秘封とミスティア

Last-modified: 2010-01-23 (土) 19:07:55

47 名前: 名前が無い程度の能力 投稿日: 2005/06/05(日) 20:16:56 [ 4uA8d8Lw ]
メリー「蓮子ー、疲れたようー。もう歩きたくないー」
蓮子 「情けない声出さないの! あなただってこんなとこで野宿したくないでしょ。ほら、きりきり歩く!」
メリー「あーん、お腹空いたよぅー。あったかいご飯が食べたいー」
?????「あったかいご飯なら……」
蓮子 「!?」
ミスティア「私の目の前に~♪」
メリー「え? どこどこ?」
ミスティア「あんただあんた!」
メリー「蓮子の方は冷たそうだものね。いろいろと」
蓮子 「失礼ね。私は野心と行動力にあふれた熱い女よ」
メリー「火傷しそうなくらいね。どっちにしても食用には適さないと思うわ」
ミスティア「私は全然かまわないよ。冷たければ温めなおせばいいし、熱いんなら今から冷たくしてあげる」
蓮子 「どうやら、こいつは危ない方の妖怪みたいね」
メリー「じゃあ食えない蓮子さんに頑張ってもらおうかしら」
蓮子 「私、野蛮なことは嫌いなの。せっかくだから、さっそくさっきのあれを使ってみましょう」
メリー「ほんとに役立つのかしら?」
蓮子 「やってみれば解るわ……出でよ、妖怪ホタル男ーーーっ!!」
リグル「私は女だって言ってるだろーー!」
ミスティア「ぐはぁーー!!」
蓮子 「おおーっホタルキック炸裂!」
ミスティア「な、なんで私が……きゅー」
リグル「その妖怪なんたらって呼び方やめてよ! 私にはリグルって名前があるの!」
蓮子 「じゃあ今のはリグルキックね。さすが、必殺技にふさわしい威力だわ。敵が一撃よ」
リグル「敵? って、ひぇぇーっ、み、みすちぃーー!?」
メリー「なになに、知り合い?」
ミスティア「ぐすんっ、なんでいきなりリグルが蹴り入れてくるの~。私なにか嫌われることした~?」
リグル「い、いや、今のは事故で……でもほら、開幕直後だったらそんなにライフ減らないし……」
ミスティア「そういう問題じゃないでしょ~。大体なんであんたが花映塚のシステム知ってるのよ?」
リグル「そ、それはほら……みすちーが新作出るっていうから、私も一緒に戦えたらいいな、って思って……」
ミスティア「…………(ぽっ)」

蓮子 「なんだか妙な展開になってきたわね」
メリー「今のうちに逃げちゃおうか?」
蓮子 「それは名案ね。そそくさそそくさ……」
 
 
48 名前: 名前が無い程度の能力 投稿日: 2005/06/05(日) 20:18:54 [ 4uA8d8Lw ]
ミスティア「ああーっ、こらそこの二人、どこへ行くー!」
蓮子 「いきなりばれたわ」
ミスティア「最近、巫女魔女メイドのせいでろくにご飯にありつけてないんだから! あんた達は絶対に逃がさないわよ!」
リグル「亡霊が抜けてるよ?」
ミスティア「そいつの事は口にしないでっ! ああっ、おぞましい! 聞いただけで鳥肌が立ってきたわ」
リグル「でもみすちー。この人間、結構いい人たちだよ? 食料にするのはちょっと……」
ミスティア「なによ、私に飢え死にしろって言うの?」
リグル「い、いや、でもほら、こいつら喰っちゃったら、蛍を愛でてくれる人いなくなっちゃうから……」
ミスティア「ふーん、リグルはどうしてもこいつらを喰ってほしくないわけだ……それなら」
リグル「ちょ、ちょっとみすちー、うわっ!」
ミスティア「私の狩りの邪魔をするっていうなら、あなただろうと蹴散らすまでよ!」
リグル「なな、なんで私がみすちーと対決しなくちゃいけないの!」
ミスティア「問答無用よ! 大体あんたが花映塚に出るって言うなら、私たち敵同士よ! それくらいの覚悟しときなさい!」
リグル「そ、そうか、勝ち台詞で『蛍はお呼びでない』とか言われる事になってもおかしくない……」
ミスティア「そういう事よ! 私だって、私だって2ボス同士、チルノちゃんと仲良くなりたかった……けどあんなセリフを言った今では、もう叶わない夢よ! それが、花映塚に出るということなのよ!」
リグル「き、聞こえる。みすちーの心の叫びが」
ミスティア「私は新作に出る権利と引き換えに、ひとつの友情を失ったのよっ!」
リグル「い、いやみすちー、まだ手はあるよ。みすちーがツンデレになればいいんだよ!」
ミスティア「ツ、ツンデレっ!? 私がっ!?」
リグル「…………」
ミスティア「…………(けっこう、いいかも?)」
 
 
50 名前: 名前が無い程度の能力 投稿日: 2005/06/05(日) 20:22:15 [ 4uA8d8Lw ]
メリー「あのー、なんか話がよくわからない方向に行ってるんですけど……」
ミスティア「はっ!?……と、とにかく勝負よリグル。あなたにも、私の2ボスとしての貫禄を見せつけてあげるわ」
リグル「貫禄って、いつも亡霊にあんなめちゃくちゃにされてるくせにいまさら……って、ああーっ! それが本音だなみすちー!」
ミスティア「な、なによっ?」
リグル「負け続きの憂さ晴らしを私でしよう、って腹なんでしょ!」
ミスティア「うっ! ……ふ、ふん、だからどうしたって言うのよ! 私だってたまには勝ち勝負がしたいのよ! 悪いっ!?」
リグル「か、勝ち勝負だって!? なにそれ、そんなに私が弱いっていうの!? あったまきた! いいわよ、その勝負乗ってやろうじゃないの!」
ミスティア「ふふっ、そうこなくちゃね……けど、しょせんはリグルね、浅はかよ!」
リグル「なにー?」
ミスティア「私は鳥使い、あなたは虫使い……あなたの使い魔はことごとく捕食される運命よ。勝ち目なんてないわ!」
リグル「……ふん、そんなのやってみなきゃわからないわ! いくわよっ!」
ミスティア「ああ、さすがはリグル、なんて愚かなの! でも手加減なんかしないわ。さっきの蹴りのお返しよ!」
リグル「弾幕展開、『ナイトバグストーム』!」
ミスティア「『イルスタードダイブ』!」
リグル「さあ虫たち、あそこの鳥女をぶちのめしてしまえー!」
ミスティア「はははっ、そんなもの、一匹残らず食い尽くして……って、あれ?」
リグル「ふっ……策を誤ったね、みすちー」
ミスティア「え、えっ? なんで食べないの? わわっ、ちょっ、まっ、うきゃーー!?」
 
リグル「勝負あり……ね」
ミスティア「うう……なんでこんな……」
リグル「考えが足りなかったのは、みすちーの方だったみたいだね」
ミスティア「そ、それはどういう……」
リグル「わからないの? イルスタードダイブは、鷹の襲撃……」
ミスティア「はっ!?」
リグル「鷹は猛禽よ! 虫は食べない!」
ミスティア「がーん! そーだったー!」
リグル「己の有利に溺れ、スペルの選択を誤ったみすちーの負けよ!」
ミスティア「ううっ、なんてこと、リグルに頭で負けるなんて……これじゃ私も⑨レベルだわ……」
リグル「まてそれはどういういみだ」
ミスティア「ぐすっ、とにかく負けたからには仕方ないわ。ここはリグルの顔を立てて、あの二人は諦めてあげる……」
 
 
51 名前: 名前が無い程度の能力 投稿日: 2005/06/05(日) 20:24:31 [ 4uA8d8Lw ]
リグル「だってさ。良かったねおふたりさん」
蓮子 「すごいわ! ここのケンカは、あんな派手にドンパチやりあうのね!」
メリー「よく素直に感動できるわねぇ。私、あんな虫の大群をけしかけられたら、見ただけで卒倒するわよ」
蓮子 「メリーは臆病ねえ」
メリー「これが普通の反応よ。蓮子の感性がずれてるのよ」
蓮子 「ねえねえ、私もあなた達みたいに生き物を操ったり、魔法の弾を撃ったりできないかしら?」
メリー「ほら、酔狂が始まったわ」
リグル「ええー? そりゃあ人間でも弾幕ごっこするやつはいるけど……」
ミスティア「見た感じ、あなたは何の心得もない普通の人間でしょ? いきなりは無理じゃないかなぁ」
蓮子 「そうなの……口惜しいわ」
ミスティア「わかったわ、それなら特別に私のスペルカード貸してあげる」
蓮子 「スペルカード! なんだかすごく魔法的な響きだわ。素敵」
ミスティア「宣言するだけで使えるように、妖力込めといてあげる。これならあなたにも使えると思うよ」
蓮子 「これを使えば、私にもさっきみたいなドンパチができるのね?」
ミスティア「うん、一回限りだけど。ついでに相手を鳥目にする効果もあるよ。すごいでしょ!」
蓮子 「本当に魔法みたいねぇ!」
メリー「ねぇ蓮子~、話がついたんなら早く先に進もうよ~。私、眠くなってきちゃった」
蓮子 「まったく、さっきまで歩きたくないとか言ってたくせに」
メリー「ほら、月が出てるうちに急ぎましょうよ。あなたと違って、私はあの満月の明かりがないと不安でしょうがないんだから」
蓮子 「はいはい、解ったわよ。じゃあお二人さん、またねー」
 
 
 
ミスティア「あーあ、また食べそこねちゃった。お腹空いたなぁ……いっそ人間の里からさらってこようかしら」
リグル「な、なに馬鹿なこと考えてるの! あそこにはあの恐ろしい半妖が……手を出したら、どんなひどい目にあわされるか……」
ミスティア「冗談に決まってるでしょーが。 ……でもあなた、あれをやけに怖がるのね。因縁つけられたことでもあるの?」
リグル「ひぇぇ! そ、それは聞かないで! うああ、悪寒がしてきた……ガクガク」
ミスティア「ふーん、誰にでも天敵っているものなのねぇ。あの2人も妖怪という天敵たちを前にして、どこまで生き延びられるかしら。あっさり喰われちゃ、見逃してあげた甲斐がないわ……」