやってブラミモンドはさまざまな1人芝居を演じていきました・・・その結果・・・」

ブラミ  「ぐへへへへ、姉ちゃんちょっとつきあえよ・・・いや、やめて、誰か助けてー・・・待て、彼女を放せ(以下略)」
ブラミ  「身の程をわきまえよ・・・この人でなしー・・・だいすきです、兄さま・・・しね、ハイエナどもめ」

ユンヌ  「1000年の間にさまざまな人格を身につけ、ついには己というものを持たなくなりました・・・」
エリウッド「真面目で優しいブラミモンドが、ああなったのはそういう事情があったんだね」
ロイ   「一見笑えるけど、背景の事情を考えると泣けるね・・・」
エリンシア「もともとは愛する女性に一目逢いたい一心で、自らを封印したのですからね」
ユンヌ  「ブラミモンドの気持ちはわかるわ。封印中って恐ろしく暇なのよね・・・そんな状態がずっと続けばどうにかなるのも無理ないわよ」
マルス  「なるほど、変態女神が変態なのは、ずっとメダリオンの中にいたからか」
ユンヌ  「失礼ね、あたしは封印される前からこうだったわよ!!」
セリカ  「つまり、最初から変態だったと」

―ローランとアトス―
ユンヌ  「最後にローランとアトスね。人竜戦役が終わっても相も変わらずこの2人は・・・」

ローラン 「くそ、背か?体格4、156センチのこの背がいけないのかぁぁぁぁぁぁ!!!?」
アトス  「結局は見た目かよ。竜を倒そうが、人類救おうが、チビやブサイクは一生独身でいろってことだろ、ちきしょうがぁぁぁ!!」

ユンヌ  「寂しい独り身だったのね」

ローラン 「ああ、もう、早く童貞卒業してえんだよ!!」
アトス  「お前はまだいいよ。オレなんかマジで時間ねえんだよ」
ローラン 「どういうことだ?」
アトス  「4ヵ月後の今日って、オレの誕生日なんだよ・・・30の」
ローラン 「げ、じゃあ!!」
アトス  「このまま4ヶ月が過ぎると魔法使いになっちまうんだよぉぉぉぉ」
ローラン 「そうだったな。頑張れ、アトス!!」
アトス  「頑張れって言ったってよお・・・」
ローラン 「まだチャンスはある!!それに安心しろ、もしお前が何もないまま30を迎えたら、オレがヤケ酒に付き合ったあと、風俗に連れてってやる。もちろん全部オレのおごりだ!!互いにそこで卒業しようぜ!!」
アトス  「ローラン・・・お前ってヤツは・・・うう・・・」
ローラン 「泣くんじゃねえよ。オレ達は共に童貞を貫いた仲間、『童志(どうし)』じゃないか!!(固く握手する2人)」

ユンヌ  「そういうわけで、固い友情を確認した喪男2人、しかし現実は甘くなく・・・」

アトス  「ちきしょぉぉぉぉぉぉ!!なにもないまま30になっちまったじゃねえか!!うう、これで俺も魔法使いの仲間入りか・・・(涙)ははは・・・ひょっとしたらファイアーくらい使えたりしてな・・・炎よ、出でよ・・・うわ、本当に火が出た!!」

セリス  「え、えーーー!!じゃあアトスさんってもともと魔道士じゃなかったの!?」
ユンヌ  「違うわよ、アイツはもともとは鍛冶屋。アルマーズに細工もできたんじゃん。魔法使うようになったのは30過ぎてからよ」
アイク  「体格がいいのも元が鍛冶屋だからか」
シグルド 「・・・・・・ひょっとして、あの方の今のクラスが『大賢者』なのは・・・」
ユンヌ  「そりゃ、1000年も女に縁がなければ大賢者にクラスチェンジもするって」
ユンヌ、イドゥン除く一同「な、なんだってーーーー!!」
489 名前: 叙事詩 「八神将の歌」 後編 [sage] 投稿日: 2008/11/03(月) 01:24:13 ID:IqnkQNVI
ユンヌ  「魔道士にクラスチェンジしたアトスは慰めてもらおうと、ローランの元へ向かいました。
そこで、アトスが見たもの、それは美人の女性二人を連れてホテルに入ろうとするローランだったのよ。しかも、ローランの背丈は180センチほどにまで伸びていたの」

アトス  「お、おい、ローラン!!」
ローラン 「よう、アトスじゃねえか」
アトス  「お前、その2人は一体・・・」
ローラン 「あん?見ればわかるだろう、オレ様の女だよ、お・ん・な」
アトス  「な・・・お前、いつの間に!?それと、お前なんでそんな背伸びてるんだよ!?」
ローラン 「これさ、先月開発された最新アイテム『ボディリング』。こいつは体格を上げる優れものでな、こいつを2つはめたら背が25センチも伸びたぜ!!」
アトス  「そんな・・・」
ローラン 「ほら、オレ様って身長以外は完璧だったから、背が伸びたらたちまち女がわんさか寄ってきてさ・・・今日もこれから3Pってわけよ!!わっはっはっはっは」
アトス  「その、今日俺の誕生日なんだけど・・・」
ローラン 「ああ、悪い・・・あの約束なかったことにしてくれよ」
アトス  「ちょ、てめえ、男の約束を裏切るのか!!?」
ローラン 「まあまあそんなに怒るなよ、いつかオレ様の女から1人お前に回してやるから」
女1   「えーなんかこの人キモいからやだー」
女2   「うんうん、ローラン様の方が素敵よね」
ローラン 「あちゃ~、それじゃ仕方ないな。じゃあそういうことで、またな、アトス」
アトス  「待てよ、ローラン!!」
ローラン 「さあ、今日は思いっきり可愛がってやるぜ」
女2人  「きゃ~、ローラン様のエッチ~(はあと)」
(ホテルの中に入っていくローランと女性二人)
アトス  「・・・・・・ちきしょぉぉぉぉぉぉぉ!!ローランの野郎、裏切りやがったぁぁぁぁぁぁ!!」

ユンヌ  「数日後、ローランはある国の兵士と喧嘩になりました」

ローラン 「へ、無敵の勇者ローラン様に喧嘩売るたあ、命知らずだな。攻速落ちしなくなったデュランダルのさびにしてやるぜ」
女2人  「きゃ~、ローラン様素敵ー」
ローラン 「オレ様の戦いぶりをしっかり見てろよ、ハニー達」
兵士   「この野郎!!」
ローラン 「けっ、てめえの動きなんざ止まって・・・あれ?なんだ・・・剣が急に重く・・・」
兵士   「死ねや~」
ローラン 「うぎゃーーー!!」
兵士   「なんだこいつ、滅茶苦茶遅いじゃねえか。俺でも追撃できるぜ、オラア!!」
ローラン 「あぎゃーーー!!」
女1   「うわー・・・アーマーナイトに追撃喰らってる」
女2   「ダッサー・・・なんか幻滅」
女2人  (その場を去る)
ローラン 「ちょ、ハニー達待ってくれ・・・グギャーーーー!!」

アトス  「ぎゃーはっはっはっはっは!!戦いの間だけ重くなるようにしてやったぜ!!ふだんは重さも見た目も同じから絶対わからねえ。
これで気づかずに使ったローランは追撃喰らって(^Д^)プギャー wwwww」
ローラン 「この野郎、やっぱりてめえの仕業だったか」
アトス  「ようローラン、その様子だと追撃喰らってボコボコにされたみたいだな。アヒャヒャヒャヒャwwwwwww」
ローラン 「てめえのおかげで女が逃げちまったじゃねえか、どうしてくれる!!」
アトス  「け、先に裏切ったのはてめえだろうが!!」
ローラン 「この童貞喪男が!!許さねええええええ」
アトス  「喪男はてめえも同じだろうが、このデブ剣男がああああああ!!!」
490 名前: 叙事詩 「八神将の歌」 後編 [sage] 投稿日: 2008/11/03(月) 01:25:18 ID:IqnkQNVI
ユンヌ  「こうして女に見捨てられたローランは再び喪男に戻りましたとさ。まあ、ずっと後にオードっていう嫁をもらえるんだけどね」
エリウッド「このデュランダルの重さは・・・アトス様の仕業だったんだね」
ユンヌ  「そ、喪男アトスの僻みの賜物。もともとデュランダルの重さは12なの。だから『封印の剣』じゃ重さ12でしょ。烈火のラストでアトスがいなくなったから元に戻ったのよ」
エリウッド「フ・・フフフフフ・・・フフフフフ・・・このおかげで主人公なのに僕はラスボス戦でいらない子扱い・・・フフフフフフ」
リン   「エ、エリウッド・・・落ち着いて、ね」
ユンヌ  「以上が八神将と人竜戦役の顛末よ。この話の教訓は、『喪男の僻みは恐ろしい』ってこと。だからうちの男供も、さっさと女捕まえて捨てるもの捨てなさいってこと」
シグルド 「そ、そうしたいのは山々なんだが・・・いかんせん相手がだな・・・(涙)」
ユンヌ  「というわけで、ユンヌちゃんの八神将トークでした~。楽しんでいただけたかな?」
ロイ   「聞きたくなかった・・・僕ははそんなしょうも無い人たちの意思を継いで戦ってたのか・・・すっごく夢が壊れたよ」
リン   「そうね・・・エリミーヌ教とかサカの草原とかを見る目が明日から変わりそうだわ・・・」
ヘクトル 「まぁ、それはともかくとして、俺をあんな目にあわせた落とし前はつけてもらわないとな。エリウッド、そろそろ行こうぜ」
エリウッド「色々事情はあったみたいだけど、そのおかげで僕は散々デブ剣と罵られたんだからね、その報いは受けてもらわないといけないな。というわけで」
エリウッド・へクトル「ち ょ っ と ア ト ス ボ コ ッ て く る !!」
アルム  「うわー・・・エリウッド兄さんが本気で怒ってるの、はじめて見たよ」
アイク  「今のこの2人にかなう者は誰もいないだろうな」
マルス  「アトスオワタ\(^o^)/」

―数日後
ユンヌ  「みんな見て見て~今度はロプト聖戦時代のアルバムが見つかったの。ということでユンヌちゃん12聖戦士トーク、はじまるよ~」
シグルド・セリス・リーフ「謹んで、お断り申し上げます!!」

叙事詩「八神将の歌」 完

おまけその1 喪師匠様とリア充な弟子
パント  「研究の報告は以上です」
アトス  「うむ、今日はここまでにしよう」
ルイーズ 「あなた、迎えに来ましたよ」
パント  「やあ、ルイーズ、わざわざすまないね」
ルイーズ 「だって少しでも長くあなたと一緒にいたいんですもの」
パント  「ルイーズ・・・」
(イチャイチャ)
アトス  「・・・」

ルイーズ 「あなた、あーん」
パント  「あーん・・・うーん、ルイーズの作るお弁当は最高だね。腕も一流だけど、なんといっても世界最高の調味料『愛情』入りだからね」
ルイーズ 「まあ、あなたったら」
(イチャイチャイチャイチャ)
アトス  「・・・・・・」
ルイーズ 「アトス様もいかがですか?」
アトス  「あ、ああ・・・もらおう」
パント  「どうです?ルイーズの料理は最高でしょう?」
アトス  「う、うむ・・・美味いぞ(涙の味しかしねえよ、ボケが!!)」

パント  「ルイーズ、無理はいけないよ、君のお腹には新しい命が宿っているんだからね」
ルイーズ 「ふふふ、あなたとの愛の結晶ですね」
パント  「僕と君と子供で、楽しい家庭をつくっていこうね」
ルイーズ 「あなた・・・」
パント  「ルイーズ・・・」
(イチャイチャイチャイチャイチャイチャ)
アトス  「・・・・・・・・・」

アトス  「ちきしょおおおおおおおおお!!!イケメン貴族の勝ち組野郎めえええええ、1000年間独り身の師匠の前で、てめえのリア充っぷりを見せ付けてんじゃねえよ、この馬鹿弟子がああああああ!!」
491 名前: 叙事詩 「八神将の歌」 後編 [sage] 投稿日: 2008/11/03(月) 01:27:54 ID:IqnkQNVI
おまけその2 ナバタの里の真実
―今から500年ほど前
アトス  「ここが、ナバタか・・・あれから500年・・・いまだわしは女に縁がない人生を歩んでおる・・・しかし今度こそパラダイスライフを送ってみせる!!
わしはここに竜の隠れ里を作る。目指すは『人と竜の共存』、すなわち『人間と竜族美少女がニャンニャンできるような理想郷』をつくるのだぁぁぁぁぁ!!」
???? 「あ、あの・・・」
アトス  「む!?なんだ、お主は!?」
ネルガル 「失礼しました、私の名はネルガル。ここに竜の生き残りがいると聞き、やってきました」
アトス  「ということは、お主も人と竜の共存を目指そうというのか?」
ネルガル 「いかにも」
アトス  (そうか・・・こいつも女に縁がない寂しい人生を歩んできたというのだな・・・)
アトス  「よろしい、わしも協力しよう、わが名はアトス」
ネルガル 「よろしくお願いします、アトス殿」

―200年後のナバタの里
アトス  「グス・・・こんなに人と竜は仲がいいのに・・・結ばれた人竜カップルはたくさんいるのに・・・どうしてわしのもとへは1人もやってこないんだぁぁぁぁぁぁ!!!?・・・ネルガルとヤケ酒でもするか・・・ん!!?」

―アトスが見たもの、それはネルガルと、彼の胸に顔をうずめる竜族美少女であった。
竜族美少女「ネルガル様・・・私・・・貴方のことが・・・」
ネルガル 「もうしわけありません・・・貴女の想いに応えることはできません」
竜族美少女「どうしてですか?ここでは人と竜が共存することができます・・・種族の壁などこのナバタでは関係ないのに・・・なぜ・・・ネルガル様・・・」
ネルガル 「もう、私には女性を愛する資格など無いのです。ですから、私のことなど忘れてください。貴女にはもっと素晴らしい方がいるはずです」
竜族美少女「・・・う・・・ああああ・・・・(その場を立ち去る)」
ネルガル 「もうしわけ・・・ありません」
アトス  「ネ、ネルガル・・・い、今の娘は・・・?(ちょ・・・すっげえ可愛い子だったじゃねえか!!てめえ、いつのまに!!?)」
ネルガル 「アトス殿・・・お恥ずかしいところを見られましたな・・・」
アトス  「な、何故断った?(そうだそうだ、一級の美少女だったじゃねえか!!くっついたら腹が立つけど、断ったら断ったで腹が立つぜ!!)」
ネルガル 「私には・・・妻がいましてな・・・」
アトス  「つ、妻だと!!?お、お主、けけけけ結婚しておったのか!!!?(ちょ、こいつ、喪男じゃないのかよ!!?)」
ネルガル 「そういえば、アトス殿にはお話しておりませんでしたな。妻エイナールと子供ニニアンとニルスの写真です」
アトス  「・・・!!(なにーーーーー!!すっげー美人じゃねえか!!)」
ネルガル 「エイナールとは人竜戦役の頃に出会いました。程なくして愛しあい、子供も生まれましたが、エイナールは氷竜・・・我々家族は人間に追われることになり・・・散り散りになりました。
人の道を外れ、数百年間探しましたが誰も見つからず・・・おそらくは、妻も子供も生きてはいないでしょう・・・」
アトス  「そのような事情があったとはな・・・(わしが寂しい独り身生活送っている間に、こいつはとっくに竜族の美女をゲットしていただとぉ・・・・)」
ネルガル 「ですから私はもうこれ以上私達のような者が現れないように、人と竜の共存に尽力することを決意しました。亡くした家族に対する・・・せめてもの償いです」
アトス  「・・・(グス・・・なんで、なんでわしだけ・・・)」
ネルガル 「妻も子供も守れなかった私に、もう、女性を愛する資格などありません。ですから、これまでも女性の申し出は全て断ってきました」
アトス  「す、全て!?お主を慕う娘は1人ではないのか!?」
ネルガル 「ははは・・・お恥ずかしい話なので、あまり言いたくはないのですが・・・私に想いを継げた者は・・・この100年で200人ほどでしょうか」
アトス  「に、200人!!?(嘘だ!!!!!!!)」
ネルガル 「私のようなつまらない男のどこがいいのでしょうかね?あ、それはそうと、来週、竜の男性と人間の女性が婚礼を挙げることになりました。
それで、アトス殿に儀式の立会いを願いたいのですが・・・」
アトス  「う・・・う・・・う・・・うわあああああああん(号泣しながらその場をダッシュ)」
ネルガル 「ア、アトス殿、どこへ行かれるのですか!!?」
アトス  「ネルガルは仲間だって信じてたのに・・・わしと同じ寂しい喪男だって信じてたのに・・・美人の嫁に、200人の美女だとぉ・・・
立派なリア充じゃねえかよ、ちきしょおおおおおおおおお!!!!」
492 名前: 叙事詩 「八神将の歌」 後編 [sage] 投稿日: 2008/11/03(月) 01:30:29 ID:IqnkQNVI
―数日後
神竜   「ネルガルよ!!」
ネルガル 「こ、これは神竜様、いかがなさいましたか!!?」
神竜   「ネルガルよ・・・我はそなたを信じていたのに・・・そなたという男は・・・」
ネルガル 「おっしゃる意味がわかりかねますが・・・」
神竜   「とぼけるでない、我からエーギルを奪い取ろうと画策しておったのだろう!!」
ネルガル 「な!!?そのようなことは絶対にありません」
アトス  「ネルガル、往生際が悪いぞ」
ネルガル 「アトス殿、これはどういうことです?」
アトス  「力を求めるのには反対せん。じゃが・・・他のものの命、それを奪ってまで手に入れる方法を許すわけにはいかん。お主は力に溺れてしまったのだな・・・」
神竜   「アトスの話によれば、そなたは以前から若い竜の娘をたぶらかしてはエーギルを奪い、捨ててきたそうではないか」
ネルガル 「そのような出鱈目を・・・アトス!!」
神竜   「出鱈目ではない!!現に貴様の家から泣いて出て行った娘が多々いると、近隣の者の証言もある!!さらにここにアトスが手に入れた計画書もある、貴様の字であろう!!」
ネルガル 「それは誤解です・・・それに計画書も偽造のものです」
アトス  「もうよい、ネルガルよ、せめてわしが葬ってやろう。それがおまえに対してできる、唯一の手向けだ」
ネルガル 「アトス・・・貴様・・・」
アトス  「全ては・・・全ては・・・てめえがリア充だからいけねえんだよおおおおお、フォルブレイズ!!」
ネルガル 「ぐわあああああああ」
アトス  (ふん、いい気味だわい。テュルバンといいローランといい貴様といい、皆わしをおいて勝手にリア充になりやがって・・・)

ネルガル 「ぐ・・・憎い・・・私を罠にかけ、裏切ったアトスが憎い・・・ヤツを倒す強大な力を・・・強大なエーギルを・・・エーギルを私によこせええええええええ!!」

―かろうじて生き延びたアトスへの復讐を誓ったネルガルが、強大なエーギルを得るために黒い牙に暗躍するのは、それから300年後の話である。

おまけその3 「烈火の剣」30章の真実
―ヘクトルとエリウッドにボコられ、命からがら逃げ出したアトス
アトス  「ぜえ、ぜえ、ひどい目にあったわい・・・うちの馬鹿弟子といい、最近の若い者は年寄りを敬う心が足らん。しかし、あやつらもわしのもう1つの作戦には気づいていなかったみたいだな。
そう、名づけて『エリウッドにニニアンを斬らせて仲違いさせ、そのあとわしがニニアンを生き返らせてニニアンゲット作戦』。
エリウッドがデュランダルを手にしたあと、わしはあの剣に竜を探知したら自動的に斬る様に細工を施した。虚弱なエリウッドでも一撃で倒せるように剣の威力を飛躍的に強化してな。
わしの策にはまったエリウッドはまんまとニニアンを斬った。そこまではうまくいったのだが・・・わしより先にブラミモンドが出しゃばってニニアンを復活させおった・・・あと一歩のところを・・・あの野郎・・・。
そもそもエリウッドが気に食わん、わしが500年かけて一人も捕まえられなかった竜族美少女を、ちょっと助けた位でゲットしおって・・・。
ま、どうやらこれはバレてははいないようじゃな・・・バレたら流石にわしの命も危」
ニニアン 「なるほど・・・あなたの仕業でしたか・・・」
アトス  「げえ、ニニアン!!」
ニニアン 「おかしいと思ったんですよ・・・火竜一匹に苦戦するエリウッド様が、それより強い氷竜の私を一撃で倒せるはずないのに・・・」
アトス  「いや、それはだな・・・」
ニニアン 「・・・アトス様、覚悟はよろしいですか?(氷竜に変身)」
アトス  「く・・・(懐を探る)」
ニニアン 「あ、フォルブレイズはさっき燃えるゴミに出しておきましたから」
アトス  「ちょ・・・あれ一応伝説の武器なんですけど」
ニニアン 「それではどうぞ心行くまで凍り付いて下さい。ア・ト・ス・さ・ま」
アトス  「許して、やめて、ぎゃああああああああ!!」