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Last-modified: 2009-03-19 (木) 00:39:11

32 名前:○○○にしか見えない……:2008/12/11(木) 23:11:49 ID:v7n2Navz
ガラッ
アイク  「ただいま。」
エリンシア「あら?お帰りなさい。今日の大会、どうでした?」
アイク  「ああ。今日も随分と修行になった。最近は勝てるようになってきたが、まだまだだな。」
エリンシア「アイクったら、本当に強い人と競うのが好きですわね。」
アイク  「まあ、な。っと、忘れるところだった。セリスはいるか?」
エリンシア「セリスちゃん?いるわよ?」
アイク  「ちょっと呼んでくれないか?渡したい物がある。」
エリンシア「?ちょっと待ってね。セリスちゃ~ん!ちょっとこっちに来て~!」
セリス  「何?エリンシア姉さん。さっき頼まれたこと、まだ終わってないよ?」
エリンシア「アイクがあなたに渡したい物があるんですって。」
セリス  「え?なになに?アイク兄さん。」
アイク  「(ゴソゴソ)これだ。」
セリス  「え?これは…。いいの?兄さん。」
アイク  「ああ。いつも大会で競っている少年から貰ったものだ。『僕にはもう必要ないものだから』って言ってな。丁度、セリスに似合いそうだったから貰って来た。
ただ、貰うと言ったとき、あいつはひどく驚いてたな…何でだ?」
エリンシア「どうしてでしょうね?……あら?これ、ちょっとセリスには小さいみたいですね。サイズを合わせてきますわ。」
セリス  「僕も手伝うよ。アイク兄さん、ありがとう!大事にするね!」

しばらくチクチクと、針の音が聞こえ…

エリンシア「……。はい、できましたわ。」
セリス  「ありがとう、エリンシア姉さん。じゃあ、早速着て来るね!」
アイク  「あ、服は脱がなくても大丈夫だ。それは上から被るやつだそうだ。」
セリス  「あ、そうなんだ。…うんしょっと。どう?似合う?」
アイク  「ああ。俺の思った通りだ。」
エリンシア「そうですわね…。色も赤くしたらクリスマスにピッタリですわ。」
セリス  「えへへへ…。」
エリンシア「……そうだわセリスちゃん。昔使ってた盾と、シグルド兄さんからティルフィングを借りて、写真を撮ってみない?その服の子になりきって見るの。」
セリス  「え?」
アイク  「面白そうだな。そうすればセリスも強そうに見えるかもな。」
セリス  「あ、ひどいや兄さん。…僕ってそんなに弱そうに見えるのかな…。」
アイク  「ん…すまん。」
セリス  「いいよ。僕もわかってることだから。…でも、強くなりたいな…。」
アイク  「なら、俺が手伝ってやる。」
セリス  「え?いいの?迷惑じゃない?」
アイク  「ああ。家族の願いを迷惑になんか感じない。それに、俺は約束を違えたりはせん。」
セリス  「…ありがとうっ!」
アイク  「そんなにうれしいことか?」
セリス  「うんっ。いつも危ないところをユリウスに助けてもらってるから。僕だってユリウスを助けたいんだ。」
アイク  「そうか。なら頑張らないとな。」
エリンシア「そうですわね。」
セリス  「うんっ。」

その頃…竜王家では…

ユリウス 「(コンコン)ん?…どうしたんだユリア。ナーガの書なんか持ってきて。」
ユリア  「なぜか…お兄様をぶっ飛ばさないといけない気がして…。」
ユリウス 「ちょっと待て、俺は何も…ギャー―――――……」

―続く―