百合小説を出版元や掲載誌、内容の傾向等から分類し、百合小説作品の全体像を示したいと思います。作品を探す時のてがかりになれば幸いです。
ただ、最初に断っておきますが、小説は微々百合作品ばかりです。百合作品まとめ内で百合度20%以下の作品群は、百合を求めて読むものではありません
(どの辺が百合?と頭をかしげると思います。)どうしても読むものがなくなった人や、百合以外の作品設定やあらすじに興味を感じた人は、
手を出してみるのもありだと思いますが、それ以外の方にはオススメしません。
1、ライトノベルの百合
- 男性向け百合
- 女性誌系統の百合
- 読者狙い(読者サービス)百合
ライトノベル、文学系、R-18系に大きく分かれる中、ライトノベルの中でもさらに3つに分かれます。まず、男性向け百合小説は、萌え絵の女性キャラ同士をいちゃいちゃさせたり恋愛関係に置く作品群です。
あらすじやタイトルで直接的に百合小説をアピールしているので一発でわかります。次に、女性誌系統の百合小説は、マリア様がみてるに代表されるような、少女小説(コバルト文庫等)から
発表されている作品群です。思春期少女の淡い憧れや女性同士の友愛関係に百合を感じる小説ですが、男性向けのように女性同士を恋愛関係におしこむ展開は皆無なので、趣が異なります。
最後の読者狙いの百合小説は、作品に百合性をとってつけた作品群です。百合を取り除いても話は成立し、女性を愛でる女性キャラが登場しているという程度です。
ライトノベルで百合を読む場合、最後の読者狙い百合(百合度20%以下または、あらすじから百合が感じられない作品)は、ほぼ読まなくて差し支えありません。
男性向けは、読んで大ハズレはないと思います。女性誌系統は、マリア様がみてるに心酔できるか否かで、読むか否か選んでみてはいかがでしょう。
2、文学系小説の百合
- 作品のメインテーマが同性愛
- 同性愛者の登場による百合
- SF、ミステリー、ファンタジー小説の百合
文学系小説の百合は大きく分けて3種類あります。まず、小説のメインテーマが同性愛の作品群です。同性愛とはなんなのか。同性愛の苦悩。性愛・性別とは等のテーマを表現するために、
女性同士の肉体関係や恋愛模様、現実とのしがらみなどが物語られます。次に、同性愛者が登場し物語のアクセントや重要なキーになっている作品群があります。
同性愛について深く踏み込みまないという違いだけでその境界は曖昧です。最後に、ミステリーやファンタジーやSF小説に含まれる百合については、
ライトノベルの読者狙い百合とほぼ同様です。ライトノベルの露骨さはないですが、女性に親愛や羨望や大切さを示す女性キャラがあらわれる程度です。
文学系小説で百合を読む場合、まず、肉体関係やリアリティに満ちた恋愛模様(妥協・惰性)や、愛とは何かという話題の好き嫌いを明確にする必要があります。
好きな人は、様々な作家の真新しい切り口を堪能できます。ただ、SF・ミステリ・ファンタジー小説の百合は、百合を期待しないほうが賢明です。
そもそも嫌いな人は文学系小説の百合全般は読まないほうがいいでしょう。
3、R-18又はそれに準ずる官能小説系の百合
エロをベースにして百合を混ぜた作品群です。キャラ造詣や設定、語り口が気に入ればツボにはまる1冊もきっとあると思います。
そもそもの官能表現への耐性と、各作品にでてくるかもしれないSM、触手、鬼畜、陵辱系等の耐性も確認して買いましょう。販売数が少ない(手に入れにくい)ことが難点かと。