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Last-modified: 2013-11-07 (木) 09:24:05

339 :暗闇と白の12月24日:2010/12/24(金) 00:58:01 ID:ZX1g7p/X

すっかり季節は冬ですね。皆さん風邪など引いていませんか?
ジャンヌです。白い服を着て雪景色に紛れてます。ほとんどウォーリーを探せのレベルです。
紋章町は雪です。カップルがホワイトクリスマスなんてはしゃいじゃったりしてます。
独り身の男性や彼氏のいない女性は来年こそ…なんて呟いてます。
え、お前はどうなんだって?
ええ今現在の時点ではいませんよ。
だって今夜これから彼氏彼女になるんですから…///////

さてさて…私の想い人のアルム君ですが…
まったく予想を裏切らずセリカさんとクリスマスデートの最中です。
もう、そんなに嬉しそうな笑顔をされると傷つくなぁ…
け・れ・ど…度重なるアプローチでアルム君も私の事を強く意識してます。
これには自信があります。
朴念仁に遠まわしなアプローチなんて愚の骨頂。
誤解や勘違いのしようが無いほどストレートにアタックするのが一番です。
それじゃーセリカさんの隙を伺うとしましょうか。
今回は強力な助っ人もいますし…ふふふ。

セリカ 「ねぇアルム。次は服を選びましょ!アルムったらいっつも作業着みたいなのばっかなんだもん。
     もうちょっとシャレっ気あったほうがいいわよ」
アルム 「うーん…僕もそう思って色々派手な服を着てみたり
     あげくのはてに着ぐるみとかカトちゃんヅラまで被って目立とうとしたんだけど誰も気付かないんだよね…
     それじゃお洒落しても意味ないし…」
セリカ 「いいじゃない。私が気付いてるわ。私のために素敵なアルムでいてほしいの…それじゃ駄目?」
アルム 「そんなことないよ。セリカ…嬉しいよ…」
セリカ 「アルム…」

うっわー見せ付けてくれますねぇ。私が背景に潜んでいるとも知らないで…
そんじゃそろそろ助っ人召喚といきますか…
ポチッとな。
私はおもむろにブザーを押します。これで助っ人にコールがかかります。
1…2の…3!
シグルド「KINSINNは許さんぞー!!!!!」
猛烈な勢いでシグルド義兄さんが走ってきました。3秒で到着とはお見事です。
シグルド義兄さんから「もし二人がKINSINNしたらこれを押してくれ」と言われてたんです。
義兄さんは私とアルム君との仲を応援してくれるとも言ってくれてますし…遠慮なく頼りましょう。

340 :暗闇と白の12月24日:2010/12/24(金) 00:58:42 ID:ZX1g7p/X

セリカ 「ちょっと!邪魔しないでよウザいわね!」
シグルド「ええいだまらっしゃい!聖夜にKINSINNするような子はお兄さん許しませんよ!」
さっそく2人がいがみ合いを始めます。
それ今のうち。
私はアルム君の背後に忍び寄ると「かつぐ」しました。騎兵ユニットですので。
シグルド義兄さんご協力感謝しますよ。
それ影のように撤収っと。私とアルム君が並ぶと地味人間の相乗効果でますます周囲の人間から知覚されにくくなります。
あ、これって支援効果だったりして///////
アドバンス基準ならBくらいはいってるといいなぁ…///////

そのままアルム君が声を出す間もなく連れ去るとそのまま私は馬を飛ばします。
よし…セリカさんシグルド義兄さんに文句を言うのに夢中で気付きませんでしたね。
あの人一本気だから…クスッ
アルム 「じゃ…ジャンヌ!?一体何を…」
ジャンヌ「ふふふ、アルム君と一緒にクリスマスを過ごしたいなー…なんて」
アルム 「あ…え、ええっと…」
ジャンヌ「私と一緒じゃ困っちゃいますか?お嫌ですか?」
軽く瞳を潤ませて見せます。
結構練習したんですよ?
アルム 「そそ、そんなことはないけど」
ジャンヌ「わぁよかった♪じゃあ一緒に楽しみましょうねアルム君!」
ここでパッと輝く笑顔。アルム君ズルくてごめんなさい。
優しくてちょっと優柔不断なアルム君ならそう言ってくれると思ってました。
でも笑顔は演技ばかりじゃありません。本音だったりもします。
「上手な嘘の付き方は幾分かの真実を混ぜることだ」なんて言葉もあるそうですし、
この笑顔で益々アルム君の心を引き付けられたかと。
ま、この恋心は全部真実なんですけど///////

さてさて…これからはアルム君と楽しいデートタイムですよ。

341 :暗闇と白の12月24日:2010/12/24(金) 00:59:43 ID:ZX1g7p/X

それから私は腕なんか組んじゃってアルム君をあちこち連れまわしました。
アルム君はセリカさんの事をしきりに気にしてましたけど…むぅ…
そんな時はあらゆる手で私に意識を向けさせます。
こう…アルム君の肩に頬を寄せてみたり、耳元で囁いたり///////
わ、我ながら大胆とは思いますけど…このところ思う事は恋愛っていうのは一つの戦いだと思うんです。
遠慮してたら絶対セリカさんには勝てませんし横入りもシグルド義兄さんの協力を得るのもアリです。

ジャンヌ「さ、次は私にプレゼントを選んでください。
     アルム君が選んでくれた物ならなんだって宝物にしますから」
アルム 「あ…うん、クリスマスだもんね」
そうして私たちはアンナさんの秘密の店に入りました。
秘密の店は目立たずひっそり営業してる穴場、まさしく目立たぬ私たちが通うに相応しい店です。
何気に地味キャラ同士ひっそりひそかにメンバーカードを持ってたりするんです。私もアルム君も。
アンナ 「いらっしゃーい。何をお求めかしら?」
アルム 「あ…えーと…この娘に似合う物を」
アンナ 「あらあら、それじゃ彼氏さんがしっかり選んであげないとね」
ジャンヌ「ふふ…聞きましたアルム君?彼氏ですって」
アルム 「あぅ////」
もう…赤くなっちゃって本当に純朴ですね…そこが可愛いんですけど。
アルム 「じゃあさ、ジャンヌは何がほしいかな?」
ジャンヌ「アルム君の選んでくれる物ならなんでも」
アルム 「な…なんでもいいが一番難しいよ」
ジャンヌ「クスッ困らせちゃってごめんなさい。でもそれが本音ですので」

一生懸命店の棚を見て回るアルム君。本当に真面目で要領が悪い人です。
そこがいいんですけどね//////

そんな彼があれこれ悩んで選んでくれたのはアルム君らしいどこか素朴なブローチでした。

342 :暗闇と白の12月24日:2010/12/24(金) 01:00:34 ID:ZX1g7p/X

さっそくブローチを身に着けた私は知らず知らずのうちに笑みが毀れてしまいます。
ふふふ、嬉しいなあ/////

すでに日も暮れて真っ暗な夜空が私たちを包んでいます。
店を出た私たちは公園のベンチで一休み。
社会人のデートなら喫茶店でも使うのでしょうが学生の予算ではちょっと余裕がありません。
暖かい缶コーヒーも甘く感じてしまうのはアルム君と一緒だからでしょうか?
ジャンヌ「ねえアルム君?」
アルム 「ん…何?」
ジャンヌ「私からのクリスマスプレゼント…ん…」
自然と身体が動きました。
アルム君の唇は相変わらず優しくて暖かいです…あ、コーヒー味//////
アルム 「あ…わわ…////////」
ジャンヌ「ふふ、今まで幾度かしてますけど…アルム君とのキス…私、好きですよ?」
アルム 「じゃ…ジャンヌ、ここここういうことはやっぱりももももっと段階を踏んで…」
ジャンヌ「私はもうアルム君に告白しましたよ?充分段階は踏んでると思うなあ」
アルム 「そそ、そうだけど…」
ふふ…どもっちゃって可愛いなあ…
と…そういえば重要な事に気づきました。
ジャンヌ「そういえば…キスは何回かしてますけどみんな私の方からですよね?」
アルム 「え…」
ジャンヌ「アルム君の方からしてくれた事ってまだありませんよね…じゃあ…デートの締めはアルム君からキスしてくださいね///」
アルム 「え…えええええええええっ!?」
ジャンヌ「してくれるまで帰りません」
小さくほっぺを膨らましてムクれてみせます。
ちょっと我侭かなーなーんて思いますけど…クリスマスですしちょっとくらい期待しちゃってもいいですよね?
真っ赤になってうろたえるばかりのアルム君…もう…本当に純朴で可愛いんですから///
私は隣に座ってるアルム君に寄りかかるとアルム君の顔を見上げて…そっと瞳を閉じました。

わ、わ、これって…見えないだけに無茶苦茶ドキドキしますね/////
あ、アルム君…ま、まだですか?
なんだかもう随分時間が過ぎたような気がします…じ、実際は5分もたってないでしょうけど…

アルム君は私の肩を掴んだまま硬直してるようです…
き、きっとどうしたらいいのかわからないんでしょうね。
もう、ちょっとだけ勇気を振り絞ってくれればいいのに…でも…
こうして楽しみに待つ時間も幸せなものですね//////

雪だけが私たちを見ていました……     

え、結局どうなったのかって?
ナイショです…ふふふ//////

343 :暗闇と白の12月24日:2010/12/24(金) 01:01:25 ID:ZX1g7p/X

番外編

シグルド「ディアドラ~~…ううっ…おうおう…っどうしてこうなった…」
セリカ 「あっきれた…ディアドラさんとのデート抜けてくればこうもなるわよ…」

まったく馬鹿じゃないの?
いくらKINSINNを阻止したいからって彼女ほっぽりだして来る人がいますか!
…シグルド兄さんのケイタイにはディアドラさんからの怒りのメールが入って…
クリスマスはアルヴィスと過ごすことにしたんだってさ。自業自得よ。
アルムはいつの間にか消えちゃうし…あーもームシャクシャするなぁ…
シグルド「うう…一ヶ月前から小遣いためてデートプラン練ってたのに…シクシクシク」
セリカ 「泣かないでよ!もう…気が滅入ってくるなぁ…いいわよ兄さん。
     いきましょ。どうせフラれてヒマなんでしょ?」
シグルド「ん?」
セリカ 「たまには遊びに行こうって言ってるの!こっちもアルムが消えてヒマだしさ…」
シグルド「そうか…そうだな。たまにセリカと遊んでやるか。よし行こう」
…意外と元気ね…実は私たちに構ってほしくて邪魔してるんじゃないの?
まぁ…いーけどさ…いやよくないけど…
しっかし私とシグルド兄さんが並んでるとなんか親子みたいね…
クリスマスに一緒に遊ぶ彼氏がいないもんだからパパにプレゼントねだって買い物にきた娘の気分よ。
シグルド「ん、あんまり高い物はダメだが何か買ってやるぞ?」
能天気にニコニコしちゃってこのお人よし…
私がフラれた兄さんに気を使ってると思って嬉しいんだろうけど…そもそもフラれた原因が私たちがKINNSINNしてたからなのにさ。
そういう考え方しないんだろうなぁ…

セリカ 「フン、ケチな事言わないでよ兄さん。兄さんの気晴らしに付き合うんだからねっ。
     思いっきり高いの選んじゃうわ!」
シグルド「ははははは!それは勘弁だな!」

ま、まぁ…たまには兄さんと遊ぶのも…いいけどね。
たまーにならね…うん。

終わり