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Last-modified: 2008-05-15 (木) 00:10:11

紋章町野球大会

 

ロイ・セリス・リーフ「ただいまー。」
リーフ「あれ?兄さん達、何してんの?」
マルス「見てごらん三人とも、このチラシを。」
ロイ「紋章町野球大会・・・?ん?大分前にもあったような・・・。」
エリウッド「そういう事は気にしてはいけないよ、ロイ。」
ヘクトル「今度の休みにやるんだってよ。優勝賞品見てみろよ。」
セリス「『優勝チームとチーム監督にはエトルリア3泊4日旅行贈呈』?
・・・あれ?これも・・・。」
エリウッド「うっ!!胃が・・・!!」
アルム「お願いだからエリウッド兄さんのためにもふれるのやめてあげて。」
マルス「賞金も出るから、女性陣の分はそれを使ってパーッとみんなで家族旅行でも
狙ってみようって話になって。」
ロイ「なるほど、だからアイク兄さんとエフラム兄さんが庭で素振りしてたんだ。」
ヘクトル「俺もちょっとやってくるかな。」
リン「あーあ、出場者が男性限定じゃなかったらなぁ。」
マルス「はははっ、確かにリン姉さんならその辺の男より足が速・・・いだだだだだだ!!!
何で!?怒るところ!?」
リン「あ・・・ごめん、つい条件反射で。」
エリウッド「まぁ、そういうわけで僕たちでオーダーを考えていてね。
大体決まったところだよ。」
セリス「どれどれ・・・?」

 

1番 レフト    セリス
2番 ショート   ロイ
3番 センター   エフラム
4番 ライト    アイク
5番 サード    ヘクトル
6番 キャッチャー マルス
7番 セカンド   アルム
8番 ファースト  エリウッド
9番 ピッチャー  リーフ

 

リーフ「いやいやいやいやいやいやいやいや!!!!!」
マルス「どうしたんだい?リーフ?」
リーフ「僕の打順が9番なのとみんなのポジションは良いとして、ピッチャーってのは
何かの間違いでしょ!?」
エフラム「俺も少し疑問に思ったんだがな。」
アルム「あ、素振り切り上げたんだね。」
アイク「俺もだ。確かにリーフの持久力は凄まじいものがあるし、投手に必要な能力だ。
だが、それだけで大会を勝ち抜くのは難しいだろう。」
アルム「マルス兄さんが何故かやけにリーフを推薦するんだよ。」
マルス「・・・リーフ、こないだみたいに少しキャッチボールしようか?みんなも見ててよ。」
リーフ「いいけど・・・?」

 

キャッチボールを始める二人

 

ヘクトル「・・・やっぱ、そこまで球速くねぇな。」
マルス「よし、僕がキャッチャーやるから、前みたいに構えたところに投げてごらん。」
リーフ「う、うん。」

 

マルスに向かって球を投げ続けるリーフ

 

エイリーク「私の気のせいでしょうか・・・?」
エフラム「いや・・・まさかな・・・。」
セリカ「それに、なんだかボールが曲がっているというか・・・。」
セリス「気のせいじゃないよ、速球も変化球も、全部マルス兄さんの構えたとこに・・・!!」
リーフ「え?それってそんなに凄いことなの?」
アイク「それは投手を志す全ての者の夢だ。と誰かが言っていた気がする。」
マルス「そう、リーフの持久力、そしてコントロールは誰よりも優れている。
最初に見た時は僕も驚いたよ。」
エリウッド「これは凄い・・・。」
マルス「でも、スピードは大したことないから簡単に打たれる。」
ヘクトル「なら駄目じゃねーか。」
マルス「それを情報通の僕がリードすれば、どんな相手だって抑えられるよ。
後はみんなが守ってくれれば、負けはない。」
リーフ「でも、やっぱキャラ的に・・・。」
マルス「何を言うんだ。アイク兄さんみたいに剛速球でバシバシ派手にやるんじゃなくて、話の展開的に打たせてとる試合になるんだから、地味な流れになるさ。それこそ君の真骨頂だろ?」
リーフ「おおおおお!なるほど!やる気が出てきたよ!!」
ロイ「(えっ?その会話の流れで!?)」
マルス「俺がお前を最高の投手にしてやる!」
エフラム「何故一人称が『俺』に・・・?」
エイリーク「(クラスメートが持っていた本にそのような台詞があったような・・・。)」
セリス「ところで、シグルド兄さんはどうするの?」
エリウッド「心配ないよ。監督で出てくれるから。本人も乗り気のようだ。」
リン「指揮官レベルは☆2だけど、マルスがサポートしてくれるしね。」
マルス「よーし、それじゃあ、張り切っていくぞー!!」
男全員「おー!!!」

マルス「あ、そうだ、リーフ。」
リーフ「何?マルス兄さん。」
マルス「僕がリードしなきゃ君は単なるダメなピッチャー、通称みはs・・・『ダメピ』
なんだから、そこの所、忘れないようにね。」
リーフ「・・・。」

シグルド 「うむ、良い天気だ!今日は絶好の野球日和になりそうだな!」
エリンシア「みんな頑張ってらっしゃいね。」
リン   「私の分まで頑張ってね。観客席で応援してるわ。」
ミカヤ  「新しいアルバムが増えそうね。でも、ケガだけはしないでね。」
エリウッド「無理をしないで頑張ってくるよ。」
ヘクトル 「へっ、俺たち兄弟に勝てるヤツなんてそうそういねーよ。」
セリス  「絶対勝って、みんなで旅行に行こうね!」
全員   「おー!!」

会場に入る兄弟チーム、そこで会ったのは・・・
ロイ   「うわー、凄い人の数だね。」
エリウッド「町中から参加者が集まって居るみたいだからね。本来はリーグ戦を予定していたみたいだけど、
      あまりの多さにトーナメントになったとか。」
リーフ  「うわぁ・・・みんな凄そう・・・こんな人達相手に僕が投げるの・・・?うっ、胃が・・・。」
マルス  「エリウッド兄さんの台詞を取るんじゃないよ。僕を信じて投げるんだ。」
アルム  「心配しなくてもみんなしっかり守るから大丈夫だよ。」
アイク  「もしお前が点を取られても、俺たちが必ず取り返してみせる。だから安心しろ。」
リーフ  「うん・・・。ありがとう。少し気が楽になった。」
???  「おやおやシグルド、お前もこの大会に参加するのか。」
シグルド 「その声は・・・アルヴィス!!」
アルヴィス「選手を見る限り・・・どうやら家族での参加のようだな。」
シグルド 「ああ、そうだ!何か文句でもあるのか?」
アルヴィス「いや、せっかくの戦力も監督が使いこなせなければ意味がないからな。」
シグルド 「なにおう!!」
アルヴィス「ん?ただ私は『使いこなせなければ意味がない』と言っただけだぞ?
      まぁ、せいぜい頑張ってくれ。決勝戦で待っているぞ。はっはっは。」
シグルド 「ムキー!!アルヴィスめー!!」
ヘクトル 「まぁまぁ兄貴、試合も始まってもないのに熱くなるなよ。」
エフラム 「俺たちが勝てば、あんな事も言えなくなるさ。」
シグルド 「そうだな。私もそろそろヤツと決着を付けようと思っていたところだ。ヤツが言う通り、
      アルヴィスのチームとあたるのは決勝だ。みんな、力を貸してくれ。アルヴィスに勝って優勝する!!」
アイク  「もちろんだ、俺たち家族の絆の力で絶対に優勝するぞ!」
全員   「ウォー!!」
エイリーク「ところで、さりげなくお二人ともお互いが決勝に出ること前提ですよね。」
セリカ  「なんだかんだでお互い一目置いてるみたいよね。」
リン   「しかも、お互いそれに気付いていないというおまけ付き。」

一回戦
セリス  「今から試合かぁ、楽しみだなぁ。あ、みんな応援に来てくれてる!!」
アルム  「姉さん達も来てるし、僕らの友達も紹介しきれないくらいいっぱい来てるね。」
エリウッド「さて、一回戦のお相手は・・・?・・・『ビューティフル☆エレガンツ』?なんてチーム名だ・・・。」
ヘクトル 「スゲェセンスだな・・・。」
ナーシェン「ふっ、私の素晴らしき感性に脱帽と言ったところか。」
リーフ  「何この人。」
ヴァルター「一回戦から我々が率いるこの『ビューティフル☆エレガンツ』に当たるとは、己の不幸を呪うが良い。」
ミカヤ  「あっ!!あのときの変態!!」
エイリーク「・・・お知り合いですか?」
ミカヤ  「ちょっと友人がカラまれたことがあってね・・・。みんなー!!あんな変態のチームに負けちゃダメよー!!!」
ヘクトル 「へっ、どうせイロモノだろ。」
ナーシェン「フン、強がれるのも今のうちだ。ああ・・・そういえば、そこにいるロイと言ったか・・・
      こんなところで野球なんてしてて良いのかい?」
ロイ   「・・・どういう意味だ・・・?」
ナーシェン「青い髪をした・・・リリーナと言ったかな?彼女がタチの悪そうな奴らにカラまれていたなぁ。」
ロイ   「何だって!?くっ、どうすれば・・・。」
アイク  「ロイ、ここは俺たちに任せて行ってこい。」
ロイ   「でも、僕が居なくなったらチームが・・・。」
アイク  「大丈夫だ、こんな事もあろうかと、ちゃんと考えがある。」
ロイ   「アイク兄さん・・・わかった。すぐ戻ってくるから、ここはお願い。」
ヘクトル 「任せとけ!!絶対助け出すんだぞ!!」
エフラム 「それで、アイク兄さん、考えというのは?」
アイク  「ああ、チームの登録に行く時に偶然セネリオに会ってな。」
リーフ  「(本当に偶然なのかな・・・?)」
セネリオ 「(ニュッ)そこからは僕が説明しましょう。」
エリウッド「相変わらず神出鬼没だな・・・。」
セネリオ 「アイクのチームは、監督のシグルドさんを入れても丁度10人で、もしケガ人などが出た場合、
 人数が足りなくなる危険があります。そういった意味で、控えの選手も必要かと思いまして。」
マルス  「へぇ、それで?」
セネリオ 「そこで僕は提案しました。万が一に備えて、この僕を控えに入れてはいかがかと。」
アイク  「そういうことだ。」
ヘクトル 「控えってのは良いんだけどよ・・・野球できるのか?」
セネリオ 「パワーなら皆さんに負けますが、身のこなしならそこまで劣りませんよ。」
シグルド 「まぁ、しょうがないか・・・。じゃあ、そのままロイの打順・ポジションに入ってくれ。」
セネリオ 「分かりました。お任せ下さい。」

一回戦 FEブラザーズ対ビューティフル☆エレガンツ
1番 レフト    セリス    1番 ライト    エリオット
2番 ショート   セネリオ   2番 レフト    ゲラルド
3番 センター   エフラム   3番 ピッチャー  ナーシェン
4番 ライト    アイク    4番 センター   ヴァルター
5番 サード    ヘクトル   5番 ファースト  レイドリック
6番 キャッチャー マルス    6番 サード    ゲブ
7番 セカンド   アルム    7番 セカンド   ケンプフ
8番 ファースト  エリウッド  8番 キャッチャー ガンドルフ
9番 ピッチャー  リーフ    9番 ショート   ヴォルツ

ヘクトル 「あっ!ひろし!ひろしじゃないか!!」
エフラム 「ひろし何でこんなところにいるんだ(笑)。」
ヴォルツ 「お前ら・・・だから俺はヴォルツだと・・・まぁいい、助っ人を頼まれたんだよ。
      俺の昔の派遣先の知り合いがこのチームにいてな。」
エフラム 「ひろし野球できたんだな。」
ヴォルツ 「ふっ、世界ひろしと言えども、俺を抑えられるヤツはいねぇよ。」
ヘクトル 「ひろしキター!!!」
ヴォルツ 「何でお前らそんなにテンションが高いんだ・・・まぁいい、手加減はしないぞ。」
エフラム 「世界ひろし、一体どんな野球をするんだろう・・・。」

リーフ  「なんか、変な対戦相手だなぁ。あと、なぜだかわからないけど、
  一部を除いて凄く女運がなさそう。これなら僕でも余裕かもね。」
アルム  「でも、あの人達凄く動きが良いよ?」
マルス  「そうだね、僕も調べてみたけど、あのチームは草野球チームとして、
  そこそこ有名らしい。全国レベルの人もいるとか。」
リーフ  「うっ・・・そうなの・・・?」
マルス  「でも何度も言うけど、僕たちバッテリーなら大丈夫だよ。」
エリウッド「おーい、整列だよー。」

ハンニバル「えー、私がこの試合の審判を務めさせていただきますハンニバルです、よろしく。それでは整列!礼!!」

全員   「よろしくお願いします!!」

一回表・ビューティフル☆エレガンツの攻撃
マルスの好リードにより、あっという間にツーアウト。そして3人目も・・・

リーフ  「それっ!!」
ナーシェン「フン、前の奴らはこの程度の球が何故・・・」
マルス  「(ボソッ)下品。」
ナーシェン「なっ!?」(ズバーン!!)
ハンニバル「ストラーイク!バッターアウト!!」
ナーシェン「き、き、貴様、この私がげげげげ下品だと!?」
マルス  「何言ってるんですか?僕はただ、『ゲフン』と軽く咳き込んだだけですよ。」
ガンドルフ「どうしたナーシェン?交代だぞ。」
ナーシェン「わかっているッ!!・・・あの小僧めっ・・・!!」

1回裏・FEブラザーズの攻撃
ナーシェン「私は強い・・・私は賢い・・・私は美しい・・・私は正しい・・・
      誰よりも・・・誰よりもだっ!・・・よし!!」
ガンドルフ「ナーシェンのヤツ、立ち直ったみたいだな。」

普段の実力を取り戻したナーシェン、精神的に立ち直り、FEブラザーズを2回まで
パーフェクトに抑える。一方リーフもマルスのリード・心をえぐる一言により、
同じく2回2/3をパーフェクト。そして次の打者は・・・

ガンドルフ「くそっ、打ち上げちまった・・・。ひろし、次は頼むぞ。」
ヴォルツ 「だから俺はヴォルツだって・・・まぁいい。打ってくるさ。」
マルス  「世界ひろしさんですね。よろしく。」
ヴォルツ 「あー、もうひろしで良いや・・・。さぁ来い!」
リーフ  「それっ!!」
ヴォルツ 「悪い球じゃないし、良いコースだ。だが・・・」
カキーン!!
ヴォルツ 「打てなくはない!!」

一・二塁間を抜けるライナー。さらに右中間を抜けるかと思ったその打球は・・・
アイク  「はっ!!」バシィ!!
ショートバウンドで好捕するアイク。
エリウッド「ナイスアイク兄さん!2塁だ!!」
セネリオ 「来て下さいアイク!!貴方の全力、僕が絶対に受け止めて見せますから!!」
アルム  「セネリオさん自重!」
アイク  「ふん!!」
アイクの豪腕から放たれる一筋の矢。
ヘクトル 「HAEEEEEE!!!」
ズドォン!!
セネリオ 「やった・・・入った・・・アレ・・・!?」
アイクの手にあるのは先程の野球ボール。一方、セネリオのグローブに入っていたのは・・・
アルム  「アイク兄さんの・・・グローブ・・・?」
止まる兄弟ナイン。その間に・・・
ヴォルツ 「よし、ホームイン!!一点先制だ!!」
ガンドルフ「ひろしナイバッチ!!」

ビューティフル☆エレガンツ、一点先制

セネリオ 「アイク・・・確かにスピード、コントロール、共に申し分ないものでした・・・
      ですが…グローブじゃないですかっ!!」
アイク  「そうだが?・・・セネリオ、昔からよく言うだろう。『男なら、ナイスグローブ。』」
セネリオ 「ええ!ナイスグローブ、アイクー!!」
アルム  「ちがーう!!!! グローブは投げる物じゃないよー!!!」
アイク  「そうだ!!セネリオのみそっかす!!!」
セネリオ 「えぇ!?」
エリウッド「・・・アルム・・・ロイがいない今、自分がツッコミ役を果たそうと・・・
      ・・・お前ばかりに負担をかけてすまない・・・」
ロイ   「呼んだ?エリウッド兄さん?」
エリウッド「ロイ!?大丈夫だったのかい?」
ロイ   「うん、リリーナは無事だった。ウォルトやシャニー、
      スーにセシリア先生が力を貸してくれたからね。すぐ終わったよ。」
ヘクトル 「お!ロイ!!そっちは無事すんだみてーだな!いきなりでわりーが代わってやってくれ!!」
アルム  「セネリオさんがショックで放心状態になっちゃったんだ!!」
アイク  「言い過ぎたか・・・?」
ロイ   「わかった!!後伝えたいこともあるし!!」

シグルド 「ロイ、打順とポジションはいじってないから、そのまま2番ショートだ。審判!!交代だ!!」
その後、次の打者を抑えて、最少失点に抑えるも、3回の裏の攻撃も三者凡退。

リーフ  「一点差とはいえ、負けてるよ・・・マルス兄さん、本当に大丈夫なの?」
マルス  「大丈夫だよ。そうだよね?兄さん達。」
エフラム 「ああ、あの投手の投げる球、既に見切った。」
ヘクトル 「やられっぱなしってのは性に合わねーからな。」
アイク  「次は必ず打つ!!」
マルス  「大丈夫だと思うよ。向こうのバッターで怖いのはひろしさんくらいだし、
      相手のピッチャーを見てごらん。」
リーフ  「あ・・・なんか凄いバテてる・・・。」
マルス  「ちょっくら挑発したからね。全力で今まで投げてたんだ。そろそろ疲れてくるよ。」
シグルド 「何!?それは本当か!?」
セリス  「どうしたの?」
ロイ   「リリーナを追い回してた人を問い詰めたら、
      ナーシェンってヤツに頼まれたって言ってたんだ。」
アルム  「それって、相手のピッチャーの名前じゃないか!!」
エリウッド「ヤツの罠だったのか・・・卑怯な!!」
マルス  「この勝負、絶対負けられないね。」

ヴァルター「おい、まさかもうバテたのか?私が代わってやろうか?」
ナーシェン「うるさいよ!!今我々が勝ってるんだ・・・このまま抑えてやる・・・!!
そうすればあの小娘も私の虜になるはずだ・・・!!」
ヴァルター「ふっ、このまま兄弟家に勝てば、あのエイリークという少女も私に屈さざるを得まい。フッフッフ。」
ガンドルフ「今日はユングヴィのべっぴんさんを呼んでるからな・・・良いところを見せたいが・・・」
エリオット「俺も(ry」
ゲブ   「俺も(ry」
ケンプフ 「俺別に関係な(ry」

ナーシェン「おのれ・・・おのれぇ!!なぜだ!!何故打ってくる・・・!!」
ガンドルフ「(こりゃーもうダメだな、球に力がなくなってやがる。)」
ヴァルター「この回だけで7失点とは・・・貴様、この程度か?」
ナーシェン「う、うるさいぃ!!!」
ロイ   「来い!!」
ナーシェン「こんな・・・ガキなんかに・・・!!」
カキーン!!
ロイの怒りのホームランで兄弟家さらに追加点。
ヴァルター「もういい、私に代われ。外野で頭を冷や(ry」(カキーン!!カキーン!!カキーン!!)
エリオット「もういい、代われー!!」(カキーン!!カキーン!!カキーン!!)
ゲブ   「俺に代われー!!!」(カキーン!!カキーン!!カキーン!!)
レイドリック「代われー!!!」(カキーン!!カキーン!!カキーン!!)
ナーシェン「ひろし!貴様が代われ!!」
ヴォルツ 「えっ!?俺!?」(ストラーイクバッターアウッ!!)
ヴァルター「代われー!!!」(カキーン!!カキーン!!カキーン!!)

ヘクトル 「なんか、スゲェ点差になっちまったな・・・。」
セリス  「27対1・・・」
アルム  「それよりも、相手チームで誰が投げるか仲間割れしてるし。」
エフラム 「あ、向こうのキャッチャーが来たぞ。」
ガンドルフ「・・・すまねぇなぁ、あんちゃん達よぅ・・・正直、もうこの試合は無理だ・・・。
      悪いんだが、棄権って事で終わりにして良いか?」
シグルド 「我々は別に構わないが・・・」
ガンドルフ「ああ、悪いな。まぁ、俺たちに勝ったんだから優勝してきてくれ。俺は今からあいつら止めてくる。
      ゲラルド!!ひろし!!手を貸してくれ!!あいつらぶちのめしてでも連れて帰る!!」
ゲラルド 「シャー!!」
ひろし  「お、おう!!」
ガンドルフ「試合には大差で負けるし、女には良いところ見せられねぇし、チームはボロボロだし、
      俺はなんて不幸なんだ!!ゴルァー!!てめえらいい加減にしろー!!」

リーフ  「勝っ・・・」
アイク  「勝った!!第3部完!!」
ロイ   「兄さんそれ違うから。まだ大会終わってないし。」

二回戦
シグルド 「一回戦は完勝だ!このまま勢いに乗っていくぞ!」
リーフ  「僕もなかなか捨てたモンじゃないかもね。」
ロイ   「ところで、次の相手は?」
エリウッド「トーナメント表を見てきたけど、『ビクトリーマッスルズ』って書いてあったよ。」
エフラム 「どこかで聞いたことがあるような・・・。ハッ!!この曲は!!」
ヘクトル 「いつもエリンシア姉貴にやらされてる・・・!」
バアトル 「ヴィクトリー!!!」

エリンシア「生バアトルキター!!!!!!!!」
ミカヤ  「エ、エリンシア、落ち着いて・・・!」
エリンシア「KI・N・NI・KU!!KI・N・NI・KU!!」
リン   「姉さん、これからみんながあのキン肉マン達と野球勝負するのよ?
      みんなを応援しようよ。」
エリンシア「ううう・・・ガチムチさん達の野球で輝く汗も良いけど・・・
      家族の勝利も・・・ああ、私はどうすれば・・・。」
セリカ  「おとなしくアルム達の応援しましょうよ。」
エリンシア「このチームのどちらかが二回戦で消えるなんて・・・ユンヌ!!どうしてそんな組み合わせにしたのよ!!神様でしょ!?」
ユンヌ  「わ、私に言わないでよ!!」

バアトル 「はっはっは!!お主達がワシらの次の相手か!!ワシらも一回戦大差で勝ってきたわ!!
      ・・・線の細いヤツしかおらんが、む?」
アイク  「・・・次の相手か。正々堂々勝負だな。」
バアトル 「おぬし、良い体をしておるな・・・この試合、楽しめそうじゃ。」

セリス  「みんなかっこいいなぁ・・・。僕もこうなりたい。」
ラナ・ユリア「いけませんわ!!」
セリス  「あ!ラナにユリア、それにユリウスも応援に来てくれたんだ!!」
ユリウス 「よー。」
ユリア  「あら?ラナ。こんなところで油を売っていてよろしいのですか?
      確か貴女のチームも参加なさってるんでしょう?そちらに行かなくて良いの?」
ラナ   「ご心配なく。チーム数の関係で、この時間私のチームはシードになっていて試合がないの。
      そんなこともお分かりいただけないの?」
2人   「グルルルルル」(バチバチバチバチ)
ユリウス 「飽きないな、2人とも・・・。」
セリス  「2人とも仲良いなぁ。」
ユリウス (何でそう見えんだよ!?)
セリス  「あっ、そろそろ試合だ!僕頑張ってくるね!!」
ユリウス 「おーぅ、いってら~。」

エフラム 「ドズラ、あんたもこのチームにいたのか。」
ドズラ  「ガハハハ!!これはエフラム殿、良い勝負をしようぞ!!」
ラーチェル「エフラムー!ドズラー!二人とも頑張るんですわよー!!」
エイリーク「ラーチェル、来てくれたのですね。」
ラーチェル「ええ、あなたたちの応援と、ドズラ達の応援と両方ですわ。」
リン   「ラーチェルさんはドズラさんとも仲が良いから、ちょっぴり複雑かもね。」

リーフ  「うわー・・・みんなすごい身体・・・アイク兄さんにピッチャー代わって貰おうかなぁ・・・。」
ワレス  「よう!!葉っぱ!!」
リーフ  「わっ!!ワレスさん!?」
ワレス  「前の試合、お前が投げたようだな!それも一点に抑えるとは、なかなかやるではないか!!」
リーフ  「そ、それはどうも・・・」
ワレス  「お前がどれだけ成長したか、この試合で見極めてやろう。マウンドから逃げるなよ?わはははは!!!」
自軍ベンチに去ってゆくワレス
リーフ  「・・・オワタ・・・僕だけでなく、チームも・・・」
マルス  「そんなことないよ。」
リーフ  「マルス兄さん・・・気休めはよしてよ。僕の軽い球じゃ、ホームラン乱れ打ちだよ。」
マルス  「だから大丈夫だって。あの人達の、凄い弱点見つけたから。」
リーフ  「弱点?」
マルス  「ま、試合になってからのお楽しみってね。」

ハンニバル「それでは、ただいまより二回戦を始めます。審判のハンニバルです。」
セリス  「あ、またハンニバルさんだ。よろしくお願いします。」
ハンニバル「うむ。ワシは兄弟チーム付きの審判なのじゃ。」
マルス  (ってことは、これからしばらく一緒か。)
ハンニバル「では整列!!礼!!」

全員   「よろしくお願いします!!!」

FEブラザーズ対ビクトリーマッスルズ
1番 レフト    セリス    1番 ファースト  ホークアイ
2番 ショート   ロイ     2番 ショート   ギリアム
3番 センター   エフラム   3番 ライト    ドズラ
4番 ライト    アイク    4番 ピッチャー  バアトル
5番 サード    ヘクトル   5番 キャッチャー ワレス
6番 キャッチャー マルス    6番 セカンド   ガレット
7番 セカンド   アルム    7番 レフト    ガルシア
8番 ファースト  エリウッド  8番 センター   バルボ
9番 ピッチャー  リーフ    9番 サード    バース

ドロシー 「実況は私ドロシーがお送りします。また、こちらは解説のせか」
ヴォルツ 「ヴォルツです本日はよろしくお願いします。」
ドロシー 「よろしくお願いします。なお、セーラさんは現地リポーターとしてその他の試合のリポートに向かっています。
      ひろしさん、この試合どういった展開を見せるでしょう?」
ヴォルツ 「・・・そうですね。実際に対戦した身として、リーフ選手のコントロールは右に出る者はいないでしょう、
      世界ひろしと言えども。ただ、マッスルズの筋力は相当なものですからね。
      甘いコースなら簡単に飛ばされますよ。それをキャッチャーのマルス選手がどうリードするかが見ものですね。」

一回はお互いに3者凡退し、2回の表ワンアウト、マッスルズの攻撃
ワレス  「ふっ、臆さずにマウンドに上がったか・・・その意気や良し!!」
マルス  「お手柔らかにお願いしますよ。」
低めの変化球で追い込んで2-1、そして4球目に内角のストレート。
ワレス  「甘い!貰った・・・む!?」
ハンニバル「ストラーイクバッターアウト!!」
リーフ  「あれ・・・何で振らなかったんだろう・・・?」

その後、後続を抑えて2回の裏、バッターはアイク。
アイク  「さぁ、来い!!」
バアトル 「ワシの球が打てるかな?セイッ!!」
アイク  「ふんっ!!」ギィィン!!
バアトル 「何っ!!」
アイクが振り抜いた打球は高く上がるも、あと一伸び足りず、ライト、ドズラのグローブの中へ。
バアトル 「危ないところじゃった・・・おもしろい、次の打席からは、アレを使うか・・・。」
ヘクトル 「惜しかったな、兄貴。」
アイク  「上手くとらえたと思ったのだが・・・。だが気になるのはあの投手、まだ余力を残しているように見えるな・・・。」

その後、兄弟家で当たりが期待できそうなヘクトル・エフラムも内野フライを打つのが
精一杯でいずれもノーヒット。一方リーフもこれまでパーフェクトに抑える。
そして、5回裏ノーアウト、アイクの第二打席。
アイク  「さっきは少し芯を外されたが・・・次は打つ!!・・・ん?」
バアトル 「はああああああ・・・・・!!!」
ワレス  「おお!!バアトル殿!!アレを使うのですな!!」
ドズラ  「ガハハハ!!ワシらですら打ったことのないアレですな!!」
マウンドのバアトルに気が集まっていく。
リーフ  「す、すごい・・・大気が震えている・・・。」
バアトル 「若者よ・・・ワシがこれを投げるのは、5年ぶりじゃ。つまり、それに値する相手と言うこと!!
      さあ、これを受けてみよ!!ぬおおおおおお!!!!!」

今まで以上の大きなピッチングフォームに入るバアトル。
バアトル 「うおおおおお!!!!!!筋肉ボーーーーーーーーール!!!!!!」
エリウッド「はっ、速い!!!」
エリンシア「うひょー!!KI・N・NI・KU!!KI・N・NI・KU!!」
リン   「エリンシア姉さん、マジで自重して。」
アイク  「くっ!!」ズバーン!!!
ハンニバル「ストラーイク!!!」
シグルド 「あのアイクが空振るとは・・・。」
ヘクトル 「こいつはいよいよもってヤベェか?」
バアトル 「フッ・・・ハハハハハ・・・(ガクッ)どうやらお迎えがきちまったようじゃ・・・。」
マウンドにしゃがみ込むバアトル。
兄弟全員 「何ー!!!?」
マルス  「はは、そりゃそうだろう。調べてみたけど、あのボールは身体に掛かる負担が半端じゃない。」
ロイ   「そうなの!?」
マルス  「一試合に投げられる球数は・・・せいぜい200球ってところかな。」
アルム  「・・・・・・いや、十分じゃん!!!」
マルス  「うん。」
バアトル 「なんてな、軽い冗談じゃ!!」
ヘクトル 「もうお前ら全員自重しろよ・・・。」
その後アイクは筋肉ボールに為す術もなく、追い込まれる。そして3球目。
バアトル 「筋肉ボール!!!!」
アイク  「クッ!!」チッ ズバーン!!!!
バアトル 「ほぅ、初見でかする事ができるとは、やはりワシの目に狂いはなかった。だがまだまだじゃな!!」
アイク  「すまない・・・。」
マルス  「大丈夫だよ、兄さん。次の打席はアレをやってみようよ。それに、
      何回やっても何回やってもリーフを打つことはできないよ。」
リーフ  「本当に?現にここまでパーフェクトに抑えてるけど、上手く行き過ぎな気が・・・」
マルス  「だいじょぶだいじょぶ。」

そのマルスの言葉通り、リーフはこの後8回表までパーフェクトに抑える。

ドロシー 「これは凄い!試合開始前は打撃戦を予想していましたが、それを裏切る投手戦に!!
      解説のひろしさん、これは一体どういう事でしょうか?」
ヴォルツ 「そうですね・・・私も兄弟家の配球を洗い直してみましたが、面白いデータが取れましたよ。」
ドロシー 「それは一体?」
ヴォルツ 「三振にしろ凡打にしろ、アウトになる球のコースが、どれも内角の良いところなんですよ。」
ドロシー 「はぁ。でも、そこまで内角を続けたら打たれちゃうんじゃないですか?」
ヴォルツ 「先程の回でワレス選手が止まった感じで見逃し三振しましたね。
      アレは打たなかったんじゃなくて打てなかったんです。」
ドロシー 「どういう事ですか?」
ヴォルツ 「マッスルズの選手は皆凄い筋肉をしている。腕も丸太と言わんばかりです。
      でも、その筋肉が逆に邪魔になってしまって打てなかったんですよ。
      腕の付け根の方に厚手のタオルをねじって巻いてスイングしてみるとその感覚が理解できると思います。」
ドロシー 「なるほど・・・確かに打ちにくいですね。」
ヴォルツ 「キャッチャーのマルス選手が見事にその穴を突いているんですよ。あの筋肉でも無理に振ったら打球も飛びません。」

マルス  「そういうわけさ。ポテンヒットくらいはあるかも知れないけど、リーフが点を取られることはまず無いよ。」
エフラム 「あとは点を取るだけか。だが、どうする。次はアイク兄貴だが・・・。」
アイク  「マルス、さっきのアレとは・・・?」
マルス  「ああ、それはね・・・」

8回裏ノーアウト、バッターはアイク
バアトル 「む・・・?気のせいか、さっきより小さく見えるのう・・・。怖じ気づいたか?」
アイク  「・・・」
バアトル 「だが、ワシは手加減できん男じゃ・・・いくぞ!!筋肉ボール!!!」
アイク  「うおおおおお!!!!!」
ギイイイインンン!!!!!
球を真芯でとらえるアイク

少し時間は戻って・・・
マルス  「兄さん、早速だけど、スマブラモードになって。」
アイク  「ああ。」(シュン!!)
エリウッド「相変わらずどうなってるやら・・・。」
マルス  「それでインパクトの瞬間、普段の兄さんに戻るんだ。」
シグルド 「なるほど、隆起する筋肉の反動を利用するんだな。」
アイク  「よし、試してみる価値はあるな。」

そして今現在
アイク  「うおおおおおお!!!!」(ボコォッ!!)
バアトル 「なに!!」
アイク  「おおおおおおおおお!!!!!!!」
キィィィィィィン

アイクの放った打球はバックスクリーンに吸い込まれていった・・・
セリス  「やったー!!ホームランだ!!!」
ロイ   「先制だー!!!」
バアトル 「ワシの筋肉ボールが打たれるとは・・・ふっ・・・大した漢じゃ。」

アイクのソロホームランの一点を守りきり、この試合は兄弟家の勝利に終わった。
バアトル 「大したもんじゃ。ワシらもまだまだ鍛錬が足りんのう。」
アイク  「いや、あんたの投げる球も相当なものだった。まだ手がしびれている。
      次やったらどうなるかわからん。」
ワレス  「葉っぱ!!なかなか見事だったぞ!!」
リーフ  「ヮ、ワレスさん、どうも・・・。」
ワレス  「だがまだまだ筋力が足りんぞ。また鍛えてやるからな!!はっはっは!!」
リーフ  「ははは・・・」

セリス  「やったね!!この調子で三回戦も(ry」
アイク  「勝った!第3(ry」
アルム  「いや、それもう良いから。」

セリス  「良い感じに三回戦まできたね。」
アルム  「アイク兄さん、『勝った第三部完!!』は禁止ね。」
アイク  「むぅ・・・。」
シグルド 「午前中はこの試合で最後だ!気を抜くなよ!!」
エフラム 「次の相手はどこだ?」
エリウッド「今見てきたよ。『シーフファイターズ』だって。」
リーフ  「(ドキッ!!)へ、へー・・・そうなんだ・・・。」
ロイ   「リーフ兄さん、どうしたの?」
リーフ  「な、何でもないよ。」
マルス  「おや、相手チームのお出ましだよ。」

デュー  「やぁやぁ、皆さんこんにちは。良い勝負をしようね。よろしくね、リーフ君。」
エリンシア「あら、知り合い?」
リーフ  「う、うん・・・ちょっと前に道を教えて貰った関係で・・・」
エリンシア「?」
ヘクトル 「・・・なんかうさんくせぇ奴らだな・・・。お、マシューじゃねぇか。
      お前も大会に出てたのか。」
マシュー 「若!?・・・うわー、若のチームにあたるなんてついてねぇ・・・。お手柔らかに。」
シグルド 「オーダー交換してきたぞー。」

FEブラザーズ対シーフファイターズ
1番 レフト    セリス    1番 ショート   コーマ
2番 ショート   ロイ     2番 センター   ジュリアン
3番 センター   エフラム   3番 セカンド   サザ
4番 ライト    アイク    4番 ピッチャー  デュー
5番 サード    ヘクトル   5番 ファースト  パーン
6番 キャッチャー マルス    6番 レフト    マシュー
7番 セカンド   アルム    7番 キャッチャー リフィス
8番 ファースト  エリウッド  8番 サード    チャド
9番 ピッチャー  リーフ    9番 ライト    リカード

ミカヤ  「サザ、あなたも出ていたのね。」
サザ   「ああ・・・本当は俺がミカヤを旅行に連れて行きたかったんだが・・・。」
ミカヤ  「ふふ、ありがとう。その気持ちだけで十分よ。」
サザ   「・・・こっちはこれでも勝つつもりだからな。勝っても負けても恨みっこ無しだ。」
アイク  「俺たちも負ける気はない。友人だからどうこうってのは抜きにしよう。」
サザ   「ああ。俺もその方が後腐れ無くて良い。」

ロイ   「あっ!チャド!!」
チャド  「ロイ!?」
ロイ   「チャドまで出てるとは思わなかったよ。」
チャド  「ああ、デューさんにスカウトされたんだ。
     『君の身のこなしなら僕たちと一緒にやっていけるって。』」
ロイ   「へぇー、あのデューって人なんかすごそうだし、その人にスカウトされるってのもすごいね。」
チャド  「さぁ、どうだかな。まぁ、勝てばいい物貰えるからな。断る理由もないよ。」
ロイ   「お互い全力を出し合おう!」
チャド  「ああ!!」

デュー  「やぁ、リーフ君。」
リーフ  「デューさん・・・。そんなに接触してこないで下さいよ・・・。
      僕がみんなと一緒に仕事してることバレたらやばいんですよ・・・。」
デュー  「だろうねぇ。でもこっちも残念だったよ。本当は君を4番ピッチャーにしようと思っていたのに。」
リーフ  「それこそ家族に怪しまれますって・・・。
      表向きは僕とみんなとは無関係のはずなんだから。」
デュー  「まぁ、決まったことをどうこう言ってもしょうがない。この試合、
      勝たせて貰って、一緒のチームにならなかったことを後悔させてあげよう。にひひ。」
リーフ  「は、はい・・・(デューさん、ひょっとして怒ってる・・・?)」

ハンニバル「では今より、三回戦を始めます!!整列!礼!!!」
全員   「よろしくお願いします!!!」

マルス  「まいったな・・・」
リーフ  「はは・・・やっぱり僕の実力なんてこんなモンですって。」

5回表が終わって0対4で兄弟家ピンチ!!マウンドに集まる内野陣。
アルム  「でも、内野安打→盗塁→スクイズの流れで点取られてるだけだよ?
      まともなヒットは一本も打たれてないんだから。」
デュー  「にっひっひ、パワーは無くとも、サインも塁もモーションも盗むのは大得意ってね♪
      それにみんな目には自信があるんだよ~。」
シグルド 「むぅ・・・厄介な相手だな・・・。サインも盗まれるから細かい戦術が使えん・・・。」
マルス  「リーフ、こういうときピッチャーは(僕のリードは間違ってないけど)
      キャッチャーが悪いってくらいの気持ちで投げなきゃ。」
リーフ  「そういわれましてもねぇ。運の実力のウチって言うし。」
ロイ   「まずいな・・・リーフ兄さんがネガティブになってきてる・・・。」
ヘクトル 「おい、マルス。(小声で)どうすんだ?リーフのヤツかなり投げやりだぞ。
      休ませる意味でもピッチャー交代するか?」
マルス  「交代も良いんだけど、それだと完全にリーフが投げる自信をなくしちゃうよ。
      何か別の理由でマウンドを降りざるを得ないって状況を作れれば良いんだけど・・・。」
ハンニバル「兄弟チーム、プレイに戻りなさい。」
エリウッド「は、はいっ!!・・・リーフ、今までのは運がなかっただけだよ。
      これからは大丈夫だ。さぁ、みんな守ろう!!!」

6回裏、シーフファイターズの攻撃、先頭バッターは2番のジュリアン。マルスのリードもあって早くも追い込む。
ヘクトル 「ピッチャー、球走ってるぞ!!」
マルス  (リーフ、次は真ん中低めの、ストライクからボールになるカーブで。)
リーフ  「はーい・・・よっと!」
ジュリアン(低いが良いコース・・・って、曲がった!?このままじゃ空振る!!何とかファウルで逃げないと・・・)

ギン! チーーーーーン!!!!!!!

リーフ  「え?」
ジュリアン「え?」
内外野陣 「え?」
マルス  「――――――!!!!!!」
ジュリアンは辛くもボールの上っ面に掠めてカットしたがそれがなんとマルスの股間に・・・
しかも、バットにあたる衝撃によりリーフの球速+加速でかなりの速度でクリーンヒット。

ロイ   「うわああああ!!!!!に、兄さーーーん!!!」
ヘクトル 「マルスの魂が抜けてるぞ!!」
エリウッド「しっかりしろーー!!!生きる希望を捨てるじゃない!!!!」
リン   「えっ!?マルス、何があったの!?」
シグルド 「ダメだ!!!リン!お前だけは見るな!!!マルスのためにも!!!」
リン   「う、うん・・・。」
ミカヤ  「どこか痛めたの?何なら私の癒しの手で・・・」
リーフ  「それもっとダメーー!!!!いいから僕にライブ貸して!!!」
エリウッド「リーフ、お前も鼻血止めなさい!!」
ジュリアン「あの・・・マルス様、大丈夫ですか・・・?」
マルス  「(ゴゴゴゴゴゴゴ)・・・ジュリアン・・・レナに最後に伝えておきたい言葉は・・・?」
ジュリアン「ひいいいいいい!!!!!!」

一方外野陣
セリス  「マルス兄さん一体どうしたんだろう?」
エフラム 「マルス・・・イ㌔。」
アイク  (←何も言わずに目頭を押さえている)

リーフ  「一応ライブはかけたけど・・・兄さん、大丈夫?」
マルス  「いたたた・・・しゃがむのはちょっと厳しいかな・・・。」
ロイ   「じゃ、じゃあどうするの?セネリオさんまだ復活してないよ!?」
マルス  「打席には何とか立ってみるよ。守りも外野くらいなら・・・」
リーフ  「そ、そんな!!僕、マルス兄さんがリードしてくれないと無理だよ!!
      一つもアウト取れないかも知れない・・・。」
エリウッド「参ったな・・・確かに僕らじゃマルスみたいに巧みなリードはできない・・・。」
ロイ   「・・・なら、リードが無くても抑えられる人をピッチャーにすれば?」
アルム  「リードが無くても・・・ひょっとして、アイク兄さん?」
シグルド 「うむ、それしかないだろうな・・・マルスもアイクの居たライトなら何とかこなせるだろう?」
マルス  「うん、僕としてはそうして貰いたいかな。」
リーフ  「ちょ、ちょっと待って。それだと僕がキャッチャー・・・?」
エリウッド「そんなわけないだろう。リーフじゃアイク兄さんの剛速球は厳しいだろ。」
ロイ   「そうそう、キャッチャーと言ったら・・・ね!」
ヘクトル 「・・・おい、何でみんなして俺を見てんだよ。」
マルス  「だって、アイク兄さんの球取れそうなの、ヘクトル兄さんくらいじゃん。・・・体格的に。」
ヘクトル 「お、俺じゃなく立ってエフラムだって・・・。」
リーフ  「ピッチャー経験者の僕から言わせて貰うと、キャッチャーはガタイが良い方が投げやすいんだよ。」
シグルド 「頼む、ヘクトル。お前しかいないんだ。チームのためにも、家族のためにも!」
ヘクトル 「くっそ・・・わかったよ!!やりゃいいんだろ!!・・・ぜってー笑うなよ・・・?」
マルス  「ははは、何を笑うことがあるんですか、ヘクトル兄さん。」
シグルド 「審判!ポジション変更だ!!ピッチャーのリーフをサード、サードのヘクトルをキャッチャー、
      キャッチャーのマルスをライトに。そしてライトのアイクをピッチャーに!!」

ヘクトル 「キャッチャーのプロテクターってのは随分と動きにくいんだな・・・。」
マルス  「うはwwヘクトル兄さんwww似合いすぎwww」
ヘクトル 「うるせっ!!」
アイク  「それで、俺はどうすれば良いんだ?」
リーフ  「ヘクトル兄さんのミットめがけて思いっきり投げてくれればいいよ。」
エリウッド「内野連携の指示は僕がしよう。」
ハンニバル「投球練習、8球!!」
アイク  「投げて良いのか。ふっ!!」
シュゴーーーーーー  ズバーン!!!!!
ヘクトル 「っっっっかー!!!手ェ痛ってぇ!!!」
アルム  「ものすごい剛速球。」

一方外野では
マルス  「へぇ、外野ってこんな感じなんだ。」
エフラム 「おう、お前もこっちに来たか。身体は・・・大丈夫か?」
マルス  「まぁ、なんとかね。」
セリス  「一体何があったの?」
マルス  「いろいろとね。それより、この先、外野はほとんど出番無いと思うよ。」
エフラム 「なんだと!?今回ただでさえ出番少ないぞ!!」
セリス  「僕も出番少ない・・・。」
マルス  「だったら、打つ方で頑張らないとね。」
エフラム 「よし!!」
セリス  「がんばるぞー!!!」

サザ   「団長がピッチャーか・・・やばいな。」
コーマ  「あの剛速球、正直打てる気がしねぇんだけど。」
リカード 「兄貴が余計な事するから~。」
ジュリアン「す、すまない・・・」
デュー  「これ以上点は取れないだろうけど、まぁ、こっちは4点リードしてるし。
      リードを守り抜こう。あと、あの球打とうとしちゃダメだよ。ケガしちゃうよ。」
サザ   「ああ・・・。」

ポジション変更、投球練習も終わり、続いてのバッターは3番、サザ。

アイク  「いくぞ、サザ。ハッ!!」
サザ   「確かにアイク団長はすごい人だ。だがだからこそ、
      ここで団長の球を打ち、ミカヤにふさわしい男になってみせる!!」
ヘクトル 「まさか打つ気か!?」
サザ   「今まで取っておいた秘打、『瞬殺打法』!!」
カキーン!!  ・・・・NO DAMAGE!!
サザ   「えっ・・・?ボールまで・・・?」
マルス  「緑風涙目www」
デュー  「だから打とうとしちゃダメだっていったのに・・・。」

その後、アイクはパーフェクトに抑え、兄弟家の攻撃の7回表、バッターはアイク。
アイク  「ふんっ!!」カキーン!!
デュー  「げぇっ!!ボール3つは外したのに!!!」
エリウッド「いや、ギリギリ入らない!!」
フェンス直撃の打球。その間にアイクは3塁へ。
アルム  「よし!ヘクトル兄さん!ここで一発!!」
ヘクトル 「ああ・・・行ってくるぜ。」
デュー  「ヤバいなぁ・・・ここはしっかり投げないと・・・あっ!!!」
ど真ん中に抜けるボール
ヘクトル 「貰った!!・・・・・・痛ッ!?」
キィン!!
マシュー 「オーライ!」
アルム  「アイク兄さん、犠牲フライだ!GO!!GO!!マッスル!!」
エリンシア(ピクッ!!)
アイク  「おう!」
ヘクトル 「・・・へっ、俺としたことが打ち損じちまった。」
ロイ   「でもナイスバッティングだったよ!」
エフラム 「・・・・・・。」

ヘクトルの犠牲フライで一点返す兄弟家。しかし、6番マルス、7番アルムともに倒れる。
7回裏もアイクの剛速球で完全に抑え、8回表。
先頭のエリウッド倒れるも、リーフの根性のデッドボール、セリスのツーベース、ロイの内野安打でノーアウト満塁。
そしてここで、本日ほとんど出番なしのエフラム!!

エフラム 「さぁ、来い!!」
デュー  (この人も怖いバッターだけど・・・低めを引っかけさせてホームゲッツー、4番は敬遠して5番で勝負だ!!)

デューが投じた一球は、内角低めを突く、ストライクゾーンギリギリの完璧な球だった。普通の打者なら彼の予想通り、引っかけてゴロを打っていただろう。
だが、彼はあることを忘れていた。バッターがエフラムであること。そして、

彼のストライクゾーンはかなりの低めであることに。(恋愛的な意味でも)

カッキーーーーーン!!!

デュー  「逆転・・・」
シグルド 「満塁・・・」
マルス  「ホームラン・・・!!」

アルム  「やったあああああ!!!!!」
ヘクトル 「うおおお!!!!やるじゃねぇかエフラム!!」
エフラム 「あのコースは得意なんでな。それに、手を痛めているヤツの前に、ランナーを残すわけにも行くまい。」
ヘクトル 「お前・・・気付いてやがったか。」

その後もアイクが完全に抑え、兄弟家は勝利した。
全員   「ありがとうございました!!!」

マルス  「ヘクトル兄さん、手は大丈夫?」
ヘクトル 「姉貴にライブして貰ったし、もう問題ねぇよ。」
マルス  「本当は僕もキャッチャー続けられなくはなかったんだけどね。どうしても、KOって形でリーフを下ろしたくなかったから。」
ヘクトル 「へっ、勝ったんだから許してやるよ。それより、リーフはもう立ち直ったんだろ?
      ならアイツをもっと生かしてやれるように、しっかりリードしてやれ。さて、昼飯の時間だ。先に行ってるぜ。」
マルス  「そのつもりですよ。・・・まったく、ヘクトル兄さんには敵わないなぁ。」

セリス  「よーし、次は4回戦だー!!」
アイク  「勝った!三回戦、完!!」
ロイ   「もうジョジョネタで締めるの禁止ね。」

兄弟家とは別のグラウンド

マリナス 「3対2で、オールドシルバーズ(チーム名)の勝利です!!」
フィン  「何とかこの試合も勝てましたね。」
ジェイガン「我々もまだまだ捨てた物ではありませんなぁ!!」
マーカス 「いや、ここは若いフィン殿とアラン殿の力が大きいでしょうな。」
アラン  「いえ、マーカス殿達の技術・戦略、共に素晴らしいものです。ゴホッ・・・それが勝因と言っても良いでしょう。」
マイセン 「嬉しいことを言ってくれる。このまま、行けるところまで行きましょう。」
ノーマ  「次の相手は・・・兄弟家の方々ですな。私もですが、皆さん兄弟家とはなかなか深い関わりなのでしょう?私も今から次の試合が楽しみです。」
バイロン 「ほう、彼らの。・・・しかし、なかなか疲れましたな。ここで休憩があって本当に良かった。」
アトス  「ところで、昼食は皆さん用意しておられるのかな?私の家族が弁当を沢山持ってきていましてな。
      手前味噌ですがなかなか料理が上手いのです。皆さん、ご一緒しませんか?」
デュッセル「おお!それはありがたい!!丁度忘れてしまって、どうしようかと思っていたのです。」
フィン  「それでは、皆さん、参りましょうか。」

FETVスタジオ
ドロシー 「ということで、次の四回戦出場チームはジェイガン選手率いる『オールドシルバーズ』に決定した模様です。
      そろそろお昼も近づいて参りました。この辺りで午前の部は・・・」
イリオス 『セーラから通信来たから繋げるぞ。』
セーラ  「メーデーメーデー!!緊急事態であります!!!」
ドロシー 「ちょっ!!セーラさん!?一体何があったんですか?」
セーラ  「それが聞いてよ!!私、いろいろ球場廻って試合のレポートしてたんだけど、
      優勝候補と言われていたパーシバル選手率いる『イケメン×パラダイス』が負けちゃったのよ!!」
ドロシー 「パーシバルさんのチームが!?・・・って、チーム名につっこんだら負けなんでしょうか・・・?」
セーラ  「まぁ、本当にかっこいい人達で構成されてるから良いんじゃない?」
ドロシー 「あはは・・・それで、試合の方はどういった展開だったのでしょうか?」
セーラ  「それが、どうせ勝つだろうと思って最後にそこの取材に行ったのよ。そしたらその時には試合は終わってた。」
ドロシー 「なるほど、スコアとチーム名の方はどうでしたか?」
セーラ  「ああ、それならきっちりメモってあるわ。スコアは7-3で、相手チーム名は『たすけて☆ツインズ』ってところ。」
ドロシー 「分かりました、昼休み中に詳しいことを調べておきます!!」
セーラ  「あと、チームの関係者からインタビュー貰ったわ。」
ドロシー 「そうなんですか!?(今日のセーラさん、なんかすごい優秀・・・)」
セーラ  「イケメン×パラダイスのクレイン選手の妹、クラリーネさんと、レイヴァン選手の妹、プリシラさんにインタビューしてみたわ。」
クラリーネ「兄様達が負けるなんて絶対にあり得ませんわ!!!きっと相手に調子を崩されたんです!!そうに決まってますわ!!!」
プリシラ 「お兄様が負けるなんて・・・これは何かの冗談です。・・・絶対に許しません・・・。
      この大会で優勝したらお兄様と一緒になるって(脳内で)約束していたのに・・・。」
セーラ  「こんな感じ。・・・正直いってブラコン怖っ!!」
ドロシー 「こっ、公共の電波で中傷はやめて下さい。えっと、引き続きリポートの方よろしくお願いします!!」
セーラ  「はーい。」
ドロシー 「というわけで、最後の四回戦出場チームは謎だらけの『たすけて☆ツインズ』となりました。野球大会これからも目の離せない展開になってきました。
      それでは皆さん、午後の部でまたお会いいたしましょう。」

シグルド 「アルヴィスも勝ち進んでいるようだな・・・。」
ヘクトル 「まぁ兄貴、先のこと考えるより休めるところで休んでおこうぜ。」
エフラム 「腹が減っては戦はできぬからな。」
アイク  「投げるというのはなかなか体力を使うな・・・もう一試合あったら腹が持たなかったかもしれん。」
エリンシア「じゃあ、そろそろお昼にしましょうか。沢山持ってきたから、しっかり食べなさい。」
全員   「いっただっきまーす!!!」
セリス  「みんなでお弁当っていうのも楽しいね。」
ロイ   「そうだね。」
リーフ  「しかし、アイク兄さん達は相変わらずだな・・・」
マルス  「あれだけ食べてもその直後に全力疾走してケロッとしてるから、大した物だよ、本当。」
エリウッド「そういえば、次の相手は『オールドシルバーズ』みたいだね。ほら、マーカスさん達が居る・・・。」
ヘクトル 「ああ、アトスじいさん達のチームか・・・。まったく、無茶しやがって・・・。」
リン   「まぁいいじゃない。まだまだ元気って事でしょ?」
エイリーク「デュッセルさんにお会いするのはもう2年ぶりくらいでしょうか・・・楽しみですね、兄上。」
エフラム 「ああ、俺の成長した姿を見せたいな。」
セリカ  「ノーマ様・・・あまり無茶してないと良いのだけれど・・・。」
エリウッド「もう少ししたら会えるんだ。今はゆっくり休憩しよう。」

アイク  「ふぅ、よく食った。相変わらず、姉貴のメシは最高だな。」
エリンシア「ありがとう、アイク。午後も頑張ってね。」
アルム  「そうだよ。僕は兄さん達と違ってたいして活躍できないから、僕の分もね。」
セリカ  「そんなことないわよ、アルム。あなただって頑張ってるわよ。」
シグルド 「そうだぞ。私たちは家族の絆でここまで勝ってきてるんだ。誰一人欠けてはならない。それに、何というか・・・
      この大会、チーム全員に活躍の場が用意されているような気がしてならない。」
エリウッド「・・・そうなの?」
アルム  「じゃあ、午後も頑張ってみようかな。」
セリカ  「その意気よ、アルム。」
ミカヤ  「みんな、そろそろ時間よー。」
シグルド 「よし!!みんないくぞ!!!」

そして、球場に入る兄弟家
マルス  「相変わらず審判はハンニバルさんか。」
ヘクトル 「ん?相手チームがいねぇぞ。遅刻でもしてんのか?」
ハンニバル「そのことなんじゃが・・・。」
フィン  「それに関しては、私の方から。」
リーフ・セリス「あっ、フィン!!」
エイリーク「お知り合いですか?」
ミカヤ  「リーフとセリスが小さい時によく遊んでくれてた近所のお兄さんよ。特にリーフはフィン君によく懐いていたわ。」
エリウッド「あなたしかこの球場に来てませんが・・・一体どうしたのですか?」
フィン  「それなんですが・・・私を除いて皆さん、試合に出られる状況ではなくなってしまいまして・・・。」
ロイ   「ええっ!?えっと、大丈夫なんですか!?」
フィン  「はい。今日はもう試合は無理ですが、数日休めば問題はございません。」
シグルド 「どんな状況なのか、具体的に聞いても良いかな?」
フィン  「はい、マーカス殿はぎっくり腰になり、ジェイガン殿は移動中に足をくじいてしまいました。
      アラン殿は治りきっていなかった風邪がぶり返し、マイセン殿は四十肩が悪化してしまいました。
      デュッセル殿はマーカス殿用のSドリンク(酒入り)を飲んで倒れられ、
      バイロン殿はキャッチボールの球を取り損ね眉間にクリーンヒット。
      アトス殿はご家族の持ってきたお弁当を食べ過ぎて動けなくなり、
      ノーマ殿はこの状況を見て卒倒なさってしまいました・・・。」
マルス  「それで、今動けるのはフィンさんだけと。」
フィン  「はい、そういうことになります。」
エリンシア「そ、それはなんとまぁ・・・。」
セネリオ 「ひどい有り様です。」
ロイ   「あ、復活してる。」
セネリオ 「皆さん、ご迷惑をおかけしました。少し心が折れそうになりましたが、何とかこちらに戻ってくることができました。これから先は僕も頑張っていきますので。」
マルス  (なんだろう・・・この後、ほとんど出番がないような気がする・・・。)
アイク  「だが、お前の出番はほとんど無いような気がするらしいぞ。」
セネリオ 「ええっ!?」
マルス  「ちょwwアイク兄さんwww人の心読むなwww」
アイク  「いや、マルスの背中に書いてあったから。」
リーフ  「それなんてラッキ○マン?」
エリウッド「ちょっと、フィンさん置いてけぼりになってるよ、話を戻そう。それで・・・何でしたっけ?」
フィン  「はい。先程申しました通り、我々のチームで動けるのは私だけですので、四回戦以降は棄権させていただきたいのですが。」
ハンニバル「なるほど、そういうことなら仕方ないですな。兄弟チーム、よろしいですかな?」
シグルド 「出られない以上は仕方ないでしょう。申し入れを受け入れます。」
エイリーク「兄上、試合も中止になったことですし、デュッセル様のお見舞いに行きませんか?」
エフラム 「俺もそう思っていたところだ。デュッセル殿は今どちらに?」
フィン  「大会本部近くの医療班で皆様別々の個室でお休みになっておられます。」
エイリーク「そうですか、ありがとうございます。行きましょう、兄上。」
エフラム 「ああ。次の試合までには帰ってくる。」
ヘクトル 「やれやれ、アトスのじーさんも困ったモンだぜ。」
リン   「そんなこと言わないの。私たちもお見舞いに行きましょう?」
ヘクトル 「ったく、しょうがねぇな。」
リン   「本当は心配なくせに・・・。」
アルム  「マイセンのじっちゃん、大丈夫かな・・・。」
セリカ  「私もノーマ様が心配だわ。一緒に行きましょう。」
シグルド 「バイロン部長が心配だ。私もちょっと行ってくる。」
セリス  「あ、僕も行く!!あのおじさん優しいもん!」
シグルド 「よし、行くぞセリス!!」
マルス  「さて・・・僕もちょっくらジェイガンとアランのお見舞いに行ってこようかね・・・。
      あとはよろしく。まったく、2人とも無理して・・・。」
エリウッド「さて、僕らもマーカスのお見舞いに行こうか。」
ロイ   「うん!僕たちにはまだマーカスが必要だ!!」

アイク  「みんな行ってしまったな・・・。」
エリンシア「ところで、セネリオはどうするの?」
ミカヤ  「さっきのアイクの一言でまたショックを受けちゃったみたいね・・・。」
アイク  「・・・言い過ぎたか・・・?参ったな、この時間を利用して他のチームにすごいヤツがいないか見てきたかったのだが・・・。」
エリンシア「いってらっしゃいな。」
アイク  「しかし・・・」
ミカヤ  「大丈夫。こっちは私たちに任せて。」
アイク  「そうか、すまない。俺も行ってくる。」
エリンシア「じゃあ、行きましょうか。」

リーフ  「・・・フィン。」
フィン  「はい。」
リーフ  「この後フィンは、どうするの?」
フィン  「チームも敗退しましたから、まずは皆様の所に棄権の旨、お伝えしようかと。」
リーフ  「ちょっとだけ・・・時間良いかな?」
フィン  「何でしょうか?」
リーフ  「・・・久しぶりにキャッチボール・・・しない?」
フィン  「・・・いいですとも・・・!」
リーフ  「じゃあ・・・行くよ!!」
フィン  「はい!」

誰もいなくなったグラウンドで鳴り響く乾いたグローブ音。
そこでは2人の青年が子供の頃に戻ったかのように、キャッチボールを楽しんでいた。
フィン  「良い球ですよ。キャッチャーやりましょうか?」
リーフ  「うん!いっくよー!!」

ナンナ  「・・・試合が中止になったから、リーフ様と他の試合を見に行こうかと思いましたが・・・。」
ミランダ 「あんなに生き生きとしたリーフの顔を見ちゃうと、ねぇ。」
サラ   「元気なリーフも、いいかも・・・」
ティニー 「お二人の時間を邪魔をしてしまうのは可哀想ですね。」

いつまでも続くかのような2人だけのキャッチボール。
そこにはそれを見守り続ける4人の少女がいた・・・。

サラ   「あ。」
ナンナ  「サラ、どうしたのですか?」
サラ   「兄弟家の人達忘れてたみたい・・・。」
ミランダ 「そういえば・・・そうだったわね。」
ティニー 「では、私たちが代わりに。」

四人娘  「次回に続きます!!」

シグルド 「優勝まであとひと息だ、パワーを試合に!!」
兄弟全員 「いいですとも!!」
セリカ  「えっ!?何今のかけ声!?思わず私も言っちゃったけど・・・。」
マルス  「まぁ、それは置いておいて。」
ロイ   「置いておくんだ・・・。」
ヘクトル 「んで?次の相手は?」
エリウッド「ああ、僕の役目か。名前が何か怪しいんだ・・・。」
リーフ  「今までのも怪しかった気がするけど・・・なんてトコ?」
エリウッド「生足マジシャンズ・・・だって。」
エフラム 「こ れ は 怪 し い 。」
セリス  「相手チーム、もう来てるみたいだよ。」
マリク  「どうも、準々決勝の相手ですね・・・って、マルス様!?」
マルス  「あれ?マリクじゃないか。まさか君まで出ていたなんて。」
マリク  「えっと・・・今日はよろしくお願いします。」
マルス  「ああ、正々堂々行こう。僕にファウルチップをぶつけるようなことがなければ
      けっしてエリス先生との仲をぶちこわしたりなんてしないよ。」
マリク  「は、はい・・・(ファウル打つ時は気を付けるようにみんなに言っておこう・・・)」

エリウッド「おや、ニルスじゃないか。君も出ていたんだね。」
ニルス  「あ、エリウッド様にヘクトル様!!」
ヘクトル 「ニルス、お前まで出てるとは・・・ケガすんじゃねぇぞ?」
ニルス  「あはは、大丈夫だよ。僕の実力見たらびっくりするよ!」
エリウッド「それは楽しみだな。良い試合をしよう。」

シグルド 「・・・そこにいるのは・・・アゼルか?」
アゼル  「お久しぶりです、シグルドさん。兄がいつもお世話になってます。」
シグルド 「あ、ああ。しかし、意外だな。私はてっきり・・・。」
アゼル  「兄のチームにいると思いました?・・・僕は、兄が怖いのです。一緒に試合に出て優勝しようものなら、
      一緒に旅行しなければならないじゃないですか・・・。それが僕には、耐えられない・・・。」
シグルド 「・・・苦労してるんだな・・・。ま、まぁ、良い勝負になりそうだな。今日はよろしく。」
アゼル  「はい。よろしくお願いします。」

準々決勝 FEブラザーズ対生足マジシャンズ

1番 レフト    セリス    1番 ライト    アスベル
2番 ショート   ロイ     2番 セカンド   ニルス
3番 センター   エフラム   3番 ピッチャー  アゼル
4番 ライト    アイク    4番 キャッチャー マリク
5番 サード    ヘクトル   5番 ファースト  ルゥ
6番 キャッチャー マルス    6番 サード    ユアン
7番 セカンド   アルム    7番 レフト    トパック
8番 ファースト  エリウッド  8番 センター   ヨファ
9番 ピッチャー  リーフ    9番 ショート   ボーイ

ミカヤ  「みんな可愛い子ばかり・・・ハァハァ。」
エリンシア「そうですわね・・・女装させてみたらきっと素敵なことにハァハァ・・・。」
リン   「姉さん達自重して。」
エイリーク「見事なまでに皆さん半ズボンなどで足を出していますね・・・スライディングなどをしても大丈夫でしょうか・・・。」
セリカ  「そこは杖とかで治療すれば何とかなるんじゃないかしら?
      ほら、あそこにいるおじいさん、監督さんかな?回復の杖使えそうだし。」

ハンニバル「それでは両チームとも整列!礼!!」
全員   「よろしくお願いします!!」
チキ   「ニルスのお兄ちゃん頑張れー!!マルス兄ちゃんも頑張れー!!」
ファ   「ニルスのお兄ちゃん頑張れー!、ロイのお兄ちゃんも(ry」
ミルラ  「ニルスのお兄ちゃん、頑張って下さい。エフラムも(ry」
ニニアン 「うふふ、みんなはしゃいじゃってますね。でも、エリウッド様かニルスか、
      どちらかがここまで・・・すこし、複雑ですわね・・・」
ユリア  「ところでユリウスお兄様、ニルス達のチームは皆線が細いようで・・・
      それでも何故あんなに身体能力が高いのでしょうか?」
ユリウス 「おおかた魔法とかで身体能力を上げてるんだろうな。」
ユリア  「そ、それはルール的に問題は・・・」
ユリウス 「別に無いらしいぞ。魔法とかで能力を上げようがニルスはニルスだ。
      名前が同じで入れ替わりとかしなければ別に問題はないぞ。」
ユリア  「そうなのですか・・・今更ルール解説というのもどうなんでしょう。
      あ、それとお兄様。試合のプレーの解説とかいちいちなさらなくても結構ですから。」
ユリウス 「はいはい。(セリスが動く度に「兄様、今のプレーには一体どういう意図が」
      とか聞いてくるくせに、よく言うよ・・・ま、可愛い妹だから別に良いけどな。)」

3回まで終了し、互いにヒットを数本打つも決定打に欠け、0対0。
四回表ワンアウトランナーなしでマジシャンズ、バッターは4番のマリク。
マリク  「お願いします。・・・って、あっという間に追い込まれた・・・。」
マルス  「(リーフ、真ん中低めにカーブと同じ球速のストレートで決めよう。)」
リーフ  「おっ・・・けー!」
マリク  「(これはスピード的にボールになるカーブ・・・あれ?曲がらない・・・カットしないと・・・)」

キン!スコーーーーーン!!!

リーフ  「あっらー・・・。」
エリウッド「マスクがあるからダメージはほとんど無いだろうけど・・・」
ヘクトル 「マルスの顔面にクリーンヒットか、プライド傷ついたぞ、アレ。」
マリク  「マ、マルス様、すみません・・・。」
マルス  「ん?いいよ、別に。わざとやったんじゃないだろうし。(ニッコリ)心の中「チッこのやろうあとでしかえししてやる」
マリク  「は、はぁ・・・」
その後マリクはセカンドゴロに打ち取られ、5番のルゥもレフトフライに終わる。

4回裏兄弟家の攻撃、アイクがフォアボールで出塁するも、ヘクトルの痛烈な打球をセカンドニルスが好捕し、ゲッツーに。
ヘクトル 「へっ、ニルスのヤツ、なかなかやるじゃねぇか。」
マルス  「ヘクトル兄さんらしいけど、そういってる場合でもないんですけどね。さて、僕の番ですか。」
打席に入るマルス。ツーボールの後、ファールで2球粘って5球目・・・
マリク  「(じゃあ、ここで内角低めにまっすぐだ。)」
アゼル  「うん、良いよ。それっ!!」
マルス  「・・・・・・」

キン!スコーーーーーン!!!!

マリクの顔面に当たるファールチップ。
マルス  「あっ、ごっめ-ん☆当たっちゃった?・・・怒ってる?」心の中「ヘっへっへざまみやがれえ」
マリク  「いえ、わざとじゃないと思ってますけど・・・なんでもありません。」
ロイ   「仕返しだ。絶対仕返しだ。」
その後マルスはあっさり三振。その後もアゼルはそこまでして兄と一緒に旅行に行きたくないのか、
全力で兄弟家を抑えにかかり、何度か得点圏にランナーを背負うものの、
気合いで無失点に抑える。一方の兄弟家もいつものようにマルスのリードが冴え渡り、同じく無失点。
そして6回の表、先頭バッターは2番のニルス。
マルス  「(ニルスは左バッター・・・まぁ、そこまで力もないだろうし、内角で押してゴロを打たせよう。)」
リーフ  「了・・・解っと。」
ニルス  「僕だって頑張れる・・・ヘクトル様に、リン様に、エリウッド様に、そして姉さんに、認めてもらうん・・・だ!!」
キィン!!!

ニルスの振り抜いた打球はジャンプするエリウッドの頭を越え、ライト線を破るツーベース!!
ニルス  「やった!!」
エリウッド「今のは見事だなぁ。ジャンプしたけど取れなかった。」
リン   「ニルス・・・少し見ない間に随分かっこよくなったのね・・・。」

その後3番のアゼル、アウトになるもランナーを進め、ワンアウト3塁でバッターは4番のマリク。
マリク  「ニルス君が頑張ったんだ・・・何とかして、ホームに帰してあげたい・・・。って、またあっという間に追い込まれてる・・・。」
アスベル 「マリクさん頑張れー!!」
ルゥ   「ここでタイムリーだー!!」
マリク  「(そうだ、僕には応援してくれる仲間がいる!!ここで点も取れずに終わるわけにはいかない!!)」

※このバッテリー間の会話は全てブロックサインで行われております。
マルス  「(マリク、随分と集中してるな・・・ここは下手にボール球を投げてもカウントを悪くするだけだ。)」
リーフ  「(じゃあ、どうするの?」」
マルス  「(リーフ、ここは思いっきり投げるんだ。)」
リーフ  「(ええっ!?今まで8割くらいの力で投げてきたから何とか上手くコントロールできたけど、
      思いっきり投げたらどうなるか分からないよ!?)」
マルス  「(大丈夫だって。8割で投げてこれだけのコントロールなんだ。全力でもそこまでひどくならないよ。)」
リーフ  「(そうかなぁ・・・わかった。思いっきり投げてみる。コースは?)」
マルス  「(ど真ん中。)」
リーフ  「(ちょwwそれはさすがに無謀かとww)」
マルス  「(何とかなるさ。ていうか、僕のリードに首ふるの?)」
リーフ  「(謹んで投げさせていただきます。)」

エフラム 「・・・なぁ、リーフとマルス、何やってるんだ?」
セリス  「えっと、ブロックサインでの会話だって。毎晩夜遅くまでやってたからなぁ。」
アイク  「・・・そんな事するなら、練習するか、休んだ方が良いんじゃないか・・・?」

マルスのリード通り、リーフは大きく振りかぶって全力でど真ん中に投げる。
マリク  「(ど真ん中!!いや、違う!少しだけ高い!!)」
マルス  「(よし!ど真ん中と見せかけてど真ん中じゃない球だ!!これで行ける・・・!!)」
マリク  「(球が・・・伸びてくる・・・!!何とかカットしないと・・・)」

ギィン ビシッ!!!

リーフ  「うわ・・・まただよ。」
マルス  「・・・。」
アルム  「しかも、今度はマスクがずれるくらいだし。・・・痛くはないだろうけど。」
マリク  「す、すいません・・・。」
マルス  「わざとじゃないんだろ?・・・なら良いよ。(にっこり)」「心の中チッまたやりやがって」

そして4球目
ギィン!!
マリク  「くっ!ボテボテだ!!」
三・遊間に転がる打球。
ロイ   「ダメだ、ホームは無理だ!!」
ファーストに送るロイ。そしてホームに帰るニルス
ニルス  「一・・・点目!!」
ユアン  「ナイスラン!ニルス!!」
その後後続を抑えるも、マジシャンズ、一点先制。
その裏、FEブラザーズの攻撃は6番のマルスから。
マリク  「(う・・・さっきまたファウル当てちゃったからな・・・また仕返しするんだろうか・・・)」
マルス  「さーて、ドカンと一発。」
マリク  「(こういう時こそ上手くヒットを打ってくるもんだ・・・外角低めにフォークで。)」
サイン通りに投げるアゼル。マルスは踏み込み、低めのフォークを無理にスイングし・・・

ギン!!!ビシィィ!!!

マリク  「・・・・・・。」
アゼル  「・・・・・・。」
兄弟全員 「・・・・・・。」
マルス  「あれっ?また顔面に当たっちゃった?ゴメンゴメンわざとなんだぁ」
マリク  「マルス様・・・怖いです。ていうか、ワザとじゃないですか!!」
その後マリクはマルスをフォアボールで歩かせるも、後続を抑えてチェンジ。

8回の表、ツーアウト、マリクの4打席目
マリク  「(さすがに、三打席連続でファウルを当てるなんて事は・・・って、
      そうこう考えてるうちにまた追い込まれてしまった・・・イヤな予感が・・・)」
マルス  「(よし、ここで今まで温存してきた魔球、『葉っぱナックル』だ!!)」
リーフ  「(もうアレ使っちゃうの?)」
マルス  「(一球くらい投げておかないとね。ピンチでいきなり使うのも怖いし。)」
リーフ  「うん、分かった。よっ!!」
リーフの右腕から放たれるゆったりとした、それでいて舞い落ちる木の葉のように大きく揺れるボール。
マリク  「(ただ遅いだけかと思ったら、なんて変化だ!でも球に力が無い分当たれば飛ぶ!!一か八か、フルスイングだ!!)」

ギン! スポーン!!!
マルス  「・・・・・・君って人は・・・。」
強く振り抜かれたマリクの打球。ボールの下を叩いたため、強烈なバックスピンが掛かり、マルスの顔面へ。
今までと違うのは、その打球が見事にキャッチャーマスクに挟まっていることである。
マルス  「ひょっとして君は、わざとやっていたのかい?(にしこり)」心の中 「もう許さんぞおお」
マリク  「こ、怖いですよマルス様・・・せめて笑って下さい・・・。」
ロイ   「少なくともマルス兄さんに言う権利はないと思うよ。」
その後もお互いに無失点で、とうとう9回の裏に。

2番ロイ、3番エフラムがヨファ、トパックのファインプレーで打ち取られ、あっという間にツーアウト。
しかし、これまで全力で抑えてきたアゼルに疲れが見え始めてきたのか、4番アイク、5番ヘクトルに連続フォアボール。
そしてここでマルスの4打席目!!

ロイ   「ここまで来たら、マルス兄さんを信じるしかないね・・・。」
シグルド 「・・・きっとマルスは何とかしてくれると思うぞ。」
エフラム 「どうしてそこまで自信ありげに言えるんだ?」
シグルド 「さっき打席に向かう時の目を見たから・・・というのもあるが、もともとマルスは一度にいろんな事をできる器用な子だ。
      その子がキャッチャーの仕事も忘れて打つことだけに集中したら・・・面白いことになりそうじゃないか?」
エリウッド「なるほど・・・頼むぞ、マルス・・・」

一方、マウンドに集まるマジシャンズ内野陣
マリク  「大丈夫ですか?相当疲れているみたいですけど・・・。」
アゼル  「はぁ・・・はぁ・・・大丈夫、だよ。それにこのチームには僕しか投げれる人がいないんだ。後一人、しっかり抑えよう!」
マリク  「・・・分かりました。みんな、しっかり守ってくれ!!」

打席に入るマルス。アゼルは最後の力を振り絞り、内角低めに投げるが・・・

カキーーーン!!!

アゼル  「!!」
マリク  「切れてくれ!!!」
強く振り抜いた打球はレフトポール際へ・・・
ハンニバル「ファール!ファール!!」
リーフ  「惜しい!!!」
シグルド 「アゼルも相当疲れてるからな。その分球が来なかったんだろう。だが、次は決めてくれるはずだ。」

マリク  「(どうする・・・どうする・・・!!)」
???  「タイム!!ピッチャー交代!!!」
アゼル  「!? 待って下さい、僕はまだ・・・」
???  「もう限界だろう。ここは私に任せなさい。打者一人くらい、何とかなるだろう。」
マルス  「ここに来てピッチャー交代!?これは想定外だ・・・。」

ミカヤ  「また新しい生足の子が来るのかしら?」
リン   「まぁ、生足マジシャンズって言うくらいだし・・・。」
颯爽と現れる生足。
オーツ  「ワシが投げよう!!!」
兄弟全員 「・・・って、おじいちゃんじゃん!!!しかも相当高齢の!!」
マリク  「ちょ、無理ですよオーツさん!!」
オーツ  「ふぉふぉふぉ、ワシも昔は野球少年でならしたもんじゃ。それに、もう交代してしまったぞい。」
マリク  「仕方ない・・・無理はしないで下さいね・・・」

マルス  「一体どんな球を投げるんだ・・・?」
オーツ  「ほりゃああああああ!!!!!!」
ズバーン!!!
アイク  「・・・かなり、やる。」
マルス  「まずいな・・・これはどうしたものか・・・」
ハンニバル「プレイッ!!」

オーツ  「ほりゃあああああああ!!!!!!」
マルス  「くっ・・・!」
何とかカットするも、追い込まれてツーストライク。
マルス  「僕で終わるわけには・・・」
オーツ  「ここまでじゃな。ほりゃあああああ!!!!!」
マルス  「来る!!」

オーツ  「・・・うっ!!・・・あああああぁぁぁぁぁ~・・・」
力を使い果たしたのか、急に力を抜くオーツ。力が抜けたままボールを投げ・・・
ヘクトル 「うわ、おっそ!!!」
エリウッド「これは・・・本当にハエが止まるくらいのスピード・・・。」
セリス  「あのおじいさん、マウンドで倒れちゃってる。背中から何か出てるみたいだけど・・・大丈夫かな?」
アルム  「それって魂じゃないの!?」

マルス  「えっと・・・マリク?これ打って・・・良いんだよね?」
マリク  「構いません、もう打っちゃって下さい(涙)」
マルス  「・・・じゃ、遠慮無く。」

カキーーーン!!

こうしてマルスの逆転3ランホームランで兄弟家はサヨナラ勝ちを収めた。

ハンニバル「礼!!」
全員(オーツ除く)「ありがとうございました!!!」

兄弟家、準決勝進出。               

 

後半 5-467(後半)