エレメンツ
「失敗ジャンプ」なのに加点がつくのはおかしいのでは?
失敗の程度にもよりますが、ここでは予定されたジャンプ構成(例えば 2A)より少ない回転数(1A)が実行された場合を想定します。
基本的に、採点は実施されたジャンプに対して行われます。予定構成と異なる種類、回転数のものが行われたとしても、予定と異なるという理由のみではいかなる減点も行われません。
たとえ選手自身が当初2Aを企図しておりながら踏切前後に瞬時の判断から予定回転数を減らした(1A)としても、そのジャンプ自体(1A)が正しく実行され、かつその質がGOE加点基準に沿うと見做されたならば、加点がつけられることに問題はありません。
実際には、踏切直後に体が開きパンクする、あるいは踏切後の空中姿勢で軸が曲がるなどして途中でやむを得ず回転を止め、それにより空中姿勢や着氷が乱れ質が低下し減点されることのほうが多くなりますが(「スピード,高さ,距離,空中姿勢が拙劣:-1から-2、拙い着氷 :-1から-2、など)、それでも、踏切の直前あるいは途中に不調を察知し安全に回転数を減らすための動作が取れた場合は、加点がつくこともあります(「十分に伸ばした着氷姿勢 」、「無駄な力が全く無い」など)。
回転不足やエッジエラーがついたジャンプは「成功」とはいえますか?
使われる文脈やケースによりますが、原則としては、必要回転数を満たさない場合またエラーが付加されたジャンプは成功とは言い難いです。目安としては、
- 正しいエッジで踏み切っている(エッジエラー(e)がつけられていない)
- 必要回転数を充足している(回転不足、ダウングレード判定されていない)
- 正しく着氷している(転倒、ステップアウト、お手つきなどがない)
という条件を満たしていれば「成功」と呼んで差し支えないでしょう。
[ただ、習得過程において、また長らく成功から遠ざかってた場合に、「(各種エラーはありつつも)なんとか降りた」という意味合いで「成功」という表現が使われることはあります。
質問です。拙劣な踏み切りの例を挙げてください。また、オーバーターンは拙い着氷に入りますか?それとも、別のところに入りますか?
拙劣な踏切:引っかき・ルッツ・フリップの左足以外の間違ったエッジ・不正な姿勢などです。
また、オーバーターンは、
2回目ですがすみません。流れのない堪え(こらえ)で、単独の場合はどこに入りますか?1ジャンプで片手またはフリーフットがタッチダウンですか?それとま、拙い着氷ですか?また、長い構えの例、スピード、高さ、距離、空中姿勢が拙劣の、スピード、高さ、距離は、どれくらいが拙劣ですか?そして、ジャンプで降りてからバランスを崩した場合は、拙い着氷に入りますか?それとも、違う場所に入りますか?
そして、拙い着氷の悪い姿勢、間違ったエッジ、引っかき以外の例を教えてください。
スケーティング・演技評価
演技中のバッククロスの回数が少ないほうがスケート技術は高いのですか?
直接的な関係はありません。
詳細はを参照してください。
PCS解説映像のスケート技術も見ておくといいかもしれません
フィギュアスケートにバレエの素養は必要なのですか?
(tba)
採点システム、ジャッジ・テクニカルパネル
転倒した選手の方が、転倒していない選手より順位が高いのはなぜですか?
現在の採点システムでは、転倒は減点の一項目でしかありません(総得点から-1引かれる)。たとえ転倒しようとも、その減点分より高い評価が要素技術展や演技構成点で得られれば、他の選手より総得点で上回ることは十分ありえます。
ジャッジは素人なのですか?
[いいえ、各種講習会や実地採点などの訓練を受け、必要な試験をパスし、十分な年数をこなさないとジャッジパネルにはなれませんので、「素人」とはとても言えません。特にテクニカルパネルは所持級などの(日本の場合バッジ[7]級、全日本選手権[xx]位以上の実績)条件があります。]
プロトコルを見ていたら、一人だけ明らかに外れたGOEをつけているジャッジがいたのですが、、
ミスジャッジはありえます。演技終了後から1~2分ですべての採点を完了させないといけないため、誤操作・押し間違い、ショート規定の見過ごしなどが生じるケースは時折あります。
直近の例では2014年ソチオリンピック個人女子ショートのリプニツカヤ選手の演技において、レイバックスピンLV4に対して、9人中6人のジャッジがGOE +3 をつけ、残りも +1, +2をつけるなか、一人だけ -3 をつけたジャッジがいました(当該プロトコル)。当該スピンの質は十分高く、-3をつける要因は見当たらないため、おそらく +3 の付け間違いか何かでしょう。
また別の例として、ジャンプ着氷時のステップアウトは「最終的な GOEが必ずマイナスとなるエラー」に該当するため、GOEは -1 以下となるべきですが、誤って+1 が付けられたケースもあります(参照:2011世界選手権女子SP。キム・ヨナ選手の3Lzの判定をめぐって)。
これらはあくまで「誤審」の範囲であり、不正とは直接結び付けられません。
ジャッジパネルはなぜ「匿名」なのですか?
正確に言うと、各ジャッジパネルの名前は Officials として公開されているため、厳密な意味での匿名ではありません。ただ、[ISU開催大会においては]、「ランダムオーダー制が採用されている」、すなわち、どのジャッジがどの点数を出したか紐付けられていない、という形になっています。(なお[多くの]国内大会やローカル大会では、このランダムオーダー制は採用されておらず、匿名ではありません。)
(以下草稿)
この制度が採用された目的は、「買収防止」にあります。買収においては、その確約(どの選手には高く/低くする、など)どおりに操作が行われたか確認する必要がありますが、ランダムオーダー制では文字通り「ランダム」でしか表示されないため、実際にそのジャッジが確約を実行したかを確認することができず、買収の効果がなくなります。
また、ジャッジ個人への攻撃を防ぐ、という側面もあるでしょう。