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Last-modified: 2011-05-30 (月) 22:44:25

ノイッシュ「なあ、これから飲みに行かないか?」
アレク「はぁ? お前、何寝ぼけたこと言ってるんだよ。
    今日はバレンタインだぜ、バレンタイン。
    これからデートに決まってるだろ?」
ノイッシュ「……アーダン、今日は二人で飲むか」
アーダン「あ~、悪い。俺も今日デートなんだ」
ノイッシュ「…………は?」
アレク「お前、彼女なんていたのかよ!!」
アーダン「何だよその反応は。俺に彼女がいちゃ悪いのかよ?」
アレク「いや、別にそういうわけじゃないんだけど、なぁ?」
ノイッシュ「あ、ああ。少し驚いただけだ…」

シグルド「ん? お前たちまだ残っていたのか?」
ノイッシュ「そろそろ上がろうかと思っていたところです」
アレク「そんな事より聞いてくださいよ。
    こいつ、アーダンのくせに彼女なんているんですよ」
アーダン「おい、何だよ『アーダンのくせに』ってのは!」
シグルド「なんだ、アーダンもデートか。お前も隅に置けないな」
アーダン「……『も』?」
ノイッシュ「……もしかして、係長も?」
シグルド「ああ。実はこれからディアドラとデートなんだ」
アレク「(だからこんなに嬉しそうだったのか…)すんません、ちょっと電話してきます!」
アーダン「お、おれも電話を!」
ノイッシュ「忘れ物があったので取りに行って来ます」
シグルド「そうか。それでは一足先に帰らせてもらうぞ。
     それではみんなよいバレンタインを」

アーダン「おうノイッシュ、どうだった?」
ノイッシュ「案の定だ。これだけの仕事を渡された」
アーダン「また随分な量だな」
ノイッシュ「お前たちは上がってもいいぞ。
      私一人でもなんとかなりそうだからな」
アーダン「会社に泊まってか? 馬鹿なこと言うなよ。
      それに、一人より二人の方が早く終るだろ?」
アレク「二人より三人の方が早いけどな!」
ノイッシュ「デートの方はいいのか?」
アレク「ふはははは! 何言ってんだ、ノイッシュ! 女より仕事のほうが大事だろ!?」
ノイッシュ(妙にテンションが高いが、何かあったのか?)
アーダン(今日はデートに行けないって電話したら振られたんだと)
ノイッシュ(あぁ…。お前は大丈夫だったのか?)
アーダン(何とか分かってくれたよ。
      今度のデートは予算が倍にするつもりだけどな。本当に俺には過ぎた人さ)
アレク「何こそこそしてんだよ。
     さっさと終らせて飲みに行くぞ!」

アレク「しかしアレだな。いい上司の下にはいい部下が集まるモンなんだな」
ノイッシュ「そのいい上司の下にいる限り上にはいけそうに無いけどな」
アーダン「あの人は要領が悪いからなぁ」
アレク「なんだよ、お前ら生涯平のつもりか?」
ノイッシュ「お前は上を狙ってるのか?」
アレク「そんなの当然だろ? まあ、そのためには係長に出世してもらわなきゃいけないけどな」
アーダン「じゃあ無理だろw
      あの人は出世したって課長止まりだよw」
ノイッシュ「否定できないのが悲しいな」
アレク「それなら起業でもするか? 係長を社長に据えてさ」
ノイッシュ「それも面白そうだな」
アーダン「俺たち四人で一旗挙げるか」
アレク「だがアーダン、てめぇは駄目だ」
アーダン「お前、今日は一段と酷いな!」

こうして、バレンタインの夜は更けていくのでした