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Last-modified: 2007-12-16 (日) 00:29:42

主人公さんちの犬

あるうららかな春の日。ミカヤが庭にホースを引っ張り出して、オルグを洗っている。
ミカヤ「さ、オルグ。きれいきれいしようね」
サザ「ミカヤ……前から言おうと思ってたんだけどな……。
よその家の人をこういう扱いしてたら、まずいんじゃないか」

と言いつつ、シャンプーを手伝うサザ。ミカヤより大きいから大変だ。

ミカヤ「どうして? オルグ、とっても気持ちよさそうじゃない」
サザ「でも、犬小屋に入れてるよな」
ミカヤ「オルグは外が好きだからね」
サザ「チャムミキサーとペディグリーチャムを混ぜて与えてるし」
ミカヤ「ビーフが好物だって言うんだもの」
サザ「首輪とリードつけっぱなしだけど、抗議されないのか?」
ミカヤ「そうじゃないと通りすがりの人が怖がるじゃない」
サザ「どっからどう見てもペットじゃないか」
ミカヤ「サザ」

わしわししながら、にっこり微笑むミカヤ。

ミカヤ「プノレートって知ってる?」
サザ「……フッフーマウスの飼い犬か?」
ミカヤ「そうよ。フッフーにはグーヒーって友達もいて、彼も犬なのよね。
グーヒーは服着てフッフーと対等に友達づきあいしてるのに、
同じ犬のプノレートは裸で首輪でペットなの。どういうことかしらと思わない?
あれはなに? 彼の愛人でそういうプレイの最中なの?」
サザ「……ミカヤ……」
ミカヤ「さ、洗いあがったわ」

自分で向こうに歩いていってブルブルする、お利口なオルグ。

ミカヤ「人権のある動物と無い動物がいるのよね」

サザがぎょっとして振り返ると、ミカヤはにこにこ笑いながらフリスビーを取り出している。

ミカヤ「サザ、私プノレート大好きよ」
サザ「………」

ぽーんと投げられたフリスビーを追いかけて、一散に走り出すオルグ。
サザはこれ以上突っ込むのをやめることにした。
明日は我が身という言葉が浮かんだからだ。