7-236

Last-modified: 2008-01-16 (水) 20:39:42

書初めエイリーク

エイリーク「……ただいま帰りました……」
ロイ   「ど、どうしたのエイリーク姉さん!? そんなに落ち込んで!」
エイリーク「いえ……セライナ先生のところに書初めに行ってきたのですが……」
マルス  「ああ、あの年上かつ既婚のおじ様に憧れてるせいで婚期がどんどん遅れてると、
      エレブ学園のセシリア先生と肩を並べるほどに評判のセライナ先生」
ロイ   「失礼だよ兄さん……で、どうしたの姉さん? 上手くいかなかったの?」
エイリーク「いえ……そういうわけではないのですが……」

 ~回想~

エイリーク「……いかがでしょうか」
セライナ 「……ふむ。見事なものだなエイリーク君。『世界平和』とは、いかにも君らしい」
エイリーク「ありがとうございます。心を込めて書きました」
セライナ 「……本当か?」
エイリーク「え……?」
セライナ 「確かに、形は見事なものだ。だが、心という点ではどうか……?」
エイリーク「……」
セライナ 「……もう一度、心の命ずるままに書いてみたまえ。君の本気が見たい」
エイリーク「は、はい! ……心の命ずるまま、心の命ずるまま……ッ!」

 スッ、スッ、スッ……!

エイリーク「……できました」
セライナ 「……」
エイリーク「……? いかがなさいましたか、先生? 今度こそ心を込めて……」
セライナ 「いや……確かにその、正直だ、とは思うが……」
エイリーク「……?」
セライナ 「……自分の書いた文字を、もう一度よく見てみたまえ」
エイリーク「は……? …… …… …… !!」

エイリーク「……こんな次第で……」
マルス  「……で、心の命ずるままに書いてしまったのが、これですか」

 その半紙には、紙からはみ出さんばかりの巨大な文字が、力強く書かれている。
 曰く、

 『 豊 胸 』 

マルス  「……新年早々、やってしまいましたね……」
エイリーク「……恥ずかしいです……」
ロイ   「これは、確かに……なんとうか……」
エイリーク「あのときのセライナ先生の表情を思い出すだけで、わたしはもう、もう……!」
ロイ   「ま、まあまあ、とりあえずお疲れ様」
マルス  「ほら、上がっておせち食べようよ、おせち」
エイリーク「……たくさん食べれば胸に栄養がいくでしょうか……」
ロイ   「……なんでもそこに結びつけるのは危険だよ姉さん……」