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Last-modified: 2007-06-13 (水) 23:28:58

悪徳商法にご用心!

 

セリス  「リーフ、リーフ!」
リーフ  「? 何か用?」
セリス  「これ、見て!」
リーフ  「……女神像?」
セリス  「そう。今日物売りのおじさんから買ったんだ。
      これでリーフも災難に遭わずに済むんじゃない?」
リーフ  「んー……」
セリス  「? どうしたの、虫眼鏡なんか取り出して」
リーフ  「…… …… …… うん、やっぱり。セリス、これ偽物だよ」
セリス  「えぇ!? ほ、本当!? 分かるの、リーフ」
リーフ  「うん。僕は少しでも高く物を売り、あるいは安く買うために、鑑定眼も鍛えているのさ!
      で、これ。かなり精巧に作られてはいるけどね……妙に安かったんじゃない?」
セリス  「う、うん。物売りのおじさんが『君可愛いから大サービスしておくよ』って半額に……」
リーフ  「はぁ……そんな怪しげな話、信じちゃ駄目だよ」
セリス  「うう……ひどいよ……」
リーフ  「……と言うか、全然疑わなかったの?」
セリス  「だって、リーフいつもひどい目に遭って傷だらけになってるし……
      もしかしたら厄除けになるかもしれないって考えたら、嬉しさで頭が一杯になっちゃって」
リーフ  「ああ……うん、まあ、その気持ちは嬉しいよ。ありがとう」
セリス  「ううん、役に立てなくてごめんね……」

リーフ  「……という訳で、よろしくマルス兄さん」
マルス  「承知」

 翌日、インチキ商品を売りつけていた物売りが、彼の悪徳商法の証拠と共に、
 風魔法のようなもので服をズタズタにされた格好で発見された。
 彼が不法に稼いでいたお金は、騙された人々の手元に返還されたということである。

ミカヤ  「そんなことが……うーん、セリスは素直でいい子なんだけど……」
リーフ  「そういう人柄の良さにつけ込むのは卑怯だよね。許せないよ」
シグルド 「おーい、リーフ!」
リーフ  「あ、お帰りシグルド兄さん……って、あの、その女神像は……」
シグルド 「うむ、実は露店商人から幸運の女神像を購入したのだが」
ミカヤ  「……ここにも底抜けに騙されやすい人が一人……」
リーフ  「しっかりしてよシグルド兄さん……」
シグルド 「?」

 おしまい