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Last-modified: 2007-11-10 (土) 23:08:03

お姉ちゃんですから

 
 

リーフ  「でも多分、ミカヤ姉さん的には、恋愛対象はサザさん一択なんじゃない?」
マルス  「ほほう。何故そう思うんだい?」
リーフ  「だって、ペ様は情けないし、漆黒さんはアレだから、恋愛対象としては論外だし」
マルス  「漆黒さんについては同意するよ。アレだしね」
漆黒の騎士「……」
マルス  「でも、ペレアスさんが情けないで切り捨てられるのには納得いかないねえ。
      確かに威厳ないしカリスマ性皆無だけど芯は強いよ、あの人は」
リーフ  「そんなんサザさんだって同じじゃない。緑風(笑)とか瞬殺(笑)とかあれだけ小馬鹿にされつつも
      ミカヤ姉さんを守るって傍にいるのはなかなか根性がいることだと思うね、僕は。
      何よりも自分の実力を弁えて、無謀なことはしないしね。蛮勇を誇るのは愚か者のすることだよ」
ペレアス (……なんだろう。一応褒められてるはずなのに……)
サザ   (……いつも以上に馬鹿にされてる気がするぞ……)
マルス  「よし、ここはミカヤ姉さんに直接確かめてみよう!」
リーフ  「そうだね、是非ともそうしよう!」
サザ   「お、おい!」
ペレアス 「そ、それは困るよ……!」
漆黒の騎士「……と言いつつ、リビングの扉にぴったりと耳を押し付けているのは何故だ?」
サザ   「あんただって同じことしてるじゃないか」
ペレアス 「しっ! 話が始まったみたいだよ……!」

 

ミカヤ  「え、結婚?」
マルス  「そうそう。まだかなーって」
リーフ  「ほら、ミカヤ姉さんも(ダキュンダキュン!)歳だし、そろそろ適齢期なんじゃないかなーって」
ミカヤ  「ふふ、リーフったら……適齢期なんてもうとっくに過ぎてるわよ、わたしは」
リーフ  (うーん、相変わらず年の話題では全く怒らないね、ミカヤ姉さん)
マルス  (何事も自然に、穏やかに流れるのが一番、って人だからねえ)
ミカヤ  「でも、本当にどうしたの、急に」
マルス  「いや、別に理由なんてないんですけどね」
リーフ  「そうそう。なんとなくだよ、なんとなく」
ミカヤ  「ふーん……まあいいわ。結婚、か……」

 

三人   (ドキドキ)

 

ミカヤ  「正直言って、あんまり考えたことないわ」
マルス  「えっ、そうなんですか」
リーフ  「意外だなあ。相手ならたくさんいそうなのにねえ」
ミカヤ  「え、どこに?」

 

三人   (俺達スルーッスかーっ!?)

 

ミカヤ  「まあ、相手のことは置いておくとしても……
      兄弟皆がちゃんと立派な大人になってくれるまでは、自分のことはちょっと、ね」
マルス  「……まだそんなに頼りないですか、僕ら?」
ミカヤ  「ええ。まあ、おしめつけてた頃に比べると少しは大きくなったけど、
      やっぱりまだまだ危なっかしいもの」
リーフ  「……」
ミカヤ  「……ああ、ごめんね。別に、皆のために自分の幸せを犠牲にしてるとか、そういうのじゃないのよ?
      ただやっぱり、ちゃんと皆が幸せになってくれるか見届けないと、どうしても不安なの……」
リーフ  「皆が幸せ、って……具体的には、どういうのが理想なの?」
ミカヤ  「そうねえ……わたしの結婚式に、兄弟皆が夫婦で参列してくれることかしら。子供連れならなおさらいいわ」
リーフ  「すっごい先の話だねそれ!」
ミカヤ  「ええそうよ。すっごい先まで、皆のことを見守っていくつもりだもの」
リーフ  「うーん……ホント、気の長い話だね……」
ミカヤ  「……そんな訳だから、これから先もよろしくね。ときどき鬱陶しく感じるかもしれないけど」
リーフ  「や、別にそんなことは……」
マルス  「……」
リーフ  「あれ? マルス兄さん? ……出て行っちゃった。なんか不満げな顔してたなあ」
ミカヤ  「ふふ……マルスも男の子だものね……」

マルス  (……これでももう十分大人になったつもりなんですけどね、僕としては……
      姉さんから見ればまだまだ子供か……なんだか面白くないなあ……)
サザ   「……」
漆黒の騎士「……」
ペレアス 「……」
マルス  「……で、何で並んで玄関先に正座してるんですか、あなた方は」
サザ   「いや……」
ペレアス 「なんか……」
漆黒の騎士「……自分の存在が小さく思えてきたので、身の程を弁えているところだ……」
マルス  「……さいですか」