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Last-modified: 2013-11-06 (水) 22:49:48

エフラム「おいお前たち、この出版社潰しに行くぞ」
ロイ  「今度はどうしたの」
リーフ 「落ち着け兄さん」
エフラム「どうしたもこうしたも……ええい、これを見ろ!」

 と、エフラムがちゃぶ台に叩きつけたのは、一冊の雑誌。

ロイ  「なにこれ……『創刊600周年記念、月刊プリンス&プリンセス 超特大合併号!』ね」
リーフ 「あー、知ってるよそれ。今回は特別合併号ってことで紋章町中のプリンスプリンセスにインタビューしたとか何とか」
ロイ  「この出版不況のご時世によくやるなあ……って、うわ」
リーフ 「ん、どうしたのロイ……うわ、この表紙……!」
ロイ  「エリウッド兄さんとエイリーク姉さんだ……! むっちゃキラキラしてる!」
エフラム「そう……こうして二人で並んで写真を撮られて……ちなみに『幻想郷No1プリンス&プリンセス』だそうだ」
リーフ 「なんですと!?」
ロイ  「僕らの家、貴族じゃないのに!?」
リーフ 「職業プリンスであるこの僕をさしおいて……!」
ロイ  「仕方ないよ、兄さんはどっちかって言うとプリンスっていうよりキングって感じだし」
リーフ 「キング? なんで?」
ロイ  「シーフキング」
リーフ 「あ、なるほど」
エフラム「そんなことはどうだっていい! 俺が言いたいのはだな」
ロイ  「言いたいのは?」
エフラム「何故エイリークの隣に写っているのが俺じゃないのかということだ!」
ロイ  「……」
リーフ 「……」
ロイ  「……え、なに。エフラム兄さん自分が王子様系男子だと思ってたの?」
漆黒の騎士「(ガラッ)身の程を弁えよ」
リーフ 「お務め御苦労様です漆黒さん」
エフラム「ぬぅ……そ、それは確かに俺は王子様系とは言い難いが……! しかし、俺はエイリークの兄だぞ!」
リーフ 「エリウッド兄さんだってエイリーク姉さんの兄だよ」
エフラム「だが俺は双子でだな……!」
ロイ  「いや、でも仕方ないよ実際。この写真、二人でオーケストラコンサート見に行った帰りに撮ってもらった写真らしいし」
リーフ 「あー、なるほど。だから二人とも正装なんだ」
エフラム「……コンサート? そ、それはいつだ……?」
ロイ  「先週だよ。僕も誘われたけど、ウォルトと遊ぶ約束してたから断ったんだ」
リーフ 「あー、それね。僕も誘われたけどお姉さんウォッチングする予定があったから断ったんだ」
エフラム「俺は誘われてすらいないぞ……!」
ロイ  「誘われたら行ったの?」
エフラム「行くわけがないだろう」
ロイ  「……兄さん、漆黒さんじゃないけど本当に身の程わきまえた方がいいと思うよ」
リーフ 「同感」
エフラム「おのれ……俺を侮るなよ、お前たち!」
ロイ  「と言うと?」
エフラム「俺とてエイリークの双子の兄! 正装すればエリウッドと同等の王子様系男子になる……はずだ、多分!」
リーフ (こんな自信なさげなエフラム兄さん初めて見たよ)
ロイ  (自分でもある程度は自覚あるんだよ、本当は)
エフラム「見ていろよお前たち、オーケストラなど俺にしてみれば子守歌も同然だ!」
リーフ (ああ、なんだろ。エフラム兄さんがヒーニアスオーラを放っている気がする)
ロイ  (失敗フラグ全開だなあ、兄さん)