その他/【デジキューブ】

Last-modified: 2020-09-04 (金) 19:51:16

旧スクウェアが1996年に自社ゲーム作品のコンビニ販売を目的として設立した子会社。
この会社の設立に伴って、旧スクウェアはアクエスブランドとして今まで未開の地であった
麻雀ゲームや野球ゲームの開発に乗り出した。
売り切れた時の追加注文による返品は却下していたものの、初期出荷で売れ残った分の返品は認めていたため、
収益率はかなり悪く、パラサイトイヴ2やクロノクロス等の準看板作品ですら不振に陥ってからは
実質的に本家FFナンバー発売によるゲーム・攻略本の売上がメインとなっていたと思われる。
その後、旧スクウェアによるFF映画の不振により旧スクウェアとの連結決算を切り離され、
音楽配信事業も事件に巻き込まれるなど低調で、更には頼みの綱であったFF12の発売が延期され、
スクウェアとエニックスの合併による兼ね合い(旧エニックスが出版部門を持っている)のこともあり、
またコンビニ事業に頭打ちを認めざるを得なくなった(と思われる)ために、2003年倒産。
個人的にしばらく某大手コンビニに残った、一時期は同社の宣伝で騒がしかったブラウン管が
静かにたたずんでいたのが寂しく思った。

  • 余談だが、設立前に当時のエコノミストに事業の成功率を酷評されており、
    デジキューブ関係者は彼らを見返してやるくらいの気概であったらしい。
    しかし、最終的には皮肉にもエコノミストの言う通りになってしまったが…

ITバブルの流れに乗って起業したと思われるこの会社だが、
RPG以外の新開拓ジャンルがよそのメーカー作品と似かよっていたり、
発売後かなりの時が過ぎた作品でも頑なに定価販売していたりと
時代に逆行している部分もかなり見られたと思う。


かつてデジキューブから販売されていた攻略本やサントラの数々は、
版を重ねたり再発されるタイミングでスクエニ名義での販売に切り替わっている。
そのためか、コレクターの中には今となっては貴重なデジキューブ名義のアイテムを高い金を出してほしがる人がいる。
勿論中身は一緒なのでご心配なく。


FF10アルティマニアの分冊化や、当初予定のなかったFF9アルティマニアの発売は、
経営が苦しかったデジキューブの資金繰りが目的の一端であったと思われる。


コンビニでゲームが買える!ということよりも、高い!の方が敬遠されてた感がある(割引一切なしの定価販売なので)。

  • まあ、当時のSCEが中古ゲーム販売に規制をかけようとしていた時代で、一定期間経過後に中古の代わりに廉価版の「PS THE BEST」売ろう!という方針だったためなのであるが。現代のスクエニ的には「アルティメットヒッツ」がその流れに乗った物。
    電車賃とか含めれば結局同じぐらいとはいえ、やっぱそのイメージは覆せなかったかな。
    ただFFVIIIは予約者限定のストラップが欲しくて結局デジキューブで買った記憶。
    • 2010年台半ば以降のコンビニはプリペイド式の残高チャージ券はおろか一部人気作品のDL版のコードの印刷された紙が買える場所になった。

2020年8月末、スクエニ元CEOの和田さんのnoteのFFCCリマスター発売記念のタイミングで投稿した内容によると、
「デジキューブの流通システムが任天堂と1次問屋(初心会流通)による流通システムが古くさい物であるということを世に知らしめてしまった結果、旧スクウェアが任天堂から出入り禁止となる要因のひとつとなった」などと述べている。興味のある人は読んでみよう。