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Last-modified: 2007-12-16 (日) 00:27:32

宗教的妹

リン   「はあ……」
セリカ  「あらどうしたのリン姉さん」
リン   「ああ、セリカ。いえね、ヘクトルとエフラム兄さん、もうちょっとどうにかならないかなあって」
セリカ  「どうにかって……何か問題でもあるの?」
リン   「いや……そんなの見れば分かるでしょ?」
セリカ  「ああ……わたし、普段はアルムしか見てないから……やだもうリン姉さんったら、何言わせるのよもう!」
リン   「……正直物凄く反応に困るんだけど……
      ともかくね、あの二人が、もうちょっとでいいから常識と言うか良心と言うか、そういうのを身につけてくれないかなあって」
セリカ  「そういうこと……そうね、だったら、わたしにいい案があるわ」
リン   「え? 本当?」
セリカ  「ええ。ほら、わたし、ミラ教会の神官だから……」
リン   「説法でもする気? それともボランティアに参加させるとか? あの二人がその程度で改心するなんて……」
セリカ  「まあ任せておいて。こういうことは初めてじゃないから」
リン   「そう? ……無理だとは思うけど……じゃあ、お願いするわね」
セリカ  「うん」

 ~一週間後~

リーフ  「あー……ねむー……おはよー……」
ヘクトル 「やあ、おはようリーフ!」
エフラム 「とても爽やかな朝だね!」
リーフ  「ブーッ! な、なんですかこの明らかに無理のある生き物は!?」
ヘクトル 「あははは、何を言うんだい? リーフの冗談は面白いなあエフラム!」
エフラム 「本当だねヘクトル! さあ台所に行ってエリンシア姉さんの手伝いをしようじゃないか!」
リーフ  「……きが くるっとる」
ロイ   「正直すぎだよリーフ兄さん……」
マルス  「いや、そう言いたくなるのも無理はないよ。僕なんかさっきから吐き気を必死で堪えてるんだから」
ロイ   「それも行きすぎでしょ!?」
リーフ  「しかし、一体あの二人に何が……」
リン   「……セリカ? あれって……」
セリカ  「ええ。お二人にはこの一週間、ミラの修道院でちょっとした修行に励んでいただきました」
リーフ  「しゅ、修行……ですか」
セリカ  「具体的な内容については教義的な秘密になるから話せないけど……」
ロイ   「いや、話さなくていいよ怖いから」
セリカ  「そう? ああ、でも初歩的なことぐらいならいいかしら。まず真っ暗な地下室に閉じ込め……入ってもらって、
      ミラ聖典に記された天国と地獄についての講義を丸一日かけて詳細かつ綿密に絶え間なく」
ロイ   「話さなくていいったら!」
ヘクトル 「あはははは、いやー、神の道はとても素晴らしいなあ」
エフラム 「そうだね。僕らもミラ神が与えたたもうた温かき日差しの下、世界平和のために邁進していかなければいけないよ」
リーフ  「完全に目が死んでる……」
マルス  「これが宗教的なマインドコントロールというものか……参考になるなあ」
ロイ   「しないでよ」
セリカ  「ふふ……リン姉さんのお願いに答えつつ信者も獲得して、一石二鳥とはまさにこのことね!」
リン   「元に戻して、お願いだから」