4-87

Last-modified: 2007-07-23 (月) 00:07:32

ウォルトはやれば出来る子

 

モルダ    「はいHRですよ。皆さん座ってくださいね。座らないと説法しますよ」
ルーテ    「先生」
モルダ    「はいわかりました、今日は学園祭の出し物についてですね。学級委員お願いします」
ルーテ    「はい」
アスレイ   「はい」
ルーテ    「早速ですがこのクラスは演劇をする事にしました」
エフラム   「いきなりだな」
ルーテ    「題材はウィリアム・テルです。ちなみに脚本・監督は私ですから。厳しくいきますのであしからず」
アスレイ   「例によってルーテさんの独断で、僕は関係してませんのであしからず」
ヒーニアス 「ウィリアム・テルか……。正義感溢れる弓の名手の話だな。まさに私の事だ」
ルーテ    「ではヒーニアスさんお願いしますね」
ヒーニアス 「任せたまえ」
アスレイ   「ちょっとルーテさん待ってください」
ルーテ    「何でしょう」
アスレイ   「脚本によると本物の矢を使用となってますが……。いくらなんでもまずいですよ」
ルーテ    「娯楽性を追求した結果、オールガチにする事にしました」
アスレイ   「これじゃあ誰も息子役をやりたがりませんよ」
ヒーニアス 「学級委員! 息子役にエフラムを推薦したい」
エフラム   「ちょっと待て」
ルーテ    「わかりました。エフラムさんですね」
エフラム   「おい勝手に…」
ヒーニアス 「なんだエフラム。怖いのか?」
エフラム   「違う。だがお前の矢なんか受けられるか」
ヒーニアス 「安心しろ。私には、たまに必ず当たるグレイト・スキル『必的』がある」
エフラム   「なんだ、必的(笑)が欠陥スキルなのを自覚してるんだな」
ヒーニアス 「うるさいぞ。男なら仁王立して受けてみろ」
エフラム   「完全に俺を撃つ気だな」
ヒーニアス 「勿論やるよな?」
エフラム   「 はい
        →いいえ」
ヒーニアス 「そんな、ひどい……」
エフラム   「 はい
        →いいえ」
ヒーニアス 「そんな、ひどい……」
エフラム   「……!! なっ…いつの間にループ地獄に……!」
ヒーニアス 「目には目を、いいえにはローラ姫を、だ」
アスレイ   「さすが策謀の王子ですね」
ルーテ    「キャスト決定に時間を割いてられませんので、漫才はそこまでにしてください。ではエフラムさんよろしくお願いします」

 
 
 

エフラム   「というわけだ」
リン      「それは受難ね」
シグルド 「大丈夫なのか? 学校行事でそんな危険な……」
マルス  「しかも犬と猿、呉と越な関係でね。兄さん危ないよ」
エフラム 「どっちが犬でどっちが猿なんだ?」
マルス  「いや、そういうんじゃなくて」
エフラム 「面倒な事にこれから毎日居残り練習だ。ヒーニアスは楽しくてしょうがないらしいが」
ロイ    「凄い……。偶然にも僕も同じ劇で同じ役どころだよ!」
マルス  「兄弟揃ってリンゴを乗っけるのかい? シュールだな」
シグルド 「まさかだと思うがロイも本当の矢を使うのか?」
ロイ    「うん」
シグルド 「/(^o^)\」
リン    「何で二人共危険な役押し付けられるわけ? そしてうけがうわけ? シグルド兄さん卒倒してるじゃない!」
ロイ    「僕は強制じゃないよ」
エフラム 「お前勇者だな」
ロイ    「どうだろう……」

 
 
 

セシリア  「このクラスの中で、一番弓に長けてるウォルトがウィリアム・テルでいいわね」
ウォルト  「えっと、頑張ります」
セシリア  「次に、息子役に誰か……」

 

 しーん…………

 

セシリア   「そう、誰もやりたくないのね。皆ウォルトを信じないのね。先生悲しい…凄く悲しいわ!」
レイ     「先生、これ無理だって。しかも射るのはヲルトだぜ?」
クラリーネ 「同感ですわ」
セシリア   「信頼関係があればできるわ」
レイ     「それなら保証してくれるのかよ。絶対当たらないって」
セシリア   「この世に絶対は無い。99%の確率で当たる攻撃が外れ、
        高確率で避けられる筈の敵の反撃を受け死亡する。それがFEである」
ウォルト   「ちょっ不吉な事言わないでくださいよ! めちゃくちゃ萎縮しちゃうよ!」
クラリーネ 「クレインお兄様がウィリアム・テルなら喜んでやりますけど……ヲルトは無理不可能ですわ」
ロイ     「はい! 僕がリンゴ役やります!」
ウォルト   「ロイくん!」
リリーナ   「ロイ!?」
ロイ     「僕達は親友だ、僕はウォルトを信じる!」
ウォルト   「ロイくん……」
ロイ     「大丈夫だよ、きっとできる! ウォルトは 絶 対 外 さ な い ! !」
レイ     「なんかいっぱいフラグが立ったぞ」
セシリア   「素晴らしいわロイ。でもリンゴ役だと矢があなたを貫通しちゃうわよ」
リリーナ   「ロイ、それを言うなら息子役でしょ」
ロイ      「あ、そうだった」
ウォルト   「あぁ、何かすっごいプレッシャー……」

 
 
 

ロイ    「こういうわけさ」
シグルド 「チャレンジャーすぎるぞロイ」
リン    「この子こんなに熱血だったっけ?」
マルス  「伊達にスマデラで雄叫び上げてないんだよ」
エフラム 「俺とヒーニアスでは有り得ない話だな」
マルス  「そういやどうすんのさ、敵意丸出しヒーニアス」
エフラム 「そうだな、いざとなったらこっちは槍で応戦するさ」
シグルド 「学園祭でガチバトルか。ほどほどにな」
リン    「信頼……ねぇ」
マルス  「(なんか悪寒が)」
リン    「あ、そういえば私弓使えたね」
マルス  「…………!!」
リン    「ロイ、うちにリンゴある?」
ロイ    「ミカンしかないよ」
リン    「それでいいわ」
マルス  「いやいやまずいっすよ姉さんそれは」
リン    「私達の信頼度を測りましょう、マルス」
マルス  「アリエナスwwwww」
シグルド 「ミカンはやめろ! 汁が目に入ったら痛いだろう!」
マルス  「そっちかよ」