兄弟家の庭に、馬の悲鳴が木霊する。
リーフ 「うわぁ、僕のフィン二号(馬の名前)が潰されちゃったーっ!」
マルス 「この人でなしーっ!」
アイク 「むう……やはりダメか」
ロイ 「筋肉って重いんだね……これじゃ馬が持たないよ」
ヘクトル 「やっぱ竜とかの方がいいんじゃねーの?」
アイク 「ダメだ。竜を見ると、つい食いたくなってしまうからな……」
ロイ (そういう理由で、『馬に乗れないか試してみたい』なんていってたのか……)
アイク 「だが、やはり今の俺では無理らしいな。仕方がない、騎馬兵として戦う道は諦めて……」
待 っ た ! !
アイク 「!?」
ロイ 「あ、あなたは……」
レテ 「……」
アイク 「……レテ。まさか、お前……」
レテ 「そうだ……わたしに乗れ、アイク!」
#br
ブバァァァァァァァァァァァッ!
ロイ 「……兄さん」
マルス 「……君って奴は……」
リーフ 「……OK、皆の言いたいことはよく分かる。だからその虫けらを見るような目は止めてくれないかな?」
レテ 「お、お前ほどの男とわたしの機動力が合わされば、かなりの戦力になるはずだ。試してみる価値は……」
アイク 「……折角だが、遠慮しておく」
レテ 「な、何故だ?」
アイク 「俺も、ラグズを半獣呼ばわりしていた頃よりは、幾分か賢くなったつもりだ……
いくらお前がいい奴でも、さすがに騎馬的な意味でその背に人を乗せるのは屈辱なはずだろう」
レテ 「グッ……!」
アイク 「だからこそ、俺はあえてその申し出を断る! お前の誇りを守るためにな!」
レテ 「……!」
ロイ (……ああいう言い方されたら、無理に『乗れ』とは言えなくなっちゃうよね……)
マルス (さすがアイク兄さん、素晴らしく自然なフラグの折り方だ……)