20-548

Last-modified: 2011-05-31 (火) 03:35:45

548 :ある男の1日:2009/09/06(日) 20:04:30 ID:2Be5kAKV

俺の名はアーダン。
グランベルの社員だ。今年で25になる。
見えないって?大きなお世話だ!
これでもアレクやノイッシュと同年なんだぞ!

俺はシグルド係長の下で働いてる。
係長は出世には無縁だが人となりのよい人だ。
仕事中に「KINSHINは許さんぞ!」と叫んで走って出て行くのだけはやめてほしいが。
あの人が出世に縁遠い原因の半分はKINSHIN嫌いにあると思う。
あれで勤務評定下げてるもんなぁ…
まあ、元々うまく立ち回れる人ではないが…って人のことは言えないか。

同期のアレクなんかは俺とちがって女子社員とも気軽に話せるし、仕事もできる。
俺より早く出世するんだろうなぁ…
別に出世だけが人生とは思わないが、同期のヤツに先越されるってのもな…
それにしても正直羨ましい…
俺は年齢=彼女いない暦だ…orz
いや、わかってるんだ…こんなおっかない顔してればなぁ…
…と考えててもしかたない…仕事仕事!

549 :ある男の1日:2009/09/06(日) 20:05:45 ID:2Be5kAKV

アルヴィス「シグルド係長はどこにいったのかね?」
課長が俺に声をかける。
アーダン「あ…えーと、外出中です」
KINSHIN退治に出かけたとは言えない。アレクの奴ならもっと上手くごまかすんだろうな。
案の定事情を察した課長は、戻ったらシグルド係長を自分のところによこすよう言い置いた。
アーダン「はぁ…係長、早く帰ってこないかな」
女子社員A「あの、アーダンさん、ちょっといいですか?」
アーダン「え、なに?」
俺は彼女に誘われるまま、資料室に来た。2人っきりだ。
こ…これは期待していいのか?
結構可愛い娘だし、ドキドキするぞ!
女子社員A「あの…脚立が見当たらなくて…上の棚の資料を取ってほしいんです」
アーダン「……」
まあ、こんなもんだよな…

その後、俺はアルヴィス課長に係長が説教されてる間、データ打ちの仕事をこなした。
地味だがこういう作業は得意で、打ち間違いやチェック漏れをしたことはない。

550 :ある男の1日:2009/09/06(日) 20:06:44 ID:2Be5kAKV

そして8時、そろそろ仕事を上がることにするか…
なんかやりきれない一日だった。
シグルド「なぁアーダン…今日はすまなかったな」
アーダン「係長?」
シグルド「私の勝手で迷惑をかけた…よければ今日は晩飯でも奢らせてくれ!」
アーダン「…いいんすよ、そうして下の者を見ることのできる係長だから俺はついていくんです。
     ごちそうになります!」

男2人は夜の繁華街へと繰り出していった。
後で聞いた話だが、同じ日にアルヴィス課長とディアドラさんは夕食を共にしたらしい。
ディアドラさんを取られて予定が空いたので俺を誘ったのかな?とも思うがいいじゃないか。

男2人、色気もへったくれもないムサくるしさだが、俺たちは酒を飲み肩を組んで歌った。
頼りない欠点だらけの上司だけど…この人と頑張っていこう。

終わり