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Last-modified: 2007-07-08 (日) 00:38:41

シグルドはいないけど

 

マルス  「だから、ここはリフを使って・・・」
ロイ   「リ、リフ!?そんな道具あったっけ!?」
マルス  「あ、ごめん、傷薬のこと。ほら、果敢に攻めてる盗賊が運悪く命中25%前後の攻撃を連続で食らってるよね、
      でも彼が活躍できるのは1部だけだしね。リフを使いながら突撃していけば、後ろの光魔道士も喜ぶよ」
ロイ   「いや、ちょっと兄さんのプレイスタイルはおかしい」
アルム  「ううぅぅぅぅ・・・」
ロイ   「うわっ!」
マルス  「アルム、そんなに泣くと化粧が剥がれるぞ」
アルム  「そういうのはセリスに言ってよ・・・うわぁぁぁぁぁぁ!!」
ロイ   「アルム兄さんがこんなに悲しむなんて珍しいね」
マルス  「予想はつくけどね」
アルム  「・・・セリカにフラれたぁぁぁぁぁ!!」
ロイ   (きょうだいにフラれるって意味がわかんない・・・)
マルス  「落ち着くんだアルム、何があったんだ、昨日まであんなにラヴラヴでまたシグルド兄さんが暴走してリーフがとばっちりを受けてエリウッド兄さんが胃を痛めていたのに」
アルム  「実は・・・」

 

アルム  「あーあ、宿題忘れて補習なんて・・・ツイてないなぁ」
セリカ  「あ、アルム。珍しいわね、居残りなんて」
アルム  「セリカ・・・大丈夫、君を見て元気が出たよ」
セリカ  「うふふっ、照れちゃう」
アルム  「あははっ」

 

ロイ   (学校でもそういえばこんな調子だなぁ・・・)
マルス  (実際、この二人がきょうだいだって知ってる人はどのくらいいるんだろうな)

 

アルム  「やっと終わった・・・」
セリカ  「じゃあ、帰ろっか」
???  「あら、仲がいいのね、羨ましいわ~」
セリカ  「・・・売店のララベルさん」
ララベル 「うふ、私のこと知ってたのね、かわいいセリカちゃん」
セリカ  「そちらこそ、よくご存知で」
ララベル 「アルム君、素敵だわ、私の勇者様みたい」
アルム  「えっ・・・」
セリカ  「アルム、行きましょう、この人、色んな魅力的な男性つかまえては逆ナンしてるらしいから」
ララベル 「今はアルム君と話しているんだから、セリカちゃんは黙っててくださる?」
セリカ  (むっ・・・)
アルム  「あ、あの・・・僕もう行かなきゃ」
ララベル 「いいのよ、その代わり一言だけ言ってくれない?私のこと好きって」
アルム  「!!」
セリカ  「な、何を・・・」

 

ロイ   「それで・・・」
マルス  「言っちゃったわけか」
アルム  「い、いや!そんなこと言わないよ!でも、その瞬間かぁって真っ赤になっちゃって・・・
      それを見てセリカが・・・セリカが・・・うっ・・・」
マルス  「アルム・・・」
ロイ   (あぁっ、マルス兄さんがアルム兄さんの肩をポンポンと叩いて優しく慰めてる・・・雪でも降るのかな今日は)
アルム  「僕はどうすれば・・・いや、いっそ死のうか・・・」
ロイ   「だ、駄目だよアルム兄さん!」
マルス  「そうだ!君がいなくなっちゃリーフが痛い目に合わないじゃないか!!」
ロイ   「いやいや!!・・・それで、セリカ姉さんには謝ったの?」
アルム  「か、帰るとき・・・だけどまだセリカ怒ってて、一人で先に帰っちゃった・・・」
マルス  「なるほどね、大丈夫さ、ここにラブソルジャーたちにとったアンケートがあるんだ」

 

Jさん  「わ、私は決してエリンシア様に恋慕など!!」
Sさん  「俺はミカヤにぞっこんだ、だがその愛をどうやって伝えればいいのか分からない
      ある本に“好きな人がいるなら、その人を壊すもの全てから護れ!”って書いてあって、
      もう一つの本に“好きな人がいるなら、自分の想いをはっきり伝えよう!”って書いてあったから、
      とりあえず本人に告げてるんだ。“ミカヤは俺が護る・・・”って」
Sさん  「私はサナキ社長の下で働き、銀の髪の乙女を守り、ハンマーなしのアイクと真剣勝負する際にミストを受け入れた。
      女を落とすためには女には優しく、というのが私のモットーだ。
      そして私は幼女好みではない、この3人の平均年齢は(ダキュンダキュン!)歳なのだからな」
Hさん  「俺が求めるものはただエイリークの笑顔、そのためならたとえ傘を渡して濡れて帰ろうと
      どう考えても俺の体積を上回る量の料理が出されても構わない!
      ま、まぁさらうという蛮行に出てしまったこともあるが、それは言わないでおこう」

 

アルム  「ろくな回答がないような・・・」
マルス  「Jさんは別としても、空回りしすぎだね、でもなんでこれで立ち直っていられるのか分かる?」
アルム  「え、えぇ?気付いてないから・・・?」
マルス  「違うんだな、これが」
ロイ   「あはは・・・マルス兄さんノリノリだね」
マルス  「いいかい?彼らはその人のためなら自分を犠牲にしてもいいと思ってるのさ。
      だからどれだけ傷ついてもただ一途にその人の後ろを追いかけるんだ」
アルム  「な、なるほど・・・」
マルス  「愛する人から嫌われた、だから生きていけない。
      違うでしょ、だいたいその人たちはどうしてる?嫌われても嫌われても、泥だらけの顔を拭って立ち上がってるんだ!
      高く拳を握り掲げたのなら、それを振り下ろさない勇気を持て!
      君もセリカのことが好きなら、たとえ100回転んでも100回立ち上がれ!負けるなアルム!!」
アルム  「なんだか普段はこんなことがあっても嘲ってばかりのマルス兄さんに言われると説得力があるよ!!」
マルス  「コラコラ」
ロイ   「ひどい言われよう・・・」
アルム  「じゃあ、謝ってくるよ。これじゃ夕ごはんもおいしくない」

 

アルム、リビングから出る

 

マルス  「やれやれ、嘘も方便か」
ロイ   「嘘なの!?」
マルス  「当たり前さ、ただ単にあの3人は鈍感でマヌケなだけさ」
ロイ   「ま、まぁ・・・そう思えなくはないけど。
      しかし案外簡単にアルム兄さんの説得に成功したね」
マルス  「シーダに教わったよ。あなたは愛を信じますか、とか・・・」
ロイ   (何の話だろう・・・)
     「ところでこれで呆気なく兄さんと姉さんが仲直りしてたらどうする?」
マルス  「ははっ、ないない」

 

アルム、セリカ、リビングに入る

 

アルム  「お騒がせしました、兄さん、ロイ」
セリカ  「アルム、ごめんねっ、ごめんねっ・・・」
アルム  「いや、僕が悪かったんだよ、だ、だから泣かないでくれ、セリカ・・・」
セリカ  「・・・っ・・・」
アルム  「僕、もっとこれから・・・セリカに・・・」
セリカ  「・・・くす・・・戸惑ってるアルム、かわいい」
アルム  「セ、セリカ!?」
セリカ  「あなたは本当に馬鹿なんだから・・・」
アルム  「・・・セリカ。でも、本当に僕が、君の気持ちも・・・」
セリカ  「ううん、私の方こそついカッとなっちゃってごめんなさい、だからおあいこよ」
アルム  「セリカ・・・ッ!」
セリカ  「ふふ・・・なんでだろ、また涙が出ちゃう・・・」
アルム  「・・・僕の胸の中で泣きなよ。セリカ」
セリカ  「アルム・・・」

 

マルス  「・・・」
ロイ   「・・・兄さん」
マルス  「・・・」
ロイ   「・・・兄さん?」
マルス  「あ、あぁ、ロイ。えーっとリフ使うよりリブロー使った方がいいよ」
ロイ   「兄さん、怪我の功名って知ってる?」
マルス  「う、うるさぁぁぁぁい!!」