百合小説をはじめて読む人に向けた、百合小説に関する事前知識を示したいと思います。
大前提として、自分の好みにあった百合小説を見つけるのは困難。
- 小説=読解というハードル
文章から百合を読みとくのは想像力(文章読解力)次第。アニメや漫画のようにわかりやすい百合描写ではないので、小説の百合は人によってかなり感じ方が分かれると思います。
- 百合度メインの作品が圧倒的に少ない
メインテーマが百合の作品が圧倒的に少ないです。また、友情百合、パートナー百合、姉妹百合などその傾向も様々で、また、百合度が低い作品ばかりです。
- 専門レーベルの不在
百合小説の専門雑誌や専門作者は今のところほとんど皆無です。本屋で突発的に出会うのは難しいかと。(下調べが肝心)
百合小説の傾向別全体像(大分類)
- ライトノベル系
- 文学系
- R-18系
百合小説は上記のように毛並みの違う3分野に分類できます。女の子のいちいちゃ中心のラノベ系や、同性愛のもつ意味や意義について描こうとする文学系、
官能(興奮させる)目線で女性同士展開を描くR-18系。大枠を踏まえたうえで、自分の好みのにあう分野を探しましょう。(見出しクリックで3分類の詳細な説明ページへ)
百合小説入門作品ピックアップ
自分に合った作品があるか不明、百合をメインテーマにした作品も少なく、女性同性愛でも、表現内容や取り扱いがかなり作者によって異なる・・・などなど
ハードルは高いですが、それでも茨の道に踏み入りたい方用にいくつか、百合小説の各路線の入門的作品をピックアップします。
- 384,403km―あなたを月にさらったら
肉体描写が多めですが、メインテーマが百合で男性向けのラノベ百合 - アイドライジング!
全体的な百合度は低いながら、主人公の慕いや友情百合がメインのラノベ百合。百合っぽい(読者サービス)ラノベ百合 - あなたにここにいて欲しい
文学系百合小説ながらラノベ要素ありといったところ。ラストが残念ながら同性愛と超能力を絡ませ読みやすい。 - 先輩と私
興奮させるための文章を意識して書かれたR-18系百合小説。SM・鬼畜要素ありですが読みやすい。
百合作家の紹介
百合や同性愛関連をよく用いる作家さんを紹介します。(順不同)メインストーリー+登場人物が百合っぽいという微百合作品が多いので注意。また、各作家により描き方がことなるので注意。
- 瑞智 士記
女性陣が主役に据えられることが多く、女性同士が心や物事に立ち向かったり、対立する展開が多く、それらが百合めいてみえる。 - 宮木 あや子
数多くの作品を手がける。そのなかで思春期少女の繊細な心の葛藤を描く作品がある。精神的繋がりの百合描写あり。 - 中里 十
掴みどころのない魅力を持つ女性の言動や感情に振り回される女性の”独特な”付き合いと心理を描く。 - 森田 季節
女性陣が主役に据えられることが多く、女性同士が心や物事に向きあったり、対立する展開が多く、それらが百合めいてみえる。 - あさの あつこ
数多くの作品を手がける。そのなかで思春期少女の繊細な心の葛藤を描く作品がある。精神的繋がりの百合描写あり。 - 中山 可穂
女性同性愛を現実的な視点で描こうとする作品多数。大人の女性同士メインの物語。 - 仁川 高丸
ジェンダー(文化によってつくられた性)、同性愛とは何かといった性と向き合うような作品をいくつか。 - 吉屋 信子
戦前の人物。精神的な繋がりやエスの世界を描く百合小説の草分け的作家。当時の少女のバイブルとまでよばれる作品を刊行。 - 森 奈津子
同性愛エロス×コメディ作品を多数刊行。コメディによりすぎる作品もあるがバランス良い作品も。 - 鳳翔 伶
ライトで読みやすいR18小説の絡み部分を女性同士で描きましたという全力エロの作品を。 - 松浦 理英子
ジェンダー(文化によってつくられた性)、同性愛とは何かといった性と向き合うような作品をいくつか。
漫画やアニメ以上にハズレ(自分に合わない)が多いので、注意していただければ幸いです。
オススメ小説のハズレは少ないと思うので、参考に鑑賞ください。